木村盛武

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

木村 盛武(きむら もりたけ、1920年 - )は、ノンフィクション作家。元北海道林務官、ヒグマの会理事。札幌市在住。旭川市営林局勤務時代に、埋もれていた三毛別羆事件の調査を行い、その後も野生動物の研究に携わりながら執筆活動を行う。

来歴[編集]

幼少の頃から、林務官の父親や母方の伯父から三毛別羆事件のあらましを聞かされ、強烈な印象を記憶に留めていた。北海道小樽水産高等学校製造科在籍時、実習を行った幌筵島で起こった1名が犠牲となった熊害(ゆうがい)事件で危うく助かった体験を持ち、以後に対する関心から逃れられなくなった。

水産学校卒業後はタラバガニ検査の仕事に就いていたが、1941年に北海道庁林務講習第1種を修了し、父と同じ林務官となった。これを期に、確たる情報が残されていない三毛別羆事件の真相を明らかにしようと考えたが、文献などを当たるも充分な情報を得るには至らなかった。退官までに、遠軽・中頓別・幾寅・幌加内・古丹別・大雪・旭川の各営林署に勤務した。

それから20年が過ぎた1961年に、事件の現場を管轄する古丹別営林署に配置転換された。木村は現地調査に乗り出し、事件を知る当事者やその子息など30数人の証言を得た。これらを纏め、1964年に旭川営林局誌『寒帯林』に「獣害史最大の惨劇苫前羆事件」を発表し、事件が広く知られるようになった[1]。これは1980年に復刻され、さらに1994年には共同文化社から『慟哭の谷 The Devil's Valley』として出版された。

林務官は1980年に退官。以後は野生動物を研究し、文筆活動を行う。

著作[編集]

  • 『獣害史最大の惨劇苫前羆事件』旭川営林局
  • 『慟哭の谷 The Devil's Valley』1994年、共同文化社 ISBN 978-4-905664-89-5
  • 『エゾヒグマ百科 – 被害・予防・生態・故事』1983年、共同文化社 ISBN 4905664144
  • 『魚名博物記 – ものしりエピソード』1986年、共同文化社 ISBN 4905664322
  • 『野生の事件簿 - 北の動物たち』1989年、北海道新聞社 ISBN 4893635379
  • 『春告獣(エゾヒグマ)- ヒグマのことがわかる本』1995年、共同文化社 ISBN 978-4905664901
  • 『北の魚博物誌』1997年、北海道新聞社 ISBN 4893638548
  • 『ヒグマそこが知りたい – 理解と予防のための10章』、2001年 共同文化社 ISBN 487739057X
  • 『あぁ、一兵卒 – ある戦争体験者の証言』2005年、共同文化社 ISBN 4877391142

共著[編集]

  • 『十勝岳爆発60年後の植生について 大正泥流跡地の植生回復の推移』

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 道内の被害史 関連記事”. 北海道新聞. 2009年10月17日閲覧。