多国籍企業
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多国籍企業(たこくせききぎょう、英語:Multinational Corporation、略称:MNC)とは、活動拠点を一つの国家だけに限らず複数の国にわたって世界的に活動している大規模な企業のことである。
定義[編集]
国際経済に対する独占力を表す概念であることから[1]、規模にも着目し単純な空洞化と区別する。
- 国連の国際連合貿易開発会議(UNCTAD)の定義
- 資産を2か国ないしそれ以上の国において統轄するすべての企業。
- 2か国以上に拠点を有する企業。
- 元ハーバード大学のスティーブン・ハイマー(Stephen Hymer)の定義
- 海外直接投資を行う企業。
上記の他、経済学者レイモンド・バーノンが唱えた製造業に限定したもの、親会社の出資比率25%を要求したりする定義もある。
実際に多国籍企業とされているものは、サービス業であったり、投信を利用し直接の出資比率を下げたりしている。
多国籍企業という言葉は、1960年にアメリカのD.リリエンソールが論文の中で初めて使用したとされる[2]。
概要[編集]
多国籍企業が国際問題となった明確な端緒というものは存在しない。多国籍企業に関する学術研究は、したがってイギリス東インド会社までさかのぼって行われることもあった[3]。個別の多国籍企業史を時系列に整理して一冊に圧縮するような冒険も敢行された[4]。しかし、多国籍企業が東インド会社の17世紀から延々と議論されてきたというわけではない。多国籍企業は、「国際関係が高度に緊密化した現代資本主義のもとにおける、巨大独占企業の一般的な存在形態」として問題視された[1]。「国際関係が高度に緊密化した現代資本主義」とは何を指すのか、出典の著者は究明していない。この点を考える手がかりを示す。まず、(1)多国籍企業に関する研究文献の氾濫は1960年代後半以後に顕著である[5]。また、(2)国連が多国籍企業を定義した意味の一つは、1974年12月に国連総会で採択された「諸国家の経済権利義務憲章」にある[6]。そして同じころ、(3)イギリスの製薬産業の3/4がメルク・アンド・カンパニーやエフ・ホフマン・ラ・ロシュといった外資の支配下にあると指摘されている[7]。(2)(3)は英米両国が同時に機関化された時代である。そして(1)はセカンダリー・バンキング商戦でシティの敗北がほぼ決定し、ユーロクリアが設立されてLIBORがロンドンに上陸した時期であった。そしてそのときこそ、機関投資家が分散化する国際金融市場の趨勢を決したのであった。「国際関係が高度に緊密化した現代資本主義」とは、実際において機関化経済である。機関投資家の資金が津波となって公社債や多国籍企業に押し寄せていた。そこが問題だったのである。日本ではロッキード事件が起こって贈賄が世論に叩かれたが、ロッキード社は在外生産活動が乏しく多国籍企業とはいい難いともいわれている[1]。企業というよりも、兵器産業と贈賄活動が「多国籍」化していたのであって、そうした要らぬ金あまりが問題だったのである。機関投資家によって世界経済はトリクルダウン理論とは正反対の方向に突き進んでいた。そこにグローバルな独占性が存在した。この大衆貯蓄を人質にとったマネーゲームは、世界金融危機を経てなお継続している。学術団体については、1951年4月21日、日本商業学会が慶應義塾大学教授向井鹿松を初代会長として設立された[8]。
歴史[編集]
機関化された企業は次節からいくらでも探すことができる。そこであえてその歴史は、問題意識から離れて簡単に書く。
1215年のマグナ・カルタは敵性資産の保護を規定した。これがドーバー海峡に多国籍企業が生まれる必要条件となった。
陸路では帝国郵便がゆっくりと発達した。1492年の新大陸の発見により、郵便の利用は活発化した。
各国が東インド会社を設立してゆく時期に、マーチャント・バンク(merchant bank)が登場した。
19世紀の多国籍企業といえば、デビアス、ケーブル・アンド・ワイヤレス、アメリカの生保各社などがあげられる。
戦間期の主役はゼネラル・エレクトリックとIG・ファルベンインドゥストリーであり、世界史の要素である。
石油メジャー各社は大変息が長く、それこそ機関化まで経営はダイナミックである。
多国籍企業の機関化は所有の国際化であって、1980年代以降証券化と相互補完のうえ急進した。そしてリストラも機関化をともなうのである。それは随時、公営多国籍企業の民営化された経験によって速やかに行われる。
著名な多国籍企業 - 産業分野別[編集]
公企業や地域に偏りのあるものも紹介している。4大会計事務所も有名。防衛ではブラックウォーターUSA。
