東武6050系電車
東武6050系電車 野岩鉄道6050系電車(100番台) 会津鉄道6050系電車(200番台) | |
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![]() 東武6050系電車(2020年11月19日) | |
基本情報 | |
運用者 | 東武鉄道、野岩鉄道、会津鉄道 |
製造所 |
アルナ工機 東急車輛製造 富士重工業 |
改造所 | 総合車両製作所横浜事業所 |
導入年 | 1985年(改造元は1964年) - 1990年 |
総数 |
東武:2両編成29本(58両) 野岩鉄道:2両編成3本(6両) 会津鉄道:2両編成1本(2両) |
運用開始 | 1985年11月15日 |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 105 km/h |
設計最高速度 | 110 km/h |
起動加速度 | 1.65 km/h/s |
減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 295名 |
車両定員 |
モハ6150形 150名(うち座席 72名) クハ6250形 145名(うち座席 68名) |
自重 |
モハ6150形 40 t クハ6250形 34 t |
編成重量 | 74 t |
全長 | 20,000 mm |
全幅 | 2,878 mm |
全高 | 4,200 mm |
車体 | 普通鋼 |
台車 |
更新車 SUミンデン式空気ばね台車 モハ6150形 TRS-85M(住友金属形式 FS529)もしくはTRS-882M(住友金属形式 FS529B) クハ6250形 TRS-85T(住友金属形式 FS029)もしくはTRS-882T(住友金属形式 FS029B) |
主電動機 |
直流直巻補極補償巻線付電動機 TM-63 |
主電動機出力 | 130 kW×4(モハ6150形) |
駆動方式 | 可撓継手式中空軸平行カルダン |
歯車比 | 85:16 (5.31) |
制御方式 | 抵抗・弱界磁制御、4M永久直列、抑速ブレーキ付 |
制御装置 |
電動カム軸式多段制御器 (日立製作所製 MMC-HTB-10L) |
制動装置 | 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ (HSC-D) |
保安装置 | 東武形ATS |
備考 |
6151F - 6172Fは6000系からの更新車 6173F - 6179F・61101F - 61103F・61201Fは新造車 |
東武6050系電車(とうぶ6050けいでんしゃ)は、1985年(昭和60年)に6000系の更新によって登場した、東武鉄道の2ドアセミクロスシートの電車である。日光線・鬼怒川線の急行・区間急行と普通で運用される。1991年までは有料の快速急行[注 1]、2017年までは伊勢崎線・日光線の快速・区間快速にも使用されていた。
本項では、スカイツリートレインの愛称を持つ634型電車[注 2]、野岩鉄道・会津鉄道が所有する同型車である野岩鉄道6050系電車(100番台)および会津鉄道6050系電車(200番台)についても併せて記述する。また、個々の編成を表す場合は634型を除き、浅草方先頭車の車両番号の末尾に「F」(「編成」を意味する英語Formationの頭文字)を付して表記する。
概要[編集]
当時建設中だった野岩鉄道会津鬼怒川線への直通運転に備え、1985年10月から翌1986年10月にかけて2両編成(モハ6150形 (Mc) - クハ6250形 (Tc))22本の計44両が登場した。当初は6000系に不燃化等の改造をして使用する予定であったが、同系列は非冷房車であり、車両設備も陳腐化していたことから、新線乗り入れのため新造(一部車両更新)によるイメージアップのほうが得策と判断され、本系列の製造が決定した。更新途上において運用車両が不足することから1編成 (61101F) が完全新造され、後に野岩鉄道に譲渡された。その後1988年には完全新造車が7編成14両増備され、最盛期には29編成58両が在籍した[注 3]。
構造[編集]
外観[編集]
