日本eスポーツ連合
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| 団体種類 | 一般社団法人 |
|---|---|
| 設立 | 2018年2月1日 |
| 所在地 |
|
| 法人番号 | 9010005028011 |
| 起源 |
日本eスポーツ協会(JeSPA) 日本eスポーツ連盟(JeSF) e-sports促進機構 |
| 主要人物 |
岡村秀樹(会長) 浜村弘一(副会長) 辻本春弘(理事) |
| 活動地域 |
|
| 主眼 | eスポーツの普及 |
| 活動内容 | プロライセンスの発行、大会の認定、関係各所との連携、eスポーツ選手の育成や支援 |
| ウェブサイト | https://jesu.or.jp/ |
日本eスポーツ連合(英語:Japan esports Union、略称:JeSU)とは、エレクトロニック・スポーツに関連する日本の一般社団法人である。
概要[編集]
JeSUは2018年2月1日より活動を開始した団体。コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主導し、日本オンラインゲーム協会(JOGA)の後援のもと、日本国内の日本eスポーツ協会(JeSPA)、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟(JeSF)の3団体を1つに統合した団体である[1]。統合の理由は、将来のeスポーツの五輪種目採用に向けた働きかけに当たって、乱立した業界団体が障害となるためである[2](ただし後述するように同年5月に日本eスポーツリーグ協会が新規設立されている)。発足当初の団体の理事は7人中4人がCESA出身であり、CESAの影響力を大きく受けている。
主な活動目的はeスポーツの普及で、活動内容はeスポーツに関する調査やプロライセンスの発行、大会の認定、関係各所との連携、eスポーツ選手の育成や支援とされている[3]。
課題[編集]
JeSUはプロライセンスにより選手が高額な賞金を受け取れると考えているようである[4]。JeSU代表理事岡村は、日本eスポーツ連合発表会にて、賞金の獲得について法律的な懸念を示す記者の質問に対し、プロの定義からして法律的に問題ないと回答している[1]。また、JeSU副会長浜村は、消費者庁からプロライセンス発行の提案が行われ、消費者庁や関係省庁とも相談を行ったため、法律的にグレーな部分はないとの認識を示している[5]。2018年2月7日の国会答弁においても、世耕弘成経済産業大臣が「プロというものを民間の団体が始めようとしており、プロに対する報酬であれば(賞金の提供は)問題ないということで消費者庁と整理がついている」旨の発言をしている[6]。しかし、以下の課題が指摘されている。
- 既存のプロゲーマーからはまだライセンス制度に対する疑問の声もあり、対話していくことが今後の課題とされている[7]。
- 当初発表されたプロライセンス発行タイトルの選考基準も不明で、どのように追加されていくかも不明[1]。選考過程の透明化が求められる[8]。
- 高額な賞金には日本の法律的に問題があるとする意見もある[9]。
- プロゲーマーになることにより仕事とみなされるため、すでに会社に所属している人はプロゲーマーが副業となる。副業が出来ない場合、活動が難しくなる恐れがある[10]。JeSU浜村は、「所属団体と話してもらうしかない」と述べている。また会社に副業を指摘された場合も、事前に書面にて確認することになっており、個人に任せるしかないとの発言をしている[6]。
ライター・畑史進の取材によりJeSUのオフィスがレンタルオフィス[11]であり、ペーパーカンパニーであることが明かされている。
法律との兼ね合い[編集]
この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
刑法賭博罪[編集]
参加者から、高額な賞金を出すために、参加費を集める事は賭博罪に相当するため、できないとされている。無料参加とし、大会主催者が賞品を提供する場合であれば問題はない[12]。また、参加費をとる場合でも、参加費の用途が大会の賞金以外に使用されるとはっきりしている場合は問題ない[13]。
国際カジノ研究所所長である木曽崇によると、賭博には次の3要素がある[14]。「偶然の勝敗」「財産上の利益」「得喪(得失)を争うこと」である。木曽は「偶然の勝敗」に関しては、偶然が関与しない将棋や囲碁ですら「偶然の勝敗」とみなされることから、ゲームに関しても不可避であるとしている。「財産上の利益」に関しては、ゲーム内のレアアイテムが交換機能を持っていたり、現金で売買できるものである場合、リスクがある(賭博とみなされる)可能性があると指摘している。「得喪を争うこと」とは、一方のプレイヤーが得をしたら、もう一方が損をするような相互性があることで、相互性が重視される。囲碁や将棋の賞金制大会は、参加費無料で第三者から賞金が出されるが、参加者は得をしても損はしないため、相互性は存在しない。参加費を徴収して運営費に充てる場合は、参加できる対価として参加費を払うため、プレイヤーは損をしたことにならず、相互性は存在しない。参加費を徴収して参加費のなかから賞金を出す場合は、「得喪を争う」とみなされる。
