有義波

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有義波(ゆうぎは)とは、ある地点で連続するを1つずつ観測したとき、波高の高い方から順に全体の1/3の個数の波(例えば100個の波が観測された場合、高い方から33個の波)を選び、これらの波高および周期を平均したものをそれぞれ有義波高、有義波周期と呼び、その波高と周期を持つ仮想的な波のことである[1]

概要[編集]

海岸で打ち寄せる波をしばらく見ていると分かるように、実際の海面の波は1つ1つの波高や周期が均一ではない。そこで、複雑な波の状態を分かり易く表すために統計量を使用する[1]

ある地点で連続する波を1つずつ観測したとき、波高の高い方から順に全体の1/3の個数の波(例えば100個の波が観測された場合、高い方から33個の波)を選び、これらの波高および周期を平均したものをそれぞれ有義波高、有義波周期と呼び、その波高と周期を持つ仮想的な波を有義波と呼ぶ(「3分の1最大波」と呼ぶこともある)。このように有義波は統計的に定義された波で、最大値や単純な平均値とも異なるが、熟練した観測者が目視で観測する波高や周期に近いと言われている。気象庁天気予報や波浪図等で用いている波高や周期も有義波の値である[1]

実際の海面には有義波高よりも高い波や低い波が存在し、時折、有義波高の2倍を超えるような波も観測される。例えば、100個の波(おおよそ10~20分)を観測した時の最も高い波は、統計学的には有義波高の約1.5倍になる。同様に、1000個の波(おおよそ2~3時間)を観測した場合には、最大波高は統計学上、有義波高の2倍近い値と見積もられる。また、海岸、浅瀬、リーフ、岸壁の付近では、海底の地形や港湾の構造物の影響で波が変形し、条件によっては天気予報で発表される波の高さの何倍もの高さの波が押し寄せる場合がある[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 気象庁 | 波浪の知識”. 気象庁(一部改変). 2021年4月1日閲覧。