全長は20 mで、両開き式ドアを前後2か所に備える。前面は大型ガラスを使用した三面折妻構造で、窓周りをくぼませ(いわゆる「額縁」スタイル)、貫通扉の上に急行灯を装着する。なお、この前面のデザインは、細部の差異はあるが、8000系の1987年度以降の更新修繕車に、また排障器を省略して10030系に採用されている。
塗色は、ジャスミンホワイトを基調に前面はパープルルビーレッド、側面はパープルルビーレッド2本とサニーコーラルオレンジのラインを巻いている。後にこの車両塗色は塗り分けこそ異なるが100系「スペーシア」(1990年 - 2012年のオリジナルカラー)、300・350系にも採用され、日光方面優等系車両のイメージカラーとなる。
2011年頃に転落防止用幌がモハ6150形とクハ6250形の連結面に設けられた。
車内設備[編集]
座席配置はドア間固定クロスシート、車端・戸袋部ロングシートのセミクロスシートとした。ボックスシートは座席間隔(シートピッチ)が6000系の1,480 mmから1,525 mmに拡大された。また、折り畳み式テーブルを設置している。車内の乗務員室側の妻面上部の中央には、分割運転時の誤乗防止のため、行先表示器を設置している。また長距離運用が前提のため、クハ6250形に和式トイレを設置している。客室側窓は一枚下降式を採用している。また、蛍光灯にはカバーが取り付けられている。冷房の冷気吹き出し口はラインフロー式で、扉部分には補助送風機も設置してある。車内保温のためのドアカット機能(連結面寄のみ)はあるが、開閉ボタンは装備していない。
主要機器[編集]
6000系より主電動機・台車・抵抗器・電動空気圧縮機 (CP) などを流用したが、制御器等の主要機器は新製されている。ただし、制御シーケンスやブレーキシステムの仕様は6000系とほぼ同一であり、更新途上においては両系列の併結運転も行われた。
制御器は電動カム軸式の日立製作所製MMC-HTB-10Lである。6000系が搭載したMMC-HTB-10Dと制御段数およびシーケンスは同一で主電動機4個永久直列回路構成であるが、野岩鉄道乗り入れを考慮して耐寒耐雪設計とされたほか、無接点制御方式を取り入れメンテナンス軽減を図っている。電動発電機 (MG) も冷房装置が搭載されたことからブラシレス式の大容量のものが新製され、容量75 kVAのCLG-703をクハ6250形に搭載する。
1996年には、増解結時の省力化を図る目的で自動連結器から電気連結器付き密着連結器への交換が行われた。その後、2001年3月28日のダイヤ改正より日光線普通列車でも運用されることとなり、5編成に霜取り用パンタグラフが搭載された。一部の電動台車には当初から撒砂装置が設けられている。
同左
砂撒き装置付きTRS-63M
完全新造車の製造[編集]
6050系の完全新造車は、前述の通り1985年に100番台1編成 (61101F) が製造されたことに始まる。1986年には61102Fが新造され、野岩鉄道開業に合わせて2編成とも同社へ譲渡された。
新造車と更新車の大きな相違点は、台車が更新車の住友金属工業製ミンデンドイツ型FS357・057(東武形式TRS-63M・63T)に対して、住友製SUミンデン型[注 4]に変更されたことである。当初は、メンテナンスの関係からFS357・057が採用される予定だったが、メーカー側の製造上の問題によりSUミンデン型が採用された。
1988年には、1986年の開業時から予想以上の人気で混雑し、定期快速列車用の6050系に加えて臨時快速列車として8000系を追加投入し、会津高原駅(現:会津高原尾瀬口駅)まで直通運転していた野岩鉄道会津鬼怒川線の状況を解消するため[注 5]、また会津鉄道会津線の会津田島電化開業に備えるため、完全新造車が7本(および野岩鉄道車1本)製造され追加投入された。
その後1990年には同年10月12日の会津田島電化開業用として会津鉄道車6050系200番台1編成 (61201F) が製造された。これは会津鉄道が所有する唯一の電車である。
1990年当時、私鉄の新造車はほとんどチョッパ制御やVVVFインバータ制御、界磁添加励磁制御など、回生ブレーキが使用可能な制御装置を採用おり、抵抗制御の新造車は珍しかった。しかし列車密度の低い会津鉄道線内で回生ブレーキを使用するのは向いておらず、6050系の既存車とも仕様を合わせるため、抵抗制御の61201Fを新造することになった。
