核兵器禁止条約

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核兵器禁止条約
Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons
Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons.svg
核兵器禁止条約への各国の態度(2017年7月7日現在)     賛成      反対      棄権      不参加国
種類 軍備管理, 核軍縮
署名 2017年9月20日
署名場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク
捺印 2017年7月7日
発効 未発効
現況 50ヵ国が批准し、それから90日後に発効する
寄託者 国際連合事務総長
言語 アラビア語中国語英語フランス語ロシア語スペイン語
Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons - Wikisource

核兵器禁止条約(かくへいききんしじょうやく、英語:Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons、または英語:Nuclear Weapon Ban Treaty)は、核兵器の全廃と根絶を目的として起草された国際条約である。「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約」(: Convention on the Prohibition of the Development, Testing, Production, Stockpiling, Transfer, Use and Threat of Use of Nuclear Weapons and on their Elimination)とも呼ばれる。

2007年4月コスタリカマレーシア両政府の共同提案として正式に国連へ提出され、2017年7月7日に122か国・地域の賛成多数により採択されたが[1]、全核保有国は不参加[2]アメリカ核の傘の下にあるカナダドイツなどNATO加盟国や日本オーストラリア韓国なども不参加となった[3][4][5][6][7][8]

50ヵ国が批准し、それから90日後に発効する[9]。2017年9月20日にガイアナタイ王国バチカン市国の3か国がこの条約に批准した。[10]

目的[編集]

核兵器の全面廃止と根絶。ただし、平和目的での原子力の保有は禁じていない。前文において被爆者の苦痛に対する憂慮と共に国際人道法国際人権法の原則が、核兵器廃絶に関して再確認されている。

概要[編集]

この条約の特徴は、核兵器または核爆発装置を所有、保有、管理していた締約国は申告をしなければならない事。

  • 1996年4月、NWCは「モデル核兵器禁止条約」(Model Nuclear Weapons Covention, mNWC)という名で、核兵器の廃絶を求める各国の法律家科学者軍縮の専門家、医師及び活動家らが参加する3つの国際NGOから構成されるコンソーシアムによって起草された。mNWCは、核軍縮の可能性を「法的、技術的、政治的要件に沿って検証する」こと目的としていた。
  • 1997年11月、mNWC(UN Doc. A/C.1/52/7)はコスタリカ政府により国際連合事務総長に届けられ、国連加盟国に配布された。
  • 2007年4月、mNWCはNGOコンソーシアムを招集した核政策に関する法律家委員会(Lawyers' Committee on Nuclear Policy, LCNP)を通じ、コスタリカ及びマレーシア政府により核拡散防止条約(NPT)運用検討会議の第1回準備委員会(Preparatory Committee for the 2010 Review Conference of the Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)で改訂版の「NWC」(UN Doc. A/62/650)として提出された。NWCは、以下の項目に渡って核の取扱いを禁止する。
  1. 開発(development)
  2. 実験(testing)
  3. 製造(production)
  4. 備蓄(stockpiling)
  5. 移譲(transfer)
  6. 使用(use)
  7. 威嚇としての使用(threat of use)
  • 2011年10月26日~31日、国連総会で軍縮・国際安全保障問題を扱う第一委員会は52の決議を採択した。このうちマレーシアなどが提出した核兵器禁止条約の交渉開始を求めた決議[11]が127ヵ国(昨年より6ヵ国多い)の賛成で採択された。、
  • 2016年10月28日(日本時間)、国連総会第一委員会(軍縮)において、多国間の核武装撤廃交渉を来年から開始する決議案“Taking forward multilateral nuclear disarmament negotiations” (document A/C.1/71/L.41)が、賛成123、反対38、棄権16で可決した。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、日本は反対票を投じ、北朝鮮は賛成、中国は棄権した[12][13]

2017年7月7日に採択された核兵器禁止条約の構成[編集]

※核兵器禁止条約の全文日本語訳は、共同通信社の配信によるものが毎日新聞などに掲載されたが[14]外務省の翻訳はない。原文は、英語フランス語ロシア語中国語スペイン語アラビア語で、国際連合の公式ウェブサイトに掲載されている[15]

第1条 禁止

第2条 申告

第3条 保障措置

第4条 核兵器の全廃に向けて

第5条 国家の履行

第6条 被害者支援と環境改善

第7条 国際協力と支援

第8条 締約国会議

第9条 費用

第10条 改正

第11条 紛争解決

第12条 普遍性

第13条 署名

第14条 批准、受諾、承認、加盟

第15条 発効

第16条 留保

第17条 期間と脱退

第18条 別の合意との関係

第19条 寄託者

第20条 真正の文面

起草[編集]

1996年以降、核兵器禁止条約は以下の3団体を中心に起草作業が進められている。

  • International Network of Engineers and Scientists Against Proliferation、INESAP(拡散に反対する国際科学技術者ネットワーク)
  • International Association of Lawyers Against Nuclear Arms、IALANA(国際反核法律家協会)
  • International Physicians for the Prevention of Nuclear War、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)

なお核兵器禁止条約の国連総会への採択を含め条約の推進には2007年に核戦争防止国際医師会議から独立して結成された核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の貢献が大きく、同団体は10月6日に2017年ノーベル平和賞受賞がた決定した。

脚注[編集]

  1. ^ 核兵器禁止条約
  2. ^ [1]
  3. ^ [2]
  4. ^ [3]
  5. ^ [4]
  6. ^ The United Nations prohibits nuclear weapon
  7. ^ [5]
  8. ^ [6]
  9. ^ 2017年7月9日中日新聞朝刊5面
  10. ^ [7]
  11. ^ 「核兵器合法性に関する国際司法裁判所の勧告的意見の後追い」決議、賛成127、反対25、棄権22(日本など)
  12. ^ United nations "First Committee Sends 22 Texts to General Assembly, Echoing Call for Expanding Nuclear-Weapon-Free Zones into Middle East, Bolstering Disarmament Efforts". October 27 2016.
  13. ^ [https://www.youtube.com/watch?v=K7GiNIgV1nE International Campaign to Abolish Nuclear Weapons, "UN votes to outlaw nuclear weapons in 2017 "]
  14. ^ 『核兵器禁止条約 全文和訳(共同通信)』2017年7月8日、毎日新聞
  15. ^ Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons

関連項目[編集]

外部リンク[編集]