日本数学オリンピック

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日本数学オリンピック(にほんすうがくオリンピック、通称JMO)は、毎年、国際数学オリンピックに派遣する選手を選考するための大会として行われている。正式名称は日本数学オリンピック川井杯。 小学生の挑戦者は少ない。

概要[編集]

参加資格は、翌年の国際数学オリンピックに参加資格があること、すなわち高校2年生以下である。正確には、翌年度の4月の時点で、高校またはそれ以前の学校(高専の場合は高校の相当学年)の在学生かつ20歳未満の者である。例年、千人を超える小中高生が参加する。

予選[編集]

各都道府県に最低一箇所受験会場が存在する。制限時間3時間で12問を解答する。

解答欄は答えのみを記述するものであるため、解答を直感で書いても正答となることがある上、計算ミスをしたらそこで終わりとなり部分点は存在しない。一問一点である。予選の合格者が100人前後となるように、予選通過点数が定められる。それ以上の点数を取ればAランクとなり、本選に進むことが出来る。また、予選不合格者も、点数に応じてBランクとCランクに分けられる。これを優遇する大学もいくつか存在する。

難易度は毎年上下するため、予選通過点数は5~8点と不安定であるが、通常は7点以上とればかなりの確率で予選通過となる。

予選は、最初の問題は基礎に重点を置いた問題が多く、それらは毎年正解率が90%を超える。一方で予選の最終問題などは、解かせる気が全く感じられないような難問・奇問であることが殆どだが、それを解くことの出来る猛者も存在する。その中で、2001年などはとりわけ難問ではなく、正解者も多数存在した。

本選[編集]

主要都市十数か所に受験会場が存在する。制限時間4時間で5問を解答する。

解答は記述式で各問8点。本選の合格者が20人前後になるように本選通過点を定め、それ以上の点数を取ればAAランクとなり(特に優秀な成績を取ればAAAランクとなる。)、春合宿に参加できる。

受験者たちの話では2問完答すればほぼ確実に本選通過といわれている。また、制限時間は全問解答するには極めて乏しく、全完するのは至難である。2007年は特に難問が揃っていたため40点中僅か10点で本選通過が可能だった。この本選で一位になると(金賞)その人の所属する学校と本人に川井杯が授与される。

春合宿[編集]

本選通過者20人前後で行われる合宿。そのうちの4日間で、各10点、12問の記述式試験を行い、上位6名が国際数学オリンピックの代表選手として派遣される。試験は一日4時間30分で3問。本番の国際数学オリンピックとよく似た形式で行われている。問題のレベルも、本番と同等であり、平均点はそれほど高くない。

また、この合宿の参加者たちによって、「mod 13 スピード」という新しいトランプゲームも開発されている。これは、トランプゲーム「スピード」のルールを変更したもので、通常のスピードは中央に出されている2枚のカードと同じもしくはそれに隣接する数字(KとAはループで隣接)を出していくが、これは中央2枚のカードの数字で四則演算を行い、その結果の数を13を法として変換して出てくる数のみを出すというルールである。(Kは0とみなす)

しかし、和や差はともかく、積を13で割った余りを瞬時に求めたり、分数を(mod 13)における整数に変換するのは熟練が必要である。また、相手が間違っていたらストップをかけることが可能であるが、その間違いを見つけるのは極めて困難であるため、計算を得意とする人向けとなっており、一般に広まってはいない。

批判[編集]

一時ノーベル経済学賞候補に上ったこともある宇沢弘文は、その著書『日本の教育を考える』(1998年 岩波新書)にて、数学オリンピック予選にて講演を頼まれた際に見聞したこととして、予選参加者の指導者・子供らは本当は数学が好きではないことを数学オリンピックのあり方を交えて批判的に述べている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]