桐生八木節まつり

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桐生八木節まつり
Kiryu Yagibushi Festival
桐生本町五丁目 粋翔大櫓平成21年(2009年)8月7日
桐生本町五丁目 粋翔大櫓
平成21年(2009年)8月7日
イベントの種類 祭り
通称・略称 桐生まつり
開催時期 8月の第1金曜日から三日間
主催 桐生八木節まつり協賛会
来場者数 55万人 平成29年(2017年
最寄駅 桐生駅西桐生駅新桐生駅
駐車場 市役所市民文化会館駐車場

桐生八木節まつり(きりゅうやぎぶしまつり、桐生まつり)は、群馬県桐生市で開催される祭りである。

牛頭天王素戔嗚尊)の祭礼である桐生祇園祭(きりゅうぎおんまつり)に加え、全日本八木節競演大会や桐生八木節おどり共演大会が開催されることから、両毛地域の民謡である八木節の名を冠している。

概要[編集]

桐生市の中心部(本町通り末広町通り錦町通りなど)で、毎年8月の第1金曜日から三日間開催される。本町五丁目交差点を中心として、北は桐生天満宮鳥居前まで、西は桐生駅北口まで、南は錦町十字路(旧錦町ロータリー交差点)まで、総延長約2.5キロメートルが歩行者用道路となる。

初日から全日本八木節競演大会、子どもみこしまつり、市内数か所のを囲って繰り広げられる八木節踊りなど多彩な行事が開かれ、中日に神輿渡御、数年ごとにの曳き違いが行われ、最終日にダンス八木節、ジャンボパレード、桐生八木節おどり共演大会が催される[1]

両毛最大規模の夏祭りであり、50万人を超える人出で賑わう。平成29年(2017年)のまつり期間中の来場者数は55万人であった[2]わたらせ渓谷鐵道上毛電気鉄道では、祭りの開催日にあわせて臨時列車が運行される。

東武鉄道の特急りょうもう号で桐生地区と直結する東京都台東区浅草六区ブロードウェイ商店街で、桐生八木節まつりの熱狂を再現した「桐生八木節まつりin浅草」が行われた。平成29年(2017年)の1月下旬に初めて開催し、4月下旬に続き、7月下旬で3度目の開催となった[3]

歴史[編集]

桐生まつりの源流は、桐生新町三丁目(現在の本町三丁目)の衆生院の境内にあった牛頭天王社の祭りである[4]天正19年(1591年)の桐生新町造営から約60年後、明暦2年(1656年)に最も古い祭りの記録がみられるため、この年を桐生祇園祭の起源と定めている[5]

明治の神仏分離令によって、明治3年(1870年)に三丁目の衆生院は廃され、天王社は八坂神社と改めた。これによって、それまでの天王祭礼は「八坂祭典」と呼ばれるようになった。宮本町の美和神社境内に西宮神社が建立され、新たに参道(恵比寿通り)が整備されたことがきっかけとなり、明治41年(1908年)、八坂神社は美和神社に合祀された[4]

昭和39年(1964年)からは、春の商工祭・文化祭、夏の七夕祭・花火大会、秋の桐生祭・体育祭など、多くの行事・祭礼と統合され、第1回「桐生まつり」として開催されるようになった[6]

昭和63年(1988年)には、新たに全日本八木節競演大会が開催され、この年から祭りの名称に「八木節」の文字が加わり「桐生八木節まつり」となった。近年では八木節を舞う若者が、本町交差点のやぐらに集まり、各々の衣装で八木節を舞い、盛り上がりに華を添えている。

組織[編集]

桐生新町は現在の本町一丁目から六丁目と横山町で構成され、横山町を除いた六丁は「惣六町」と呼ばれる。祭りの当番町である「天王番」を、惣六町が順番に担当する。前年に天王番を務めた町会を「送り番」、来年に天王番を務める町会を「迎え番」と呼ぶ。宝暦9年(1759年)から年番町制となり二丁目が天王番を務めた。横山町は陣屋を背にした特別な町会であったため、当番町としての役割を免除されてきた[7]

町丁 年番 世話方[8][9]
横山町 - 横山町若衆会
一丁目 北斗会
二丁目 若二会
三丁目 三光会
四丁目 四丁目世話方
五丁目 第五街若者会
六丁目 第六街若衆会

屋台・鉾・大幟[編集]

祇園屋台は一丁目から六丁目の6町会が所有し、は三丁目と四丁目の2町会がそれぞれ所有する[10]大幟はかつて6町会12本があったが、修繕や復元をした3対6本が現存している[11]。平成29年(2017年)では、天王番を務める本町二丁目町会が本町通りの両脇に約20メートルの支柱を設置、80年ぶりに大幟を掲揚した[12][13][1]

各町会の祇園屋台は、両袖を広げると、間口7.5メートル、高さ6.6メートル、奥行6.4メートルで、ほぼ一致している。全面豪華な彫刻で飾られ、舞台には襖絵12枚で華を添え、梁の上に扁額が掲げられている[11]

