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ロジスティード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日立物流から転送)
ロジスティード株式会社
LOGISTEED, Ltd.
ロジスティード本社
種類 株式会社
機関設計 監査役設置会社[1]
市場情報
東証プライム 9086
1989年1月31日 - 2023年2月24日
本社所在地 日本の旗 日本
104-8350
東京都中央区京橋2丁目9-2ロジスティードビル(ぬ利彦1717ビル)
設立 1959年(昭和34年)8月7日(注)
大和観光株式会社
業種 陸運業
法人番号 1010601022399 ウィキデータを編集
事業内容 国内物流事業
国際物流事業
情報システムの開発 等
代表者 中谷康夫代表取締役会長社長執行役員CEO
資本金 168億200万円
(2022年3月31日現在)
売上高 連結:8,002億43百万円[2]
(2024年3月期)
営業利益 連結:389億03百万円
(2024年3月期)
純利益 連結:135億13百万円
(2022年3月期)
総資産 連結:7,918億78百万円[2]
(2022年3月期)
従業員数 連結:24,201人 単体:891人
(2024年3月末現在)
決算期 3月31日
主要株主 ロジスティードホールディングス株式会社 90.0%
株式会社日立製作所 10.0%
(2023年3月1日現在)
主要子会社 株式会社バンテック
ロジスティードソリューションズ株式会社 75%
関係する人物 山本博巳(元社長)
外部リンク https://www.logisteed.com/jp/
特記事項: 1967年(昭和42年)11月1日に(旧)東京モノレール株式会社、西部日立運輸株式会社、(旧)日立運輸株式会社の3社合併の際、東京モノレール(株)を存続会社としたため、(旧)日立運輸株式会社は解散した。旧会社の設立日は1950年(昭和25年)2月23日である。財務数値は日本基準。
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ロジスティード株式会社: LOGISTEED, Ltd.)は、東京都中央区に本社を置く物流会社である。旧商号は株式会社日立物流(ひたちぶつりゅう、: Hitachi Transport System, Ltd.)で、日立グループに属していた。春光会の会員企業であり、春光グループに属する[3]3PLで国内首位。

事業[編集]

主力の物流事業は『システム物流事業』と称し、単なる倉庫保管・輸送だけではなく、小売業製造業に不可欠な物流システム全体を構築し運営を請け負う事業(サード・パーティー・ロジスティクス)を主力としている。このシステムに含まれるものは、運送・配送・保管の他、在庫・受発注等の情報管理、流通の際の加工等が含まれる。また、国際物流事業では上記に加え、通関手続、航空運送代理業なども行う。

この他、筆頭株主であった日立製作所の製造する特殊な製品、例えば発電プラントや車両等の重量品、原子力発電核燃料、大型製品の運送及び美術品輸送等の特殊な運送なども行っている。

2015年3月期の売上構成は国内物流事業59%、国際物流事業37%、その他事業4%となっている。

同社の企業メッセージは「未知に挑む。物流は新領域へ:LOGISTEED」である[注釈 1]

親会社の物流業務を専門に行う子会社の物流企業は、親会社の経営状況によって自社の経営が左右される事や、親会社の業務をこなしていれば安定的な収入が望めるため、経営改善が積極的に進まないなどのマイナス面を抱えている。

最近では、「ロジスティクス」の概念が日本企業に普及したことにより、自社に物流子会社を持っていても、独立系の大手物流企業に業務を請負わせた方が場合によっては自社の物流子会社を利用するよりも、スケールメリットによるコストの低下と専門性を活かした高品質な物流管理が実現できるといった事例も出ている。

そこで同社は、かつて親会社であった日立製作所の物流業務を主体としつつも、業務で培ったノウハウをアピールし、他企業の物流業務を請け負うことに成功している。よく知られたものとして、アディダスジャパンや、提携先の福山通運と同様にイオングループの物流センターの物流・倉庫業務の請負がある。

現在では、かつての日立グループとしての位置付けよりも、企業向け物流事業における有力事業者としての評価が定着している。また、小口貨物輸送に関してのノウハウ不足を補うため、福山通運との提携により、大口・小口を問わず企業からの輸送業務を請負える体制を整えている。