野岩鉄道・会津鉄道所属の本系列は書類上は東武鉄道からの譲受とされている。
- 製造年度
- 61101F:1985年
- 61102F:1986年
- 6173F - 6179F・61103F:1988年
- 61201F:1990年
なお、この完全新造車のうち2編成(6177F・6178F)が2012年に後述する634型に改造された。
運用[編集]
野岩鉄道・会津鉄道の所有車両も運用上の区別はされておらず、3社の保有車両が南栗橋車両管区新栃木出張所に配置され、完全に共通運用されている。
2017年4月21日以降は、日光線南栗橋 - 東武日光・新藤原間の急行・区間急行列車、日光線(南栗橋 - 栃木 - 東武日光間)・鬼怒川線の普通列車を中心に、その他下今市で特急に連絡する特急連絡列車にて使用される。なお、2017年4月20日以前は、伊勢崎線・日光線・鬼怒川線・野岩鉄道会津鬼怒川線・会津鉄道会津線を直通する快速・区間快速を中心に充当されており、下今市で東武日光/会津田島方面列車の連結・切り離し作業が行われていた。
- 1991年7月21日のダイヤ改正までは、座席指定制の優等列車である快速急行「だいや」「おじか」「しもつけ」にも使用されていたが、これらは急行に昇格のうえ300系・350系に置き換えられた。また、2001年までは「尾瀬夜行」「スノーパル」などの臨時夜行列車にも使用されたが、こちらも現在は500系での運用となり、本系列の定期有料列車の運用はない。
- 2001年3月28日のダイヤ改正では旧型車の置き換えと運用合理化のため、それまで本系列が主体であった団体列車に300系・350系が充当されることになった。その代わりに、日光線栃木 - 東武日光間の普通や宇都宮線の一部列車に運用され、5050系を置き換えている。
- 2005年3月1日のダイヤ改正までは新藤原 - 会津田島間の区間列車も存在していたが、改正後は早朝を除くほとんどの列車が浅草 - 会津田島間の直通快速列車となる。この頃から繁忙期に運行の「北千住」の表記がサボから行先表示器に変更される。
- 2006年3月18日のダイヤ改正で区間快速(浅草 - 東武動物公園間快速運転、東武動物公園以北各駅停車)が新設され、昼以降の快速が区間快速に置き換えられる。これに伴い種別表示器の「快速」表記は白地に赤から白地に青に変更され「区間快速」の表記は青地に白抜きとされた。また、ダイヤ改正による伊勢崎線・日光線の種別名称変更に伴い、送り込み輸送の種別が準急から区間急行へ変更された(表記は赤地に白抜きのまま)。同時に通勤車と同じ書体から前面種別表示器を除き若干丸みを帯びた大きな書体に変更された。また、野岩鉄道・会津鉄道の会津高原駅が会津高原尾瀬口駅へ駅名を改称したことに伴い、東武では最長となる7文字の行先表示が登場する。
- 2007年10月31日から宇都宮線の普通でワンマン運転が開始されるのに伴い、同線での運行が終了した。
- 2009年6月6日のダイヤ改正で、以下の変更があった。
- 東武日光発着の区間急行が廃止となり、新栃木発着に短縮。
- 前2両が会津田島もしくは会津高原尾瀬口(一部前4両新藤原)発着、中2両が鬼怒川公園もしくは新藤原発着、後ろ2両が東武日光発着となった。
- 朝間時に浅草 - 北千住間と南栗橋 - 新栃木間の2区間において普通として充当されるようになった。
- 2013年3月16日のダイヤ改正から区間快速は新大平下以北各駅停車に変更され、昼間時は2時間間隔になった。それを埋めるために栃木 - 新藤原・会津田島間の普通列車が運行を開始した。
- 2017年4月21日のダイヤ改正により快速・区間快速と浅草 - 新栃木間の区間急行が廃止され、浅草 - 南栗橋間の定期運用が消滅した[1]。そして快速・区間快速の代替として新設され南栗橋以北で運用する急行・区間急行に用いられるようになる(表記はどちらも赤地に白抜き)。また行楽シーズンには臨時列車として南栗橋以南にも乗り入れており、廃止直後のゴールデンウィークでは浅草 - 東武日光間で運行された[2]。ただし、臨時列車の停車駅はかつての快速停車駅に南栗橋駅と栗橋駅が加わったため駅のポスターや発車標および駅員による放送、本系列の種別では「快速」と案内されずに「臨時 ○○行き」と案内されている。
