松永伍一
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松永 伍一(まつなが ごいち、1930年4月22日 - 2008年3月3日)は、詩人、文学・美術関係の評論家、作家。
来歴・人物
[編集]福岡県大木町出身。福岡県立八女高等学校卒。8年間中学校教師をし、1957年に上京して文筆活動に入る[1]。
1955年に詩集を刊行したが、評論を数多く上梓、「日本農民詩史」で1970年毎日出版文化賞特別賞を受賞した。
農民のほか、切支丹、落人など敗者、弱者への共感を叙情的に歌い上げる作風で知られる。児童文学、美術関係の評論、いわさきちひろの画集編纂、五木寛之との対談、小説など多岐にわたる著述を残した。
『一揆論』は何度も復刊された。著作集全6巻はその中途里程に過ぎない。また、子守唄研究の第一人者としても知られ、子守唄に関する著書も多い。
著書
[編集]- 草の城壁 詩集 母音社 1955
- くまそ唄 詩集 国文社 1959
- 陽気な農民たち 未來社 1962
- 日本の子守唄 民俗学的アプローチ 紀伊国屋新書 1964 のち角川文庫
- 日本人の愛の唄 新興出版社 1964
- 望郷の詩 大和書房 1964
- 落人 人物往来社 1965
- 日本のナショナリズム 九州山脈にその源流を探る 大和書房 1965
- 底辺の美学 民衆の創造的エネルギーとその矛盾 大和書房 1966
- 若い手紙 新興出版社 1966
- 日本農民詩史 全5巻 法政大学出版局 1967-70
- 荘厳なる詩祭 死を賭けた青春の群像 徳間書店 1967
- ひこ山のおに さ・え・ら書房 1970
- うたの思想 定本 唄の救い・歌への挑戦 新人物往来社 1970
- 土着の仮面劇 田畑書店 1970
- 土塊のうた 新潮社 1970
- 一揆論 情念の叛乱と回路 大和書房 1971 のち講談社文庫
- 原初の闇へ 春秋社 1971
- 有明海 私の抒情空間 木耳社 1971
- 小さな修羅 大和書房 1972
- 松永伍一著作集 全6巻 法政大学出版局 1972-75
- 平家伝説 中公新書 1973
- 絶望の天使たち 芸術生活社 1974
- 高原の翳り 日本交通公社出版事業局 1974
- 純白の逆説 あるいは花の呪詞 花曜社 1974
- 農民詩紀行 昭和史に刻む情念と行動 日本放送出版協会・NHKブックス 1974
- ふるさと考 講談社現代新書 1975
- 鮮烈な黄昏 大和書房 1975
- 割礼 詩集 国文社 1976
- 子守唄の人生 中公新書 1976
- 土俗の構図 河出書房新社 1977
- 私のフィレンツェ 講談社文庫 1977
- 悪魔と美少年 旺文社文庫 1977
- 松永伍一対談集 家の光協会 1978
- 天正の虹 講談社 1978
- にっぽん母物語 冬樹社 1978
- 水に聴く 花曜社 1978
- 旅のロマネスク 朝日新聞社 1979
- 青木繁 その愛と放浪 日本放送出版協会・NHKブックス 1979
- 日付のない暦 弥生書房 1979
- 北原白秋 その青春と風土 日本放送出版協会・NHKブックス 1981
- 油屋のジョン 少年詩集 理論社 1981
- 夢をポケットにいれて 詩集 花曜社 1981
- 聖性の鏡 イコン紀行 平凡社 1981
- 供華の旅 文化出版局 1982
- 少年 良太の橋 理論社 1982
- 落人伝説の里 角川選書 1982
- 少女伝説 短歌 朱韻館 1982
- 聖茎伝説 短歌 朱韻館 1982
- 松永伍一詩集 土曜美術社 1983
- 母たちの肖像 潮出版社 1984
- ペトロ岐部 追放・潜入・殉教の道 中公新書 1984
- 旅びと ペトロ岐部の一生 偕成社 1984
- 生きること書くこと(わが青春譜) 佼成出版社 1984
- 縄文杉の夢 ぽえじい日本紀行 八重岳書房 1985
- 有縁のきずな 佼成出版社 1985
- いのちの共鳴り 佼成出版社 1985
- 実朝游魂 中央公論社 1985
- 星の降る国へ 佼成出版社 1985
- 火の十字架 ぽえじい日本紀行 2 八重岳書房 1985
- まぼろしの天使 天草四郎 偕成社 1986
- 虹いろの馬車 伊東マンショと少年寒吉の物語 偕成社 1987
- 川上音二郎 近代劇・破天荒な夜明け 朝日選書 1988
- 聖地紀行 角川選書 1988
- 松永伍一全景 大和書房 1988
- 魔法のバテレン 金鍔次兵衛物語 偕成社, 1989
- 西行幻想 佼成出版社 1989
- デッサンを読む 美術世界 1989
- いのちの句読点 アートダイジェスト 1989
- 蝶は還らず プリマ・ドンナ喜波貞子を追って 毎日新聞社 1990
- マザー ファラオ企画 1991
- 信濃の聖西仏謎の生涯 信濃毎日新聞社 1991
- 遥かなるローマ 少年使節の旅 女子パウロ会 1992
- 花明りの路 三月書房 1993
- 散歩学のすすめ 講談社 1993
- 日本人の別れ 講談社 1994
- 光の誘惑 わが聖地行 紀伊国屋書店 1994
- 夢時計 アートダイジェスト 1995
- 老いを光らせるために 大和書房 1996
- 風の神話 詩画集 不忍画廊 1996
- お元気ですか ファラオ企画 1997
- 語りの贅沢 対談集 三月書房 1997
- ローマン・グラス 京都書院 1997
- フィレンツェからの手紙 丸善ライブラリー 1998
- 老いの品格 大和書房 1998
- ヴェネツィアー水都逍遥 京都書院 1998
- 鳥の夢 玲風書房 1998
- 金の人生銀の人生 毎日がいきいきと楽しくなる 祥伝社 2000
- 快老のスタイル 大和書房 2000
- 感動の瞬間 ひとはそこから歩きはじめる 大和書房 2001
- モンマルトルの枯葉 名画にまつわる三十一の短編小説 アートヴィレッジ 2001
- 縁ありて人生たのし 私が光をもらった人びと ウェッジ 2002
- 懐かしい日本語 読むほどに味が出る40の言葉 大和書房 2002
- 随筆玉手箱 三月書房 2003
- 人は言葉に癒され、言葉に励まされる PHP研究所 2006
- 讃歌 美に殉じた人びとへ 玲風書房 2006
- 老いの美徳 美に殉じた人びとへ 大和書房 2007
編纂・共著
[編集]- 近代民衆の記録 1 農民(編) 新人物往来社 1972
- 肉の鏡 詩画集、大島哲以共著 花曜社 1974
- 講座農を生きる 5 歴史をふまえて 主体性と農民(編)三一書房 1975
- 紀行対談 日本への逆回帰 五木寛之
- 1 帰りなんいざ… 講談社 1975
- 2 故郷まとめて… 講談社 1977 「日本幻想紀行」講談社文庫
- 風よついて来い 対談集 米倉斉加年 小学館 1983
脚注
[編集]- ^ 『川上音二郎』朝日選書、著者紹介