柏餅

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柏餅
贈答用の箱と柏餅

柏餅(かしわもち)は、平たく丸めた上新粉の餅を二つに折り、間にをはさんでカシワ又はサルトリイバラの葉などで包んだ和菓子である[1]5月5日端午節句の供物として用いられる。

餡の種類は、つぶあんこしあんのほか、みそあんがポピュラーであるが、中部地方九州など味噌餡が存在しない地域もある。また亜種として餅が蓬餅で作られたものも近年存在している。カシワの葉を用いた場合は「かしわもち」と呼ばれることが多く、他の植物を用いた場合に「しばもち」など地方により異なる名称を持つ。

包んでいる葉は個人によっては食べる場合も食べない場合も存在するが、一部では、材料費を抑えるためにカシワの葉を象ったビニールシートで餅を包んだものが売られている。カシワの自生が少ない近畿圏以西ではサルトリイバラの葉が用いられることもあり、「かしわもち」の他、「しばもち」、「ちまき」、「かからだご」、「おまき」、「だんご」、「いばらもち」など地方ごとに特色のある名称が用いられている。ホオノキミョウガナラガシワコナラなどを利用する地域もある。葉の大きさにより包み方が異なり、カシワでは「くるむ」ことが多く、サルトリイバラでは「はさむ」ことが多い。東北・北陸・山陰地方などでは端午の節句にはちまきを用いる地域が多い[2]

カシワの葉を用いた柏餅は徳川九代将軍家重から十代将軍家治の頃、江戸で生まれた。カシワの葉は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄(家系が途切れない)」という縁起をかついだものとされる。江戸で生まれた端午の節句に柏餅を供えるという文化は、参勤交代で日本全国に行き渡ったと考えられているが、1930年代ごろまではカシワの葉を用いた柏餅は関東が中心であった。カシワの葉でくるむものが生まれるより前にサルトリイバラなどの葉で包む餅が存在し、カシワの自生が少ない地域ではこれが柏餅として普及していた。その後韓国や中国からカシワの葉が輸入されるようになったこともあり、カシワの葉でくるむ柏餅が全国的に主流となっている[2]

なお、「柏」の字は本来はヒノキ科針葉樹コノテガシワを指す漢字で、コノテガシワは柏餅に使う葉とは全く異なる。柏餅に用いるブナ科のカシワには、厳密には「槲」の字を使うのが正しい。

脚注[編集]

  1. ^ かしわもち、うちはコレなんです 葉っぱ17種類確認” (日本語). asahi.com. 2009年5月2日閲覧。
  2. ^ a b 服部保、南山典子、澤田佳宏、黒田有寿茂「かしわもちとちまきを包む植物に関する植生学的研究」、『人と自然 Humans and Nature』第17巻第1号、兵庫県立人と自然の博物館2007年、 1-11頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]