月蝕歌劇団

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月蝕歌劇団(げっしょくかげきだん)とは、1985年に高取英により創立、旗揚げ(翌1986年)し、2015年に30周年を迎えた日本の劇団である。女性中心のキャストでスーパーアングラにこだわった舞台を上演し続けることから 暗黒の宝塚と称されている[1][2]

概要[編集]

1985年、劇作家の寺山修司の取材、出版スタッフとして創作活動を支えていた高取英が、寺山の勧めもあり劇団を立ち上げる[1]。劇団結成にあたり、吉本新喜劇宝塚歌劇団のどちらの方向性で行くべきか悩んだ末、宝塚歌劇団の方を選び「月蝕歌劇団」と命名。月蝕という言葉に「儚いロマンティシズム」という意味を込めた[2]

旗揚げ『女神ワルキューレ海底行』は、写真週刊誌『フォーカス』で取り上げられ、話題となる[3]。また、劇団創立前の高取英の代表作品『聖ミカエラ学園漂流記』は、日本テレビ『11PM』でも放映[4]。1982年初演のこの作品は、その後、アニメ(バンダイ他)小説(電撃文庫)マンガ(藤原カムイ)Vシネマとメディア展開された[5]。Vシネマの主演一ノ瀬めぐみは、月蝕歌劇団の主演女優となる。

高取英の作品の他、寺山修司澁澤龍彦埴谷雄高沼正三江戸川乱歩などの幻想文学系の作品、竹宮惠子梶原一騎新田たつおつげ義春などのマンガ作品を演劇化している。劇中音楽は演劇実験室◎万有引力J・A・シーザー[5]、チラシ、ポスターは主に吉田光彦が担当[6]。他に藤原カムイ安西水丸横山宏、小林響、本くに子らが携わっている。

ザムザ阿佐谷大塚萬スタジオなどで行う本公演と小劇場や喫茶店、バーなどの空間で行う実験室公演が行われる。公演時にはライブも合わせて行われる。実験室公演では『白夜月蝕の少女航海紀』等を何度も再演している。

2006年大阪に再進出する。2007年本多劇場に進出した。

また2007年8月及び2009年8月、紀伊國屋ホールにて『寺山修司-過激なる疾走』を上演した。

1996年、夢野久作・原作『ドグラ・マグラ−海外版−』をロシアで公演(モスクワ、サンクトペテルブルク)、2009年には、スロベニア国際演劇祭に招待され、エヴァルド・フリザール作 高取英 演出『What about Leonardo?』を上演した。 2013年に再びスロベニア国際演劇祭に招かれ、エヴァルド・フリザール 作 高取英 演出『トリスタンとイゾルデ(Tristan und Isolde)』を上演した。

2015年、WOWOWがノンフィクションドキュメンタリーとして『暗黒のアイドル、寺山修司の彼方へ〜「月蝕歌劇団」30年の挑戦〜』を4回放映した[1][3]

2017年11月には本公演100本記念となる『ねじ式・紅い花』を千本桜ホールにて上演。つげ義春のマンガ作品「ねじ式」と「紅い花」を融合させた幻惑の世界を展開した[7]

主な劇団員[編集]

主な客演[編集]

主な作品[編集]

