森嘉兵衛

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森 嘉兵衛(もり かへえ、1903年6月15日 - 1981年4月8日)は、日本歴史学者岩手大学名誉教授経済学博士

概要[編集]

岩手県盛岡市の豪商の家に生まれる。盛岡中学から法政大学経済学部に進み、小野武夫の下で近世日本経済史を研究した。1929年に大学を卒業すると岩手師範学校の教員となり、戦後の統合によって発足した岩手大学1969年に定年退官するまで一貫して同校に勤務した。この間1950年に岩手大学教授に就任し、図書館長や学芸学部長などを歴任している。

社会経済史の立場から岩手県の通史の研究を行い、その集大成である論文『近世奥羽農業経営組織論』で1951年東北大学より経済学博士を授与されている。また、同年より岩手日報で連載した「岩手を作る人々」は県民の郷土史への関心を高めたとされ、「岩手史学会」設立などで人材育成にも努めた。研究テーマは南部藩を始めとする近世史が主であるが、中尊寺金色堂の調査に参加するなどその活動分野は幅広かった。1973年に勲三等旭日中綬章を受章している。『森嘉兵衛著作集』編纂中の1981年に盛岡市の自宅で死去。

著書[編集]

  • 『岩手を作る人々』岩手日報社 1952
  • 『近世奥羽農業経済組織論』有斐閣 1953
  • 『明治前期岩手県農業発達史』農林省農業総合研究所 1953
  • 『盛岡市史 第3分冊 近世期』盛岡市史編纂委員会編 盛岡市 1956-1969
  • 『盛岡市史 第1分冊 第1 総説先史期』盛岡市史編纂委員会編 盛岡市 1958
  • 興産相互銀行二十年史』興産相互銀行二十年史編纂委員会 1962
  • 三浦命助伝 南部藩百姓一揆の指導者』平凡社 1962
  • 『五戸・木村文書』五戸町誌刊行委員会 1965
  • 『日本の武将 津軽南部の抗争 南部信直』人物往来社 1967
  • 『日本僻地の史的研究』法政大学出版局 1969-1970
  • 『岩手県の歴史』山川出版社 1972 県史シリーズ
  • 北日本相互銀行二十年史』北日本相互銀行二十年史編纂委員会 1972
  • 『岩手をつくる人々 近代篇』法政大学出版局 1974
  • 『岩手近代百年史』熊谷印刷出版部 1974
  • 『みちのく文化論』法政大学出版局 1974
  • 『岩手をつくる人々 古代-近世篇』法政大学出版局 1983
  • 森嘉兵衛著作集』全10巻 法政大学出版局 1982-2003
第1巻 (奥羽社会経済史の研究/平泉文化論) 1987
第2巻 (無尽金融史論) 1982
第3巻 (陸奥鉄産業の研究) 1994
第4巻 (奥羽農業経営論) 1983
第5巻 奥羽名子制度の研究 1984
第6巻 (近世農業労働構成論) 1998
第7巻 (南部藩百姓一揆の研究)1992
第8-9巻 日本僻地の史的研究 九戸地方史 1982-1983
第10巻 (岩手近代史の諸問題) 2003

共編著[編集]

  • 『近代鉄産業の成立 釜石製鉄所前史』板橋源共著 富士製鉄釜石製鉄所 1957
  • 『日本庶民生活史料集成 第6巻 一揆』原田伴彦青木虹二共編 三一書房 1968
  • 『いわての風物誌』瀬川経郎共著 熊谷印刷出版部 1969
  • 『日本庶民生活史料集成 第3巻 探検・紀行・地誌 東国篇』竹内利美宮本常一共編 三一書房 1969
  • 『日本庶民生活史料集成 第13巻 騒擾』青木虹二共編 三一書房 1970
  • 『日本庶民生活史料集成 第7巻 飢饉・悪疫』谷川健一共編 三一書房 1970

記念論集[編集]

  • 『森嘉兵衛教授退官記念論文集』法政大学出版局 1969

参考文献[編集]

外部リンク[編集]