椛島有三

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椛島 有三(かばしま ゆうぞう、1945年 - )は、日本の右派社会運動家日本会議事務総長[1][2]日本青年協議会日本協議会会長[3]、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」事務局長[4]

経歴[編集]

佐賀県に生まれる[5]

1965年長崎大学に進学[6]1970年に中退[7]日本青年協議会を結成[6]。月刊誌『祖国と青年』を主宰し、同誌に多数の寄稿を行う[2]

1978年石田和外が中心になって結成された「元号法制化実現国民会議」、それを改組して1981年に結成された日本を守る国民会議で事務局長を務め[5]1997年にその後身として結成された日本会議では事務総長となった[2]。また、天皇陛下御即位十年奉祝委員会事務局長[8]、天皇陛下御即位20年奉祝委員会副事務総長なども務めた[2]

2016年、藤生明は、活動当初から今日までの椛島らの活動を振り返り、「学生時代からビラを配り、新聞を作り、選挙で自治会を掌握した。「左翼のマネばかりするな」といわれながらも、署名を集め、地方議会の決議を積み上げた。とにかく「まじめ」。仕事ぶりで保守派の信頼を獲得し、政権中枢への足がかりをえた。」と述べた[9]

言及[編集]

朝日新聞記者の藤生明によると、長崎大学の学生時代に、当時は反共愛国路線であったとされる生長の家を信仰しており、学園正常化を目指し「デモ反対・全学連反対」のビラを配っていた際、リンチに遭って全学連打倒を決意し[注 1]、学生自治会の選挙に仲間を擁立して活動、民族派の自治会が誕生させることに成功したとしている[6]。また、日本青年協議会は、生長の家学生会全国総連合の(生学連)の仲間らとOB組織を結成したとされ、統一教会系の「原理研究会」とも協力して「長崎大学学生協議会」(長大学協)を結成したと述べている[6]。また、椛島が生み出した「学協方式」と呼ばれる「ビラ、新聞、講演会、学習会を駆使する学内マスコミの確立といった組織的な戦術」は生学連を通じて全国の学生運動に広まっていったとしている[6][注 2]

BuzzFeed Japanは、菅野完の著書『日本会議の研究』の出版停止を求める申入書が「日本会議事務総長 椛島有三」を差出人として発行元の扶桑社2016年4月28日に送付されたと報じた[10]。申入書は『日本会議の研究』について「日本会議について裏付けの取れない証言を並べ、活動を貶める目的で編集されており、団体・個人の名誉を傷つける。」とし、「日本会議が、宗教的背景を持つ特定の人物」に関連づけられた結論については、「全く事実に反している」と主張している[10](同書は2017年1月、東京地裁が一部記述について、取材も客観的資料もないことを著者自身が認識しており「真実でないと言わざるを得ない」と名誉棄損を認め、販売差し止め仮処分の決定を下した[11][12][13]

おもな著書[編集]

単著[編集]

  • 米ソのアジア戦略と大東亜戦争 明成社、2007年 ISBN 9784944219520
  • 皇室を発見した若者たち―ご在位十年 天皇陛下御即位十年奉祝委員会、2000年

共著[編集]

  • 江崎道朗との共著)戦後教育を歪めたGHQ主導の教育基本法―国会議論の焦点「国を愛する心」「宗教的情操」「教育に対する国の責任」を問う 明成社(日本会議ブックレット)、2006年 ISBN 9784944219445
  • 中西輝政との共著)日本再興へ!―皇室を守り、尖閣・沖縄を防衛し、中国の脅威に如何に立ち向かうか 明成社(日本会議ブックレット)、2012年 ISBN 9784905410157
  • 仲村俊子との共著:日本会議事業センター 編)祖国復帰は沖縄の誇り 明成社(日本会議ブックレット)、2012年 ISBN 9784905410058

分担執筆[編集]

  • (中西輝政監修、英国教育調査団編)サッチャー改革に学ぶ教育正常化への道―英国教育調査報告 PHP研究所、2005年 ISBN 9784569641355
  • (中西輝政、日本会議編著)日本人として知っておきたい皇室のこと PHP研究所、2008年 ISBN 9784569699042

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1966年、安東巌と椛島有三の2名で学園正常化有志会を結成したという。(安東巌「学園正常化への闘い」生学連新聞、1969年。)[6]
  2. ^ 朝日新聞記者の藤生明によると、全国の学生運動に加わったメンバーに衛藤晟一井脇ノブ子百地章伊藤哲夫高橋史朗らがいるとされる[6]

出典[編集]

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  1. ^ “日本会議研究 憲法編 上 改憲へ 安倍政権と蜜月”. 朝日新聞: p. 朝刊14版 3面. (2016年3月23日) 
  2. ^ a b c d 日本会議セミナー〈演題〉「天皇陛下御即位二十年奉祝運動と教育改革」”. 日本会議愛媛県本部 (2009年5月23日). 2016年2月11日閲覧。
  3. ^ 日本青年協議会・日本協議会とは”. 日本青年協議会・日本協議会. 2016年2月11日閲覧。
  4. ^ 役員名簿 憲法改正を実現する1,000万人ネットワーク 美しい日本の憲法をつくる国民の会
  5. ^ a b 藤生明『右派論壇、仁義なき戦い 「つくる会」分裂だけじゃない』、アエラ、2006年12月4日号
  6. ^ a b c d e f g 藤生明 (2016年11月9日). “日本会議をたどって 2 民族派で自治会を握る”. 朝日新聞: p. 夕刊4版 2面 
  7. ^ 椛島有三、仲村俊子『祖国復帰は沖縄の誇り』明成社、2012年、著者紹介
  8. ^ “国旗、国歌論議目立つ 建国記念の日、各地で賛否の集会”. 朝日新聞・朝刊・広島: p. 25. (2000年2月12日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  9. ^ 藤生明 (2016年12月12日). “日本会議をたどって II 9 保守運動をつなげた実務力”. 朝日新聞: p. 夕刊4版 2面 
  10. ^ a b 石戸諭 (2016年5月4日). “政権に近い保守団体が出版停止を要求 話題の本「日本会議の研究」”. BuzzFeed. https://www.buzzfeed.com/satoruishido/nipponkaigi?utm_term=.vnJP7W4D#.jukPYr02 2016年5月9日閲覧。 
  11. ^ “「日本会議の研究」販売差し止め 東京地裁が仮処分決定”. 産経新聞. (2017年1月6日). http://www.sankei.com/affairs/news/170106/afr1701060025-n1.html 
  12. ^ “ベストセラー「日本会議の研究」に出版差し止め命令”. 日本経済新聞. (2017年1月6日). オリジナル2017年1月6日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20170106120558/http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06H8Q_W7A100C1CC1000/ 
  13. ^ “In rare move, court suspends publication of best-seller on Abe-linked conservative lobby group”. ジャパンタイムズ. (2017年2月23日). http://www.japantimes.co.jp/news/2017/01/07/national/rare-move-best-seller-abe-linked-nippon-kaigi-suspended-court 

外部リンク[編集]