暴走特急

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暴走特急
Under Siege 2: Dark Territory
監督 ジェフ・マーフィー
脚本 リチャード・ヘイテム
マット・リーヴス
製作 スティーヴン・セガール
スティーブ・ペリー
アーノン・ミルチャン
製作総指揮 ゲイリー・W・ゴールドステイン ほか
出演者 スティーヴン・セガール
音楽 ベイジル・ポールドゥリス
撮影 ロビー・グリーンバーグ
編集 マイケル・トロニック
製作会社 リージェンシー・エンタープライズ
配給 ワーナー・ブラザース
公開 アメリカ合衆国の旗 1995年7月14日
日本の旗 1996年1月20日
上映時間 99分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $60,000,000
興行収入 (正確には旗ではありません)世界の旗 $104,324,083[1]
アメリカ合衆国の旗 $50,024,083[1]
前作 沈黙の戦艦
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暴走特急』(ぼうそうとっきゅう、原題: Under Siege 2: Dark Territory )は、1995年に公開されたアメリカ映画

概要[編集]

1992年に公開された『沈黙の戦艦』の正式な続編。

劇場公開時には「沈黙シリーズ第3弾」とうたわれていた。[2]「沈黙シリーズ第3弾」とされていたのは、『沈黙の要塞』が「沈黙シリーズ第2弾」とうたわれていたためである。

ストーリー[編集]

CIAは高性能監視システムおよび粒子ビーム砲を搭載した、最新鋭の人工衛星「グレイザー1」を極秘に開発していた。そして打ち上げに成功し一同は安堵するが、設計者であるトラヴィス・デイン博士の姿はその場になかった。人格に問題ありとみなされた博士は打ち上げ直前に解雇され、それを苦に自殺したのだった。

一方、ケイシー・ライバックは海軍を除隊し、デンバーでレストランのオーナーシェフとなっていた。やはり海軍に奉職していた兄が事故死し、疎遠になっていた姪のサラとの仲を修復するために、ライバックは北アメリカ大陸を横断してロサンゼルスに向かう列車旅行を計画する。休暇を取って駅にやって来たライバックはサラと久々の再会を果たすも、ぎごちない雰囲気のまま二人は列車に乗る。列車には、ふたりのほかにも「グレイザー1」の運用スタッフが乗っていた。列車は走りはじめ、しばらく平穏な旅が続いていたが、突如、ハイテク機器を装備した数十人の武装集団が来襲し、列車全体がジャックされる。

ようやく打ち解けてきたサラのために、食堂車の厨房を借りてケーキを作っていたライバックは、冷蔵庫へ潜んで難を逃れるが、サラやほかの乗客・乗員はテロリストたちに拘束され、列車最後尾の客車二輌に監禁される。恐怖に駆られる車内に、死んだはずのトラヴィス・デインが現れる。彼はマーカス・ペンに率いられた凄腕の傭兵たちを引き連れていた。そして、列車に乗り込んでいた「グレイザー1」のスタッフを脅して、制御システムに侵入するための暗証コードを聞き出すと、彼らを渓谷へ突き落とす。

持ち込んだハイテク機器を操作し、「グレイザー1」の操作権限を乗っ取ることに成功したデインは、手始めのデモンストレーションとして、粒子ビーム砲で中国の化学兵器工場を周辺住民もろとも壊滅させる。その直後にデインは、全世界の富豪や権力者から寄せられる暗殺依頼で瞬く間に巨富を荒稼ぎし、やがて最終目標として、ペンタゴンの地下にあるとされる原子炉を破壊するとアメリカ政府に通告する。

登場人物[編集]

主人公[編集]

