村井修

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村井 修(むらい おさむ 1928年(昭和3年)9月27日 - 2016年(平成28年)10月23日[1])は日本の写真家

村井修
生誕 1928年9月27日
死没 (2016-10-23) 2016年10月23日(88歳没)
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ギャラリーA4『都市の記憶』

経歴と活動[編集]

愛知県半田市出身。愛知県立第七中学校(現・愛知県立半田高等学校)を経て、1950年東京写真工業専門学校(現・東京工芸大学)を卒業。

建築や彫刻を被写体とした写真家活動を始め、東京で独立[2]小田仁二郎瀬戸内晴美(寂聴)らによる同人誌「Z」の表紙(写真)を担当する。新旧東京都庁舎ほか一連の丹下健三の建築、白井晟一の作品など数多くの建築物を撮影し、1980年代には数年間に及ぶ京都迎賓館の撮影を手掛けた。シドニー・オペラハウス関西国際空港中部国際空港東京駅などの写真を撮影・発表している。彫刻分野では、佐藤忠良流政之澄川喜一らの作品を撮影。アメリカ・タイム社の取材にもかかわり、雑誌『LIFE』のテーマ「家族」日本編を担当するなど活躍は国内外、多岐に及ぶ[3]

受賞歴[編集]

過去の主な展覧会[編集]

  • 「カメラでとらえた彫刻と空間」(新宿・風月堂ギャラリー)1957年
  • 「建築へ写真へ」名古屋・東京・ソウル巡回 1982-84年
  • 「世界の広場と彫刻」(英題:HARMONY/Sculpture & Environment)

 米ハーバード大学ほか日本国内巡回展 1986-87年

  • 「石の記憶」(英題:Remembrance in Stone)ニューヨーク、東京展 1994-96年
  • 「パリ・都市の詩学」東京・大阪・名古屋巡回展 1997-98年
  • 「港町グラフィックス」東京(アユミ・ギャラリー) 1999年
  • 「村井修の空間・光とかたち 1955-1995」東京(写大ギャラリー/東京工芸大学) 1999年
  • 「シドニーオペラハウスの光と影」東京・大阪展 2001-02年
  • 「東京-街の余白」(路傍の聖域)東京 2003年
  • 「世界の広場と彫刻」(英題:HARMONY/Sculpture & Environment)イタリアのローマ、テラモ2005年
  •  韓国建築家協会(KIA)招待・企画展 2005年
  • 「金寿根の建築」ソウル 2006年
  • 「都市の記憶」東京展(ギャラリーA4)2006年[4]
  •  ヴェネツィア・ビエンナーレ韓国館展示 2014年
  •  村井修半田写真展「めぐり逢ひ」/CROSSING PATHS 2016年9月16日-10月16日


著作[編集]

  • 1970年『旧帝国ホテル実證的研究』明石信道著 東光堂
  • 1975年『外空間』共著 誠文堂新光社
  • 1975年『丹下健三 建築と都市』 世界文化社
  • 1975年『白井晟一」(現代の建築家) 鹿島出版会
  • 1979年『金壽根』(現代の建築家) 鹿島出版会
  • 1981年『林雅子』(現代の建築家) 鹿島出版会
  • 1981年『李朝の建築』共著 求龍堂
  • 1981年『滝谷妙成寺』 日蓮宗新聞社
  • 1983年『写真都市」 用美社
  • 1983年『世界の広場と彫刻』現代彫刻懇談会、(第37回 毎日出版文化賞 特別賞受賞) 中央公論社
  • 1985年「富士見町教会旧会堂のこと」日本基督教団富士見町教会
  • 1985年『新国技館の記録』(国技の殿堂を支える空間と技術) 鹿島出版会
  • 1985年「傑出への旅立ち」ブラザー工業株式会社
  • 1986年『環境造形Q』空間造形コンサルタント
  • 1986年『札幌芸術の森 野外美術館』財団法人札幌芸術の森
  • 1989年『東京キリスト教青年会本館(YMCA)』(第2代・1929-1988)東京キリスト教青年会
  • 1989年『写真集 光・形 TAKENAKA』 求龍堂
  • 1989年『記憶の風景』自主出版
  • 1989年『石の記憶』(第6回 東川賞受賞)リブロポート
  • 1990年『前川國男作品集-建築の方法』美術出版社
  • 1992年『AZUMA』(彫刻作品集)リブロポート
  • 1992年「愛知県美術館総合図録」芸術文化センター
  • 1992年『齋藤裕』(現代の建築家)鹿島出版会
  • 1993年『From north住・集』上遠野徹作品集 個人出版
  • 1993年『建築に潜む自然 TAKENAKA』 六耀社
  • 1993年『街かどのハーモニー』(村井修が撮った世界の彫刻)愛知芸術文化センター
  • 1994年『Gloria Chapel』設計 鬼頭梓(グロリアチャペル建設の記録)キリスト品川教会
  • 1994年『関西国際空港 旅客ターミナルビル』講談社
  • 1995年『柳澤孝彦』(美術館の空間とディテール)SD9507鹿島出版会
  • 1995年『パブリック・アートの現在形』(新宿アイランド・アート計画)SD別冊27 鹿島出版会
  • 1996年『そりのあるかたち』澄川喜一作品集 平凡社
  • 1996年『パリ・都市の詩学』共著 河出書房新社
  • 1997年『柳澤孝彦』(劇場の空間構成)鹿島出版会
  • 2001年『シドニーオペラハウスの光と影』共著 彰国社
  • 2001年『王国』高松伸作品集 青幻舎
  • 2003年『森の美術館』宮本忠長作品集 中公出版
  • 2004年『フランク・ロイド・ライトの帝国ホテル』共著 建築資料研究所
  • 2010年『京都迎賓館』平凡社
  • 2016年『TIME AND LIFE -時空-』赤々舎

作品収蔵先[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 写真家の村井修氏が死去 産経ニュース 2016年10月25日付
  2. ^ 鈴木博之 2014c, p. 216.
  3. ^ 村井修 2010a, p. 190.
  4. ^ 村井修 1996b, p. 128.

出典[編集]

  • 村井修『京都迎賓館』平凡社、2010a。ISBN 978-4-582-27780-7 
  • 村井修『パリ 都市の詩学』河出書房新社、1996b。ISBN 4-309-22289-7 
  • 鈴木博之『現代の名匠』建築画報社、2014c。ISBN 978-4-901772-77-8