- 2019年10月の東武日光線全線開業90周年を記念して、当形式の1編成が6000系時代のツートンカラーに変更されることが発表され[3]、2019年11月21日に6162編成(旧6119編成)が塗装変更されて出場した。内装モケットも6000系時代の金茶色のものが復元されている。同編成は同年11月30日から営業運転を開始した[4]。翌2020年1月20日には完全新造車かつ霜取りパンタ装備の6179編成もツートンカラーに塗装変更されて出場している[5]。
その他[編集]
- 以前の本系列には、他の通勤用車両とは異なりドアステッカーが貼付されていなかったが、2009年頃からフリーパスの広告が入ったドアステッカーが貼付されるようになった。
- 東武鉄道ポータルサイトでは、『6050型』と表記されている[6]。
- 2017年4月21日ダイヤ改正で快速・区間快速が廃止されたことから本形式に余剰が発生し、2017年5月11日に6158Fが北館林荷扱所へ廃車回送され、本形式初の廃車となった[7]。
以降、2017年度中に6161F・6166F・6171Fが廃車されたほか、2019年度には6163Fが廃車された。
形式および編成表[編集]
形式[編集]
- モハ6150形 (Mc)
- 浅草・南栗橋向き制御電動車。主制御装置、パンタグラフを搭載する。
- クハ6250形 (Tc)
- 東武日光・新藤原・会津田島向き制御車。電動空気圧縮機、補助電源装置を搭載する。車内では連結面側にトイレを設置している。
編成表[編集]
形式 | クモハ6150形 (Mc) |
クハ6250形 (Tc) |
更新 or 新造 | |
---|---|---|---|---|
搭載機器 | CON・PT | MG・CP | ||
自重 | 40.0 t | 34.0 t | ||
定員(座席) | 150(72) | 145(68) | ||
車両番号 | 東武 | 6151 : 6172 |
6251 : 6272 |
6000系 からの 更新車 |
6173 : 6176 6179 |
6273 : 6276 6279 |
新造車 | ||
野岩 | 61101 61102 61103 |
62101 62102 62103 | ||
会津 | 61201 | 62201 |
634型「スカイツリートレイン」[編集]
東武634型電車[注 2] | |
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![]() 改造後の634型電車 | |
基本情報 | |
運用者 | 東武鉄道 |
種車 | 6050系新造車 |
製造年 | 1988年 |
改造所 | 総合車両製作所横浜事業所 |
改造数 | 2両編成2本 (4両) |
運用開始 | 2012年11月29日 |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流1,500 V (架空電車線方式) |
車両定員 |
モハ634-01形 30名 クハ634-02形 29名 |
自重 |
モハ634-01形 46.3 t クハ634-02形 40.0 t |
全長 | 20,000 mm |
全幅 | 2,878 mm |
全高 | 4,200 mm |
車体 | 普通鋼 |
台車 | SUミンデン式空気ばね台車 |
主電動機 |
直流直巻補極補償巻線付電動機 TM-63 |
主電動機出力 | 130 kW×4(モハ634-01形) |
駆動方式 | 可撓継手式中空軸平行カルダン |
歯車比 | 85:16 (5.31) |
制御方式 | 抵抗・弱界磁制御、4M永久直列、抑速ブレーキ付 |
制御装置 |
電動カム軸式多段制御器 (日立製作所製 MMC-HTB-10L) |
制動装置 | 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ (HSC-D) |
保安装置 | 東武形ATS |
概要[編集]
