有鉤条虫

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有鉤条虫
Taenia solium tapeworm scolex with its four suckers and two rows of hooks 5262 lores.jpg
頭節の拡大写真。4つの吸盤と2列の小鉤がある。
分類
: 動物界 Animalia
: 扁形動物門 Platyhelminthes
: 条虫綱 Cestoda
亜綱 : 真性条虫亜綱 Eucestoda
: 円葉目 Cyclophyllidea
: テニア科 Taeniidae
: テニア属 Taenia
: 有鉤条虫 T. solium
学名
Taenia solium

有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう、Taenia solium)はヒト小腸に寄生する、いわゆるサナダムシの一種である。幼虫は有鉤嚢虫(ゆうこうのうちゅう、Cysticercus cellulosae)と呼ばれる。中間宿主はブタイノシシが主であるが、ヒツジシカイヌネコネズミウシヒトなども中間宿主となり得る。ヒトへの感染は、生きている有鉤嚢虫を保有する豚肉を摂取することによるものが主であるが、虫卵を含む食材を摂取することにより、体内でふ化した幼生が嚢虫となる場合がある。ヒトにおいて嚢虫が脳や眼に寄生した場合は神経嚢虫症(Neurocysticercosis、NCC)など重篤な症状を示す。

2014年にインドで男性の体内からおよそ188cmの有鉤条虫が摘出された例があるが、成虫は8メートルを超えることもあるという[1]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 平詔亨ほか著 『家畜臨床寄生虫アトラス』 チクサン出版社 1995年 ISBN 978-4885004100
  • 西山利正; 荒木恒治有鉤嚢虫症 ―臨床と疫学―」『日本における寄生虫学の研究』第7巻、目黒寄生虫館、263-274頁、1999年。ISBN 978-4998072614http://www.kiseichu.org/Documents/J7-21-274.pdf 
  • 増田弘毅新田増雄中村直文塩川健工村裕子「日本における人体有鉤嚢虫症 (Cysticercuscellulosae hominis) ―感染後30年を経過したと考えられる1剖検例と文献的考察 (354例) ―」『昭和医学会雑誌』第40巻第6号、昭和医学会、1980年、669-688頁、doi:10.14930/jsma1939.40.669 

関連項目[編集]