横田洋三
横田 洋三(よこた ようぞう、1940年10月17日 - 2019年6月12日[1])は、日本の法学者。専門は国際法。学位は、法学博士。国際基督教大学教授、東京大学教授、中央大学教授を歴任。法務省特別顧問。国際連合大学高等研究所客員教授。国際労働機関(ILO)条約勧告適用専門家委員会委員長。国際法律家委員会委員。公益財団法人人権教育啓発推進センター理事長。
来歴
[編集]1940年10月7日、大西洋上を航海中の箱根丸の船内で出生[2]。
高校在学中の1958年-1959年、AFS奨学生として米国ペンシルバニア州の高校に留学[3]。1960年に東京教育大学附属中学校・高等学校を卒業[2]。高校の同期には、川口順子(外務大臣)、畔柳信雄(三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)、島村英紀(国立極地研究所所長)、星出豊(昭和音楽大学教授)、松本元(脳科学者)などがいた。
1964年、国際基督教大学教養学部社会科学科(国際法専攻)を卒業[3]。東京大学大学院法学政治学研究科修士課程、および同博士課程を修了。1969年、東京大学より法学博士の学位を取得[2]。
1969年に国際基督教大学専任講師に就任、同準教授、教授を経て、1995年に東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授、2001年に中央大学法学部教授、2004年に同法科大学院教授に就任。同年より国連大学学長特別顧問も務める。2011年に中央大学を定年退職[2]。
この間、在外研究で1971年-1972年コロンビア大学ロースクール研究員[3]、1983年アデレード大学客員教授、1984年ミシガン大学客員教授、1984年-1985年コロンビア大学客員教授を歴任。
さらに国際復興開発銀行(世界銀行)法律顧問、国際連合人権促進保護小委員会代理委員としてカースト問題などに取り組むなど、国際機関での活動歴も豊富。
「国連改革に関する有識者懇談会」メンバー。池上清子国際連合人口基金東京事務所長は、国際基督教大学での指導学生[4]。
受賞歴
[編集]著書
[編集]単著
[編集]- 『国際社会と法――平和と発展の条件』(放送大学教育振興会、1986年)
- 『20世紀と国際機構』(国際関係基礎研究所、1989年)
- 『国際司法裁判所――判決と意見第2巻(1964-93年)』(国際書院、1996年)
- 『国際司法裁判所――判決と意見第1巻(1948-63年)』(国際書院、1999年)
- 『国際機構の法構造』(国際書院、2001年)
- 『日本の人権/世界の人権』(不磨書房、2003年)
編著
[編集]- 『国際法入門』(有斐閣、1996年/第2版, 2005年)
- 『国際機構入門』(国際書院、1999年)
- 『国際組織法』(有斐閣、1999年)
- 『国連による平和と安全の維持――解説と資料』(国際書院、2000年/第2版, 2007年)
- 『新版国際機構論』(国際書院、2001年)
- 『国際関係法』(放送大学教育振興会、2002年)
- 『新国際人権入門 SDGs時代における展開』法律文化社、2021年11月。ISBN 978-4-589-04179-1。
共編著
[編集]- (森本敏)『予防外交』(国際書院、1996年)
- (総合研究開発機構)『アフリカの国内紛争と予防外交』(国際書院、2001年)
- (山村恒雄)『現代国際法と国連・人権・裁判――波多野里望先生古稀記念論文集』(国際書院, 2003年)
- (大芝亮・久保文明・総合研究開発機構)『グローバル・ガバナンス――「新たな脅威」と国連・アメリカ』(日本経済評論社, 2006年)
- (宮野洋一)『グローバルガバナンスと国連の将来』(中央大学出版部、2008年)
訳書
[編集]- ケネス・E・ボールディング『社会動学入門』(竹内書店, 1971年/「歴史はいかに書かれるべきか」に改題, 講談社[講談社学術文庫], 1979年)
- モーリス・ベルトラン『国連再生のシナリオ』(国際書院、1991年)
- モーリス・ベルトラン『国連の可能性と限界』(国際書院、1995年)
- ミシェリン・イシェイ『人権の歴史――古代からグローバリゼーションの時代まで』(明石書店、2008年)
脚注
[編集]- ^ a b “横田洋三氏が死去 法務省特別顧問”. 日本経済新聞. (2019年6月14日) 2020年5月4日閲覧。
- ^ a b c d e 人類の道しるべとしての国際法――平和、自由、繁栄をめざして 横田洋三先生古稀記念論文集(国際書房、2012年2月9日閲覧)
- ^ a b c http://blog.livedoor.jp/liberalarts21/archives/44183144.html
- ^ 「第18回 池上 清子 | 今を輝く同窓生たち」 | 国際基督教大学同窓会