東武634型電車[注 2](とうぶむさしけいでんしゃ[6])は、6050系のうち6177Fと6178Fを総合車両製作所横浜事業所で改造し、車内の高床化やトイレ・腰掛のバリアフリー対応化を行い、展望窓を設置した観光用車両である(種車の2編成は東急車輛製造で製造)。愛称は「スカイツリートレイン」[6][8]であり、2012年11月29日から同名の特急列車で運行を開始した。
文献によっては東武634形[9]や東武634系の記述も見られる[注 2]。形式名の「634」は東京スカイツリーの高さ634 mにちなんでいる[10]。
通常は2編成併結の4連で運転されている。
2017年4月16日を最後に特急「スカイツリートレイン」としての運行を終了し、団体専用または臨時での運行のみとなったが、2019年からは行楽期の臨時特急として運行されている他、栃木県民の日の宇都宮線無料乗車日には普通列車として運行された。特急料金はリバティに準じる。
外観[編集]
車体構造は6050系時代と同じであるが、外観塗装は白をベースに634-11編成が「青空」をイメージした青系、634-12編成が「朝焼け」をイメージした赤系の水玉模様と東京スカイツリーのデザインに変更された[11]。
水玉模様は地上で放たれた風船が、スカイツリーを中心として沿うように舞いあがる様子をイメージしている。前面部の行先表示器・列車種別表示器と側面の行先表示器については,改造に際して東武の優等列車としては初のフルカラーLED式に取り替えられた。客室の側窓はスカイツリーの眺望を考慮して、既存の側窓の上部に曲面ガラスを用いた天井窓を追加設置している[12]。
車内設備[編集]
スカイツリーの眺望を考慮して、腰掛設置の床面が出入台・通路に対して150mm高くした高床式に改造された。
腰掛はフリースペースを除き、改造車種である6050系のセミクロスシート(ボックスシート+ロングシート)からリクライニングシートに変更されており、モハ634-01形が山側は窓側を向いたペアスイート席・海側は1列配置のシングル席になっている一方、クハ634-02形は1列配置のシングル席(山側)と2列配置のツイン席(海側)の組み合わせに変更された。ペアスイート席以外は回転(前後方向のみ)も可能で、1人旅から2~4人の組み合わせに対応している。
出入口は1両当たり片側2か所だったが、改造により運転室背後にサロン席や荷物棚を配置したため運転席寄りの出入口2か所が撤去された。また、1編成に1か所存在するトイレのバリアフリー化に伴い、トイレ近くの出入口が移設されている。
車内照明が蛍光灯からLED照明に変更され、通路上の天井には1両あたり2か所の液晶式の車内案内表示装置を設置した。
Mc車のイベントステージには収納式のAVカラオケ設備を設置しており、使用時にはステージに引き出して使用する。天井にはステージを撮影する専用カメラを設けられており、1両あたり2か所の32インチモニターや専用スピーカーを使って各車に配信することができる。
外観塗装と同じく、腰掛モケットをそれぞれ青系・赤系で区別し、東京スカイツリーのマスコットキャラクターのソラカラちゃん・テッペンペン・スコブルブルのシルエット柄を採用している。
室内の座席配置変更に伴い、従来セミクロスシートの脚台に配置していた機器やAV関連機器を高床や荷物置き場・バックヤードの床中に設置し、腰掛部のヒーターについて、はリクライニングシート脚台に550W(2人掛用)・250W(1人掛用)のヒーターを設置したほか、販売カウンターや荷物置場にも温風ヒータを設置して、冬期や山間部での運用に備えている。
客室内照明は東武初の「LED照明」を採用
(写真はモハ634-21)
形式および編成表[編集]
形式[編集]
編成は浅草側からモハ634-11・21とクハ634-12・22となっている。6050系時代の番号との新旧対照は次の通り[13]。
- モハ6177・6178→モハ634-11・21
- クハ6277・6278→クハ634-12・22
- モハ634-01形 (Mc)
- 浅草向き制御電動車。主制御装置、パンタグラフを搭載する。
- クハ634-02形 (Tc)
- 東武日光・新藤原・会津田島・太田・大宮向き制御車。電動空気圧縮機、補助電源装置を搭載する。車内では連結面側にトイレを設置している。
編成表[編集]
← 浅草
| ||
形式 | モハ634-01形 (Mc) |
クハ634-02形 (Tc) |
---|---|---|
