林飛帆

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林飛帆
プロフィール
出生: (1988-05-19) 1988年5月19日(35歳)
出身地: 中華民国の旗 台湾台南市
各種表記
繁体字 林飛帆
簡体字 林飞帆
台湾語 Lîm Hui-hoân
各種表記(本名)
拼音 Lin Feifan
和名表記: りん ひはん
発音転記: リン・フェイファン
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林 飛帆(りん ひはん、1988年5月19日 - )は、台湾台南市出身の人物。民主進歩党の現任副秘書長(日本の副幹事長に相当)。中国からの独立を主張しながらも反戦を志し、社会政策ではリベラルを自認する[1]

来歴

2006年、国立曁南国際大学公共行政政策学系に入学。入学後、民主進歩党の活動に参加した影響を受け「曁大台湾部」を設立した。

2008年、国立成功大学に入学。11月、中国国務院台湾事務弁公室主任・陳雲林の訪問に際し、馬英九政権が台湾旗の掲揚を認めない、民主進歩党の党員を拘束する、陳に対し過剰な警護体制を敷くなどの対応をしたことに対する抗議運動「野イチゴ運動」に参加[2][3]

2011年、国立台湾大学大学院政治研究科に入学し、2012年に研究生学会会長に就任。

2012年9月、中国との深い繋がりを持つ旺旺集団有限公司英語版によるケーブルテレビ買収に対する学生デモを主導し、買収を撤回させた[4]

2014年5月18日、学生団体「島国前進」を結成した[5]

2015年1月から2016年1月まで「替代役(兵役期間中に人員を社会サービス要員として配置転換する制度)」で台南市内の高齢者福祉施設に勤務。

2017年7月に結婚し、同年9月から英ロンドンのロンドン・スクール・オブ・エコノミクス政府専攻の修士課程に進学。翌年12月、修士課程修了。

2019年7月15日、民主進歩党の副秘書長に就任[6]

ひまわり学生運動

2014年3月、馬政権が中国との海峡両岸サービス貿易協定批准に向けた審議を民主進歩党の反対を押し切り強行採決したことに対し「中国の政治的圧力が強まる」として反発。3月18日に陳為廷ら100人以上の学生と共に立法院の議場を占拠し、審議のやり直しを要求した[7]。21日には占拠に賛同する学生に国民党地方支部での座り込みを行うように指示した[8]

3月22日、江宜樺行政院長と対話するが物別れに終わり[9]、25日に馬総統が対話に応じると表明するが、「立法委員に圧力をかけている」として対話を拒否した[10]。27日、馬政権に対し、貿易協定の監督制度の法制化が実現されれば議場から撤退すると表明[11]。しかし、馬政権がこれを拒否したため、30日に反対派市民と合流し総統府前で50万人を動員した大規模デモを実施した[12]

4月4日、行政院が監督制度を閣議決定するが、「形式だけで中身がない」と批判する[13]が、6日には学生寄りの王金平立法院長と対話し、「監督制度の法制化が行われるまでは協定の協議を凍結する」と表明したことを受け議場からの撤退を決定[14]し、議場の清掃を済ませた後、10日に撤退した[15]

この一連の騒動の結果、馬政権の支持率は10%前後に低下[16]し、11月の統一地方選挙での国民党の大敗、馬総統の国民党主席辞任、江内閣総辞職に繋がった[17][18]

