春峯庵事件

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春峯庵事件(しゅんぽうあんじけん)は、1934年(昭和9年)に起こった肉筆浮世絵の大規模な偽造事件。

1934年、東京美術倶楽部で春峯庵なる旧家の所蔵品という触れ込みで東洲斎写楽喜多川歌麿などの肉筆浮世絵の入札会が開かれた。「世紀の発見」という新聞報道[1]もあり、注目を集めたが、やがて全てが贋作であることが発覚した。

画商、贋作を描いた絵師などのグループが詐欺で摘発された。また、美術史研究の権威だった笹川臨風が、作品の推薦文を書いたことで詐欺の共犯容疑として警察に勾留される騒ぎもあった。

この事件により、研究者やコレクター、画商らは肉筆浮世絵を扱うのに及び腰になってしまい、肉筆浮世絵の研究がなかなか進まず、一時期は浮世絵版画よりも安い値段が付けられる事もあったという[2]

脚注[編集]

  1. ^ 「珍しや寫樂の肉筆現る」東京朝日新聞(1934年(昭和9年)4月26日)
  2. ^ 小林忠白倉敬彦編著 『春画と肉筆浮世絵』 洋泉社、2006年 ISBN 4-86248-007-1、136頁の小林忠の発言より

参考文献[編集]

  • 迷宮の美術史 名画贋作(岡部昌幸監修)