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植田まさし

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
うえだ まさし
植田 まさし
本名 植松 正通[1]
生誕 (1947-05-27) 1947年5月27日(79歳)[1]
日本の旗 連合国軍占領下の日本東京都世田谷区奥沢[2]
職業 漫画家
活動期間 1971年 -
ジャンル 4コマ漫画
受賞 第28回文藝春秋漫画賞
第28回日本漫画家協会賞優秀賞
第45回日本漫画家協会賞大賞(カーツーン部門)
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植田 まさし(うえだ まさし、本名:植松 正通[1]〔うえまつ まさみち[3]〕、1947年5月27日[1] - )は、日本漫画家血液型A型4コマ漫画で知られ、作品に『まさし君』、『フリテンくん』、『コボちゃん』、『かりあげクン』、『おとぼけ課長』などがある。既婚。

来歴

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生い立ち

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サラリーマンの父(1990年に77歳で死去)のもと東京都世田谷区奥沢で生まれ、幼少の一時期、父の実家がある香川県木田郡三木町で育った。三人兄弟の末っ子。絵を描くのが好きな子供だったが、漫画については「友達の家とか床屋にあればちょっと読むくらい[4][1]」「新聞に載ってる4コマ漫画しか知らなかった[5][1]」と、あまり関心が無かった。

世田谷区立奥沢小学校、大田区立大森第七中学校を経て、都立田園調布高校に入学。同級生に後の宗教人類学者となる植島啓司がいた[4][6]。田園調布高ではラグビー部に入部するが、激しい練習で体調を崩し2か月間の入院を余儀なくされる[4]。植田はこの時、「みんなと一緒にやる仕事なんかは無理だろうな[4]」として、「自分一人で何かをする仕事[5]」を志望するようになった。

その手始めにカメラマンを目指して、中央大学文学部哲学科に通うかたわら、大学のそばにあった東京写真専門学院(現:専門学校東京ビジュアルアーツ)の夜間部に通った[4]。報道のカメラマン達に交じって学生運動の様子などを撮影していたが、学生たちが「お祭り感覚で運動に参加している雰囲気」を感じて一気に冷め[5]、写真に対する情熱も失い、「志なかばで性格的に不向き」だと判断したという[要出典]

大学卒業後に漫画家に

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神楽坂商店街に設置されている田畑小穂(コボちゃん)の銅像。

大学卒業後、兄の経営する学習塾を手伝っていたが、兄らに「いたずら描きの絵」を褒められたことをきっかけに、ギャグ漫画の持ち込み活動を始める[7][5][8]

芳文社に持ち込んだ『ああ!チョンボ』で、漫画化デビュー(まち・あみち名義、『長編漫画傑作集』1970年9月号)。デビュー後すぐ、編集者から「さも昔から漫画家としてやっていましたっていう名前」にすることを提案されて、植田まさしに改名した[3]

『コボちゃん』の連載

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1982年4月1日から、『読売新聞』朝刊に『コボちゃん』を連載。同作品は長期連載され、1992年から1994年まで読売テレビ日本テレビ系列テレビアニメ化され放映。2004年12月1日付から、日本の全国紙の4コマ漫画で初めてカラー化(海外衛星版は除く)され、2010年6月14日付で連載1万回を達成。2017年4月1日に連載35周年を迎えた。

『コボちゃん』単行本の発行元の「株式会社蒼鷹社」は、植田の母・植松晴子が設立した出版社であった。植田の著作を出版する目的であったが、素人経営ということもあり、『コボちゃん』単行本発行以外の事業を展開することができず、晴子の死去によって出版化権が芳文社に移譲されたのと同時に、事業停止して事実上の廃業となった[9]。尚、旧社屋は貸しビル(蒼鷹社ビル)として現存している。

4コマ漫画の巨匠に

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1982年11月に見合い結婚しており、娘が2人と孫がいる。ただし、娘の1人は2006年頃に病気で要介護状態となり、長い闘病の末、2021年1月に他界している[9]

還暦を過ぎても「月60本以上の4コマ漫画作品」を描くなど、長期にわたり精力的な活動を続けていることから「4コマ漫画の巨匠」的人物として扱われている。

病気の治療と一部作品の連載終了

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2022年6月頃から、体調不良により一時的に仕事を休んでいたが翌2023年2月26日に前立腺癌の治療の為であった事を公表。同年3月1日付『コボちゃん』を皮切りに再開した。