ケイシー・ライバック
主人公。アメリカ海軍アイオワ級戦艦ミズーリ」の元コック長で、その前は海軍特殊部隊Navy SEALs」の対テロ部隊の指揮官を務めた。前作で起きた「ミズーリ」シージャック事件後に除隊し、その料理の腕を活かして、レストランのオーナーシェフを勤めている。パナマ侵攻で上官を殴りコックへ回されるまでは華々しい経歴を持った英雄で、海軍十字章を二度受章しており、その情報はペンたちも知るほどで、恐れられている。
除隊後も戦士としての腕は衰えておらず、銃やナイフを使った戦闘はもちろんのこと、徒手格闘技に於いても無類の強さを有し、工作技術に関しての卓越した知識も健在で、食材や日用品を使って即席の爆弾をすぐに作りあげる。また自動車の運転技術にも優れ、一度列車から降りて取り残されても、近くに停められていた自動車を借用して運転し、追いついた列車に跳び移る。
軍の仕事の都合上疎遠になっていた姪のサラとの仲を修復するために、仕事を休んで北アメリカ大陸を横断する列車旅行を計画し、サラとともに列車に乗車していたが、偶然事件に巻き込まれる。なんとか拘束されずに済み、サラと乗客・乗員そして世界を守るため、テロリストに立ちむかうことになる。
前作の事件後、元の階級であった大尉に戻されており、序盤の運転手に「大尉」と呼ばれ、敬礼を受けている。また、エンディングではドレス・ホワイトを着て、大尉の肩章を付けている。

テロリスト[編集]

トラヴィス・デイン
人工衛星「グレイザー1」の設計者。CIAが人格に問題ありとみなしたことで打ち上げ直前に解雇され、それを苦に自殺したとされていたが、実際は自殺は偽装で、解雇した政府への復讐と金儲けのために、みずから傭兵たちを従えて今回の事件を引き起こす。劇中では「備えあれば、チャンスあり」という言葉を座右の銘にする(ただし自身の口で言うシーンはない) 。コンピュータ技術に優れ、並外れた集中力と頭脳の持ち主であり、みずからを天才と自認し、頭脳では誰にも負けないと称している。
非常に自己中心的で冷酷非道な人物で、中国の化学兵器工場を躊躇なく破壊して何十万人もの犠牲者を出す。さらに用済みになったCIA職員を部下に始末させる。金を積まれれば簡単に暗殺依頼を引き受け、ハイジャックした列車を対行列車と衝突させて人質を抹殺しようとする。その一方で詰めの甘さもあり、終盤でライバックに「グレイザー1」をコントロールするノートパソコンを拳銃で破壊され、制御を取り戻した政府に衛星を自爆破壊されたのち、列車から転落しみずからの計画が破綻する。最後はヘリコプターの縄梯子にしがみつきながら、ライバックに自分と組もうと呼びかけるが受け入れられるはずもなく、ヘリコプターから閉め出されて転落し、列車衝突の火炎に巻き込まれて死亡する。
マーカス・ペン
デインの計画に協力する凄腕の傭兵であり、コンピュータが専門のデインに対して、武装集団の戦闘を指揮する。デインとは湾岸戦争の作戦時で知り合った間柄である。アラバマ州を拠点に訓練キャンプを張っており、世界中に顧客ネットワークを構築していた。
抵抗する者や計画の邪魔になる者は、たとえ人質や部下であっても躊躇せず殺傷する冷酷非道な性格であり、その残忍さはデインに劣らない。また、サラから催涙スプレーを顔面に掛けられても平気な程の強靭な肉体の持ち主であり、催涙スプレーは「鼻詰まりを治す道具」と称し、みずから口中に吹き付けてみせる。次々と仲間を倒していくライバックに恐怖しながらも、最後まで対決を楽しみにし、高い闘争心を持つ。本人は「今まで人を恐れたことはないが、ライバックは怖い」とライバックの能力の高さを認めている。終盤ライバックと対決するが、力の差は歴然で、首をへし折られて死亡する。
傭兵1
ライバックの元教え子で、金髪が特徴の男。乗客に扮して列車内に潜入する。ベレッタM12で武装し、荷物室に潜んでいたボビーを追い詰めるが、背後から現れたライバックに首をへし折られる。
傭兵2
皮肉屋でハンチング帽を被っている。ライバックの名を聞き「最高の人材」と評する。終盤まで生き残るが、ペンに皮肉を言い放ったことで怒りを買って刺殺される。
傭兵3
無口で坊主頭の男。傭兵1・2と行動することが多い。CDを持ち出したボビーを追い詰めるが、油断していた隙をつかれ彼に銃殺される。
パティマ
唯一の女傭兵。スナイパーライフルによる狙撃でライバックに傷を負わせる。終盤でヘリコプターに乗り込もうとするボビーを追い、ヘリコプター内でボビーと格闘のすえ、ヘリから落とされ死亡する。
スコッティ
傭兵。特急列車を停止させ、運転席を乗っ取る。終盤、鉄橋の上での列車同士の正面衝突により死亡する。