祇園屋台 完成年 彫刻 襖絵 扁額[14]
一丁目 昭和13年(1938年 高松伍助 前原五瀨 市河米庵
二丁目 明治35年(1902年 高松政吉 古川竹雲 高林五峯
三丁目 安政6年(1859年 石原常八 前原五瀨、瀬陽斎 中沢雪城小野湖山
四丁目 安政元年(1854年 岸亦八 清水東谷 田口江邨
五丁目 安政6年(1859年) 岸亦八 長沢時基 中沢雪城、台陽山人
六丁目 慶応3年(1867年 岸亦八 前原五瀨 不明

三丁目の翁鉾(おきなほこ)は、文久2年(1862年)に完成したもの。高さ7.5メートル。上部の人形は源頼朝像で、翁の面をつけていることから「翁鉾」と呼ばれる。本町三丁目の「翁蔵」に常設されている[15]

四丁目鉾(しちょうめほこ)は、明治8年(1875年)に完成したもので、高さは全国有数の9.2メートルである。上部の人形は素戔嗚尊。本町四丁目の「あーとほーる鉾座」に常設されている[16]

完成年 彫刻 人形[17]
三丁目 文久2年(1862年 石原常八 和泉屋勝五郎
四丁目 明治8年(1875年 岸亦八 松本喜三郎

三・四丁目が天王番を務める年に、二基の鉾の曳き違いが行われる。曳き違いは両鉾がそろい踏みした平成12年(2000年)に初めて開催され、平成29年(2017年)で8回目となる[18]

鉾の曳き違い開催年 天王番 備考
平成12年(2000年 三丁目
平成13年(2001年 四丁目 市制80周年
平成18年(2006年 三丁目
平成19年(2007年 四丁目
平成23年(2011年 二丁目 市制90周年
平成24年(2012年 三丁目
平成25年(2013年 四丁目
平成29年(2017年 二丁目 桐生八木節まつりin浅草開催

行事内容[編集]

