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欧州文化首都

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
欧州文化都市および欧州文化首都に選ばれた都市の位置
2009年 欧州文化首都のシンボルを側面に描いたリンツの路面電車
2008年 欧州文化首都リヴァプールのバナー

欧州文化首都(おうしゅうぶんかしゅと、: European Capital of Culture: capitale européenne de la culture)は、欧州連合 (EU) が指定した都市で、一年間にわたり集中的に各種の文化行事を展開する事業。

歴史

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当初、欧州文化都市: European City of Culture: ville européenne de la culture)と呼ばれていたこの事業は、1983年ギリシャの文化大臣メリナ・メルクーリが提唱し、1985年アテネを最初の指定都市として始まった。当初は、加盟国を一つずつ巡回する形で行われ、順番にあたる国の政府が開催都市を決定した。初めは各国の首都など、文字どおり欧州を文化面で代表する都市が選ばれることが多かったが、やがて単なる文化事業ではなく、観光客の誘引など経済効果も大きい事業として注目されるようになると、都市開発の契機とすることを企図して、比較的知名度やイメージが見劣りする経済的に停滞した都市などを選ぶ例が増えていった。特に文化が都市と周辺地域の長期的な文化ベースの開発戦略の一部として組み込まれている場合、欧州文化首都は社会的および経済的利益を大幅に最大化すると考えられている。[1]

1999年、名称が欧州文化都市から欧州文化首都に変更された。

欧州連合拡大に伴いこの事業の導入希望が増えたことを受け、2000年には一挙に9都市が指定され、その後も年次によっては複数の都市が指定されるようになった。2011年より、文化首都に選ばれた別個の国の二都市は協力して活動し、協力してイベントを運営している。

文化首都に選ばれるためには、欧州全体の文化の特徴を備えた文化プログラムを計画し、またそのイベントにはその都市の市民の参加も不可欠である。選ばれるイベントのテーマや芸術家や運営者も欧州各国から集まったものでなくてはならず、またプログラム自身もその都市の長期的な文化、経済、社会発展に継続的な効果のあるものでなくてはならないとされている。

2021年度(新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、実際には2022年度)から、EU加盟候補国(アルバニアモンテネグロ北マケドニアセルビアトルコ)、加盟候補国となる可能性がある諸国(ボスニア・ヘルツェゴビナコソボ)および欧州自由貿易連合 (EFTA) 加盟国(アイスランドリヒテンシュタインノルウェースイス)の都市からも、3年に1度欧州文化首都が選ばれることになった。選考は、立候補した都市のオープンコンペ方式による[2]