特急列車の乗員[編集]

サラ・ライバック
ライバックのにあたる少女。父親はライバックの兄で、ライバック同様海軍に奉職していた。ライバックの海軍時代にはほとんど会えず、そのうえ自分の父親が事故死した際の葬式にも来なかったライバックに当初は良い印象を持っていなかったが、今回の事件を通して、自分や人々のために必死に闘う彼に接していくうちに、その寄りを取り戻していく。
小さいころライバックより合気道を習っており、ボビーをいとも簡単に投げ飛ばす。また気の強い性格であり、涙を見せることはあるが、テロリストを相手にしても決して怯むことはなく、マーカスに対しても催涙スプレーを掛け、顔に爪を立てる。
ボビー・ザックス
特急列車のポーターを勤める黒人青年。乗車したサラの荷物を運ぼうとしてライバックに邪魔されたり、からかったサラに投げ飛ばされたりと散々な目に遭う。列車が襲撃された際、荷物車に逃げ込んだことで難を免れ、ふたたびライバックと合流してからは、無理やり協力させられるかたちで、テロリストたちに立ち向かう。
当初は気弱な性格から、ライバックへの協力には乗り気でないが、ライバックの強さを目の当たりにし、彼に拳銃を貰ってからは、積極的に行動していく。また物覚えがよく、体を鍛えていたこともあり、サラにかけられた合気道の技を見よう見まねに一回で成功させ、敵を投げ飛ばす。
ケリー
特急列車のバーテン。サラを庇ったことで足を撃たれ負傷する。

政府関係者[編集]

