時代屋の女房

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時代屋の女房』(じだいやのにょうぼう)は、村松友視が書いた小説。1982年、第87回直木賞受賞。1983年1985年に映画化、2006年にドラマ化された。また、後述の2編の続編が発表されている。

内容[編集]

東京大井骨董屋「時代屋」を営む安さんと呼ばれている35歳で独身の男性と、そこへやってきた真弓という女性の恋物語。舞台となった骨董店「時代屋」は実在の骨董店で、当時は大井町駅近くの大井三ツ又交差点の一角にあった。1990年代末、都道拡幅予定地のために渋谷区、広尾商店街に移転した。

シリーズ[編集]

2編が発表されている。なお、上記正編についても、文庫化の際に『時代屋の女房・泪橋』に改題されている。

  • 続・時代屋の女房(1983年) 文庫化の際に『時代屋の女房2』に改題
  • 時代屋の女房 怪談篇(1986年)

映画[編集]

時代屋の女房[編集]

時代屋の女房
監督 森崎東
脚本 荒井晴彦
長尾啓司
原作 村松友視
製作 杉崎重美
中川完治
出演者 渡瀬恒彦
夏目雅子
音楽 木森敏之
撮影 竹村博
編集 杉原よ志
製作会社 松竹
配給 松竹
公開 1983年3月19日
上映時間 97分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 9億円[1]
次作 時代屋の女房2
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1983年3月19日公開。製作・配給は松竹

当初、『時代屋の女房』の併映作には根岸吉太郎監督の『俺っちのウエディング』が予定されていた[2]。しかし、松竹は、1983年2月中旬、突如、併映作をリバイバル公開の『蒲田行進曲』に変更した[2]。同時に、併映を予定されていた『俺っちのウエディング』は『ふしぎな國・日本』との組合せで同年のゴールデン・ウィーク公開となった[2]キネマ旬報は、原作・監督・主演のどれもインパクトに欠け、その上、併映作がリバイバル作品になったことから、配給収入を3億円台からギリギリ4億円までと悲観的な興行予測をしていた[2]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

時代屋の女房2[編集]

時代屋の女房2
監督 長尾啓司
脚本 長尾啓司
鈴木敏夫
原作 村松友視
製作 升本喜年
中川滋弘
出演者 古谷一行
名取裕子
音楽 松村禎三
撮影 羽方義昌
編集 松浦和也
製作会社 松竹
配給 松竹
公開 1985年4月27日
上映時間 98分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 時代屋の女房
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1985年4月27日公開。製作・配給は前作と同じ松竹。 夏目雅子が1985年2月以降、慶應病院に入院し、退院は秋まで延びると予想されたことから[3]、夏目の代役名取裕子が抜擢された[4]。名取は同時期に製作が進められていた東映ひとひらの雪』のヒロインに決定したと報じられたが[5]、『ひとひらの雪』の製作が混乱中に[5]、本作に飛びつき『ひとひらの雪』は降板した(代役は秋吉久美子[5]。その他の主要キャストも一新された珍しい続編[6]。同時上映『哀しい気分でジョーク』(ビートたけし主演:瀬川昌治監督)。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

ドラマ[編集]

2006年2月14日の21:00 - 22:54に日本テレビ系の『ドラマコンプレックス』で放送。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

日本テレビ DRAMA COMPLEX2006年2月14日
前番組 番組名 次番組
時代屋の女房

脚注[編集]

  1. ^ 「1983年邦画4社<封切配収ベスト作品>」『キネマ旬報1984年昭和59年)2月下旬号、キネマ旬報社、1984年、116頁。 
  2. ^ a b c d 「興行価値 日本映画 漁夫の利を狙う「時代屋」」『キネマ旬報1983年昭和58年)3月下旬号、キネマ旬報社、1983年、170 - 171頁。 
  3. ^ “インサイドMEMO 夏目雅子、秋まで病院で"充電"”. 報知新聞 (報知新聞社): p. 15. (1985年5月19日) 
  4. ^ 高尾友行 (1985年5月6日). “PEOPLE 時代屋の女房を攻演 名取裕子インタビュー チャンス 努力 出会い積み重ねてトップへ 輝く自信 『うまい』なんて言われたくない!!”. 報知新聞 (報知新聞社): p. 16 
  5. ^ a b c 「雑談えいが情報」『映画情報』、国際情報社、1985年4月号、72-73頁。 「雑談えいが情報」『映画情報』、国際情報社、1985年5月号、72-73頁。 
  6. ^ 週刊宝石光文社 1985年5月10、17日号 p.184「ゴールデンウイークおもしろ映画BOX」

外部リンク[編集]