2023年4月現在、日本漫画家協会理事[10]

2026年7月7日、『おとぼけ部長代理』、『かりあげクン』、『新フリテンくん』の連載3作品が揃って連載終了することが発表された。この発表は、各作品の掲載誌の出版社がそれぞれ異なるものの、芳文社双葉社竹書房の3社の編集部が連名で発表するという異例なもので、長年にわたる功績に感謝の意を示された[11][12]

受賞歴

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作風

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  • 作画にはつけペン代わりに万年筆を用いている。「Gペンスプーンペンよりインクもちもいいし、長持ちする[3]」という理由から。分解した万年筆から先端の部品を取り出して使用したり[5]、独自の改造を加え、そのまま軸ごとインクにつけて使用したりしている[3]
  • 基本的にカラーページ以外ではスクリーントーンは使用せず、服の模様などからセリフまで全て手描きである。
  • 黒髪以外の女性は、髪に模様(髪の流れを表現したもの)を描く。キャラの特徴として、眼鏡の中に目が描かれていない人物、かりあげ正太やのんき三郎のように表情がほとんど変わらない人物、しかめっ面で目が描かれていない人物はたいてい変わり者。サラリーマンが主人公の作品(『おとぼけ課長』を除く)では、メガネでヒゲを生やした課長、ハゲ頭の社長、主人公のイタズラを傍観するメガネの同僚社員が登場するなど、ユニークなキャラクター作りが特徴。
  • 主要人物以外の人物描写は、顔の輪郭と目をかなり簡素化している。
  • 登場人物のセリフに、「バーロー」「ンモー」「ニャロ」「ピエー」など、独特な言い回しの感情表現を用いる。植田はこの発想について、「自分じゃ独特なんて思ってないんだけど、言われてみれば、って感じ」「素人なるがゆえですよ。表現の仕方が、漫画の勉強をしてきた人とは違うんでしょうね」と語っている[13]
  • 初期「フリテンくん」や「のんき君」などに見られるように、下ネタや毒のある作品が多かったが、「コボちゃん」の連載を開始した頃から、少しずつ毒が薄まり、近年はほのぼのとした作品が主流となってきたため、初期とはかなり作風が変わっている。「かりあげクン」も初期は下ネタが描かれていたが近年はほとんど無い。また、「にこにこエガ夫」は、初期作品と全く別物と言っていいほど作風が異なる。
  • ファミリー向けの作品が多いことから、一般常識などのいわゆるあるあるネタが多い。しかし、そうではないネタも存在する
  • 連載頻度が高く、時間をかけた取材が出来ないため、辞書から電話帳、さらには通販のカタログなど、ありとあらゆるところからネタを探すようにしている[1][14]。思いついたネタは、白紙のノートを8つに分割して書き溜めた上で、自分の作品全てに用いており、植田は同じネタでも作品によって変わってくると2020年のインタビューの中で話している[14]

作品リスト

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作品により出版社が異なる。『おとぼけ課長』、『のんき君』、『まさし君』、『コボちゃん』、『すっから母さん』など、植田作品を収録した廉価版が『特盛!植田まさし』のタイトルで販売されている[17]

アニメ化・ドラマ化された作品

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  • フリテンくん(アニメ映画、東宝系、ナック制作、『じゃりン子チエ』と同時上映)
  • のんき君(テレビドラマ、フジテレビ系、「月曜ドラマランド」枠、全3回)
  • まさし君(テレビドラマ、フジテレビ系、「月曜ドラマランド」枠)
  • キップくん(テレビドラマ、フジテレビ系、「月曜ドラマランド」枠、全2回)
  • かりあげクン(テレビアニメ、フジテレビ系、東映動画制作、全59回+SP全1回)
  • かりあげクン(テレビドラマ、BS松竹東急の土曜ドラマ枠で放送 全12話)
  • コボちゃん(テレビアニメ、読売テレビ製作・日本テレビ系、エイケン制作、全63回+SP全4回)
  • すっから母さん(テレビドラマ、テレビ東京系列)