ベイツ提督
前作から引き続き登場。アメリカ海軍大将だが、本作では統合作戦本部議長も務めている。「グレイザー1」が乗っ取られたことを受けて管制センターに駆け付けた際、この兵器の存在を隠していたCIAとトム・ブレイカーに苦言を呈し、その後は事態の解決を図るべく指揮を執る。「ミズーリ」の事件でも指揮を執っていたのでライバックのことを覚えていたが、彼がタイムリミットまでに事態を解決できるとまでは期待せず、合衆国全体の安全を優先するため、列車への空爆を指示する。
トム・ブレイカー
前作から引き続き登場。CIAの職員であり、「グレイザー1」の計画にも関係していた。いい加減かつ楽観的な性格は健在で、後先を考えずにデインを解雇し、当初は「グレイザー1」の異常動作もとるに足らないものと考える。妻子持ちで、しかも局内での恋愛は固く禁じられているにもかかわらず、同僚の女性職員を航空ショーに誘おうとする。物語の終盤では、味方の作戦が失敗した場合に備えて妻に電話をかけ、息子を連れてワシントンを直ちに脱出して実家へ向かうように伝える。
スタンリー・クーパー将軍
ATACの司令官。突然「グレイザー1」のコントロールが奪われたことに当初は混乱するが、ベイツ提督が来てからは落ち着きを取り戻し、ともに事態へ対処していく。
ガーザ大佐
前作から引き続き登場。アメリカ海軍大佐で、ベイツ提督の補佐を務めている。ライバックのことは彼がSEALsにいたときからよく知っており、信頼は厚い。
リンダ・ギルダー大尉
CIAの女性職員。「グレイザー1」のアクセスコードを持つ。局内での恋愛は厳禁にもかかわらず後述のトリリングと恋愛関係にあり、彼との休暇旅行のために列車に乗る。傭兵たちに脅迫されてアクセスコードを教えたことで用済みとなり、殺される。
デヴィッド・トリリング大尉
CIAの職員。「グレイザー1」のアクセスコードを持つ。ギルダーとは恋愛関係にある。彼女と同じく、傭兵たちによって殺される。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
ソフト版 テレビ朝日
ケイシー・ライバック スティーヴン・セガール 玄田哲章 大塚明夫
トラヴィス・デイン エリック・ボゴシアン 山寺宏一 牛山茂
サラ・ライバック キャサリン・ハイグル 小林さやか 坂本真綾
ボビー・ザックス モリス・チェストナット 相沢まさき 森川智之
マーカス・ペン エヴェレット・マッギル 大友龍三郎 若本規夫
トム・ブレーカー ニック・マンキューゾ 金尾哲夫 菅生隆之
ベイツ提督 アンディ・ロマーノ 塚田正昭 小林修
稲葉実
スタンリー・クーパー将軍 カートウッド・スミス 池田勝 糸博
ガーザ大佐 デイル・ダイ 石波義人 大木民夫
傭兵1 ピーター・グリーン 中田和宏 家中宏
傭兵2 パトリック・キルパトリック 後藤敦 中田和宏
傭兵3 スコット・ソワーズ 伊藤栄次 島香裕
パティマ(女傭兵) アフィフィ・アラオウィー 喜田あゆ美
スコッティ ジョナサン・バンクス 水野龍司 坂東尚樹
リンダ・ギルダー大尉 ブレンダ・バーキ 叶木翔子 田中敦子
デヴィッド・トリリング大尉 デヴィッド・ジャノプロス 田中正彦 安井邦彦
ライバックのコック ロイス・D・アップルゲート 天田益男 辻親八
ウィリアムズ大尉 レン・T・ブラウン 小野英昭 乃村健次
ジム トム・アドコックス・ヘルナンデス 喜多川拓郎 高宮俊介
バーテンのケリー サンドラ・テイラー
役不明またはその他 松熊明子
柳沢栄治
小川智子
落合弘治
沢木郁也
園岡新太郎
小山武宏
津田英三
水野龍司
後藤敦
湯屋敦子
田中真紀
武田佳子
米倉紀之子
翻訳 市橋正浩 平田勝茂
演出 蕨南勝之 佐藤敏夫
調整 新井保雄 荒井孝
録音
効果 リレーション
編集協力 IMAGICA
宮本陽介
制作協力 VIVIA
清宮正希
制作チーフ 杉山登
担当 梶敦
音響制作 相原正之
中西真澄
プロデューサー 貴島久祐子 高橋由佳
制作 ワーナー・ホーム・ビデオ
プロセンスタジオ
東北新社
解説 淀川長治
初回放送 1998年11月1日
日曜洋画劇場
(約92分[注 1]

※1999年12月26日の2回目の放送の際に初回放送時にカットされた一部の台詞が追加収録された。ただしワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント発売の「吹替の力」シリーズ『暴走特急 日本語吹替音声追加収録版 ブルーレイ』で従来のソフト版に加え、新たにテレビ朝日版の吹替が収録された際には、追録版ではなく、初回版に追加収録をしたものが収録された[注 2]

スタッフ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 再放送時の追録版は約96分。
  2. ^ 初回放送時に欠落し、再放送時に追録された一部の台詞の訳には再放送時のものではなく、ソフト版のものが流用されており、「ブラジャー取れちゃったの」「おっぱいには気をつけろよ」の台詞がソフト版と同じ「ブラが壊れちゃったの」「胸の魔力だ」に変更されている。また、故人である小林修の追加録音分を稲葉実が担当している。

出典[編集]

  1. ^ a b Under Siege 2: Dark Territory (1995)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月14日閲覧。
  2. ^ [1]

関連項目[編集]

  • 暴走機関車 - 1985年公開の映画。同じ車両が出演している。

外部リンク[編集]