日本教育書道連盟

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日本書道美術館

日本教育書道連盟(にほんきょういくしょどうれんめい、以下「連盟」)は、書道の発展と普及を目的として設立された団体。東京都板橋区にある日本書道美術館を運営している。

本部所在地は、東京都板橋区常盤台1-3。日本書道美術館内に事務所がある。理事長小山天舟。


技量認定制度[編集]

連盟は、独自の書道技量認定制度として「全国書道検定試験」を年4回全国で実施している。

検定試験は、小学生から中学生までを対象とする「教育部試験」と、高校生以上を対象とする「一般部試験」があり、一般部は更に「漢字科」と「仮名科」の2科がある。

教育部試験[編集]

  • 受験資格
    • 受験日時点で幼稚園・小学生・中学生である者
  • 試験時間
    • 団体受験の場合、試験時間が別途定められることがある。
  • 試験科目
    • 学年ごとに定められた課題を臨書する技能試験。
    • 幼稚園、小学生は楷書半紙1枚
    • 中学生は行書半紙1枚
  • 段級制度
    • 小学1年生第9級50点を基準として、下表の通りに昇段級する。


学年/段級位 10級 9級 8級 7級 6級 5級 4級 3級 2級 1級 初段 2段 3段 4段 5段
小学1年 40 50 60 70 80 90 100                
小学2年 30 40 50 60 70 80 90 100              
小学3年 20 30 40 50 60 70 80 90 100            
小学4年 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100          
小学5年 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100        
小学6年   0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100      
中学1年     0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100    
中学2年       0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100  
中学3年         0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
    • 各学年において50点の級位に合格すれば標準点。60点以上である場合は一般より優れており、逆に40点以下の場合は一般より劣っている(修練不足)と判断できる。各学年において100点を超える段級位については、受験できないし、合格できない。(例えば小学1年生で3級~5段)
    • 5段(準5段含む)に合格すると、一般部試験の初段受験資格が与えられる。

一般部試験[編集]

  • 受験資格
    • 一般社会人・高校等在学者(年齢15歳以上の教育部に該当しない者)
    • 新規受験に限り、五段を上限に実力相応の飛び級受験が可能。継続受験は受験段級の前級(前段)の合格が必要。
  • 受験方法
    • 団体受験 → 連盟審査会員の門下生等が、連盟の承認を受けた教室等で一括して受験する。申請~合格証書交付まで教室経由で一括して手続を行う。
    • 個人受験 → 自宅にて全課題を清書し、郵送又は直接連盟へ持参して提出する。申請~合格証書交付まで個人で手続きを行う。
  • 試験時間
    • 団体受験の場合、試験時間が別途定められることがある。
  • 審査結果
    • 合格 → 受験段級位について、規定の得点に達している場合、正規合格(準でない)となる。
    • 準合格 → 受験段級位について、正規合格の得点には達しないものの、準規定の得点に達している場合は準合格となる。正規合格には再度同一段級位の受験が必要となる。準合格を受けた場合でも次回受験に際して、科目免除などの優遇措置は特にない。
    • 保留 → 継続受験者で、受験段級位の受験について、合格又は準合格の規定得点に達しない場合、現在段級位保留(事実上の不合格)となる。
    • 不合格 → 新規受験者が、最下級位(一般部の場合5級)の得点にも満たない場合、不合格となる。
  • 試験科目(漢字科)
    • 受験段級位により以下の3つの技能試験から構成される。
      • 課題臨書
      • 条幅創作作品
      • 般若心経写経
段/級位 孔子廟堂碑(楷書体) 蘭亭叙(行書体) 懐素草書千字文(草書体) 張遷碑(隷書体) 雁塔聖教序(楷書体) 写経(般若心経浄書) 創作課題(条幅作品)
級位(5~3級) 4
級位(2~1級) 4 4
初段~二段 8 8 8
三段~四段 8 8 8 8
五段 12 12 12 12
六段~仮八段 12 12 12 12 12
八段 全臨 要(全臨)

注1)表内の数字は課題文字数、空欄は提出不要である。

注2)各臨書課題文字は同一出典であるものの、試験ごとに異なる部分が抽出される。課題文字は、前回の合格発表日に次回分が公表される。個人受験者には成績通知(合格発表)の折に、次回分の施行規則(課題)と願書一式が同封される。

  • 試験科目(仮名科)
    • 受験段級位により以下の3つの技能試験から構成される。
      • 課題臨書
      • 条幅創作作品
      • 般若心経写経
段/級位 高野切第三種 関戸本古今集 高野切第一種 寸松庵色紙 御物和漢朗詠集 写経(般若心経浄書) 創作課題(条幅作品)
級位(5~3級) 1
級位(2~1級) 1 1
初段~二段 2 2
三段~四段 2 2 2
五段 2 2 2 2
六段~仮八段 2 2 2 2 2
八段 全臨 全臨 要(一巻)

