新幹線ビルディング

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新幹線ビルディング[1]
種類 株式会社[2]
本社所在地 250-0052
日本の旗 日本 神奈川県小田原市府川23番地
法人番号 8021001034944[3] ウィキデータを編集
代表者 社長 天野二三男[1]
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株式会社 新幹線ビルディング(しんかんせんビルディング)は、神奈川県小田原市不動産会社熱海市伊豆山土石流災害の原因を作った組織の一つとされる。

概要[編集]

静岡県熱海市伊豆山の別荘地開発を行っていた前身のジィーズ株式会社を解散後、平成11年6月31日に神奈川県小田原市本町二丁目2番4号IBOビル(現高万ビル)1階で創立。

平成15年8月31日、小田原駅西口の小田原駅前分譲共同ビル(通称・新幹線ビル、小田原市城山1-4-1、1975年竣工)に本社を移転[2][4]

令和3年2月1日、本社を旧小田原給食センター跡地に移転[2]。同年7月3日熱海市伊豆山土石流災害が発生。

同和団体との関係[編集]

歴代の社長は神奈川県の自民党の支持母体である同和団体「自由同和会」の神奈川県本部の幹部がつき、社長の天野二三男も自由同和会神奈川県本部会長を務めていた。同和ビジネス企業である。国の公認3同和団体と各都道府県ごとに公認団体が異なる。そのため、神奈川県では自由同和会と全日本同和会の部分が異なり、神奈川県公認は全日本同和会(旧自民系)、部落解放同盟(社会党・民主系)、人権連(共産系)で非公認同和団体にも関わらず、「 公認3団体ではないから要望は難しい」といった場合、「同和団体に差をつける気か? うちも真面目に活動しているのに差別じゃないか! 」と黙らせ、神奈川県から静岡県までビジネス範囲としていた[5][6][7][8]

熱海市の土石流災害[編集]

2001年頃から、静岡県熱海市伊豆山の社有地で、宅地分譲開発を始めた[9]

2007(平成19)年、「建設残土の処分」を目的に、静岡県土採取等規制条例に基づき盛り土の工事を熱海市に届け出をした。 同年、台風4号が発生した際に、7月15日に同地内の水道施設に土砂が流入する被害が発生。 これをめぐって、所有者として土砂や流木の除去をするよう熱海市から「お願い文書」が出されたが、これに対して当該社は、「これは自然災害だから我々はやる気がない」旨の回答を為し、何もしなかった[9]。 本件に関して、同年8月7日の市議会建設公営企業委員会において、その理由を問われたのに対し、当時の熱海市水道温泉課長は「新幹線ビルディングそのものが同和系列の会社でございまして、ちょっと普通の民間会社と違いますので、その辺でそういうふうな回答が来たんだというふうに考えております」と答弁した[5][9]

2008年、熱海市日金町で宅地9区画を造成するための開発事業計画審査願を同市に提出した[1]。 造成段階で対象面積が施工計画より拡大し、コンクリート、レンガ、ビニール、プラスチック、ガラスなどの産業廃棄物を含む残土や廃自動車も埋まっていたため、静岡県と熱海市が廃棄物の撤去や土砂搬入の中止を繰り返し同社に要請したが、土地所有者が変わるまでに従わなかった[10]

2011年、不動産実業家の麦島善光が同社から一帯の土地を購入。

2021年7月3日、熱海市伊豆山土石流災害が発生[5]。 同年7月23日、熱海の土石流災害で被害者の会「熱海市盛り土流出事故被害者の会」が設立され新幹線ビルディングの責任を追及することを表明。 同年8月17日、被害者の会の遺族らが天野二三男を熱海署に刑事告発した。

被害を甚大にしたのは土石流の起点近くにあった盛土の崩落が要因とみられ、盛土を作った社長の天野二三男の責任を問う声がある[5]


歴代社長[編集]

飯髙美奈子 平成15年11月22日~平成17年8月8日(自由同和会 神奈川本部理事)

天野二三男 平成17年8月8日~(自由同和会 神奈川本部会長[7]※事件後、自由同和会から除名とのこと)

脚注[編集]

  1. ^ a b c 新幹線ビルディングが熱海市日金町に宅地分譲計画”. 建通新聞電子版. 建通新聞社 (2008年10月15日). 2021年7月14日閲覧。
  2. ^ a b c 株式会社新幹線ビルディングの情報”. 法人番号検索サイト. 国税庁. 2021年7月14日閲覧。
  3. ^ https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=8021001034944.
  4. ^ 新幹線ビル解体始まる 3年後に新ビル完成予定”. タウンニュース. タウンニュース社 (2020年7月18日). 2021年7月14日閲覧。
  5. ^ a b c d 熱海土石流、土地所有者が直撃に「話すことはない!」と激昂 遺族が語る無念と怒り(全文)”. デイリー新潮 (2021年7月29日). 2023年9月6日閲覧。
  6. ^ 平成22年度「自由同和会東京都本部大会」を開催、自由同和会 東京都本部サイト。
  7. ^ a b 【熱海市 土石流】“同和系列” 天野二三男、力の原点は 秦野市にあった(前編) - 示現舎” (2021年7月27日). 2021年10月28日閲覧。
  8. ^ 【熱海市 土石流】“同和系列” 天野二三男、力の原点は 秦野市にあった(後編) - 示現舎” (2021年7月28日). 2021年10月28日閲覧。
  9. ^ a b c 熱海市 平成19年 建設公営企業委員会 08月07日-06号”. 会議録検索. 熱海市議会 (2007年8月7日). 2021年7月14日閲覧。
  10. ^ 元社員「代表の指示」 前所有者の開発業者―崩落現場で産廃投棄・熱海土石流 時事ドットコム 2021年7月17日掲載、時事通信社サイト2022年7月19日閲覧