欧州文化首都の一覧

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欧州文化都市・欧州文化首都の一覧
都市名 国名ウェブサイト
欧州文化都市
1985年アテネギリシャの旗 ギリシャ
1986年フィレンツェイタリアの旗 イタリア
1987年アムステルダムオランダの旗 オランダ
1988年西ベルリン西ドイツの旗 西ドイツ
1989年パリフランスの旗 フランス
1990年グラスゴーイギリスの旗 イギリス
1991年ダブリンアイルランドの旗 アイルランド
1992年マドリードスペインの旗 スペイン
1993年アントウェルペンベルギーの旗 ベルギー
1994年リスボンポルトガルの旗 ポルトガル
1995年ルクセンブルク市ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク
1996年コペンハーゲン デンマーク
1997年テッサロニキギリシャの旗 ギリシャ
1998年ストックホルム スウェーデン
欧州文化首都
1999年ヴァイマルドイツの旗 ドイツ
2000年ブリュッセルベルギーの旗 ベルギー
アヴィニョンフランスの旗 フランス
サンティアゴ・デ・コンポステーラスペインの旗 スペイン
ボローニャイタリアの旗 イタリア
ベルゲン ノルウェー
クラクフポーランドの旗 ポーランド
ヘルシンキ フィンランド
レイキャヴィークアイスランドの旗 アイスランド
プラハ チェコ
2001年ロッテルダムオランダの旗 オランダ
ポルトポルトガルの旗 ポルトガル
2002年サラマンカスペインの旗 スペイン
ブルッヘベルギーの旗 ベルギー
2003年グラーツ オーストリアgraz03.at
2004年リールフランスの旗 フランス
ジェノヴァイタリアの旗 イタリア
2005年コークアイルランドの旗 アイルランドcork2005.ie
2006年パトラギリシャの旗 ギリシャ
2007年シビウ ルーマニアsibiu2007.ro
ルクセンブルク市ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク
2008年スタヴァンゲル ノルウェーstavanger2008.no
リヴァプールイギリスの旗 イギリスliverpool08.com
2009年ヴィリニュス リトアニアculturelive.vilnius.lt
リンツ オーストリアlinz09.at
2010年エッセンドイツの旗 ドイツruhr2010.de
ペーチ ハンガリーen.pecs2010.hu
イスタンブールトルコの旗 トルコistanbul2010.org
2011年トゥルク フィンランドturku2011.fi
タリン エストニアtallinn2011.ee
2012年ギマランイスポルトガルの旗 ポルトガルguimaraes2012.pt
マリボルスロベニアの旗 スロベニアmaribor2012.info
2013年マルセイユフランスの旗 フランスmarseille-provence2013.fr
コシツェスロバキアの旗 スロバキアkosice2013.sk
2014年ウメオ スウェーデンumea2014.se
リガ ラトビアriga2014.org
2015年モンスベルギーの旗 ベルギーmons2015.eu
プルゼニ チェコplzen2015.net
2016年サン・セバスティアンスペインの旗 スペインsansebastian2016.eu
ヴロツワフポーランドの旗 ポーランドwro2016.pl
2017年オーフス デンマークaarhus2017.dk/
パフォスキプロスの旗 キプロスpafos2017.eu/
2018年レーワルデンオランダの旗 オランダ2018.nl
バレッタマルタの旗 マルタvalletta2018.org
2019年マテーライタリアの旗 イタリアmatera-basilicata2019.it/
プロヴディフ ブルガリアplovdiv2019.eu/
2020年 - 2021年4月ゴールウェイアイルランドの旗 アイルランドgalway2020.ie/
リエカクロアチアの旗 クロアチアrijeka2020.eu
2022年カウナス リトアニアkaunas2022.eu/
エシュ=シュル=アルゼットルクセンブルクの旗 ルクセンブルクesch2022.lu/
ノヴィ・サドセルビアの旗 セルビアnovisad2021.rs/新型コロナウイルス感染症の世界的流行による延期)
2023年ヴェスプレーム ハンガリーveszprembalaton2023.hu
ティミショアラ ルーマニアtimisoara2021.ro/(新型コロナウイルス感染症の世界的流行による延期)
エレウシスギリシャの旗 ギリシャ2023eleusis.eu/(新型コロナウイルス感染症の世界的流行による延期)
2024年タルトゥ エストニアtartu2024.ee/
バート・イシュル オーストリアsalzkammergut-2024.at/
ボードー ノルウェーbodo2024.no/
2025年ノヴァ・ゴリツァ / ゴリツィアスロベニアの旗 スロベニア
イタリアの旗 イタリア
go2025.eu/
ケムニッツドイツの旗 ドイツchemnitz2025.de/
2026年トレンチーンスロバキアの旗 スロバキアtrencin2026.sk/
オウル フィンランドoulu2026.eu/
2027年リエパーヤ ラトビアliepaja2027.lv/
エヴォラポルトガルの旗 ポルトガルevora2027.com/
2028年(未定) チェコ
(未定)フランスの旗 フランス
2029年(未定)ポーランドの旗 ポーランド
(未定) スウェーデン
2030年(未定)キプロスの旗 キプロス
(未定)ベルギーの旗 ベルギー
(未定)(未定)
2031年(未定)マルタの旗 マルタ
(未定)スペインの旗 スペイン
2032年(未定) ブルガリア
(未定) デンマーク
2033年(未定)オランダの旗 オランダ
(未定)イタリアの旗 イタリア
(未定)(未定)

脚注

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  1. Burkšienė, V., Dvorak, J., Burbulytė-Tsiskarishvili, G. (2018). Sustainability and Sustainability Marketing in Competing for the Title of European Capital of Culture. Organizacija, Vol. 51 (1), p. 66-78 https://www.degruyter.com/downloadpdf/j/orga.2018.51.issue-1/orga-2018-0005/orga-2018-0005.pdf
  2. European Capitals of Culture”. European Union (2021年2月6日). 2021年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月6日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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