コンテンツにスキップ

正八胞体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
正八胞体を中心投影したもの
正八胞体のもっとも有名な展開図への展開と、展開図からの組み立ての様子。中心投影。

正八胞体(せいはちほうたい、: regular 8-cell、オクタコロン〈英語: octachoron〉とも)とは、四次元正多胞体の一つ。8個の立方体からできている。四次元の超立方体である。

四次元(超)立方体: 4-cube, 4-hypercube)、超立方体: hypercube)、テッセラクト: tesseract、テセラクトとも)ともいう。文献によっては4-cubeの逐語訳に近くかつ短い「4-立方体」と呼ぶこともある。「テッセラクト」は、チャールズ・ハワード・ヒントンの造語とされる。

性質

[編集]

要素の個数と接続関係

[編集]
  • 胞(3次元要素):8個。全て立方体
  • 面:24枚。全て正方形。各面には立方体2個が集まる。
  • 辺:32本。各辺には正方形3枚、立方体3個が集まる。
  • 頂点:16個。各頂点には辺4本、正方形6枚、立方体4個が集まる。
  • 双対正十六胞体
  • シュレーフリ記号:{4,3,3}

各次元の要素の個数についての解釈や算出方法はいくつかある。例えば、正八胞体を立方体が第4の方向に適当な距離だけ運動した軌跡――いわば「立方体柱(cubic prism)」――と見ることによる算出は、よく知られている。一般に k 次元要素の個数は と表される。

パスカルの三角形の最上段を0行目、パスカルのピラミッド英語版の最上段を0段目と数えることにする。正八胞体の胞、面、辺、頂点の数はそれぞれパスカルのピラミッドの4段目の三角形の適当な行の数字の総和に等しい。超立方体の最も長い対角線に沿って見た場合、胞、面、辺、頂点はそれぞれパスカルのピラミッドの4段目の適当な行に並ぶ数字通りのグループに分割される。

また、面、辺、頂点に集まる各次元の図形の数は、それぞれに対応する面図形、辺図形、頂点図形におきかえて数えることができ、それぞれ、線分の端点の数、正三角形の頂点と辺の数、正四面体の頂点と辺と面の数に等しい。それぞれパスカルの三角形の2行目、3行目、4行目の両端以外の項としても現れる。

頂点座標

[編集]

16個の頂点の座標の取り方の例を挙げる。最も考えやすいのは次のように取ることだろう。

  • (±1, ±1, ±1, ±1) (複号任意) …… 16個

この場合、一辺の長さは2になる。第4の座標を無視するように3次元へと平行投影すると、3次元の立方体と同じ形になる。

また、次のように頂点を取ることもできる。

  • (±2, 0, 0, 0) の全ての置換 …… 8個
  • (±1, ±1, ±1, ±1) (複号同順) …… 2個
  • (1, 1, 1, 1) の全ての置換 …… 6個
(2行目と3行目をまとめて、(±1, ±1, ±1, ±1) の複号のうち偶数個が正であるものと言い換えることもできる。)

この場合、一辺の長さは2になる。第4の座標を無視するように3次元へと平行投影すると、3次元の菱形十二面体と同じ形になる。

その他の性質

[編集]

正八胞体の内部を無視して境界上の立方体だけを考えるとき、分離しない展開図は261通りある。ただし、3次元空間において鏡像関係にあるものを同一視して数えている。[1]

正八胞体の2次元以上の要素を無視し、頂点と辺のみをえがく図(骨格グラフ[2]などと呼ばれる)は、2次元平面にえがくと必ずどこかに辺の交差を生じる。これはクラトフスキーの定理などの例になっている。

立方体の針金をせっけん液に二度浸してシャボン玉を作ると、正八胞体のある種の三次元投影図の形になることが知られている(ただし、このときできる面はわずかに曲がっている)。

ギャラリー

[編集]

脚注

[編集]
  1. MathWorld, “Tesseract” (Weisstein)
  2. 日比孝之『凸多面体論』共立出版、2022年、99頁。ISBN 978-4-320-11462-3

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]