旧日本勧業銀行台南支店

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
台湾古跡一覧 > 台南市 > 中西区 > 民生緑園文化園区 > 旧日本勧業銀行台南支店
旧日本勧業銀行台南支店
Old Nippon Kangyo Bank, Tainan Branch
中華民国(台湾)文化資産
原日本勸業銀行臺南支店轉角處.JPG
交差点正面(銀行南西角)

登録名称 原日本勸業銀行臺南支店
旧称 日本勧業銀行台南支店
その他の呼称 土地銀行台南分行
種類 日本統治時代の公共建築
等級 直轄市定古蹟
文化資産登録
公告時期
1998年6月26日[1]
位置 台湾台南市中西区中正路28号
建設年代 大日本帝国の旗 昭和12年(1937年
開放年代 月-金9:00~15:30

旧日本勧業銀行台南支店(きゅう-にほんかんぎょうぎんこう-たいなんしてん、繁体字: 原日本勸業銀行臺南支店)は台湾台南市中西区にある市定古蹟の建築物。日本統治時代に最大5ヶ所あった旧日本勧業銀行(のちに第一勧業銀行を経て現在はみずほ銀行)の支店の一つとして建立され、戦後は台湾土地銀行台南支店として現在に至る。

沿革[編集]

土地銀行台南支店南側
西側。道路拡幅に伴いドーリア式の柱は撤去された

日本勧業銀行日本統治時代大阪中立銀行日本銀行に次いで台湾に進出した日本本土の銀行で[2]明治36年(1903年8月13日台湾総督府が発布した「律令第2号『關於日本勸業銀行為貸款土地之件(日本勧業銀行の貸付を為す土地に関する件)』」[3]により勧銀は台湾銀行の業務を代行するようになった。日本政府は大正11年(1922年)に台北昭和3年(1928年)3月には台南に支店設立を認可した[4]

台南支店は同年10月から営業を開始。当初は台南駅付近の北門町中国語版2丁目(現存しない。跡地は現在台南駅前円環にある国賓大楼中国語版で戦後は中華日報の社屋として使われていた)に支店があった。

昭和12年(1937年)、末広町中国語版1丁目119番地(現在の忠義路と中正路の交差点北東角)のハヤシ百貨店斜め向かいに支店の新社屋が落成[4]。設計は勧銀の建築課が自ら行い、施工は東京清水組(現清水建設)が担当した。

第二次世界大戦後の民国35年(1946年)に台湾土地銀行が設立され、元勧銀台南支店は土地銀台南分行となって現在に至る[4]

民国72年(1983年)に両側の道路拡幅に伴い3メートル後退し、特に正面と西側は大きく姿を変えている[5]

民国87年(1998年6月26日、台南市政府が市の指定古蹟登録を公告。

建築[編集]

柱廊天井。褐色物は燕の巣。

1933年に落成した同行台北支店(現在は国立台湾博物館土銀展示館)の設計をほぼ受け継いでいる[6]。 1階は支店営業フロアで東側には2つの部屋があり、一つは倉庫、もう一方は地図室として使われた[6]。西側には支店業務を行う弁公室として使われた[6]。 2階は大会議室と食堂、厨房、3階は図書室と和室の大部屋があった[6]

全景

支店ビルは交差点に面した西側と南側に2階部分から覆われたアーケード(騎楼、私有地でありながら公道での歩道の役割を果たす)があり、古代と近代、中東式と西洋式、中華式、和式が混合された様々な面を持ち合わせている。古代エジプト神殿を模した柱廊を採用している[2]。柱はギリシャドーリア式で、走廊の天井部分は20の窪みがあり照明の装飾となっている[4]。窪みは正方形のドームでピラミッドのように層状で上部ほど小さくなり、中央部には菊のレリーフが施されている[4]軒蛇腹には菊花を囲むように「卍」の装飾がなされ[4](燕が巣作りを頻繁に行うため糞害防止のカバーで覆われている[7])、各柱との交差部には七福神の顔のレリーフがある[8][9]

柱は西側・南側・交差点入口で装飾が異なる。

南側(中正路側)

8本の柱と両端の重厚な壁体が配されている[2]。外窓は上部がアーチ式で閉塞感や単調さを打ち消すアクセントとなっている[4][8]

西側(忠義路側)

5本の柱が配されていたが、忠義路拡幅事業に伴い撤去された[2]。壁面上方には尖頭アーチ式の、下方には平窓が配されている窓[4]

南西角

交差点には水平方向に装飾が施された2本の円柱が両側の壁体と密着している[4]。上方妻屋根部にはカルトューシュ英語版(紋章などを記す装飾額用のデザイン[10])が施されていて、屋上の欄干機能(パラペット中国語: 女兒牆[11])を兼ね備えている。

ギャラリー[編集]

中華日報初代總部.JPG 臺南末廣町02.JPG
初代台南支店ビル
(戦後の中華日報本社社屋時代)
ハヤシ百貨店開業直後の
末広町交差点
Tainan Taiwan China-Daily-News-Ambassador-Commercial-Building-01.jpg 忠義路拓寬前的土銀臺南分行.JPG
中華日報移転後の商業ビル 忠義路拡幅前の入口が広い時期の
土銀台南分行

立地[編集]

交通[編集]

  • 台南駅から徒歩20分弱、または下記バス
  • 大台南公車中国語版で林百貨(中正路)、林百貨(忠義路)下車すぐ。あるいは孔廟(台灣文學館)下車。

周辺[編集]

民生緑園文化園区に含まれ、隣接する孔廟文化園区とともに文化資産が徒歩圏内に多数ある

出典[編集]

  1. ^ (繁体字中国語)原日本勸業銀行臺南支店 國家文化資產網(文化部文化資産局
  2. ^ a b c d 傅朝卿 (2001年11月). 台南市古蹟與歷史建築總覽. 台南市: 台灣建築與文化資產出版社. pp. 261頁. ISBN 957-30880-4-5. 
  3. ^ (繁体字中国語)臺灣土地登記規則 国史館台湾文献館
  4. ^ a b c d e f g h i 范勝雄 (1988-07-01). 府城叢談 (4). 臺南市政府. pp. 92、93頁. ISBN 957-02-2143-7. 
  5. ^ (繁体字中国語)聚珍臺灣 (2015年6月10日). “「建築該讓路,還是路該讓建築?」”. 2017年11月20日閲覧。
  6. ^ a b c d (繁体字中国語)原日本勸業銀行臺南支店(市定)”. 中西区公所. 2017年11月20日閲覧。 台南市中西區公所-古蹟瀏覽
  7. ^ (繁体字中国語)鳥屎轟炸轎車 車主緝兇難如願2016-03-19,台灣動物新聞網
  8. ^ a b 遠流台灣館 (2003-02-01). 台南歷史深度旅遊. 台北市: 遠流出版社. pp. 128、129頁. ISBN 957-30880-4-5. 
  9. ^ (繁体字中国語)台灣講古:從老屋尋找日本過去留下的痕跡2016-03-17,BBC中文網
  10. ^ カルトゥーシュ cartouche コトバンク
  11. ^ パラペット コトバンク

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯22度59分32.05秒 東経120度12分11.29秒 / 北緯22.9922361度 東経120.2031361度 / 22.9922361; 120.2031361