横浜新都市交通1000形電車

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横浜新都市交通1000形電車
Yokohama New Transit 1000kei.JPG
1000形電車(通常塗装の編成) 並木中央にて
基本情報
製造所 東急車輛製造新潟鐵工所
日本車輌製造三菱重工業
主要諸元
編成 5[1]
軌間 1,700 mm
電気方式 直流750[1]V
最高運転速度 60[1] km/h
設計最高速度 60[1] km/h
最高速度 60[1] km/h
起動加速度 3.5[1] km/h/s
減速度(常用) 3.5[1] km/h/s
減速度(非常) 4.5[1] km/h/s
編成定員 357[1]
車両定員 (Mc1,Mc5)45[1]
(M2,M3,M4)75[1]
自重 11[1]t
編成重量 55.0t
編成長 40,000[1]mm
車体長 8,000[1] mm
車体幅 2,380[1] mm
車体高 3,280[1] mm
車体 普通鋼
台車 側方案内 前後 4輪ステアリング方式
平行リンク式ユニット台車 ダイヤフラム形空気ばね使用[1]
主電動機 直流分巻電動機[1]
主電動機出力 100[1]kW
駆動方式 直角駆動装置[1]
歯車比 6.833[1]
編成出力 600[1]kW
制御装置 高周波分巻チョッパ制御方式[1]
界磁チョッパ制御方式[1]
制動装置 回生制動併用電気指令式空気ブレーキ[1]
保安ブレーキ[1]
駐車ブレーキ付[1]
保安装置 ATOATCおよびTD装置
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横浜新都市交通1000形電車(よこはましんとしこうつう1000がたでんしゃ)は、横浜シーサイドライン(旧・横浜新都市交通)に在籍し金沢シーサイドラインで運用されていたAGT新交通システム車両

概要[編集]

金沢シーサイドライン新杉田 - 金沢八景間の開業に合わせて登場した、建設省運輸省(共に現・国土交通省)制定の「新交通システムの標準化と基本仕様」の規格に基づいた第一号の車両であり、1988年昭和63年)から1989年平成元年)[2]にかけて5両編成17本(85両)が新潟鐵工所日本車輌製造東急車輛製造三菱重工業で製造された。

車両番号の付与方法は、百ならびに十の位で製造順を(第一編成であれば「01」)、一の位で編成内における連結順を示すという、横浜市営地下鉄の各形式に準じた方式が採用されている。

車体[編集]

車体は普通鋼製であり、片側1箇所に両開客用扉を備える。車両の総重量を軽くするため、数々の工夫が各所に施されており、車両の妻面にある機器スペースを腰の高さまで調整したため、AGTでは珍しく妻面に窓が設置されている。塗装はホワイトをベースカラーとし、窓周りがマリンブルー、窓下にオレンジ・イエローの帯が回っている。なお、第17編成は、窓下の帯が緑の濃淡とされている。また、第12編成が横浜F・マリノスによるラッピング車両[3]で、第15編成がシーサイドライン20周年記念ラッピング車両[4]となっていた。

車内装備[編集]

座席はオールロングシートで、空調装置は天井からの吊下げ型である。網棚は設置されていない。座席モケットの柄は、製造当初はベージュにブルー・オレンジの帯が入ったものであったが、2001年(平成13年)12月末から後述の車体再生工事の際、一部の編成を除き工事と同時に赤系のモケットへ更新されている[5]。窓には日除けとしてレースの横引きカーテンが備えられている。

主要機器[編集]

帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現・東京地下鉄01系電車などで採用実績を有する、高周波分巻チョッパ制御界磁チョッパ制御方式を採用し、3段階に変調するチョッパ音が特徴である。ブレーキ方式は電気指令式空気ブレーキで、回生制動を併用する。主電動機は出力100kWで、編成中に6台、1両あたり1台(3両目のみ2台)装備される。なお、日本のAGTの車両で主回路にチョッパ制御を採用している車両は、この1000形のほかにも桃花台新交通100系電車(2006年に路線廃止)や広島高速交通6000系電車がある。

その他[編集]

ATOによる無人運転が行われている。走行距離を常に計測し続け、記憶した走行データと照合して加減速を行う。走行距離の誤差が累積しないよう、各駅の手前で無線による誤差修正が行われる。保安装置はATCを採用している[6]

導入後の変遷[編集]

車両更新[編集]