電力[編集]
コンツェルン(多業種)[編集]
銀行・証券・保険・ファンド・金融[編集]
国際銀行間通信協会ならびに国際決済機関のクリアストリームとユーロクリアも企業体である。ファンド・オブ・ファンズがミューチュアル・ファンドとヘッジファンドをトラスト化している。プライベート・エクイティ・ファンドは凡そ以下の企業体に属する。
- アメリカ合衆国
- シティグループ
- バンク・オブ・アメリカ
- JPモルガン・チェース
- ゴールドマン・サックス
- モルガン・スタンレー
- メリルリンチ
- アメリカン・エキスプレス
- VISA・マスターカード
- リップルウッド
- メットライフ
- AIG(AIAグループのルーツ)
- アメリカンファミリー生命保険会社
- プルデンシャル・ファイナンシャル
- ブラックロック
- フィデリティ・インベストメンツ
- カナダ
- カナダ五大銀行(複数行)
- イギリス
- スタンダードチャータード銀行
- プルーデンシャル(PCA、英国)
- HSBCホールディングス(旧香港上海銀行)
- バークレイズ
- シュローダー
- オールド・ミューチュアル
- リーガル&ジェネラル
- アビバ
- スタンダード・ライフ・アバディーン
- フランス
- スイス
- ドイツ
- イタリア
- スペイン
- オランダ
- オーストリア
- ライファイゼン(Raiffeisen Zentralbank)
- エルステ・グループ
- ロシア
- 日本
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- みずほフィナンシャルグループ
- 三井住友フィナンシャルグループ
- りそなホールディングス
- 三井住友トラスト・ホールディングス
- 野村ホールディングス
- 大和証券グループ本社
- 日本生命保険
- 第一生命保険
- 明治安田生命保険
- 東京海上ホールディングス
- MS&ADホールディングス
- SOMPOホールディングス
- アドバンテッジパートナーズ
- オリックス
- 中国
- 香港
- シンガポール
- タイ
航空機・武器・軍事製品の製造[編集]
- アメリカ合衆国
- カナダ
- ブラジル
- イギリス
自動車の製造[編集]
- アメリカ合衆国
- フランス
- イタリア
- ドイツ
- スペイン
- チェコ
- ロシア
- スウェーデン
- 日本
- 韓国
- 中国
- マレーシア
- インド
- イラン
自動車部品の製造[編集]
電気光学製品の製造[編集]
コンピュータソフトウェアの製造[編集]
- アメリカ合衆国
- IBM
- ヒューレット・パッカード・エンタープライズ (HPE)
- HP Inc.
- デル
- Apple
- マイクロソフト
- Google
- レッドハット
- オラクル
- ユニシス
- シトリックス・システムズ
- エクイニクス
- ニュータニックス
- DXCテクノロジー
- セールスフォース・ドットコム
- シマンテック
- マカフィー
- アドビ
- Amazon.com
- Facebook
- Twitter
- Uber
- ServiceNow
- アカマイ・テクノロジーズ
- エレクトロニック・アーツ
- アクティビジョン・ブリザード
- ライオンブリッジ
- フランス
- ドイツ
- イギリス
- カナダ
- アイルランド
- 日本
- 韓国
- 中国
- 台湾
- インド
機械製品の製造[編集]
- アメリカ合衆国
- イギリス
- フランス
- ドイツ
- スイス
- リヒテンシュタイン
- スウェーデン
- 日本
- 韓国
製鉄・鉄鋼・特殊鋼[編集]
非鉄金属・鉱業[編集]
化学製品の製造[編集]
建築材料の製造[編集]
医薬品・バイオ製品の製造[編集]
- アメリカ合衆国
- ファイザー
- メルク・アンド・カンパニー
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- アボット・ラボラトリーズ
- イーライリリー
- ブリストル・マイヤーズ スクイブ
- アムジェン
- ギリアド・サイエンシズ
- バクスター
- マイラン
- バイオジェン・アイデック
- セルジーン
- アクタビス(旧ワトソン製薬、現テバ製薬)
- ボシュロム
- イギリス
- オーストラリア
- フランス
- ドイツ
- スイス
- デンマーク
- ベルギー
- イスラエル
- 日本
健康・生活用品の製造[編集]
- アメリカ合衆国
- イギリス
- フランス
- ドイツ
食品・飲料の製造[編集]
- アメリカ合衆国
- イギリス
- フランス
- イタリア
- オランダ
- ベルギー