景品表示法[編集]
景品表示法では景品類の最高額を制限し、過大な景品類の提供を防いでいる[15][12]。景品類とは、消費者を誘引する手段として、取引に付随して提供される、物品や賞金などの利益のことである[16]。景品類を提供する方法で、くじ等の偶然性や特定行為の優劣等で提供するものを「懸賞」とよび、これには競技、遊戯等の優劣で提供した場合も含まれる。
メーカーが販売したゲームで、賞金付き大会を開催した場合、このメーカーは自社ゲームの大会で賞金を出したことで消費者を誘引した、とみなされやすい。しかし、このメーカーと(利益的に)無関係の第三者が賞金を出す場合は、景品表示法に抵触しない[13]。
賞金を大会で使われるゲームのメーカー自身が提供すると景品表示法に引っかかることは2016年夏に木曽が消費者庁に確認している[17]。しかし、消費者庁が定めている、『景品類等の指定の告示の運用基準について』では、「取引の相手方に提供する経済上の利益であっても、仕事の報酬等と認められる金品の提供は、景品類の提供に当たらない」とされている[18]。ただ、メーカーが賞金を支払う場合、大会のただの参加者に対して、大会に参加した報酬としただけでは、景品類の金銭とみなされる可能性があった。JeSUは、ゲーム大会に参加する参加者が、プロライセンスを獲得し、プロゲーマーの仕事として報酬を獲得できるようにするため、プロライセンス制度を導入した[10]。
2018年3月にデジタルライターの岡安が消費者庁表示対策課の担当者に確認した際には、『興行性のあるeスポーツ大会の賞金は「景品類」に該当しないと考えられる』という趣旨の回答を得ている[19][20]。
風俗営業法[編集]
e-Sports大会はゲームセンターと同様に風営法が適用されると木曽と山本一郎は見ている[17]。ゲームセンターは風俗第五号営業に相当する[21][22]。木曽によると「風営法上、ゲームセンターの無許可営業は刑事罰」になると警告しており[23]、許可を得る必要が出てくる模様。
風営法は営利目的の事業者が対象のため、参加費をとらなければ風営法に抵触しない[14]。
他の組織の動向[編集]
JeSU発足後にJリーグ[24]、Supercell[25]、よしもとクリエイティブ・エージェンシーが日本国内でeスポーツに関わると発表されたが、現時点でそれぞれJeSUに加入の予定はない。
2018年5月7日、日本eスポーツリーグ協会(JeSA)が設立[26]されたことで、JeSUは国内唯一の統括団体という名目を失う。
ライセンス認定タイトル[編集]
当初コール オブ デューティ ワールドウォーII、レインボーシックス シージ、ストリートファイターV アーケードエディション、鉄拳7、パズル&ドラゴンズ、モンスターストライクの6タイトルがプロライセンス発行予定タイトルとして発表され、今後順次増えていくことが発表された[1]。
プロライセンスを獲得するためには、JeSU公認大会で優秀な成績を収める(過去の公認タイトルの大会で優秀な成績を収めた)だけでなく、JeSUの指定するプロゲーマーの定義への誓約、および指定された講習を受講する必要がある。ライセンス発行には手数料として5000円。ジュニアライセンスの場合は3000円の実費がかかる[27]。
- FPS(ファーストパーソンシューティング)
- 格闘ゲーム
- スポーツゲーム
- パズルゲーム
- アクションRPG
脚注[編集]
- ^ a b c d “「日本におけるeスポーツ発展の大きな一歩」 日本eスポーツ連合(JeSU)発足”. GAME Watch (2018年2月1日). 2018年3月21日閲覧。
- ^ “「eスポーツ」プロ制度立ち上げ ライセンスはゲーム別”. 朝日新聞デジタル (2018年2月1日). 2018年5月6日閲覧。
- ^ “日本eスポーツ連合(JeSU)設立記者会見を行いました。”. 一般社団法人日本eスポーツ連合オフィシャルサイト (2018年2月1日). 2018年3月21日閲覧。
- ^ “eスポーツ大会の高額賞金が「グレー」な理由”. 東洋経済オンライン (2018年3月16日). 2018年3月21日閲覧。
- ^ “プロライセンス制度、「消費者庁と相談して決めた」 eスポーツ団体の見解とプロゲーマーの思い”. IT Media NEWS (2018年2月19日). 2018年3月23日閲覧。
- ^ a b “JeSU浜村氏「賞金スキームはグレーではない」ウメハラ氏らプレイヤーの疑問に答えた3時間”. ファミ通AppVs (2018年2月23日). 2018年3月27日閲覧。
- ^ “なぜパズドラ? eスポーツ団体「プロ認定」 疑問の声も(2/2)”. ITmedia NEWS (2018年2月1日). 2018年3月21日閲覧。
- ^ “ゲーオタと言わせない 電脳の格闘技「eスポーツ」”. 東京新聞 (2018年2月25日). 2018年3月24日閲覧。
- ^ “日本eスポーツ連合(JeSU)、高額賞金問題に関するまとめ その2”. 国際カジノ研究所 所長 木曽 崇 (2018年2月22日). 2018年3月21日閲覧。
- ^ a b 週刊ファミ通 2018年3月22日号. Gzブレイン. (2018-03-22). p. 127.