  • 天王町挨拶廻り(6月)
  • 世話方各町挨拶廻り(7月)
  • 祇園祭
    • 安全祈願祭(前日・天満宮
    • 神輿出御(前夜・美和神社神輿蔵 - 天王町御旅所
    • 衣装付け届け(初日・本町通り)
    • 本祭・神輿渡御(中日・天王町御旅所 - 本町通り・横町通り)
    • 神輿還御(楽日・天王町御旅所 - 美和神社神輿蔵)
    • 千秋楽付け届け(楽日・本町通り)
  • 八木節おどり
    • 正調 上州八木節音頭
    • 正調 八木節音頭「国定忠治
    • 桐生オリジナル八木節音頭
  • 全日本八木節競演大会
昭和63年(1988年)初開催。八木節の音頭取り日本一を競い合う大会で、織姫町市民文化会館小ホールで予選大会が開かれ、本町五丁目のワイドステージで準決戦・決戦大会が行われる。平成29年(2017年)の第30回大会では、76人が予選に参加、勝ち残った20人が準決戦に出場。さらに勝ち残った4人が決戦大会で「かけあい競演」を演じ、優勝者を決定した[19][20]
  • 全日本八木節歴代優勝者共演大会
  • 桐生八木節おどり共演大会
  • こどもみこしまつり
    • キッズフェスティバル
    • みこしパレード
稲荷町新川公園を会場とし、子どもたちが手作りのみこしを担ぎ、コロンバス通りと本町通りを練り歩く。平成29年(2017年)は桐生とその近隣地域から16の幼稚園・保育園チームが参加した[21]
  • 八木節子ども大会
地域の伝統芸能である八木節を習得し、文化の継承を目指す子供たちにとって、踊り囃子音頭の技能を披露する晴れ舞台となる大会で、末広町MEGAドン・キホーテ桐生店前のサンロード末広二丁目やぐらで行われる[22]。平成29年(2017年)は地元参加の子供育成会や八木節保存会など8団体に加え、桐生市の親善都市である茨城県日立市の日立市子ども会が出演した[23]
  • ダンス八木節
平成9年(1997年)初開催の創作八木節大会で、新川公園特設ステージで行われる。一般部門とキッズ部門があり、審査により両部門の上位3チームに金・銀・銅の各賞が授与される。平成29年(2017年)の第21回大会より新たに審査対象にしないショーケース部門が設けられ、12チーム119人が同部門に出場。キッズ部門は7チーム146人、一般部門は13チーム216人で、総参加数は481人であった[24]
  • ジャンボパレード
大きな担ぎ物や曳き物、踊りやパフォーマンスなど多様な手法を用いて、法被仮装姿の企業・市民団体が本町三丁目交差点から錦町十字路までの区間を行進する。平成29年(2017年)は24団体(うち審査対象19団体)が参加し、舞起龍、桐生織物協同組合、いろは、ミツバグループ、山田製作所、高円寺阿波おどり朱雀連の6団体に特別大賞が授与された[25][26]
  • KIRYU OF THE DEAD EVOLUTION(キリュウ・オブ・ザ・デッド・エボリューション)
平成28年(2016年)初開催のお化け屋敷。会場は本町二丁目の有鄰館。暗闇の室内で血だらけのゾンビが来館者を待ち受ける。製薬会社の薬品倉庫内の事故で中の人間がゾンビに変貌したという設定のもと、参加者は特殊部隊の一員となり、屋内に保管されるワクチンを探すため、ゾンビの襲撃を避けながら、複数のゾーンを巡って任務達成を目指す[27][28]
  • 織都桐生千三百年 桐生織物メチャクチャ市(桐生織物産地謝恩セール)
桐生織物協同組合による物産市。平成29年(2017年)の会場は市民文化会館のスカイホールと第一会議研修室で、19社が参加し、帯や布地、浴衣やシャツなど3万点の繊維製品が並び、産地ならではのお値打ち価格の繊維製品を求める客でごった返した[29]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 2017年(平成29年)8月3日 桐生タイムス 1面 桐生八木節まつり あす開幕
  2. ^ 2017年(平成29年)8月7日 桐生タイムス 1面 桐生八木節まつり閉幕 中心街に55万人
  3. ^ 2017年(平成29年)7月24日 桐生タイムス 1面 本番直前の熱気「桐生八木節まつりin浅草」
  4. ^ a b 『ふるさと桐生のあゆみ』168頁 盛大な祇園祭り
  5. ^ 桐生祇園祭について 平成29年(2017年)7月31日閲覧。
  6. ^ 『ふるさと桐生のあゆみ』231頁 桐生まつり
  7. ^ 「三五八年目の夏祭り 桐生祇園祭」1面 神輿と天王番
  8. ^ 「三五八年目の夏祭り 桐生祇園祭」1面 各町当番名・世話方名称
  9. ^ 「三百六十二年の伝統 桐生祇園祭」2面
  10. ^ 「三五八年目の夏祭り 桐生祇園祭」1面 屋台と鉾
  11. ^ a b 「三百六十二年の伝統 桐生祇園祭」2面 日本最大級の祇園屋台・鉾・大幟
  12. ^ 2017年(平成29年)7月3日 桐生タイムス 15面 提灯持って挨拶廻り 桐生祇園祭で「若二会」
  13. ^ 2017年(平成29年)7月24日 桐生タイムス 1面 戦後初、大幟立つ 本二町会
  14. ^ 「桐生祇園 本町三丁目」7 - 9面 桐生祇園屋台 全六景 動く祭礼建築
  15. ^ 三丁目祇園屋台・翁鉾 平成29年(2017年)8月1日閲覧。
  16. ^ 四丁目祇園屋台・四丁目鉾 平成29年(2017年)8月1日閲覧。
  17. ^ 「桐生祇園 本町三丁目」1 - 6面 翁鉾 四丁目鉾
  18. ^ 2017年(平成29年)8月7日 桐生タイムス 1面 「曳き違い」に大歓声 2台の鉾、4年ぶりに
  19. ^ 2017年(平成29年)8月4日 桐生タイムス 1面 桐生八木節まつり開幕
  20. ^ 2017年(平成29年)8月5日 桐生タイムス 2面 全日本八木節競演大会
  21. ^ 2017年(平成29年)8月5日 桐生タイムス 15面 子どもみこしまつり
  22. ^ 2017年(平成29年)8月3日 桐生タイムス 2面 子ども八木節にぎやかに
  23. ^ 2017年(平成29年)8月7日 桐生タイムス 2面 りりしく子ども八木節
  24. ^ 2017年(平成29年)8月7日 桐生タイムス 15面 躍動するダンス八木節
  25. ^ 2017年(平成29年)8月7日 桐生タイムス 4 - 5面 ジャンボパレード参加24団体の勇姿
  26. ^ 2017年(平成29年)8月7日 上毛新聞 12面 東毛 桐生 まつり最終日飾るパレード
  27. ^ 2017年(平成29年)7月25日 上毛新聞 16面 東毛 桐生 待ち受けるゾンビ 5日、有鄰館でお化け屋敷
  28. ^ 2017年(平成29年)8月7日 桐生タイムス 15面 お化け屋敷グレードアップ
  29. ^ 2017年(平成29年)8月8日 桐生タイムス 3面 メチャクチャ市に人の波 桐生織恊

参考文献[編集]

  • 桐生市教育委員会 『ふるさと桐生のあゆみ』 平成10年(1998年
  • 桐生市本町三丁目町会「桐生祇園 本町三丁目」 平成18年(2006年
  • 桐生祇園祭典委員会 「三五八年目の夏祭り 桐生祇園祭 第50回桐生八木節まつり」 平成25年(2013年
  • 桐生祇園祭保存会 「三百六十二年の伝統 桐生祇園祭 第二百五十九年番町 本町二丁目」 平成29年(2017年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]