製造から13年が経過し、海上部を走行することにより老朽化が進んだことから、2001年(平成13年)12月から2005年(平成17年)2月にかけて、車体更新が施工された。車体の腐食部分の部分補修・一部機器の交換・外板の再塗装等が施され、前面スカートに表記されていた車両番号を前面窓下に移設した。また、一部の編成を除き、工事と同時に座席シートモケットの交換を実施した。新しい車両番号表記は白文字から青文字になり、サイズも拡大されている。また度々、要望が出ていた自動放送装置の更新は2007年(平成19年)6月から開始され、内容に英語放送が追加された。なお、更新の際に座席モケットの交換が行われなかった編成は10F・17Fである。(10Fは廃車まで未更新)ちなみに10F・17Fはそれぞれ最後の1・2番目の更新施工編成であり(10Fは2004年12月、17Fは2005年2月に施工)、シート交換は最後から3番目の2004年8月施工の16Fで打ち切っていた。

2008年(平成20年)3月より、車番末尾「2」の車両に車椅子スペースを設置した。なお、更新対象から外れた07Fは2007年(平成19年)に廃車され、同編成のシートは2009年1月に17Fに転用された。

淘汰[編集]

オークション販売された運転台

前記更新を経て運用された本形式であるが、製造後20年を超過し老朽化が進行したことから、2011年(平成23年)以降、新型車両2000形によって代替されることとなった。2000形は2014年までに16編成が導入され、本形式は全編成が置き換えられた。

2007年に廃車された07Fの解体発生品の一部は2007年5月に開催された京急ファミリー鉄道フェスタ(主催・京浜急行電鉄)において売却された。

2011年・2012年に廃車された編成の解体発生品の一部は、翌年3月に開催されたシーサイドラインフェスタにおいて売却された。また2012年廃車分は、運転台が切り離され、オークション販売された。

2013年12月26日、2014年で1000形が全車引退することが発表された。引退記念イベント第1弾として、2014年1月25日と26日の2日間、車両基地にて事前予約制の1000形撮影会を開催した。

2014年3月1日、8日、15日、21日、22日の計5日間、事前応募制で引退記念イベント第2弾として、1000形運転体験を開催した。

2014年5月17日、24日、事前応募制で引退記念イベント第3弾として、1000形サヨナラ乗車会を実施。24日のさよなら運転を最後に全車引退した[7]

なお、全車引退後も1編成(第16編成)が車両基地に保存されており、2014年11月30日には見学ツアーが実施されたほか[8][9]、毎年春に実施されている『シーサイドラインフェスタ』でも屋外展示が行われている。

編成・運用[編集]

本形式は車椅子スペース・弱冷房車の位置が2000形とは異なるほか、2・4号車が優先車両となっていた。なお、○○のところに来る数字は、前述の編成番号となっている(例、1111 → 11編成)。

横浜新都市交通1000系編成表(車両更新後)

 
号車 1 2 3 4 5
形式 1○○1
(Mc1)
1○○2
(M2)
1○○3
(M3)
1○○4
(M4)
1○○5
(Mc5)
設備 普通 優先席
弱冷房
International Symbol of Access.svg
普通 優先席 普通

前述したように第12編成、第15編成、第17編成はイベント用編成との位置付けをされていたが、全編成が共通運用されており、特に運用上の区分はされていなかった。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 横浜新都市交通シーサイドライン用車両 - 車両技術185号
  2. ^ 1989年に落成した車両については、車内の製造銘板の製造年に「昭和64年」と記されているものと「平成元年」と記されているものの2種類が存在した。
  3. ^ 開業20周年記念 横浜F・マリノス号 出発進行!! 2012年1月2日閲覧。
  4. ^ シーサイドライン開業20周年記念イベントについて (PDF) 2012年1月2日閲覧
  5. ^ 第10編成に関しては座席モケットの更新が行われておらず、唯一原形のモケットを装備する編成となっている。第17編成も更新時に座席交換を施工しなかったが、こちらは2009年1月に車椅子スペース設置工事と同時に施工した。
  6. ^ 安全報告書横浜新都市交通株式会社 2009年度
  7. ^ 1000型車両サヨナラ企画“第3弾”1000型車両サヨナラ乗車体験会! 参加者募集 - 横浜シーサイドライン、2014年3月24日、2014年3月28日閲覧。
  8. ^ トピックス詳細 シーサイドライン×京急 見学ツアーの開催について<おかげさまで満員となりました> - 横浜シーサイドライン、2014年11月10日、2017年5月9日閲覧。
  9. ^ 佐藤正樹(キハユニ工房) (2016年1月19日). “京急とシーサイドライン、1000形見学のコラボツアー…11月30日”. Response. (Response.). https://response.jp/article/2014/11/12/237214.html/ 2017年5月9日閲覧。