日本航空大学校

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日本航空大学校
過去の名称 日本航空大学校
日本航空専門学校
国公私立 私立学校
学校種別 専門学校
設置者 学校法人日本航空学園
創立年 1970年
設置年月日 2003年4月
共学・別学 男女共学
キャンパス 能登空港キャンパス
向洋キャンパス
課程 工業専門課程
商業実務専門課程
設置学科 工業専門課程
 航空整備科
 航空整備技術科
 操縦科
商業実務専門課程
 航空ビジネス科
学科内専門コース 航空ビジネス科語学研修専攻コース
学校コード H117320400010 ウィキデータを編集
所在地 929-2372
石川県輪島市三井町洲衛9部27-7
外部リンク www.jac-n.jp
Portal:教育
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日本航空大学校(にほんこうくうだいがっこう)は、石川県輪島市にある、学校法人日本航空学園が運営する私立専門学校である。同法人が運営する高等学校日本航空高等学校石川」と共に、校地は能登空港に隣接している。

専修学校専門課程に認定されているため、卒業すると専門士の称号が付与される[1]。4年制の航空工学科および4年制の操縦科では高度専門士の称号が付与され、大学院に進学することも可能である[2]。また、放送大学との提携制度を利用すると、学士号学位も取得できる。

2010年平成22年)4月より北海道千歳市に拠点を置く系列校・日本航空大学校 北海道(旧:日本航空専門学校)に名称統合され、日本航空専門学校石川となったが、2014年(平成26年)4月より再び旧称の日本航空大学校に改称した。

学科[編集]

  • 航空工学科
    4年制。航空機設計や品質管理を学ぶ。3次元CADソフトCATIAを備えているのが最大の特長である。就職先は航空機メーカーの技術部門など。
  • 航空整備科
    3年制。大型機を利用して、構造・装備・原動機など、航空機の仕組みを理解しながら、整備技術を学び、航空整備士を養成する。
    1年次は、全員共通で飛行機全般について勉強する。2年次より一等航空運航整備士コース、航空機整備訓練課程コース、ヘリコプタ整備士コースの3コースに別れる。一等航空運航整備士コースは国産旅客機YS-11を基に実習・座学を受け、在学中に一等航空運航整備士の資格取得を目指す。航空機整備訓練課程コースでは主にYS-11を基に航空機の整備学を学び、航空整備士の実地試験受験に必要な整備経歴を取得する。ヘリコプタ整備士コースではヘリコプタを基に実習・座学を受け、回転翼航空機二等航空運航整備士取得を目指す。就職先はいずれも航空会社の整備職など。
  • 航空整備技術科
    2年制。材料の性質に応じた修理加工法・溶接技術・部品などの締結法を学び、ジェットエンジンなどの装備品の整備技術や、航空機の製造技術を学び、航空整備技術者を養成する。就職先は航空機メーカーの技能職など。
    2018年(平成30年)4月より航空整備技術科に「ドローンコース」及び「海洋コース」を新設。操縦技術はもちろん、動画編集や写真測量、三次元形状復元、機体の設計や製作を学ぶことができる。
  • 操縦科
    2年制・4年制。事業用操縦士免許・計器飛行証明航空無線通信士といった、資格取得を実現させ、事業用操縦士を養成する。就職先は航空会社運航乗務員。
  • 航空ビジネス科
    2・3年制。客室乗務員グランドスタッフへの内定を目指す。CAもしくはGSへの内定率は毎年100%という非常に高い水準である。
    3年制コースは語学研修専攻として2年次にニュージーランドなど英語圏の国への8ヵ月間の海外留学が必須である。帰国後は2年制コースの学生と一緒に授業を受ける。

歴史[編集]

