桐 (データベース)

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開発元 管理工学研究所
最新版 桐10s
対応OS Windows、MS-DOS
種別 データベース管理システム (DBMS)
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト 管理工学研究所
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(きり)は管理工学研究所が開発・販売しているデータベース管理システム (DBMS) 。1986年の初版リリース以降着実にユーザー層を広げ、1991年には日経BP社の「読者が選ぶベストソフト賞」を受賞している。最新版は2017年9月にリリースされた桐10s[1]。データベースの最大サイズを拡張、Unicodeへの対応と言った改良が行われた10をベースに、最新の環境に合わせてアップデートされている。

リレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) に近い操作が可能なため、個人レベルでは高機能のデータベース管理システムとしてMS-DOS時代から広く使用された。他方で、新規に表を作成する場合においても、自動作成によってとりあえず使える表が作れ、その後に定義の変更が可能と、初心者にも扱いやすいものとなっていた。また、そのような表のままでも高度な操作が可能であり、個人や小さな事務所、学校の教務や事務等では重宝された。

桐はMS-DOS用のソフトとして長く販売され、Windowsへの対応が遅れたが、その間も使われ続けた数少ないソフトでもある。たとえばナツメ社の「ハンディ・リファレンス」シリーズでは1994年段階で『桐Ver.5操作ハンドブック』など複数の解説書が出版されている。

インターネットが普及する以前、パソコン通信としてPC-VANNIFTY-ServeのフォーラムにK3UGや桐タンスなどユーザー同士のQ&Aやお披露目など交流が有った。

「桐」の歴史[編集]

桐(初代)[編集]

桐 ver.2[編集]

  • 1987年6月発売。
  • 日本語入力フロントプロセッサとして「松茸86」を搭載。

桐 ver.3[編集]

  • 1990年7月発売。パンフレットなどのキャッチフレーズは「グレースが主義です。」であり、「優しさと奥行の深さ」とも書かれていた。
  • 日本語入力フロントプロセッサとして「松茸V2」を搭載。
  • 画像データ(新松以降に同梱された画像ソフト「鶴」形式)を扱えるようになった。
  • 機能限定版が「Oh!PC」(日本ソフトバンク刊行)の付録ディスクとして紹介された。
  • 「桐ツアー」という学習プログラムが同梱される。桐の一括処理を使ったものである。
  • ワークシート状の「簡易表作成」機能が追加され、ワークシート状のデータ入力を行った後に、データベースの基本設計や「自動設計」が可能な作りになった。
  • 表形式画面とカード形式画面の切替が容易に行えるよう改良された。
  • 「あいまい検索」が使えるようになった。
  • 自社のワードプロセッサ「」の差し込み印刷の読み書きが可能になり、新松の文書に差し込んで印刷などが可能になった。
  • メニューが2種類に増えた。既存のファンクションキーによる操作体系に加えて「/」キーでメニューが表示されるようになった。
  • 複数のファイルを開いて作業を行えるように改良された。
  • 機能が強化された反面、Ver.2に比べると処理速度の低下が目立った。

桐 ver.4[編集]

  • 1992年6月発売。パンフレットなどのキャッチフレーズは「グレースハピネス」。
  • 日本語入力フロントプロセッサとして「松茸V3」を搭載。
  • カード式画面で、複数レコードを表示できる「マルチレコードフォーム」を搭載した。
  • 処理速度をVer.2並に戻すよう、ブラッシュアップした。
  • 表の併合・結合といったリレーショナルベータベースの概念に近い機能も追加された。
  • バーコード印刷が可能になった。
  • グラフ作成機能の追加。
  • 関連ソフトウェアとして、「マルチメディア桐」も登場した。カノープス社のマルチメディアカードとともに動作する。販売実績については不明だが、Ver.4のパンフレットには案内がある。
  • NetWareに対応した。
  • PC-98ハイレゾモード、FM-R、DOS/V対応版も追って販売した。