- ^ “あぁ素晴らしきかなTVゲーム第105回 レンタルオフィスが本拠地?度肝を抜くJeSU” (日本語). サンスポ. (2018年4月20日) 2018年4月22日閲覧。
- ^ a b “eスポーツがもたらす世界”. CNET Japan (2017年10月24日). 2018年3月24日閲覧。
- ^ a b 週刊ファミ通 2018年3月22日号. Gzブレイン. (2018-03-22). p. 126.
- ^ a b “[CEDEC 2017]日本で高額賞金のe-Sports大会を開催するには? 刑法賭博罪・景表法・風営法による規制が解説されたセッションをレポート”. 4Gamer.net (2017年9月2日). 2018年3月27日閲覧。
- ^ “景品表示法とは”. 消費者庁ウェブサイト. 2018年3月24日閲覧。
- ^ “景品規制の概要”. 消費者庁ウェブサイト. 2018年3月27日閲覧。
- ^ a b “ガチャの射倖性やe-Sportsの賞金制大会について、カジノ研究者の木曽 崇氏と山本一郎氏が赤裸々に語った「黒川塾 四十六(46)」聴講レポート”. 4Gamer.net (2017年2月21日). 2018年3月24日閲覧。
- ^ “景品類等の指定の告示の運用基準について”. 消費者庁 (2014年12月1日). 2018年3月27日閲覧。
- ^ “eスポーツの高額賞金、阻んでいるのは誰か 消費者庁は「景品表示法は問題なし」との見解(1/3)”. 東洋経済オンライン (2018年3月23日). 2018年3月24日閲覧。
- ^ “eスポーツの高額賞金、阻んでいるのは誰か 消費者庁は「景品表示法は問題なし」との見解(2/3)”. 東洋経済オンライン (2018年3月23日). 2018年3月24日閲覧。
- ^ “日本で高額賞金のe-Sports大会を開催するには? 刑法賭博罪・景表法・風営法による規制が解説されたセッションをレポート”. 4Gamer.net (2017年9月2日). 2018年3月24日閲覧。
- ^ “クレーンゲーム詐欺の急増は、世帯の深刻な貧困化&賃金低下の証しである”. ビジネスジャーナル (2018年1月31日). 2018年3月26日閲覧。
- ^ “e-Sportsが盛り上がっていくため、本当に必要なものは何か? 国際カジノ研究所所長 木曽 崇氏に聞く”. 4Gamer.net (2018年2月1日). 2018年3月26日閲覧。
- ^ “Jリーグ eスポーツ大会「明治安田生命 eJ.LEAGUE」を初開催”. SHIBUYA GAME (2018年3月9日). 2018年3月23日閲覧。
- ^ “Supercell、「クラロワリーグ」と「プロ制度」を発表。eスポーツへの本格参入が表明された説明会をレポート”. 4Gamer.net (2018年3月7日). 2018年3月21日閲覧。
- ^ “新たなeスポーツ団体「日本eスポーツリーグ協会(JeSA)」が発足。独自のプロライセンス制度を掲げる”. 4Gamer.net (2018年5月7日). 2018年5月8日閲覧。
- ^ “【畑史進コラム】あぁ素晴らしきかなTVゲーム第104回 このままでいいのかeスポーツ? 疑問だらけのJeSUという組織とその構成” (日本語). サンスポ 2018年4月21日閲覧。
外部リンク[編集]
- JeSU公式ウェブサイト(日本語)