東武70000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
東武70000系電車
71703編成(西新井駅)
71703編成(西新井駅
基本情報
運用者 東武鉄道
製造所 近畿車輛
製造年 2017年 -
運用開始 2017年7月7日
投入先 中目黒駅 - 南栗橋駅
主要諸元
編成 7両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500 V
架空電車線方式
最高運転速度 100 km/h(東武線内)
80 km/h(日比谷線内)
設計最高速度 110 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 3.7 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 1,035人
車両定員 先頭車:140人
中間車:151人
自重 Mc1=34.3 t
M1=33.2 t
M2=32.9 t
M3=35.1 t
M2'=33.2 t
M1'=33.1 t
Mc2=34.5 t
全長 先頭車:20,470 mm
中間車:20,000 mm
全幅 2,780 mm
全高 3,972 mm
パンタグラフ付き車両全車3,995 mm
車体 アルミニウム合金
台車 ボルスタ付きモノリンク式片軸操舵台車 SC-107 (TRS-17M)
主電動機 永久磁石同期電動機 (PMSM)
主電動機出力 205 kW
駆動方式 WN継手式平行カルダン方式
歯車比 109:14 (7.79)
編成出力 2,870 kW
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置 ATC連動電気指令式空気ブレーキ回生ブレーキ併用)純電気ブレーキ
保安装置 新CS-ATC
東武形ATS
テンプレートを表示
車内の様子

東武70000系電車(とうぶ70000けいでんしゃ)は、2017年7月7日に運行を開始した東武鉄道通勤形電車伊勢崎線(東武スカイツリーライン)日光線含む)と東京地下鉄(東京メトロ)日比谷線との直通運転用として、20000系・20050系・20070系の置き換えに製造された。

2017年10月、グッドデザイン賞を受賞した[1]

概要[編集]

これまで日比谷線乗り入れ用車両として充当されてきた20000系・20050系・20070系には全車3扉車編成と一部5扉車編成が混在することから、これらへの対処を目的として製造された[2][3]。また、東京メトロでもほぼ同一仕様の13000系が導入されており[4]、車両置き換えが完了した時点で日比谷線の各駅にホームドアを設置する予定としている[2]

これまで日比谷線への乗り入れ車両は、日比谷線内に半径200mを切る急カーブが多数存在していたことから18m級の専用車両が充当されてきたが、測定機器を用いて日比谷線の再計測を行った結果、20m級車両を導入しても問題ないことが確認されたことから、20000系・20050系・20070系の18m級8両編成に対し、本系列は20m級7両編成となっている(東京メトロ13000系も同様)。70000系と東京メトロ13000系の導入により東武スカイツリーラインを走行する車両が20m級車両で統一されることから、東武スカイツリーラインでもホームドアを導入する計画があることを、東武鉄道広報が取材に対して言及している[4]

製造は東京メトロ13000系共々近畿車輛が請け負っている。近畿車輛製の車両が東武鉄道に導入されるのはこれが初めてである[5]

なお、以下の本項目において単に「13000系」と称する場合は東京メトロ13000系のことを指すことに留意されたい。

構造と性能[編集]

前述の通り、多くの仕様において13000系と共通であることから、東京メトロ13000系電車#構造と性能も参考とされたい。

車体[編集]

営業運転中の71703編成 (2017年8月)

13000系同様の、軽量かつリサイクル性に優れたアルミ合金のダブルスキン構造・レーザー・MIGハイブリッド溶接としている[6]が、無塗装の13000系に対して、70000系では20000系の帯色であるマルーンを2つの原色に再精製し昇華させた「イノベーションレッド」と「ピュアブラック」の2色の帯をまとう[3]。前頭部のデザインも直線的な13000系と異なり、前面下方が後方に折れ曲がったものを採用しており、前照灯のデザインも大きく異なる[7]

電源・制御機器[編集]

電動機や制御機器類は13000系と同じものが用いられ、主電動機には1時間定格205kWの永久磁石同期電動機 (PMSM) を採用[8]することにより、20050系と比べて約25%の消費電力が削減される。

ブレーキシステムは回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを搭載している[9]

台車[編集]

操舵台車「SC-107」。設計は東京メトロが担当したため、ボルスタ付台車となっている。

車体に装備される台車は、13000系と同じく、車両の車端側を電動機を搭載した電動軸、車両の中央側を付随軸とし、付随軸は、曲線走行時においてレールと車輪から発せられる騒音を低減するため、輪軸の向きを変えられる自己操舵軸とした操舵台車が採用される[8]。台車のメーカー形式はSC-107で、東武鉄道社内の独自形式は「TRS-17M」である。

内装[編集]

間接照明を採用した13000系に対し、70000系では「室内のどこにいても明るく快適な車両」を目指して直接LED照明を採用[10]。シートの割り付け・スタンションポールの配置などは13000系と同様だが、シートモケット地には車体外板にも使用されている「エナジードット」柄が織り込まれており、一般席は赤色、優先席では青色となっている。妻引戸のガラスには沿線の代表的な風景(隅田川東京スカイツリー東武動物公園など)がイラスト化したものがあしらわれている[8]。客室扉の上部には、17インチワイド液晶の車内表示器が3つ搭載される。

