証券保管振替制度

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証券保管振替制度(しょうけんほかんふりかえせいど)とは、株券(下記に列挙)の有価証券を、顧客の承諾を得て保管振替機関に集中保管し、その引渡しを現実の引渡しでなく、帳簿上の記帳によって行う制度である。

この制度により、顧客は、株券等の現物を所持することなく、売買などに伴う証券の受渡しを行うことができ、また、配当金の受け取りなどの権利行使を行うことができる。取引の活発化によって膨大な量に及ぶ証券等の保管と受渡しを、簡易化・円滑化することを目的とする制度である。この制度の進展により、株券等のペーパーレス化を行うことも可能になった。現在では、実体法において株券を必要としない法制度の整備が進行し、株券の存在を前提としない制度設計が可能となったため、この制度の名称も「株式等振替制度」という名称になっている([1]

以下では廃止された株券等の保管及び振替に関する法律に基づき、旧来の制度を説明する。

株券等の保管及び振替に関する法律[編集]

株券等の保管及び振替に関する法律
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 証券保管振替法、ほふり法
法令番号 昭和59年法律第30号
効力 廃止
種類 商法
主な内容 保管振替制度について
関連法令 商法会社法金融商品取引法(証券取引法)、社債、株式等の振替に関する法律
条文リンク 総務省法令データ提供システム
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株券等の保管及び振替に関する法律(かぶけんとうのほかんおよびふりかえにかんするほうりつ、昭和59年法律第30号)とは、株券等(株券、投資信託証券、社債券など)の有価証券証券保管振替制度に関して定めた日本法律である。現在は、社債等の振替に関する法律の成立、全面施行により廃止されている。

株券等(2条1項)[編集]

法2条1項に定められる、保管振替制度の対象となる株券等の有価証券は、以下の通りであった。なお、実際に証券保管振替機構が取り扱っていた株券等は、関連項目を参照のこと。

一  株券新株引受権証書新株予約権証券及び新株予約権付社債券
二  投資信託及び投資法人に関する法律 (昭和二十六年法律第百九十八号。以下「投資信託法」という。)に規定する投資証券
三  協同組織金融機関の優先出資に関する法律 (平成五年法律第四十四号。以下「優先出資法」という。)に規定する優先出資証券及び優先出資引受権証書
四  資産の流動化に関する法律 (平成十年法律第百五号。以下「資産流動化法」という。)に規定する優先出資証券(特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律 等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十七号)附則第二条第一項 の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条 の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律 (平成十年法律第百五号。以下「旧資産流動化法」という。)に規定する優先出資証券を含む。以下同じ。)、新優先出資引受権証券転換特定社債券及び新優先出資引受権付特定社債券
五  次に掲げる有価証券のうち、前各号に掲げる有価証券をもつて償還されるもの
イ 社債券
ロ 投資信託法 に規定する投資法人債券
ハ 保険業法 (平成七年法律第百五号)第六十一条第一項 の規定による相互会社の社債券
ニ 資産流動化法 に規定する特定社債券(旧資産流動化法 に規定する特定社債券を含む。)
ホ その他特別の法律により法人の発行する債券
六  外国又は外国法人の発行する債券で新株予約権付社債券及び前号(ニに掲げるものを除く。)に掲げるものの性質を有するもの

保管振替機関[編集]

保管振替機関とは、主務大臣(内閣総理大臣及び法務大臣。内閣総理大臣の権限は金融庁に委任)の指定を受けて、保管振替業を営む株式会社をいう。この指定を受けていたのは、株式会社・証券保管振替機構のみであった。

保管振替機関が扱う有価証券は、その有価証券の発行会社が、制度の利用に同意した場合に限られる。平成17年4月末現在、証券保管振替機構は全ての公開会社の同意を得ており、同機構には日本の発行済株式のうち70%以上の株券が、保管されていた。

なお、略称として、「ほふり」の名を浸透させようとしているが、屠る(ほふる)には、屠殺の意味もあり会話ではあまり使われていない。

参加者・顧客[編集]

参加者とは、保管振替機関が株券等の保管及び振替を行うための口座を開設した者をいった(6条)。具体的には、証券会社銀行信託銀行保険会社証券金融会社証券取引所などである(証券保管振替機構の参加者数は、平成17年4月末現在、274)。

参加者は、自己の保有する株券等を保管振替機関に預託することができ、また、その顧客が保有する株券等を預託することができる。それに対し、参加者に該当しない顧客は、参加者を通じてのみ、預託することができた。

顧客口座簿・参加口座簿・機関口座簿[編集]

  • 顧客口座簿とは、顧客から預託を受けた株券を保管振替機関に預託する参加者が、保管振替機関ごとに、その顧客のために開設し、備えなければならないものである(15条1項)。具体的な記載・記録事項については、15条2項参照。
  • 参加口座簿とは、保管振替機関が作成し、備えなければならない口座の一つである(17条1項)。
    • 顧客口座簿・参加口座簿への記載・記録は、株券の占有や交付と同様の効力を有する(27条1項、2項)。
  • 機関口座簿とは、保管振替機関が、自己のために株券の保管及び振替を行うための口座を開設した際に、作成し、これを備えることができる口座である。(17条の2第1項)。 18条、26条4項、23条及び25条も参照。

預託株券・実質株主[編集]

  • 預託株券とは、参加者が保管振替機関に預託した株券のうち、顧客から預託を受けた株券のことをいった(14条)。
  • 実質株主とは、預託株券の共有者のことである。保管振替機関は実質株主を会社へ通知し(31条)、会社は実質株主名簿を作成し、本店に備置かなければならなかった(32条)。

関連項目[編集]

上場株券 - 転換社債券 - 転換社債型新株予約権付社債券 - 株価指数連動型投資信託受益証券(ETF) - 投資証券REIT等) - 協同組織金融機関の優先出資証券

外部リンク[編集]