早坂太吉

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早坂 太吉(はやさか たきち、1935年 - 2006年1月25日)は日本の実業家。最上恒産会長。「地上げの帝王」と呼ばれた[1]

経歴[編集]

山形県北村山郡大石田町で男11人女4人の15人兄弟の末子として生まれる。小学校5年のとき、国鉄職員の父が肺炎で死亡。中学1年で母も死亡。長兄夫妻を親代わりに育つ。中学卒業後に上京し、鎌倉近在の大工となる[2]。その後、22歳で建売業を始め、不動産業で成功し、東京赤坂の一等地にビルを待つようになる。みずからは暴力団員ではなかったが、上京後、暴力団の組長に拾われて世渡りしてきた関係から暴力団と密接な関係を持っていた[3]

1986年バブル景気直前の土地が高騰し始めた時期、東京西新宿の地上げに成功し、その影響で企業所得第3位に最上恒産が初登場[4]。当時は2000億円を超える金を動かし、女と競馬に数十億円を注ぎ込んだ[2]。競走馬を120頭所有し、1レースに数千万円を賭けたこともある[2]。傍ら、暴力団から恨みを買い、1986年2月22日東京都世田谷区の自宅に銃弾を撃ち込まれる事件が発生[5]

のち西新宿の地上げに対して所得税法違反で摘発を受け、執行猶予2年つきの有罪判決を受ける[6]

私生活では、妻を癌で亡くした後、銀座のバー「トワ・エ・モア」の元マダム安達洋子と内縁関係にあったが、安達の連れ子の親友である小出明子を愛人とし、スキャンダルとなったこともある[7](のち小出明子は川添象郎と結婚)。不貞行為や家庭内暴力の常習犯でもあり、安達母子から家を去られた後、資産の半額にあたる750億円の慰謝料請求訴訟を起こされ話題となった[8]1990年9月19日東京家庭裁判所にて、慰謝料5億円で和解が成立[2][9])。

バブル崩壊後、1993年に自らの会社が倒産[2]。しかし倒産後も金には不自由せず、2001年には伊東に別荘を購入している[2]。1993年2月には、妻の遺骨が世田谷区内の墓より盗まれ、脅迫状の指示通り300万円を振り込み、脅し取られた[10][11]

1994年、再婚相手で元歌手の円山理英子と離婚[2]。1998年と2001年には別々の韓国女性と再婚[2]

2001年末に脳梗塞で倒れたが、最初に担ぎ込まれた病院で単なる酔っぱらいと間違えられたことから治療が受けられず、他の病院で脳梗塞と判明した時には脳死状態となっていた[2]。以後は東邦大学医学部付属大橋病院に入院し、生命維持装置で生き永らえ、2006年1月25日午前4時頃に死去した[2]

馬主として、所有馬には「モガミ」の冠名を使用していた(モガミチャンピオンなど)

関連書籍[編集]

  • 『あぶく銭師たちよ!―昭和虚人伝』 佐野 眞一 筑摩書房 (1999/01)
  • 『冬の花火―地上げの帝王・早坂太吉との二千日 』安達 洋子 日新報道 (1991/03)

関連項目[編集]

  • 尾崎清光 - 早坂の兄弟分[12]。尾崎が射殺された後、早坂は容疑者として取調べを受けたことがある[13]
  • 春木猛 - 教え子を強姦した容疑で逮捕起訴され、実刑判決を受けた青山学院大学教授。被害者の父親が早坂の部下だった関係から、早坂は逮捕前の春木に会い、強姦の事実を認めるよう要求している。この強姦事件については春木を失脚させるための陰謀だったとの説も唱えられているが、安達洋子 によると、春木の「彼女」だった女性は10年近くにわたり早坂の愛人でもあったという[14]
  • アッコちゃんの時代 - 早坂とその愛人のひとり、小出明子 をモデルにした小説
  • 太平洋銀行 - 早坂ら地上げ屋に過剰融資をし破綻した
  • 長勝寺 (鎌倉市) - タイ渡来の釈迦牟尼世尊を寄贈

脚注[編集]

  1. ^ 安達洋子『冬の花火』p.5。
  2. ^ a b c d e f g h i j 『週刊新潮』2006年2月23日号。
  3. ^ 安達洋子『冬の花火』p.127。
  4. ^ 安達洋子『冬の花火』p.194, 199。
  5. ^ 安達洋子『冬の花火』p.186-194。
  6. ^ 安達洋子『冬の花火』p.199-202。
  7. ^ 安達洋子『冬の花火』p.248-259。
  8. ^ 安達洋子『冬の花火』p.260。
  9. ^ 安達洋子『冬の花火』p.5。
  10. ^ 長谷川町子歴史が眠る多磨霊園
  11. ^ 長谷川町子 尋ね人欄に新聞広告が出された遺骨盗難騒動 日刊ゲンダイ、2014年3月26日
  12. ^ 安達洋子『冬の花火』p.158。
  13. ^ 安達洋子『冬の花火』p.157。
  14. ^ 安達洋子『冬の花火』p.246。