核兵器禁止条約

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核兵器禁止条約(かくへいききんしじょうやく、通称:Nuclear Weapons Convention、略称:NWC)は、核兵器の全廃と根絶を目的として起草された国際条約案である。モデル核兵器禁止条約あるいは「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約案」(: Convention on the Prohibition of the Development, Testing, Production, Stockpiling, Transfer, Use and Threat of Use of Nuclear Weapons and on their Elimination)とも呼ばれる。

2007年4月コスタリカマレーシア両政府の共同提案として正式に国連に提出されたが、2013年現在、未発効である。

目的[編集]

核兵器の全面廃止と根絶。ただし、平和のための原子力は禁じていない。

概要[編集]

この条約の特徴は、核爆発装置や核エネルギーを制御されない方法で放出することができる装置をも核兵器と定義し、それらを含む核兵器を1967年1月1日よりも前に爆発させたことがある国を核兵器国と定義していること。

  • 1996年4月、NWCは「モデル核兵器禁止条約」(Model Nuclear Weapons Covention, mNWC)という名で、核兵器の廃絶を求める各国の法律家科学者軍縮の専門家、医師及び活動家らが参加する3つの国際NGOから構成されるコンソーシアムによって起草された。mNWCは、核軍縮の可能性を「法的、技術的、政治的要件に沿って検証する」こと目的としていた。
  • 1997年11月、mNWC(UN Doc. A/C.1/52/7)はコスタリカ政府により国際連合事務総長に届けられ、国連加盟国に配布された。
  • 2007年4月、mNWCはNGOコンソーシアムを招集した核政策に関する法律家委員会(Lawyers' Committee on Nuclear Policy, LCNP)を通じ、コスタリカ及びマレーシア政府により核拡散防止条約(NPT)運用検討会議の第1回準備委員会(Preparatory Committee for the 2010 Review Conference of the Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)で改訂版の「NWC」(UN Doc. A/62/650)として提出された。NWCは、以下の項目に渡って核の取扱いを禁止する。
  1. 開発(development)
  2. 実験(testing)
  3. 製造(production)
  4. 備蓄(stockpiling)
  5. 移譲(transfer)
  6. 使用(use)
  7. 威嚇としての使用(threat of use)
  • 2011年10月26日~31日、国連総会で軍縮・国際安全保障問題を扱う第一委員会は52の決議を採択した。このうちマレーシアなどが提出した核兵器禁止条約の交渉開始を求めた決議[1]が127ヵ国(昨年より6ヵ国多い)の賛成で採択された。、
  • 2016年10月28日(日本時間)、国連総会第一委員会(軍縮)において、多国間の核武装撤廃交渉を来年から開始する決議案“Taking forward multilateral nuclear disarmament negotiations” (document A/C.1/71/L.41)が、賛成123、反対38、棄権16で可決した。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、日本は反対票を投じ、北朝鮮は賛成、中国は棄権した[2][3]

構成[編集]

条約案は19条からなる本文と2つの追加議定書から構成される。

  • 第1条 一般的義務
    • A.国の義務
    • B.人の義務
  • 第2条 定義
    • A.国および人
    • B.核兵器
    • C.核エネルギー、爆発物および爆発装置
    • D.核物質
    • E.核施設
    • F.核活動
    • G.検証
    • H.運搬手段
  • 第3条 申告
    • A.核兵器
    • B.核物質
    • C.核施設
    • D.運搬手段
  • 第4条 実施の諸段階
    • A.一般的要件
    • B.最終期限の延長
    • C.延長に際しての相互主義
    • D.諸段階
    • E.特別規定
  • 第5条 検証
    • A.検証体制の構成要素
    • B.検証の対象となる活動、施設および物質
    • C.検証に関する権利および義務
    • D.信頼醸成措置
    • E.他の検証取極との関係
    • F.実施
  • 第6条 国内の実施措置
    • A.立法による実施
    • B.締約国と機関との関係
    • D.他の取極において約束されまたは要請される措置の実施との関係
  • 第7条 人の権利および義務
    • A.刑事手続
    • B.条約違反を報告する責任
    • C.情報を提供する人に対する保護
  • 第8条 機関
    • A.総則
    • B.締約国会議
    • C.執行理事会
    • D.技術事務局
    • E.特権および免除
    • F.登録簿およびその他のデータベース
    • G.国際監視制度
  • 第9条 核兵器
  • 第 10 条 核物質
  • 第 11 条 核施設
  • 第 12 条 核兵器運搬手段
  • 第 13 条 この条約によって禁止されていない活動
  • 第 14 条 協力、遵守および紛争解決
  • 第 15 条 効力の発生
  • 第 16 条 財政
  • 第 17 条 改正
  • 第 18 条 条約の範囲および適用
  • 第 19 条 条約の締結
  • 紛争の義務的解決に関する選択議定書
  • エネルギー援助に関する選択議定書

核兵器の定義[編集]

  • 第2条 定義
    • B.核兵器
      • 4.「核兵器」とは、次のいずれかをいう。
        • a.核エネルギーを制御されない方法で放出することができるすべての装置であって、戦争目的の使用に適した一群の特性を有するものをいう
        • b.すべての核爆発装置
        • c.すべての放射性兵器
        • d.核爆発装置を起爆装置または他の部品として内臓するように設計されたすべての兵器

核兵器国の定義[編集]

  • 第2条 定義
    • A.国および人
      • 1.「核兵器国」とは、1967 年1月1日前に、核兵器その他の核爆発装置を製造し、かつ爆発させた国をいう。

起草[編集]

1996年以降、核兵器禁止条約は以下の3団体を中心に起草作業が進められている。

  • International Network of Engineers and Scientists Against Proliferation、INESAP(拡散に反対する国際科学技術者ネットワーク)
  • International Association of Lawyers Against Nuclear Arms、IALANA(国際反核法律家協会)
  • International Physicians for the Prevention of Nuclear War、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)

脚注[編集]

  1. ^ 「核兵器合法性に関する国際司法裁判所の勧告的意見の後追い」決議、賛成127、反対25、棄権22(日本など)
  2. ^ United nations "First Committee Sends 22 Texts to General Assembly, Echoing Call for Expanding Nuclear-Weapon-Free Zones into Middle East, Bolstering Disarmament Efforts". October 27 2016.
  3. ^ [https://www.youtube.com/watch?v=K7GiNIgV1nE International Campaign to Abolish Nuclear Weapons, "UN votes to outlaw nuclear weapons in 2017 "]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]