未公開株

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未公開株(みこうかいかぶ)とは、株式公開していない株式。非公開株あるいはプライベート・イクイティーとも。

非上場企業の株式[編集]

証券取引所上場している企業株式は、基本的に株式公開しているため、証券取引所で(一般には証券会社を窓口として)売買することができる。これに対して、上場していない企業の株は株式公開していない。その株式公開していない株式を未公開株と呼ぶ。

未公開株は、創業者やその親族、取引先、ベンチャーキャピタルといったところが多く保有している。株式公開していないので証券取引所で売買することはできないが、譲渡価格など条件面で合意さえすれば、当事者間で売買は可能である。[1]ただし、発行会社によっては譲渡制限が付されている場合はそれも出来ない場合がある。[2]ストックオプションの行使により特定の関係者(子会社や親会社、従業員や役員など)に譲渡される場合がある。

証券取引所で売買されないため、証券会社でも取り扱うことは基本的にないが、ごく一部の証券会社では未公開株も取り扱っているところがあり、株式新聞など専門紙でも実勢価格が掲載されることがある。

なお、未公開株の売買の場を証券会社の業界団体である日本証券業協会が、1997年グリーンシート市場を作って提供しているが、日本証券業協会の自主ルールによりグリーンシート市場以外の未公開株の扱いは、証券会社では原則として行えない。

金融商品取引法上、未公開株の購入は、当事者間の売買を除くと、販売には証券業の登録が義務付けられている。金融庁のページで証券販売業者の登録確認が出来る。登録されていない販売業者は、少なくとも違法な勧誘であり、多くは投資詐欺である。ただし、匿名組合投資で未公開株式を購入することは結果として可能であるが、これも金融商品の取り扱いで金融庁への登録が必要である(この投資では株券の交付を受けることは出来ない)。

事件[編集]

企業の株式が、新規に証券取引所に公開される場合、直前に未公開株を一般に向けて販売(売り出し)するが、公開直後には販売価格よりも市場価格が上回ることが多いため、絶好の利ざや稼ぎとなる。リクルート事件の場合、リクルートコスモス(現 コスモスイニシア)社(現在は上場)の公開前の未公開株が、賄賂として利用されたこともある。

その一方で、証券取引所上場時の株価が未公開時の販売価格を大きく下回るケースだと購入者からの苦情や相談が発生する。2006年2月14日には、アース製薬の上場前の未公開株を2004年~2005年にかけて証券取引法違反(無登録営業)の投資顧問業者が、個人投資家らに一株1万3千円前後で販売・勧誘(上場時の株価は2千円)していた容疑で、愛知県警により業者の家宅捜索が行われた[3]

被害額上位の未公開株詐欺事件一覧

名称 被害者数 被害額 摘発/破綻時期
アイディ ジャパンサクセスジャパン 数千人 200億円 2009年
イー・マーケティング 1000人 150億円 2009年
ワールドインベストメント (キャスト) 33億円 2007年

毎年のように、未公開株の売買を巡るトラブルや詐欺事件が発生しており、各地で被害者による民事訴訟刑事告訴などが提起されている[4][5][6][7]。また、2011年5月には、未公開株の売買トラブルを巡り、初の行政主導での集団訴訟が起こされている[8]。 中にはペーパーカンパニーの未公開株・社債など詐欺のためだけに会社を設立するなどの悪徳商法も発生している[9]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 電話で勧誘するような営業行為が可能ということではない。
  2. ^ 非上場企業の株式は定款で譲渡制限を付けることが会社法で認められている。譲渡制限付き株式を名義変更する場合には、取締役会の承認が必要になる
  3. ^  アース製薬未公開株を無登録販売した業者を捜索 
  4. ^ リムテック未公開株めぐる詐欺事件で逮捕状 被害100人、2億円 産経新聞 2009年2月18日[リンク切れ]
  5. ^ 未公開株上場詐欺?大阪のコンサル、1万人から100億円超集金か 産経新聞 2009年3月5日[リンク切れ]
  6. ^ アテック社:上場うたい、6000万円集金 未公開株勧誘、連絡絶つ 毎日新聞 2010年7月3日[リンク切れ]
  7. ^ 未公開株、「時事評論家」らに4千万円賠償命令 読売新聞 2010年11月11日[リンク切れ]
  8. ^ 未公開株詐欺、初の自治体支援で集団提訴 産経新聞 2011年5月31日
  9. ^ 未公開株詐欺:容疑で男7人を再逮捕--警視庁 毎日新聞 2010年6月4日[リンク切れ]

外部リンク[編集]