横尾将臣

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よこお まさとみ
横尾 将臣
生誕 1969年3月12日
香川県
国籍 日本の旗 日本
民族 日本人
出身校 大阪府立羽曳野高等学校
職業 実業家
活動期間 2008年 -
テレビ番組 NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀
公式サイト 横尾 将臣公式ブログ

横尾 将臣(よこお まさとみ、1969年-)は、日本実業家。メモリーズ株式会社代表取締役[1][2]。日本における遺品整理の第一人者として、大学の臨時講師を務めるほか、団体、企業、自治体などで講演活動を行っている[2]。また、毎日放送TBS共同制作のテレビドラマ『遺品整理人 谷崎藍子』の監修を務めた[2]ほか、NHKプロフェッショナル 仕事の流儀』(2018年7月23日放送)では、横尾の遺品整理の現場の様子が取材・放映された[3]

人物・経歴[編集]

1969年3月12日香川県に生まれ、大阪育ち。ラガーマン、サックス奏者の経歴を持つ[2]。1987年、大阪府立羽曳野高等学校時代にはラグビーで大阪選抜に選ばれる。卒業後、ラグビーで本田技研に入社。1年後に退職、上京しサックス奏者としての活動を始める。幼少時より音楽の才能に恵まれ、一度聴いただけで曲が弾けるほどで、小学生の頃よりサックスを吹く[4]

「遺品整理」に興味を抱いたきっかけは、祖母の入浴中の孤独死だった。遺品の整理をしていた母が、あまりの大変さに片付け中に体調を崩したのを見て、遺族の負担と心情に思い至り、仕事として代わりに遺品を整理することで遺族の力になり社会貢献にもつながるのではと思った。日本で最初に遺品整理業を手掛けた会社「キーパーズ」に入社、ノウハウを学ぶ。想像していたのとは全く違うすさまじい現場であった。ラグビーで鍛えた体も心もボロボロになったという[5]。しかし、凄惨な現場での作業後に故人の娘から泣いて感謝されたことや、ほとんどの遺族からは喜んでもらえたことがモチベーションとなり、続けることができた。しかし、既存の業者の多くが「遺品整理」と称しながら、故人の思い出の詰まった遺品を不用品のごみとして処分するのは、遺品整理とは言えず単なる不用品処分ではないかと疑問を感じ[6]、2年後の2008年に独立。遺品整理専門会社「メモリーズ」(堺市堺区)を設立。仕事を通じ社会に貢献したいとの思いもあり、不要な遺品は買収し、リサイクルで施設や海外ボランティアへの寄付に充当した。それにより処分代を大幅に削減し、料金を安くするなどの工夫をした[4][7]。日本全国で1万社以上存在するといわれる遺品整理業者の中でも、メモリーズは受注件数・成約率でトップクラスで[3]、月に150件近い依頼があり、その数は10年前に比較し約15倍に増えているという[8][9][10][5]。また、当初は遺品整理が主体であった依頼が、2010年代に入って以降は生前整理が半数を占めるようになった[11]。横尾が立ち会った現場はすでに1万件を超えている(2017年現在)[12]

横尾は孤独死の現場を数多く手掛けるうちに、「孤独死のほとんどは、亡くならなくてもいい人が亡くなっている」と感じるようになり、心身ともに苦痛を抱えて追い込まれながら生きている人が眼前にいても、近隣でそのSOSを察知するコミュニティがないことに危機感を感じるようになる。横尾によれば、孤独死や「ゴミ屋敷」で暮らしていた多くの人は、程度の差こそあれ自分自身の生活や行動を管理できない状態に陥った「セルフネグレクト(自己放任)」である点で共通しているが[13][5][11]、その8割はSOSを察知することで未然に防げたはずという[6]。また、孤独死を防止するのに、介護や福祉に関わり、高齢者が健全な生活を続けるために住環境を整える「福祉整理」が必要であることに気付き、生活が荒れ始めた段階で誰かが手を差し伸べることで救えた命があったはずと「福祉整理」の重要性を各地で講演するようになった。「福祉整理」は、施設入居や入院に伴う家財整理・撤去、自宅介護のための不用品整理、認知症の人の住環境整理、自分で片付けができない人のための定期的なハウスクリーニングなどを言い、高齢化社会の中で確実に需要を拡大しつつあるという[4]