  • 1970年10月 山梨県北巨摩郡双葉町(現・山梨県甲斐市)に日本航空専門学校(各種学校)の設置認可が下りる。
  • 1974年1月 校名を日本航空大学校と改称。
  • 1976年5月 専修学校専門課程の認可を受ける。
  • 1992年4月 航空整備科、航空電子科、メカトロニクス科の3学科を日本航空学園千歳校(現・日本航空専門学校千歳キャンパス)と統合する。
  • 2000年1月 米国日本航空大学(JAUA)がカリフォルニア州より法人として認可される。
  • 2003年4月 日本航空学園輪島校(現・能登空港キャンパス)開設にともない、石川県輪島市に全面移転する。
  • 2005年4月 国土交通大臣指定航空整備訓練課程の認可を受ける。
  • 2006年4月 操縦科を新設する。航空工学科が高度専門士課程に認定される。
  • 2010年4月 日本航空専門学校に名称統合され、日本航空専門学校能登空港キャンパスとなる。(日本航空専門学校石川)
  • 2011年4月 航空ビジネス科を新設する。
  • 2014年4月 日本航空専門学校から独立し、再び旧称の日本航空大学校となる。
  • 2016年2月 航空工学科が文部科学省より職業実践専門課程に認定される。
  • 2018年4月 航空整備技術科に「ドローンコース」及び「海洋コース」を新設する。

校訓[編集]

一、礼節を尊び忍耐努力の精神を体得すべし
一、熟慮断行以て、風林火山たるべし
一、至誠一貫、信義を重んずべし
一、質実剛健、文武両道に徹すべし
一、敬神崇祖の伝統を承継し祖国を興隆すべし

キャンパス[編集]

  • 能登空港キャンパス(旧称 輪島キャンパス)

校舎は三階建てであり、一階に実習教室が、二階に職員室と通常教室が、三階に運航部室が配置されている。 校舎の西側には、航空機整備実習用の格納庫が存在する。 滑走路は能登空港と供用しており、学園エプロンから直接乗り入れることができる。 大型機のYS-11を4機を有しており、航空整備科の実習に使用している。また、CAD実習室には3次元CADツールCATIAがある。 当キャンパスは併設校の日本航空高等学校石川と共用している。

  • 向洋キャンパス

旧・穴水町立向洋中学校の校舎・施設をそのまま使用。 航空整備技術科の「ドローンコース」および「海洋コース」の学生が使用する。

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学生はアパート暮らしまたは寮生活をする。アパート暮らしの場合、輪島市や穴水町から通学する学生が多い。なお、併設校である日本航空高等学校石川の通学バスに空席がある場合、大学校の学生もバスを利用できる。

寮には、J-Shipサンシャイン(旧・雄飛寮)、シンフォニー(旧・青雲寮)、サーマル、コンチェルトの計4つが設置されている。開校以来、男子学生は主に「シンフォニー」に入寮、女子学生は「J-shipサンシャイン」の女子専用区域に入寮(併設校・日本航空高等学校石川の女子生徒と共用)していたが、高等学校・大学校ともに女子が急増したことに伴い「J-Shipサンシャイン」の女子専用区域が手狭となったため、2014年度より「シンフォニー」を女子専用寮、「J-Shipサンシャイン」を男子専用寮として、ともに高等学校の生徒と共用するかたちで運用するようになった。その後2016年度に大学校男子寮「サーマル」が新設され、男子寮は「サーマル」「J-Shipサンシャイン」の2寮体制となった。一方、女子専用寮となった「シンフォニー」は、しばらく十分なスペースを保っていたものの、女子生徒・女子学生の増加に伴い、手狭となってきたため、2018年度より、大学校女子学生の専用寮「コンチェルト」が新設され、運用が開始された。

卒業生の主な就職先[編集]

日本航空グループや全日本空輸グループなどの航空会社、三菱重工川崎重工IHIグループなどの製造メーカが主な就職先。 2022年5月20日現在JALの指定校推薦制度が導入されており、JALグループの採用担当者が来校し、グループ全体の採用試験を1回にまとめて受けることができる。再度採用試験を受けることができず、1回までしか受けることができなくなってしまう。 また、ANAグループからの採用は2022年5月20日現在2021年の採用はない。

ドローンパイロットスクール[編集]

2018年(平成30年)1月より、社会人向けのドローンスクール「日本航空大学校ドローンパイロットスクール」を開校。向洋キャンパス(旧・穴水町立向洋中学校)の校舎を利用し、無人航空機操縦技能証明を取得するための講習を始める。

関連項目[編集]

その他[編集]

  • 1980年代の双葉町を開設場所とするアマチュア無線呼出符号JF1ZDJが存在した。
  • 卒業著名人として航空ジャーナリストの坪田敦史が航空電子科に在籍していた。当人は無線研究部(呼出符号JF1ZDJ)の最後の部長を務め、後輩部員が入らず、以後、アマチュア無線団体局は廃部となった。

脚注[編集]

外部リンク[編集]