2016年3月、SGホールディングス及び佐川急便と資本業務提携契約を締結。同年5月に親会社であった日立製作所がSGホールディングスに株式を譲渡し、両社の持分法適用関連会社となった。しかし、2020年9月、上記資本業務提携契約の見直し、SGホールディングスが保有する日立物流株式の一部を取得するとともに、日立物流が保有する佐川急便株式の全てをSGホールディングスに譲渡した。なお、経営統合に向けた協議は、 当面の間、検討を見送るとした。

2022年4月22日、一部報道によりアメリカの投資ファンドKKRが日立物流を買収すると報じられ[4]、同月28日にTOBの実施によりKKRが日立物流を買収すると正式に発表した。

KKR買収後の2024年2月15日、アセット・ライト戦略推進として、KKR傘下のKJRマネジメントが運用するJ-REITである産業ファンド投資法人や私募ファンドに対して、保有する国内33の物流センターを譲渡する不動産流動化の実施を発表した[5]

沿革[編集]

  • 1950年昭和25年)2月 - 日東運輸株式会社として設立。
  • 1952年(昭和27年)12月 - (旧)日立運輸株式会社に商号変更。
  • 1959年(昭和34年)8月7日 - 現会社が大和観光株式会社として設立。
  • 1967年(昭和42年)11月 - 大和観光株式会社から商号変更した(旧)東京モノレールが(旧)日立運輸株式会社と西部日立運輸株式会社を合併し、日立運輸東京モノレール株式会社に商号変更。
  • 1981年(昭和56年)
    • 4月 - 子会社として(新)東京モノレール株式会社を設立。
    • 5月 -(新)東京モノレール株式会社にモノレール事業を譲渡し、物流部門は(新)日立運輸株式会社に商号変更。
  • 1985年(昭和60年)7月 - 株式会社日立物流に商号変更。
  • 1989年平成元年)1月 - 東京証券取引所2部上場。
  • 1990年(平成2年)9月 - 東京証券取引所1部上場
  • 1994年(平成6年)3月7日 - 本店を東京都渋谷区渋谷3丁目6-3から東京都江東区東陽7丁目2-18に移転。
  • 2011年(平成23年)4月 - TOBにより株式会社バンテック(自動車部品物流大手)の株式を取得し、連結化[6]
  • 2012年(平成24年)4月 -
    • 日立電線よりマラソン部を譲受し、日立物流グループ陸上部(現在のロジスティード陸上部)が発足[7][8]
    • 連結子会社である北海道日立物流サービス株式会社とダイレックス株式会社の合併、関東日立物流サービス株式会社とその子会社である昭島物流サービス株式会社の合併、関西日立物流サービス株式会社と中国日立物流サービス株式会社の合併を実施[9]
  • 2016年(平成28年)
    • 3月30日 - SGホールディングス及び佐川急便との資本業務提携契約を締結[10]
    • 5月19日 - 日立製作所が当社株式の29%をSGホールディングスへ譲渡。日立製作所及びSGホールディングスの持分法適用関連会社となる[11]
    • 5月20日 - 佐川急便株式の20%をSGホールディングスから譲受。同社を持分法適用関連会社とする[11]
  • 2017年(平成29年)8月16日 - 江東区東陽のサン・アンド・サンビルから中央区京橋に本社を移転。
  • 2018年(平成30年)10月10日 - 株式会社エーアイテイーと資本・業務提携契約を締結[12][13]
  • 2019年(平成31年)3月1日 - エーアイテイー株式の20.07%を取得すると同時に、子会社の日新運輸株式会社株式を株式交換の形でエーアイテイーへ譲渡する予定[14][15][16]
  • 2020年令和2年)
    • 9月25日 - 当社株式の一部をSGホールディングスから譲受[17]
    • 9月29日 - 佐川急便株式の20%をSGホールディングスへ譲渡。当社との資本関係を解消[18]
  • 2022年(令和4年)
  • 2023年(令和5年)
    • 2月24日 - 東京証券取引所プライム市場上場廃止。
    • 2月28日 - 株式併合により株主がHTSK株式会社及び日立製作所のみとなる[22]
    • 3月1日 - コールバーグ・クラビス・ロバーツが株式取得を完了[23]
    • 4月1日 - 商号を企業メッセージと同じロジスティード株式会社(LOGISTEED, Ltd.)に変更[24]

