日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律

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日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律
日本国政府国章(準)
日本の法令
法令番号 昭和22年法律第72号
効力 現行法
種類 法律
主な内容 新憲法施行の際の旧法令の効力を規定
関連法令 日本国憲法
条文リンク 総務省・法令データ提供システム
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日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律(にっぽんこくけんぽうしこうのさいげんにこうりょくをゆうするめいれいのきていのこうりょくとうにかんするほうりつ:昭和22年法律第72号)は、大日本帝国憲法下で出された命令の日本国憲法施行後における効力等について規定した法律である。全6条と附則で構成される。1947年(昭和22年)4月18日公布され、日本国憲法とともに同年5月3日施行された。

なお、この法律は後に複数回改正が加えられているが、本項では当該改正を反映した最新状態の条文を前提に詳述する。

概説[編集]

この法律では、大日本帝国憲法(旧憲法)下での法形式と、日本国憲法(新憲法)下での法形式とが異なる(例:制度としての勅令がなくなり政令が設けられる等々)ことを受け、その間の適用関係、経過措置を定めている。具体的には次のような規定がある。

第1条
旧憲法下で命令(法律より下位の法規。勅令など)として帝国議会の審議を経ずに制定されたもののうち、新憲法施行の時点で現に有効な(廃止されていない)もので、かつ新憲法下の法体系では法律で制定すべきレベルに相当するものは、新憲法下にあっては原則として1947年12月31日まで法律としての効力を有する。
これは、新憲法施行後もその年末までは暫定的に(勅令などの名義のまま)法律としての効力を認めておき、必要であれば早期に新たな法律として立案することで国会のチェックを経た立法とすべきことを促すものである。従って、大日本帝国憲法第8条に基づいて制定され帝国議会の承諾を得られた勅令(いわゆる緊急勅令)について、最高裁判所は、昭和24年(れ)第2749号、昭和24年4月13日最高裁判所第一小法廷判決、刑集第4巻1号555頁にて、上記手続きにより制定された勅令である食糧緊急措置令に対し、本法第1条の「日本国憲法施行の際現に効力を有する命令」に当たらないと判示している。ただし、その期限適用の対象外となる命令もあり、それは以後の条項で列記されている。
第1条の2
いわゆるポツダム命令に該当するものについては、前掲の「年内限り有効」の規定は適用しない。
これは、ポツダム命令がいわゆる「ポツダム緊急勅令」という旧憲法第8条の非常大権に基づく特殊な命令を根拠としている事情に考慮し、年内失効の対象から外す(その改廃は別途GHQ・政府あるいは国会自らの措置に委ねる)としたものである。これは、当初の制定時には自明なこととしていたが、12月の改正時に「万一の誤解を避けるため」に追加されている。
第1条の3
行政官庁の組織に関して規定した旧憲法下の命令のうち、新憲法下の法体系では法律で制定すべきレベルのもの(後の○○省設置法に相当するもの等)については、前掲の「年内限り有効」の対象とせず、国家行政組織法が新たに施行される日の前日までは法律としての効力を認める。
これは、当時のGHQ及び政府の意向として、国家行政組織について体系的にまとめた新法(国家行政組織法)が翌年中を目標に制定されることとなっている(実際の公布は翌1948年7月10日になされたが施行はさらにその翌年である1949年6月1日となった)ことから、官庁の組織に関する命令を1948年1月1日から新法施行の前日までを含めて有効とし、行政官庁の根拠規定が欠如する事態を避けるものである。
第1条の4
(23の特定の命令の名を具体的に列挙した上)それら23の命令を国会の議決により法律に改められたものとする(題名・件名・法令番号はそのまま)。ただし、その法律としての存続期限は翌1948年7月15日までとし、所要の改正又は廃止措置を行わなければならない。1948年7月16日以降は法令として失効するものとする。
これは、第1条に定める1947年末までに法律制定が間に合わない事項が出てきたため、墓地埋葬に関する太政官達、警察犯処罰令(内務省令)、栄養士規則(厚生省令)、各共済組合令など23の特定の命令を挙げ、暫定措置を延長するものである。12月の改正時には暫定的に法律として扱う期限を1948年5月2日としていた。実際にはそれにも間に合わなかったものが出たため、再度の改正で7月15日まで延長された上で、新たに翌16日には失効する旨の規定を設け、最終的な延長と位置づけている。
第2条
他の法律等の中に「勅令」とあるのは「政令」と読み替えるものとする。
これは、新憲法施行により天皇が国政に関する権能を有しなくなるため勅令の制度が廃止され、それに相当するレベルの命令として新たに内閣が制定する「政令」が導入されることを受け、各種の法令中の「勅令」との表示を「政令」に読み替えることでその効力の継承を明確化したものである。ただし、これはあくまで読み替え規定であり、法改正の規定ではないことから、勅令と法文にある場合には、政令として解釈するというものであって、既存の法令番号の「勅令第○号」を直接「政令第○号」に改めたり、他の法律の条文中に存在する全ての「勅令」の語を一括して「政令」に改正する、というものではない。このため、2007年現在においても、法令番号中あるいは法令条文中に表記上「勅令」の語を含むものは多数存在している。
第3条
(10の特定の法律等の名を具体的に挙げた上)それら10の法律等を廃止する。
これは、皇族・王公族・華族などに関する特定の法律等について、新憲法下の法体系にそぐわなくなることに鑑み、いずれも廃止するものである。
附則
この法律は日本国憲法の施行の日(1947年5月3日)から施行し、これに関して必要な措置を政令で定める。
日本国憲法の施行に合わせてこの法律が施行されること、関連する措置を政令で定める旨を規定した。これに該当する政令として日本国憲法施行の際現に効力を有する勅令の規定の効力等に関する政令(昭和22年政令第14号)がある。

改正経過[編集]

  1. 昭和二十二年法律第七十二号日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律の一部を改正する法律(昭和22年法律第244号)
  2. 国家行政組織に関する法律の制定施行までの暫定措置に関する法律(昭和23年法律第30号)
  3. 日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律の一部を改正する法律(昭和23年法律第44号)
  4. 行政官庁法等の一部を改正する法律(昭和23年法律第45号)
  5. 行政官庁法等の一部を改正する法律(昭和23年法律第65号)
    • 他に、1.について正誤訂正が1件ある(誤「前項の」→正「前条の」。昭和27年2月22日付け官報本紙第7536号467頁)。

関連項目[編集]