DVDソフト化されたのは2017年現在、2006年12月15日発売の「フリテンくん DVD-BOX」と、2016年12月21日発売の「アニメ「かりあげクン」DVD ほんにゃらBOX」とコボちゃんのみで、その他の作品はDVDソフト化されていない。 また、「かりあげクン」は2023年12月22日BD-BOX化された。 タイトルは「アニメかりあげクンほんにゃらBD-BOX」

ゲームイラスト

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  • ファントム・キングダム(登場キャラの一人、魔帝ロイヤルキングダーク3世の真の姿のイラストを担当。サプライズゲスト扱い)

その他

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  • メイドインアビス(第7話エンドカード)
  • ラーメン大好き小泉さん公式アンソロジー(裏表紙に植田まさし作画のラーメンを食べる小泉さんが描かれている。)
  • おそ松さん公式アンソロジーコミック NEET GOING ON!(植田まさし作画の6つ子とかりあげクンのコラボイラストが収録されている。)
  • 美川べるのといかゴリラのまんが飯(作中で、植田まさし作画の折詰のイラストが使われている。)

脚注

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  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 タウンページ、通販カタログから必死ネタ集め…4コマ漫画年間1100本の植田まさしさん”. スポーツ報知. 2017年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月1日閲覧。
  2. 植田まさし「コボちゃん」と歩く神楽坂」『たびよみ』読売旅行、2021年1月2日。2026年4月6日閲覧
  3. 1 2 3 4 仕事場初潜入!「その釣竿、何に使うんですか?」 “4コマ漫画の巨匠”植田まさしロングインタビュー #3(3ページ目) 文春オンライン、2017年7月17日。ページ内に仕事場や道具の写真。
  4. 1 2 3 4 5 「コボちゃんを描いているときに食事はしない」“4コマ漫画の巨匠”植田まさしロングインタビュー #1(3ページ目) 文春オンライン、2017年7月15日
  5. 1 2 3 4 5 まんがタイムweb一周年記念スペシャルインタビュー 第23回 植田まさし先生 - ウェイバックマシン(2010年9月8日アーカイブ分)
  6. 植島啓司『賭ける魂』 講談社現代新書 2008年
  7. 1 2 3 「コボちゃんを描いているときに食事はしない」“4コマ漫画の巨匠”植田まさしロングインタビュー #1(4ページ目) 文春オンライン、2017年7月15日
  8. 「フリテンくん海賊版」のプロフィールより
  9. 1 2 植田まさし『40周年記念-コボちゃん傑作選「植田まさし先生スペシャルインタビュー『画業50年、コボちゃん生活40年を迎えて』」』中央公論新社、2022年3月22日、6-15頁。
  10. 組織・役員”. 漫画家協会WEB. 2023年12月9日閲覧。
  11. 漫画家・植田まさし氏 連載作品すべて終了 出版社が異例の合同声明 46年連載「かりあげクン」等3作」『スポニチ Sponichi Annex』2026年7月7日。2026年7月7日閲覧
  12. 4コマ「かりあげクン」連載終了をSNSで発表 46年の歴史に幕 植田まさし氏3作品は全て連載終了」『スポニチ Sponichi Annex』2026年7月7日。2026年7月7日閲覧
  13. 「おとぼけ課長」にあって「課長 島耕作」にないもの “4コマ漫画の巨匠”植田まさしロングインタビュー #2(2ページ目) 文春オンライン、2017年7月16日
  14. 1 2 植田まさし(インタビュアー:衣輪晋一)「『かりあげクン』40周年、作者・植田まさし氏の矜持「ネクスト・イズ・ベスト」」『ORICON NEWS』、2020年10月16日2021年1月7日閲覧
  15. “休刊したまんがライフ作品8本、まんがライフオリジナルで移籍連載がスタート”. コミックナタリー. ナターシャ. 2022年8月10日. 2022年8月10日閲覧.
  16. “まんがライフ休刊号、連載作品の移籍先発表&いがらしみきおの特別読み切りも”. コミックナタリー. ナターシャ. 2022年7月27日. 2022年8月10日閲覧.
  17. 植田まさし『特盛!植田まさし』 16巻、芳文社、2016年4月25日。ISBN 978-4-8322-5479-4裏表紙より。

外部リンク

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