  • 寺山修司-過激なる疾走」(作 演出・高取英
  • 怪盗ルパン・満州奇岩城篇-川島芳子と少年探偵団-」(作 演出・高取英)
  • 「〈津山三十人殺し〉幻視行」(作 演出・高取英)
  • 金色夜叉の逆襲」(作 演出・高取英)
  • 邪宗門」(作・寺山修司 構成 演出・高取英)
  • 「幻夢ドグラ・マグラ(原題 What about Leonardo?)」(作・Evald Flisar、構成 演出・高取英)
  • 「100年気球メトロポリス」(原作・寺山修司、構成 演出・高取英)
  • 「ステーシー 少女ゾンビ再殺談」(原作・大槻ケンヂ、脚本 演出・高取英)
  • ドグラ・マグラ」(原作・夢野久作 脚本 演出・高取英)
  • 「ネオ・ファウスト地獄変」(作 演出・高取英)
  • ピーターパン」(作 演出・高取英)
  • 「メトロポリス 遣欧少年使節篇」(作 演出・高取英)
  • 「ルパンVS少年探偵 怪魔・二十面相共和国」(作 演出・高取英)
  • 愛と誠」(原作・梶原一騎+画 ながやす巧、脚本 演出・高取英)
  • 「陰陽師 安倍晴明-最終決戦」(作 演出・高取英)
  • 「英雄喪失記」(構成 演出・高取英)
  • 「英雄伝説 馬賊 矢吹丈」(作 演出・高取英)
  • 「黄昏に向けて唾を吐く」
  • 家畜人ヤプー」(原作・沼正三、脚本 演出・高取英)
  • 花と蛇」(原作・団鬼六、脚本 演出・高取英)
  • 「月蝕歌劇団☆黙示録」(作 演出・高取英)
  • 「月蝕版ベルサイユのばら G線上のアリア-フランス革命異聞」(作 演出・高取英)
  • 高丘親王航海記」(原作・澁澤龍彦、脚本 演出・高取英)
  • 「高取版安寿と厨子王 原子心母シジフォスパンパネラの一族」(作 演出・高取英)
  • 「時代はサーカスの象にのって2002」(作・寺山修司、構成 演出・高取英)
  • 「疾風(かぜ)のまつりごと」(原作・竹宮惠子、脚本 演出・高取英)
  • 若草物語-マックスウェルの悪魔」(作 演出・高取英)
  • 書を捨てよ町へ出よう」(作・寺山修司、構成 演出・高取英)
  • 「女神ワルキューレ海底行」(作 演出・高取英)
  • 少女革命ウテナ 魔界転生黙示録」(原作・ビーパパス、脚本 演出・高取英)
  • 「少年極光(オーロラ)都市」(作 演出・高取英)
  • 「新宿異人娼館」(構成 演出・高取英)
  • 新撰組 in 1944-ナチス少年合唱団-」(作 演出・高取英)
  • 「人力飛行機ソロモンー劇場版ー」(作・寺山修司、構成 演出・高取英)
  • 「人力飛行機ソロモン青森篇」(作・寺山修司、構成 演出・高取英)
  • 「水晶の魔 マリン・ブルー」(作 演出・高取英)
  • 「聖ミカエラ学園漂流記」(作 演出・高取英)
  • 「続聖ミカエラ学園漂流記-少年十字軍・夕笛作戦」(作 演出・高取英)
  • 「聖ミカエラ学園漂流記Ⅲ 義経ジンギス汗篇」(作 演出・高取英)
  • 静かなるドン」(原作・新田たつお、脚本 演出・高取英)
  • 「静かなるドン魔界・天翔篇」(原作・新田たつお、脚本 演出・高取英)
  • 「中国の不思議な役人」(作・寺山修司、構成 演出・高取英)
  • 「帝国月光写真館」(作 演出・高取英)
  • 「帝国人形病院」(作 演出・高取英)
  • 「酉の市見世物小屋」(構成・高取英)
  • 南総里見八犬伝」(作 演出・高取英)
  • 「白夜月蝕の少女航海紀」(作 演出・高取英)
  • 「標的者」(作・埴谷雄高、脚本 演出・高取英)
  • 「不思議の國のアリス」(作 演出・高取英)
  • 「平成エレジー」(作・高田健一、構成 演出・高取英)
  • 「魔女が翔ぶ日」(構成・高取英)
  • 「魔弾の射手 パルテノジェネーズ」(作 演出・高取英)
  • 「盲人書簡・上海篇」(作・寺山修司、構成 演出・高取英)
  • 「翼なき人力飛行機」(作 演出・高取英)
  • 「龍馬は戦場へ行った」(作 演出・高取英)
  • オズの魔法使い・月蝕版 -少女と魔女-」(ライマン・フランク・ボーム原作より、作 演出・高取英)
  • カリガリ博士 -葛飾北斎とその娘・お栄篇-」(ハンス・ヤノヴィッツカール・マイヤー原作より、作 演出・高取英)
  • 「田園に死す」(作・寺山修司、構成 演出・高取英)
  • ねじ式紅い花」(原作・つげ義春、脚本 演出・高取英)

脚注[編集]

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  1. ^ a b c 月蝕歌劇団、“暗黒の宝塚”の表と裏に密着”. メディアスパイス (2015年10月16日). 2016年4月6日閲覧。
  2. ^ a b 川崎賢子、渡辺美和子『宝塚の誘惑: オスカルの赤い口紅』青弓社、1991年、179頁。
  3. ^ a b “WOWOWオリジナルドキュメンタリー 「暗黒のアイドル、寺山修司の彼方へ。」 月蝕歌劇団の30年の挑戦を追う”. 毎日新聞. (2015年11月18日). オリジナルの2016年4月17日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160417130359/http://mainichi.jp/articles/20151118/dyo/00m/200/005000c 2016年4月6日閲覧。 
  4. ^ 藤本義一さん”. 高取英(月蝕歌劇団)の日記 (2012年10月31日). 2016年4月8日閲覧。
  5. ^ a b 森永理科、『聖ミカエラ学園漂流記』で初の舞台主演”. BARKS (2013年1月15日). 2016年4月8日閲覧。
  6. ^ 吉田光彦ポスター展「われに5月を」”. 宝塚大学東京メディア芸術学部 (2012年5月). 2016年4月6日閲覧。
  7. ^ 月蝕歌劇団、公演100本記念!つげ義春「ねじ式・紅い花」&寺山修司「盲人書簡」連続上演”. ステージナタリー (2017年11月5日). 2018年1月6日閲覧。

外部リンク[編集]