歴代社長[編集]

(注)日立運輸株式会社に商号変更後

氏名 在任期間 出身校
1 岩松茂輔 1981年5月 - 1983年6月 東京帝国大学法学部[25]
2 嶋井澄 1983年6月 - 1988年6月 大阪大学工学部[26]
3 小今井傓治[27] 1988年6月 - 1994年6月 東京大学法学部[28]
4 中久信 1994年6月 - 2000年6月 京都大学経済学部[29]
5 福士英二 2000年6月 - 2003年4月 北海道大学工学部[30]
6 山本博巳 2003年4月 - 2006年6月 山口大学経済学部[31]
7 鈴木登夫 2006年6月 - 2013年6月 東京工業大学工学部[32]
8 中谷康夫 2013年6月 - 2022年3月 法政大学工学部[33]
9 髙木宏明 2022年4月 - 中央大学理工学部

関係会社[編集]

2012年3月末現在、子会社86社、持分法適用会社12社を持ち、国内356拠点、海外348拠点を構える[2]。かつては東京モノレールの運行会社(その後は分社化し親会社)であったが、2002年東日本旅客鉄道(JR東日本)へ売却した。

不祥事[編集]

  • 2021年11月29日 - グループ会社である日立物流西日本が所有する大阪市此花区人工島舞洲 (まいしま) の物流倉庫「GLP 舞洲 II」で30,000 m2が焼ける倉庫火災が発生。倉庫には医薬品や食品が保管されていた[34]2022年1月15日、火災当時にこの倉庫で働いていた19歳の派遣社員が現住建造物等放火の疑いで逮捕された[35]。同年11月14日、東京地方裁判所は元派遣社員に懲役12年を言い渡した。この火災による財産的被害は少なくとも総額200億円にのぼるとされる[36]
  • 2022年12月6日 - グループ会社である日立物流西日本の元社員が、駅のホームの工事などに必要な作業員の数を水増しして工事代金、あわせて3億円余りをだまし取ったとして、元建設会社社長と共に詐欺の疑いで逮捕された。元社長は暴力団関係者とみられ、警察は、だまし取った金が暴力団側に流れた可能性もあるとみている[37]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ LOGISTICSとExceed・Proceed・Succeed・Speedを組み合わせた造語。

出典[編集]

