次世代省エネルギー基準

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次世代省エネルギー基準(じせだいしょうエネルギーきじゅん)、もしくは、住宅の省エネルギー基準(じゅうたくのしょうエネルギーきじゅん)とは、1999年3月に、建設省により改正された日本の断熱化基準の通称である。

この基準により、先進国の中では最低だった日本の住宅の断熱基準が、やっと欧米基準の最低レベルに達するようになった[1]。ただし、次世代省エネルギー基準も、多くの先進国の断熱基準よりゆるく設定されている上、法的拘束力が無いため、日本の住宅の断熱化率は先進国の中でも最低である[要出典]

2010年にドイツで行われたパッシブハウスカンファレンスにて日本の次世代省エネルギー基準の値を発表したら会場から笑いが起こった。さらに、この基準が義務ではなく努力目標であり、住宅の30%以下しか達成出来ていない事を発言したら会場から失笑を買った[2]

概要[編集]

次世代省エネルギー基準は、住宅全体の断熱性能に関する「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断と基準」及び、外壁、窓などの断熱性能に関する「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計及び施工の指針」によって定められている[3]

日本国政府は2020年までに全ての新築建造物の断熱化を義務化する予定である。その際には現在の省エネルギー基準より厳しい断熱化基準を採用する予定である[4]

地域区分[編集]

現在施行されている平成21年改正版の次世代省エネルギー基準では、地域ごとに断熱性能の要求が違い、Ⅰ地域からⅥ地域までの6つの地域区分に分けられている。地域区分は、市区町村単位で決められており、都道府県ごとの地域区分の中に例外がある。例えば、栃木県は自体はⅢ地域に属するが、同県日光市ではⅡ地域に、宇都宮市ではⅣ地域に分類される。 平成27年4月1日に完全施行となる平成25年改正版の次世代省エネルギー基準では、I地域とIV地域がそれぞれ2つに分けられ、1地域から8地域までの8つの地域区分に細分化されている。