搭載機器 | CON・PT | MG・CP |
自重 | 46.3 t | 40.0 t |
定員 (座席) |
(30) | (29) |
車両番号 | 634-11 634-21 |
634-12 634-22 |
参考文献[編集]
- 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』No.362 特集:大手私鉄の“料金不要”クロスシート車両
- PHP研究所『東武鉄道のひみつ』
- 飯島巌、卓はじめ、諸河久『復刻版 私鉄の車両24 東武鉄道』(ネコ・パブリッシング)
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 東武伊勢崎・日光線で運行していた快速急行は他社の快速急行とは異なり、急行の速達化というより車内設備の格差によるものであった。
- ^ a b c d 東武では同一系列内、または改造によって登場した車両の区分に関して「型」の表記を使用しており、本系列内において634系ではなく634型と表記される。
- ^ 東武籍の編成のみ。野岩鉄道籍の3編成および会津鉄道籍の1編成を加えた本系列全体では合計33編成66両となる。
- ^ 野岩鉄道所属の61101Fおよび61102Fには、FS529・029(東武形式TRS-85M・85T)が採用され、その他の完全新造車には付随台車の基礎ブレーキを踏面片押し式としたFS529B・029B(東武形式TRS-882M・882T)が採用された
- ^ 野岩鉄道会津鬼怒川線直通の臨時快速列車は6050系で揃えられたが、本線系統である東武日光線の臨時快速列車には引き続き3070系が投入されていた。
出典[編集]
- ^ 東武鉄道日光線系統で「快速・区間快速」の運転が終了・6050系の浅草駅乗入れが終了 - 交友社 鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース 2017年4月21日
- ^ GWに臨時列車を運転します。 東武鉄道 2017年4月25日
- ^ 日光線全線開通90周年を記念した各種イベントを開催します!~当社初のステーションビストロやリバイバルカラー車両の運行等を実施~東武鉄道 2019年9月27日
- ^ 東武鉄道6050系6162編成が旧6000系のツートンカラー塗装になって出場 railf.jp 鉄道ニュース 2019年11月21日
- ^ 東武6050形6179編成も「6000系リバイバルカラー塗装」に railf.jp 鉄道ニュース 2020年1月21日
- ^ a b c 10月27日(土)展望車両634型「スカイツリートレイン」がデビュー! 東武鉄道 2012年9月27日
- ^ “東武6050系6158編成が北館林へ”. 鉄道ファン (2017年5月12日). 2017年5月15日閲覧。
- ^ 東武鉄道634系「スカイツリートレイン」が甲種輸送される - 交友社 鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース 2012年9月27日
- ^ 鉄道ファン 2013年2月号(通巻622号)
- ^ 「スカイツリー電車」公開 東武、高さにちなみ634型 - 日本経済新聞 2012年10月26日
- ^ 東武鉄道"スカイツリートレイン"試乗会開催。 - 鉄道ホビダス 編集長敬白 2012年11月6日
- ^ 東武鉄道 634型 イベント用電車 総合車両製作所技報 第1号 P74-77(インターネットアーカイブ)
- ^ 「私鉄電車編成表2013」
関連項目[編集]
- 他社における「両開き」・「2扉」を持つセミクロスシート車両
-
- 阿武隈急行8100系電車(2扉のうち運転席側だけ片開き)
- 阿武隈急行A417系電車(元・国鉄417系電車、廃車済)
- 小田急2320形電車(後に3扉車に改造、廃車済)
- 富士急行5000形電車(廃車済)
- 西武4000系電車
- 阪急2800系電車(後に3扉車に改造、廃車済)
- 阪急6300系電車(嵐山線用リニューアル車及び「京とれいん」用車両のみ残存)
外部リンク[編集]
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