脚注

  1. ^ 立法院占拠の台湾の若者 SEALDsに「いよいよ出てきたか!」 dot. 2016年3月29日
  2. ^ “大陸「海協会」トップが来月訪台、台湾側は警官7千人で警護”. 人民網. (2008年9月28日). http://j.people.com.cn/94474/94737/6522622.html 2015年1月14日閲覧。 
  3. ^ “野ユリ、野イチゴ…今回は「ヒマワリ」 台湾の学生運動”. 産経ニュース (産経ニュース). (2014年3月30日). http://www.sankei.com/world/news/140330/wor1403300010-n1.html 2015年1月14日閲覧。 
  4. ^ “台湾・行政院占拠 主導者は大学院生 学生運動を組織化”. 産経ニュース (産経ニュース). (2014年3月25日). http://www.sankei.com/world/news/140325/wor1403250042-n1.html 2015年1月14日閲覧。 
  5. ^ ““ひまわり学生運動”リーダーら、新団体結成/台湾”. 中央社フォーカス台湾. (2014年5月18日). http://japan.cna.com.tw/search/201405180006.aspx?q=%E6%9E%97%E9%A3%9B%E5%B8%86 2015年1月14日閲覧。 
  6. ^ 林飛帆接民進黨副秘書長” (中国語). 公視新聞網. 2019年10月20日閲覧。
  7. ^ “台湾、学生が立法院占拠 中国との貿易協定に反対”. 日本経済新聞. (2014年3月19日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1903L_Z10C14A3FF2000/ 2015年1月14日閲覧。 
  8. ^ “台湾立法院占拠の学生「今後も続ける」”. 日本経済新聞. (2014年3月21日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2102E_R20C14A3000000/ 2015年1月14日閲覧。 
  9. ^ “立法院占拠…行政院長が学生らと対話も物別れ 台湾”. 産経ニュース (産経ニュース). (2014年3月22日). http://www.sankei.com/world/news/140322/wor1403220009-n1.html 2015年1月14日閲覧。 
  10. ^ “馬総統と抗議の学生団体代表 話し合いの調整つかず/台湾”. 中央社フォーカス台湾. (2014年3月26日). http://japan.cna.com.tw/search/201403260007.aspx?q=%E6%9E%97%E9%A3%9B%E5%B8%86 2015年1月14日閲覧。 
  11. ^ “台湾・立法院占拠の学生代表、取り決め監督制度の法制化など要求”. 中央社フォーカス台湾. (2014年3月27日). http://japan.cna.com.tw/search/201403270006.aspx?q=%E6%9E%97%E9%A3%9B%E5%B8%86 2015年1月14日閲覧。 
  12. ^ “馬総統、学生抗議デモを理性的と評価 国会占拠の解除を呼びかけ/台湾”. 中央社フォーカス台湾. (2014年3月31日). http://japan.cna.com.tw/search/201403310001.aspx?q=%E6%9E%97%E9%A3%9B%E5%B8%86 2015年1月14日閲覧。 
  13. ^ “中国大陸との取り決め監視草案決定 議場占拠の学生「名ばかりだ」”. 中央社フォーカス台湾. (2014年4月4日). http://japan.cna.com.tw/search/201404040004.aspx?q=%E6%9E%97%E9%A3%9B%E5%B8%86 2015年1月14日閲覧。 
  14. ^ “立法院占拠の学生ら、10日午後6時の退去を宣言/台湾”. 中央社フォーカス台湾. (2014年4月8日). http://japan.cna.com.tw/search/201404080002.aspx?q=%E6%9E%97%E9%A3%9B%E5%B8%86 2015年1月14日閲覧。 
  15. ^ “学生団体による立法院の議場占拠 自主的に退去/台湾”. 中央社フォーカス台湾. (2014年4月10日). http://japan.cna.com.tw/search/201404100010.aspx?q=%E6%9E%97%E9%A3%9B%E5%B8%86 2015年1月14日閲覧。 
  16. ^ “民進党主席に蔡氏有力 台湾 現職不出馬で一本化”. 産経ニュース (産経ニュース). (2014年4月15日). http://www.sankei.com/world/news/140415/wor1404150006-n1.html 2015年1月14日閲覧。 
  17. ^ “馬英九総統が国民党主席を辞任 来年1月下旬に補選/台湾”. 中央社フォーカス台湾. (2014年12月3日). http://japan.cna.com.tw/search/201412030004.aspx?q=%E5%9B%BD%E6%B0%91%E5%85%9A%E3%80%80%E8%BE%9E%E4%BB%BB 2015年1月14日閲覧。 
  18. ^ “江内閣総辞職 統一地方選での与党大敗受け/台湾”. 中央社フォーカス台湾. (2014年12月1日). http://japan.cna.com.tw/search/201412010002.aspx?q=%E5%9B%BD%E6%B0%91%E5%85%9A%E3%80%80%E8%BE%9E%E4%BB%BB 2015年1月14日閲覧。