都道府県レベルの平成21年改正版次世代省エネルギー地域区分[5]
地域 都道府県
I地域 北海道
II地域 青森県 岩手県 秋田県
III地域 宮城県 山形県 福島県 栃木県 新潟県 長野県
IV地域 茨城県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 富山県 石川県 福井県 山梨県
岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県
佐賀県 長崎県 熊本県 大分県
V地域 宮崎県 鹿児島県
VI地域 沖縄県
平成25年改正版次世代省エネルギー地域区分[6][7]
地域 都道府県
1地域(Ia地域) 北海道(道東・道北の大部分など)
2地域(Ib地域) 北海道(道央や道南の一部など) 青森県(旧十和田湖町・旧七戸町・田子町) 岩手県(旧山形村・八幡平市・葛巻町・岩手町・西和賀町)
3地域(II地域) 北海道(道南の大部分など) 青森県(3地域と4地域以外の全域) 岩手県(3地域と4地域以外の全域) 秋田県(III地域以外の全域) 宮城県(旧栗駒町) 山形県(4地域以外の全域) 福島県(会津の大部分や浜通りの一部など)
栃木県(日光市) 群馬県(片品村・みなかみ町の北部・嬬恋村) 新潟県(旧入広瀬村・津南町) 長野県(北部・中部の山間部) 山梨県(富士吉田市周辺) 岐阜県(飛騨北部の大部分)
4地域(III地域) 青森県(旧青森市・深浦町) 岩手県(太平洋沿岸や内陸の一部) 秋田県(日本海沿岸) 宮城県(3地域以外の全域) 山形県(山形市周辺や日本海沿岸) 福島県(3地域と5地域を除く全域)
茨城県(つくば市周辺) 群馬県(北部の一部など) 栃木県(北部) 埼玉県(旧大滝村) 新潟県(3地域と5地域以外の全域) 長野県(3地域と5地域以外の全域) 山梨県(山間部の一部)富山県(山間部の大部分) 石川県(旧吉野谷村・旧尾口村・旧白峰村) 福井県(旧和泉村)
岐阜県(飛騨北部の一部や飛騨南部の大部分) 愛知県(旧稲武町) 奈良県(南部の一部) 和歌山県(旧花園村・高野町) 兵庫県(旧関宮町周辺)
鳥取県(山間部の一部) 島根県(山間部の一部) 岡山県(北部山間部の一部) 広島県(北部の大部分) 徳島県(旧東祖谷山村) 高知県(旧本川村)
5地域(IVa地域) 福島県(いわき市周辺) 茨城県(4地域と6地域以外の全域) 群馬県(3地域と4地域以外の全域) 埼玉県(4地域と6地域以外の全域) 千葉県(成田市周辺) 東京都(多摩の大部分) 神奈川県(西部の内陸部) 新潟県(新潟市などの日本海沿岸) 長野県(旧清内路村・大鹿村) 富山県(4地域以外の全域) 石川県(4地域と6地域以外の全域) 福井県(4地域と6地域以外の全域) 山梨県(3地域と4地域以外の全域)
岐阜県(3地域と4地域と6地域以外の全域) 静岡県(山間部の一部) 愛知県(山間部の一部) 三重県(内陸部の一部) 滋賀県(6地域以外の全域) 京都府(6地域以外の全域) 大阪府(能勢町周辺) 兵庫県(4地域と6地域以外の全域) 奈良県(4地域以外の全域) 和歌山県(山間部の一部)
鳥取県(内陸部の大部分) 島根県(山間部の大部分) 岡山県(北部の大部分や南部の山間部) 広島県(北部の一部や南部の山間部) 山口県(山間部の一部) 徳島県(山間部の一部) 愛媛県(久万高原町周辺) 高知県(山間部の一部)
大分県(竹田市周辺) 熊本県(阿蘇市周辺) 宮崎県(椎葉村・高千穂町・五ヶ瀬町)
6地域(IVb地域) 茨城県(鹿嶋市周辺) 群馬県(千代田町) 埼玉県(熊谷市や越谷市周辺) 千葉県(5地域以外の全域) 東京都(5地域以外の全域) 神奈川県(5地域以外の全域) 石川県(金沢市) 福井県(旧越廼村や敦賀市周辺)
岐阜県(岐阜市周辺) 静岡県(5地域と7地域以外の全域) 愛知県(4地域と5地域以外の全域) 三重県(5地域と7地域を除く全域)
滋賀県(旧大津市) 京都府(京丹後市や京都市周辺) 大阪府(5地域以外の全域) 兵庫県(海沿いや淡路島) 和歌山県(4地域と5地域と7地域以外の全域)
鳥取県(日本海沿岸) 島根県(日本海沿岸) 岡山県(瀬戸内海沿岸) 広島県(瀬戸内海沿岸) 山口県(海沿い) 徳島県(4地域と5地域以外の全域) 香川県 愛媛県(5地域と7地域以外の全域) 高知県(山間部の一部) 福岡県(7地域以外の全域)
佐賀県 長崎県(山間部の一部) 大分県(5地域以外の全域) 熊本県(5地域と7地域以外の全域) 宮崎県(えびの市周辺) 鹿児島県(伊佐市周辺)
7地域(V地域) 茨城県(旧波崎町) 東京都(島嶼部の大部分) 千葉県(銚子市) 静岡県(伊豆半島の太平洋沿岸) 三重県(尾鷲市周辺) 和歌山県(南部の太平洋沿岸) 山口県(旧下関市)
徳島県(牟岐町・美波町・海陽町) 高知県(4地域と5地域と6地域以外の全域) 愛媛県(愛南町周辺) 福岡県(福岡市のうち博多区・中央区・南区・城南区) 長崎県 大分県(旧佐伯市・旧鶴見町・旧米水津村・旧蒲江町) 熊本県(天草など) 宮崎県(5地域と6地域以外の全域) 鹿児島県(6地域以外の全域)
8地域(VI地域) 沖縄県

地域ごとの一次エネルギー消費量[編集]

地域ごとの一次エネルギー消費量(単位:GJ/年)[6]
地域区分 Ia Ib II III IVa IVb V IV
暖房設備の一次エネルギー消費量 92.8 81.8 25.6 25.2 20.6 15.2 8.5 -
冷房設備の一次エネルギー消費量 - - 1.7 2.6 2.6 6.5 7.4 13.5
給湯設備の一次エネルギー消費量 30.5 29.3 26.5 26.3 24.7 22.2 20.0 15.8

出典[編集]

  1. ^ 日本の省エネルギー基準は世界でどのレベルか
  2. ^ パッシブハウスジャパンニュースレター 009号 2010年6月22日発行
  3. ^ 次世代省エネルギー基準(平成11年基準)
  4. ^ 省エネ基準、20年度義務化=新築住宅対象に-国交、経産省検討
  5. ^ 次世代省エネルギー基準の地域区分について
  6. ^ a b 住宅事業建築主の判断基準における地域区分
  7. ^ ホームズ君.com - 平成25年省エネ基準