著書の中で横尾は「葬儀は肉体的な別れ、遺品整理は精神的な別れ」と発言している[14]

略歴[編集]

  • 2019年
    • 6月1日、消臭専門の会社「消臭プロ」(大阪市)を設立。一般家庭、不動産会社、不動産オーナー向けに特化したサービスを関西一円で始める[18]。 
    • 8月1日、『老いる前の整理はじめます!』(共著、NPO法人コンシューマーズ京都)発刊。第5章「横尾将臣(メモリーズ㈱)の現場からのレポート」を執筆[19]
    • 8月30日、同志社寒梅館で行われた認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ・DFJS2019プレ・イベント「ゴミ屋敷とセルフ・ネグレクトから〜地域で支えるネットワークを考える〜」で講師を務める[13]

著書[編集]

  • 『遺品整理から見える高齢者社会の真実』(2016年2月15日、ギャラクシーブックス)ISBN 4865700544 ISBN 978-4865700541
  • 『老いる前の整理はじめます!』(西山尚幸、川口啓子、奥谷和隆、横尾将臣共著、NPO法人コンシューマーズ京都、クリエイツかもがわ) ISBN 978-4863422636 C0036

メディア[編集]

テレビ[編集]

出演[編集]

監修[編集]

  • 2010年5月24日 - 2015年7月27日『遺品整理人 谷崎藍子』(1-5作、毎日放送・TBS共同制作)

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f メモリーズ株式会社公式サイト - 会社概要”. 2019年6月6日閲覧。
  2. ^ a b c d メモリーズ株式会社公式サイト - 代表のあいさつ”. 2019年6月6日閲覧。
  3. ^ a b c d NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』公式サイト - 2018年7月23日(月)遺品と心を、整理する遺品整理士・横尾将臣”. 2019年6月6日閲覧。
  4. ^ a b c d e f キットプレス - 私的・すてき人「亡くなった方の人生を遺族に伝える、僕にはその使命がある」File.073「メモリーズ」株式会社 代表取締役 横尾将臣さん”. 2019年6月6日閲覧。
  5. ^ a b c 『地域ケアリング』vol.17 2015年
  6. ^ a b 『訪問介護サービス』(日総研 2011年5、6月号)
  7. ^ 朝日新聞』2012年4月8日付「思い出をつなぐ」
  8. ^ 『朝日新聞』2018年5月14日付「部屋に満つ声なき叫び」
  9. ^ メモリーズ株式会社公式サイト - 毎日新聞2018年5月13日付朝刊”. 2019年6月6日閲覧。
  10. ^ THE INTERNATIONAL GRAPH「人と企業」横尾将臣×藤波辰爾
  11. ^ a b 『朝日新聞』2016年10月18日付夕刊「生前整理 向き合う家族」
  12. ^ 『通販生活』2017年夏号(カタログハウス)
  13. ^ a b 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブDFJS2019プレ・イベント~ゴミ屋敷とセルフ・ネグレクトから〜地域で支えるネットワークを考える〜”. 2019年9月6日閲覧。
  14. ^ 『遺品整理から見える高齢者社会の真実』(2016年2月15日、ギャラクシーブックス)
  15. ^ a b c d 特許情報プラットフォーム”. 2019年6月6日閲覧。
  16. ^ メモリーズ株式会社公式サイト - 読売新聞「老い 2016 - 孤立と闘う”ゴミ屋敷生死の狭間”」”. 2019年6月6日閲覧。
  17. ^ 公益財団坂田記念ジャーナリズム振興財団”. 2019年6月6日閲覧。
  18. ^ 全国賃貸住宅新聞2019年6月10日発刊(№1369)
  19. ^ Book review - 老いる前の整理はじめます!暮らしと「物」のリアルフォトブック”. 2019年7月30日閲覧。
  20. ^ ニコニコ生放送 - 稲川淳二の怪談グランプリ2009”. 2019年6月6日閲覧。
  21. ^ goo テレビ番組 - VOICE 2012年11月1日放送回”. 2019年6月6日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]