桐 ver.5[編集]

  • 1994年1月発売。パンフレットなどのキャッチフレーズは「THE KING OF STORY ストーリー桐」。なお、同年6月に廉価版の「My Class 桐」も発売されている。
  • 日本語入力フロントプロセッサとして「松茸V3」を搭載。
    • DOS/V版は、PC-DOS/V、MS-DOS/V双方に対応したモジュールが用意されている。
  • データベースの基本仕様(項目数、レコード長、最大表ファイルサイズ等)を拡張した。
  • ワープロソフト「松」の文書ファイルやLotus 1-2-3のファイルを直接開くことが可能になった。
    • 「松」はそのまま印刷が可能で、松がインストールされていれば、チャイルドプロセス上で「松」を実行し編集する、といった作業も可能になった(PC-98,DOS/V版のみ可能)。
  • グラフ作成機能が強化された。

桐 ver.6[編集]

  • このバージョンからMicrosoft Windows版となる。
  • 1997年10月発売。
    • Windows 95発売時、雑誌などにWindows版開発中のアナウンスを発表。キャッチフレーズは「おとなの解放区」であった。
    • その前年の1996年秋にはデモCD-ROM「栞」、1997年には「桐ver.6七夕バージョン」「〜お月見バージョン」といった開発途上版を公開していた。
  • 日本語入力フロントプロセッサ(IME)として「松茸Ver.4 for Windows」を搭載。
  • 管理工学研究所は、発売前から「桐 ver.5」の「一括処理」や「グラフ機能」は搭載されないことを事前に周知しており、その他の機能も一部搭載されていない。
    • 搭載されなかった機能のうち一部を実装した「桐7補完計画」を、登録ユーザに提供(1998年3月)した。

桐 ver.7/7.1[編集]

  • 1998年7月発売。
  • 日本語入力フロントプロセッサ(IME)として「松茸Ver.4 for Windows」を搭載。
  • ver.6で搭載が見送られた「一括処理」の実装が復活する。

桐 ver.8[編集]

  • 1999年6月発売。
  • 日本語入力フロントプロセッサ(IME)として「松茸Ver.4.1 SP1 for Windows」を搭載。
  • これまで、ver.6から搭載されていなかった機能のうち「グラフ機能」が復活し、このバージョンをもって、MS-DOS版の「桐 ver.5」にあった機能の実装が完了した。
  • イベントハンドラ機能が追加された。

桐9[編集]

  • 2002年10月発売。
  • 日本語入力フロントプロセッサ(IME)として「松茸Ver.4.1 SP1 for Windows」を搭載。
  • マイクロソフトの表計算ソフト「Microsoft Excel」との連携を強化。後に「クロスエクセル」機能となる。
  • ほぼ1年ごとに、最新のWindowsやExcelに対応したマイナーバージョンアップが行われる。
  • 最終はExcel 2013に対応した「桐9s」(2013年10月)。有償バージョンアップにより、次期「桐10」を廉価に提供するというアナウンスがあった。

桐10[編集]

  • 2014年10月発売。
  • このバージョンから日本語入力システム「松茸」は同梱されていない。
  • 内部処理が、JISコードからUnicodeへと修正が行われ、文字がJIS第4水準まで扱えるようになった。
  • データベースのサイズが桐9の64倍(32GB)へと拡張された。レコード数は約4千万から約10億レコードへ、レコード長も2倍(8,000字)に拡張された。
  • Unicode IVS(異体字)に対応した。

桐10s[編集]

  • 2017年9月発売。
  • 「桐PDFブリッジ」によるPDFフォーム出力が可能になった。
  • フォームがフラットデザインに対応した。
  • 桐6~8からデータコンバートに対応した。
  • 桐10と10sのデータファイルには互換性がある。ただし、10s新機能は10で使用制限される。

参考文献[編集]

  1. ^ 桐10s 発売予告”. 2017年12月閲覧。

外部リンク[編集]