その他の相違点として、ドアエンジンは13000系が空気式なのに対し、70000系では電気式が採用されていること、車両間の貫通扉が13000系は各車両側にあるのに対し、70000系は片側のみにあること、網棚のガラスに13000系は江戸切子をベースにした模様が入っているのに対し、70000系は透明となっていること、13000系は間接照明なのに対し、70000系は直接照明であることなどが挙げられる[11]

車内放送久野知美で、出発式にも出席した[12][13]

運用[編集]

営業運転開始は当初2017年6月上旬を予定していたが[14]、少し遅れて同年7月7日から東武スカイツリーライン(日光線含む)および乗り入れ先の東京メトロ日比谷線にて営業運転が開始された[15][16][17]

今後2017年度は7両編成10本(70両)を導入、2019年度にかけて7両編成22本(154両)が導入される予定である[18]。2018年度は6編成を投入予定[19]

脚注[編集]

[ヘルプ]

注記[編集]

出典[編集]

  1. ^ 東武スカイツリーライン・東京メトロ日比谷線直通 新型車両70000系が「2017年度グッドデザイン賞」を受賞 - 東武鉄道公式ホームページ 2017年10月4日発信、同年同月5日閲覧。
  2. ^ a b “東京メトロ日比谷線、東武スカイツリーラインに新型車両を導入します” (PDF) (プレスリリース), 東京地下鉄、東武鉄道, (2014年4月30日), http://www.tokyometro.jp/news/2014/pdf/metroNews20140430_h93.pdf 2017年8月5日閲覧。 
  3. ^ a b 鉄道ファン 2017, p. 55.
  4. ^ a b 栗原景 (2014年7月26日). “君は日比谷線の新型車両を知っているか 東京メトロと東武鉄道が2016年度から導入”. 東洋経済オンライン 鉄道最前線. 東洋経済新報社. 2014年8月3日閲覧。
  5. ^ 東武鉄道株式会社殿東武スカイツリーライン新型車両(東京メトロ日比谷線相互直通運転車両)の製作者に決定しました - 近畿車輛、2015年6月17日
  6. ^ 鉄道ファン 2017, p. 56-57.
  7. ^ 鉄道ファン 2017, p. 56.
  8. ^ a b c 鉄道ファン 2017, p. 58.
  9. ^ 鉄道ファン 2017, p. 59.
  10. ^ 鉄道ファン 2017, p. 57.
  11. ^ 小佐野景寿 (2017年4月8日). “東武の新型車両70000系は何が画期的なのか (3/3)”. 東洋経済オンライン 鉄道最前線. 東洋経済新報社. 2017年8月10日閲覧。
  12. ^ 伊勢崎線~日比谷線、新時代へ 東武の新型電車70000系が7月7日、出発進行!”. 乗りものニュース. メディア・ヴァーグ (2017年7月7日). 2017年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月4日閲覧。
  13. ^ 上新大介. “東武鉄道70000系、日比谷線直通の新型車両デビュー! 初運行は北越谷駅から”. マイナビニュース (マイナビ). オリジナル2018年3月4日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180304021155/https://news.mynavi.jp/article/20170707-a079/ 
  14. ^ 東武鉄道、新型70000系公開 沿線風景をデザイン、6月から運転”. 埼玉新聞 (2017年4月13日). 2017年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月27日閲覧。
  15. ^ 鉄道ファン 2017, p. 61.
  16. ^ “東武スカイツリーライン・東京メトロ日比谷線直通 新型車両「70000系」7月7日(金)より運行開始します!” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 東武鉄道, (2017年6月22日), http://www.tobu.co.jp/file/pdf/fff044630876dab31fd1ef42f8e0c589/170622新型車両70000系運行開始【HP用確定版】.pdf?date=20170622170923 2017年8月3日閲覧。 
  17. ^ “東武70000系が営業運転を開始”. 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース (交友社). (2017年7月8日). http://railf.jp/news/2017/07/08/201500.html 2017年8月3日閲覧。 
  18. ^ “2017年度の設備投資計画について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 東武鉄道, (2017年4月28日), p. 4, http://www.tobu.co.jp/file/pdf/70f4ef3853d85f19585feea5c0b82bd3/170428.pdf?date=20170427170452 2017年8月3日閲覧。 
  19. ^ http://www.tobu.co.jp/file/pdf/b1e4bcb6437304f83ddad9116a845968/180427.pdf?date=20180427183243

参考文献[編集]

  • 薄賀則(東武鉄道 鉄道事業本部 車両部 設計課)「東武鉄道70000系」、『鉄道ファン』第57巻第9号、交友社2017年9月、 55-61頁。

外部リンク[編集]