  1. ^ 新経営体制について - 株式会社日立物流
  2. ^ a b c 日立物流:会社概要”. 日立物流. 2013年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月8日閲覧。
  3. ^ 春光懇話会”. www.shunko.jp. 2023年6月2日閲覧。
  4. ^ [1]
  5. ^ アセット・ライト戦略推進に向けた資産流動化に関するお知らせ 2024年2月15日 ロジスティード株式会社
  6. ^ 日立物流、バンテック買収へTOB”. Logistics Today. 2012年2月29日閲覧。
  7. ^ シンボルスポーツ(陸上部)の発足について』日立物流、2012年2月15日http://www.hitachi-hb.co.jp/news/pdf/news_20120215.pdf2012年2月29日閲覧 
  8. ^ マラソン部の譲渡について”. 日立電線. 2012年2月29日閲覧。
  9. ^ 連結子会社の合併について』日立物流、2012年2月1日http://www.hitachi-hb.co.jp/news/pdf/news_201202011.pdf2012年2月29日閲覧 
  10. ^ 日立物流、SGホールディングス及び佐川急便の戦略的資本業務提携、株式の売出し並びに日立物流の親会社、その他の関係会社及び主要株主の異動に関するお知らせ
  11. ^ a b (開示事項の経過報告)日立物流、SGホールディングス及び佐川急便の戦略的資本業務提携等に関するお知らせ
  12. ^ 株式会社日立物流との資本業務提携に関するお知らせエーアイテイー 2018年10月10日
  13. ^ 株式会社エーアイテイーとの資本業務提携に関するお知らせ日立物流 2018年10月10日
  14. ^ 日新運輸株式会社との株式交換契約締結及び孫会社の異動に関するお知らせエーアイテイー 2018年10月10日
  15. ^ 主要株主及びその他の関係会社の異動(予定)に関するお知らせ エーアイテイー 2018年10月10日
  16. ^ エーアイテイー<9381>、日立物流傘下の日新運輸を株式交換で完全子会社化M&A online 2018年10月10日
  17. ^ 株式会社日立物流株式の売買成立に関するお知らせ
  18. ^ 株式会社日立物流との株式持分比率変更及び業績予想の修正に関するお知らせ
  19. ^ 日立製作所、日立物流の株式を売却 KKRがTOBへ:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2022年4月30日閲覧。
  20. ^ HTSK 株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ日立物流 2022年4月28日
  21. ^ HTSK株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ日立物流 2022年11月30日
  22. ^ 株式併合並びに単元株式数の定めの廃止及び定款の一部変更の承認決議に関するお知らせ日立物流 2023年2月2日
  23. ^ KKR、日立物流の株式取得完了KKR 2023年3月1日
  24. ^ 商号の変更に関するお知らせ日立物流 2022年10月27日
  25. ^ “日立運輸東京モノレール社長に岩松茂輔副社長の昇格内定、山口社長は相談役に。”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 朝刊9. (1980年6月19日) 
  26. ^ “日立運輸、日立専務嶋井澄氏の社長就任内定、岩松茂輔社長は相談役に。”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 朝刊10. (1988年5月27日) 
  27. ^ “小今井セン治氏死去/元日立物流社長”. 四国新聞社. (2006年6月11日). https://www.shikoku-np.co.jp/national/okuyami/article.aspx?id=20060611000209 
  28. ^ “日立物流社長に小今井〓(セン)治副社長昇格――嶋井澄社長は会長に。”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 朝刊11. (1988年6月1日) 
  29. ^ “日立物流社長に中久信副社長が昇格――小今井〓(セン)治社長は代表権のある会長に。”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 朝刊9. (1994年5月14日) 
  30. ^ “日立物流社長に福士英二専務が昇格――中久信社長は代表権のある会長に就任。”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 夕刊3. (2000年4月13日) 
  31. ^ “日立物流、山本博巳氏(新社長)”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 朝刊15. (2003年1月31日) 
  32. ^ “日立物流、鈴木登夫氏(新社長)”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 朝刊12. (2006年2月24日) 
  33. ^ “日立物流、中谷康夫氏(新社長)”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): pp. 朝刊15. (2013年2月26日) 
  34. ^ 大阪・舞洲の倉庫火災 まる1日過ぎても燃え続ける 2021年11月30日 11時34分 (朝日新聞)
  35. ^ 大阪・舞洲の倉庫火災、放火容疑で19歳の少年を逮捕 大阪府警”. 朝日新聞 (2022年1月15日). 2022年1月15日閲覧。
  36. ^ “被害200億円超「類見ぬほど多額」 日立物流倉庫放火、20歳男に懲役12年判決”. 産経新聞. (2022年11月14日). https://www.sankei.com/article/20221114-L5XKJ7U3VBIUBBWHC7VUODVCG4/ 2023年4月1日閲覧。 
  37. ^ “日立物流子会社から3・6億円詐取疑い、暴力団側に流出か 兵庫県警、2人逮捕”. 産経新聞. (2022年12月28日). https://www.sankei.com/article/20221208-XP2QYUM47JIZVKEGA3NGY3E3VI/ 2023年6月26日閲覧。 
  38. ^ LOGISTEED サイボーグ009”. 日立物流 (2020年12月4日). 2021年5月14日閲覧。
  39. ^ 日立物流 LOGISTEEDに「サイボーグ009」が広告起用されました!”. 石森プロ (2020年12月4日). 2021年5月14日閲覧。

外部リンク[編集]