注1)表内の数字は首数、空欄は提出不要である。

注2)各臨書課題文字は同一出典であるものの、試験ごとに異なる部分が抽出される。課題文字は、願書受付期間になると公表される。

注3)八段の全臨は、高野切第三種又は寸松庵色紙いずれか片方のみ選択し提出する。


  • 受験料
    • 試験日時点において、高校在学中である者については割引受験料で受験できる。
段級位 一般(大学生含む) 高校生
5級~3級 1,330 820
2級~1級 1,530 1,020
初段~弐段 5,100 2,550
参段~四段 6,120 3,060
五段 7,140 3,570
六段 8,160 4,080
七段 9,180 4,590
仮八段 10,200 5,100
八段 6,120 3,060

合格証書及び免状授与[編集]

検定試験合格証書
(見本は準2段)
  • 合格証書
    • 教育部及び一般部試験合格者には、検定試験合格証書が与えられる。
    • 証書には、受験回・証書番号・合格段級位及び一般部については科・名前(教育部である場合はその旨)・合格を証する文面・認定日・認定者が記載される。認定日は必ず30日である。(年・月は墨字であるが、「三十」は印刷である為。)
    • 合格証書の飾り枠が、級位は銀色、段位は金色となる。
日本教育書道連盟全国書道検定試験保留通知
  • 保留通知
    • 継続受験者の不合格は、「保留(現在段級保留)」となり、通知書が交付される。通知書の文面にもある通り、保留の理由や採点結果等については一切触れられず、また提出作品について添削もないため、単に保留となった事実と一般的な審査基準が記載されているのみである。


  • 師範認定書・看板の交付
    • 連盟の定める申請資格を有する者は申請を行うことにより師範等認定を受けることができる。認定を受けると、師範認定書(又は教授認定書)を授与される。申請は有料で、認定を受けると連盟公認の教場を(教室)を自ら開くことができる。申請資格を満たした後、原則として1年以内に申請する必要がある。試験は課さない(無試験)という形を取っているが、技量確認として般若心経を一巻浄書して提出する必要がある(事実上の試験)。般若心経の浄書が規定の技量に満たないと交付保留となり、申請が受付されない。なお、連盟検定試験教育部の三段、五段では申請できない。各認定は、科目ごとに申請が必要で、保有する申請基準資格に合致する科の申請に限られるが、複数科に亘る申請基準資格を有していれば、複数科申請も可能である。申請を行うには、連盟の審査会員に入会する必要がある(要年会費)。
      • 教授認定の申請基準(科目:漢字・仮名・小字漢字・小字仮名・ペン字の5科)
        • 学校又は書塾において5年以上の指導経験があり、かつ下記基準資格のいずれか1つを有していること。
        • 連盟公認審査員
        • 連盟検定試験一般部八段合格者
        • 書道大学専攻科修了者
        • 日本書道美術館展理事又は指定書道展の役員で、規定を満たす者
        • 日本書道美術館展役員で、規定を満たす者
        • 日展入選者
        • 注)教授認定は、基準資格を満たした科のみ申請可能。
      • 一般部師範の申請基準(科目:漢字・仮名・小字漢字・小字仮名・ペン字の5科)
        • 学校又は書塾において3年以上の指導経験があり、かつ下記基準資格のいずれか1つを有していること。
        • 全科申請可能資格
          • 書道大学大学院修了者
          • 高等学校芸術科書道教員免許状取得者
        • 合格受賞の科のみ申請可能資格
          • 連盟検定試験一般部五段合格者
          • 指定書道展の受賞者で、規定を満たす者
          • 日本書道美術館展無鑑査作家又は候補で、規定を満たす者
          • 県展役員
      • 教育部師範の申請基準(科目:毛筆・小字・ペン字の3科)
        • 学校又は書塾において1年以上の指導経験があり、かつ下記基準資格のいずれか1つを有していること。
        • 連盟検定試験一般部三段合格者
        • 書道大学卒業者
        • 日本書道美術館展役員等で、規定を満たす者
        • 注)教育部には、漢字・仮名の区別はないので、いずれか片方の科のみで教育部師範を申請することが出来、漢字仮名区別なく指導することが可能である。ただし、毛筆・小字・ペン字は教授、一般部師範同様にそれぞれ独立しているので、各検定試験の三段を取得する必要がある。


認定教場[編集]

参段以上の試験に合格し、免状を授与された者は、授与された免状の種類に応じて自分の書道教場(教室)を開設することができる。 教室は公民館のような公の場所を借りたり、師範宅の一室で行われていたりと様々な形態であり、連盟の認定教場を探し出すのは容易ではない。 書道教室はそれぞれの連盟等の基準により開設されているので、連盟の教場を探したい場合は本部に問い合わせるか、近隣の書道教室を全て訪問してどこの書道連盟等に所属しているかを確認するしかない。多少遠地の認定教場であっても、検定試験などの対応の関係で周辺の教場との付き合いはあるので、連盟の指定教場を見つけたらその師範に自宅や勤務地等の近くの教場を紹介してもらう事も可能である。

参考文献[編集]

  • 全国書道検定試験施行規則(日本教育書道連盟発行)
  • 日本教育書道連盟入会案内(日本教育書道連盟発行)
  • 認定書・看板 申請書(日本教育書道連盟発行)