朝鮮労働党組織指導部

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朝鮮労働党組織指導部
조선로동당 조직지도부
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朝鮮労働党のロゴ
組織の概要
設立年月日 1948年9月15日
継承前組織
管轄 国家軍部
本部所在地 朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮平壌
行政官
上位組織 党中央委員会

朝鮮労働党組織指導部(ちょうせんろうどうとうそしきしどうぶ、朝鮮語조선로동당 조직지도부)は、朝鮮民主主義人民共和国の支配政党である朝鮮労働党中央委員会政務局に属する機関。

概要[編集]

初代最高指導者の金日成体制時には実弟の金英柱や実子の金正日が組織指導部長を務めた。第2代最高指導者の金正日体制時に部長席が空席となり、金正日自身が事実上の部長職を兼務し、金正日直属の第一副部長が北朝鮮の権力層に属する人物たちの思想検閲や人事査定や粛清権を掌り、国家安全保衛部(現国家保衛省)を手足のように使ったことから、北朝鮮の真の権力中枢機関と呼ばれるまでになった[1][2]

張成沢李済剛が、金正日体制時に絶大な権力を揮ってきた組織指導部第一副部長の例として挙げられる。金正恩体制に移行した後の2013年12月末時点での第一副部長の権力序列は、統括第一副部長の金慶玉検閲担当の超延俊担当の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)の順であるとされていた[2]

黄炳瑞は2014年4月に次帥に昇進し、翌5月に組織指導部を離れ朝鮮人民軍総政治局長に就任し、金正恩、金永南に次ぐ党内序列第3位となったが、崔龍海2017年10月7日に行われた朝鮮労働党中央委員会第7期第2回総会で黄炳瑞に代わって党内序列第3位に昇格し、長年空席であった組織指導部長に就任すると[3][4][5][6]、軍総政治局が組織指導部による20年ぶりの検閲を受け、この結果、黄は不正を理由に総政治局長から解任された[7][8][9][10][11]。また超延俊は、2015年10月に行われた朝鮮労働党創建70周年慶祝中央報告大会で党内序列第18位となったが[12]、2017年10月7日の朝鮮労働党中央委員会第7期第2回総会で党中央委員会検閲委員会委員長に就任したことにより、組織指導部で第一副部長に留まったかは分析が分かれている。

組織指導部が党行政部長に転籍していた張成沢の処刑を主導したと報道されている[2]。また、金正恩体制においては、正恩は父の金正日ほどには権力を掌握できておらず、朝鮮労働党組織指導部が権力の中心にあると分析されたこともあった[13]

組織指導部の直属の部隊として蒼光保衛部と蒼光保安部があり、党の課長以上の幹部と対南工作部署の要員を監視しているとされる[14]

組織[編集]

  • 幹部課
担当により、1課、2課(中央)、3課(地方)、4課(軍)、5課(護衛司令部)、6課(国家安全保衛部)、7課(人民保安部)8課(司法府)、9課(内閣)、11課(対南工作部署)などに分かれており、党、軍、国家にわたるあらゆる北朝鮮の機関の上位権力層の人事を掌る。例えば、朝鮮人民軍総政治局長も組織指導部の検証と同意を得て任命される[2]
  • 生活指導課
北朝鮮では全党員と勤労者が毎週「生活総和」(自己批判)を行うが、生活指導課がこの生活総和を掌っている。中でも生活指導13課(軍担当)の権限は絶大であり、朝鮮人民軍総参謀長であろうとも、生活指導課の指導の下で生活総和を行わなければならない[2]
  • 検閲課
どのような高位権力者であっても検閲や粛清できる権限を掌る。中でも検閲4課は北朝鮮の高級幹部だけを専門的に管理・監視することから、北朝鮮の権力高位人物の粛清には必ず関わっているとされる[2]
  • 通知課
あらゆる政策を承認・批准する権限を掌る。最高指導者の直属の組織指導部がこの権限を掌る事により、最高指導者の唯一指導体制が確立されている[2]

出典[編集]

  1. ^ 拷問、犬刑、密告、政治収容所 恐怖支配強まる金正恩の北朝鮮3 産経ニュース 2013年12月23日
  2. ^ a b c d e f g 張氏処刑を主導 党組織指導部 強力な権限1 産経ニュース 2013年12月28日
  3. ^ 朝鮮労働党中央委員会の総会…金与正氏が党中央委員に デイリーNK 2017年10月8日
  4. ^ 翌2018年3月に金正恩が中華人民共和国を非公式訪問した際の新華社通信報道で崔龍海の組織指導部長就任が正式確認された。
    *新華社の当該記事→习近平同金正恩举行会谈
  5. ^ 「崔竜海は組織指導部長、朴光浩は宣伝担当副委員長に」国情院シンクタンクが予測 東亜日報 2017年10月11日
  6. ^ 北朝鮮「新人事」を読む(2)「実質ナンバー2」誕生か!? - 平井久志 BLOGOS 2017年10月24日
  7. ^ 北朝鮮が軍総政治局を20年ぶり検閲 局長ら処罰か=韓国情報機関 聯合ニュース 2017年11月20日
  8. ^ 北、正恩氏最側近を6階級降格か…収賄疑惑浮上 読売新聞 2017年12月19日
  9. ^ “焦点:北朝鮮の金正恩指導部に亀裂か、最側近の軍司令官を処罰”. ロイター. (2017年11月22日). https://jp.reuters.com/article/nk-inner-circle-idJPKBN1DM0D4 2018年1月19日閲覧。 
  10. ^ “北元No2処罰情報の背景 崔竜海副委員長の“復讐”か、最重要機関に異例査察”. ZAKZAK. (2017年11月22日). http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171122/soc1711220011-n1.html 2018年1月19日閲覧。 
  11. ^ 金正恩氏夫人、李雪主氏に「女史」の呼称 軍総政治局長の交代確認 産経ニュース 2018年2月9日
  12. ^ 北朝鮮「党創建70周年」(下)「粛清疲れ」?人事は「安定性」を志向か Foresight 2015年10月23日
  13. ^ 宮下日出男 (2014年9月26日). “「金正恩の権力強くない、台本を書いているのは組織指導部」「体制崩壊は5~7年後」 脱北者ら分析”. 産経新聞. http://www.sankei.com/world/news/140926/wor1409260031-n1.html 2014年10月4日閲覧。 
  14. ^ 「特別委」は目くらまし 犯罪者が自分の犯罪を再調査する愚行 産経ニュース 2014年7月5日