新京成電鉄N800形電車

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京成3000形電車 (2代) > 新京成電鉄N800形電車
新京成電鉄N800形電車
新京成電鉄N800形電車・新塗装車
新京成電鉄N800形電車・新塗装車
基本情報
製造所 日本車輌製造
主要諸元
編成 6両編成(MT比4M2T)
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 新京成線内:85 km/h
京成千葉線内:95 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 776(座席294)人
車両定員 先頭車122(座席43)人
中間車133(座席52)人
車両重量 33.0 t(電動車
27.0 t(付随車
編成重量 186.0t
全長 18,000 mm
全幅 2,768 mm
全高 4,050 mm
台車 住友金属工業製ボルスタ付
モノリンク式ダイレクトマウント形空気ばね台車
FS-564S形(電動車)
FS-064S形(付随車)
主電動機 三菱電機製MB-5117-A形
かご形三相誘導電動機
出力125kW、端子電圧1,100V
駆動方式 WN駆動方式
歯車比 85:14 (6.07)
編成出力 2,000kW
制御装置 東洋電機製造製RG-692-A-M形
2レベルIGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置 三菱電機製MBSA形
回生ブレーキ併用
電気指令式空気ブレーキ
純電気ブレーキ
保安装置 1号型ATSC-ATS
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新京成電鉄N800形電車(しんけいせいでんてつN800がたでんしゃ)は、 2005年平成17年)に登場した新京成電鉄通勤形電車

概要[編集]

2006年平成18年)12月10日に開始された京成電鉄千葉線への片乗り入れに伴い、「京成・新京成直通車両規格」(本形式はさらに「一号線直通車両規格」にも)に準拠した車両として、また800形が登場から30年以上を経過し老朽取り替えの時期を迎えており、同形式の後継車両として製造された。落成直前までは仮称であった「新800形」と呼ばれることもある。なお、N800形のNNewを意味する。

新京成電鉄では、1971年昭和46年)の800形以降、8000形8800形8900形と4世代に渡って新京成オリジナル設計の車両を導入してきたが、本形式ではモハ250形およびサハ550形以来の京成電鉄の車両を基本とした設計に戻った形となった。

製造コストの低減のため、車体構造や基本的な性能などは京成新3000形をベースに、旧デザインは帯を新京成電鉄のラインカラーの一つとされるマルーン(上)と白色(下)としている。車体側面の4本のマルーン帯は、新京成線沿線の4つの自治体松戸市鎌ケ谷市船橋市習志野市)をイメージしたものである。また、白色帯は新京成電鉄を表し、クリーンでオープンな企業イメージを表現している。なお2014年(平成26年)8月以降順次、新京成が保有する全車両に対して同年6月に制定されたコーポレートカラーを用いたデザインへの変更が実施されることに伴い、新デザインへの変更が行われることになっている[1][2]。本形式ではN828編成が2015年2月に新デザインに変更された。また、2015年12月に導入されたN848編成は新製時から新デザインである。その後N838編成が2016年に、N818編成が2017年にそれぞれ新デザインに変更されたことにより8900形に次いで全編成が完了した。

最初の編成(N818編成)は2005年(平成17年)4月に竣工し、同年5月28日の試乗会を経て、翌5月29日より営業運転を開始した。

その後8000形の置き換えとして、後述のとおり第2編成(N828編成)・第3編成(N838編成)も運転を開始した。

2015年12月22日に6両編成1編成(N848編成)、2018年8月に6両編成1編成(N858編成)がそれぞれ導入された。

なお、数字の前に「N」を冠した鉄道車両の主な形式・系列としては、他に新幹線N700系電車(車両番号にはNは付かない)や名古屋市交通局N1000形電車/N3000形電車がある。

京成3000形・北総鉄道7500形との相違点[編集]

  • 車体の塗色 - 3000形は赤帯と青帯、7500形は濃淡の青帯。本形式はマルーンと白→白とピンク。
  • 車体外部窓枠の色 - 3000形・7500形はアルミ地無塗装、本形式は黒色処理。
  • 車両番号標記プレートの位置 - 3000形は側面戸袋部分に赤地のプレート、7500形は青地のプレート。本形式は腰板にステンレス地とマルーン文字→ピンク文字。
  • 弱冷房車マーク - 3000形・7500形は東日本旅客鉄道(JR東日本)や東急電鉄と共通(文字フォントは若干異なる)、本形式は新京成オリジナルデザイン。京成では8両編成(上野浦賀寄り3両目)のみ設定。
  • 運転室 - 運転操作機器・計器配置の基本は共通であるが、列車番号設定器・表示器操作盤等の機器配置は三社(京成・新京成・北総)で異なる。運転台仕切窓への着色ガラス採用、車掌台側仕切窓への遮光幕採用は本形式のみ。
  • 車内設備 -3000形のレイアウトに8800形と8900形のカラースキームを使用。
    • 内装・座席 表地- 3000形・7500形は紫色・ベージュ系化粧板・床はブルーとグレーのツートーン。本形式は座席表地がワインレッド色・ピンク系化粧板・床は薄茶で客用扉脇にはを設置、側窓のロールアップカーテンは沿線名産の梨やぶどうの柄入り。
    • つり革 - 3000形・7500形は丸形(京成の車両は全車丸形・8000形、8800形未更新車も丸形)、本形式は8900形、8900形更新車と同型の三角形。
    • 車両間貫通扉の客室側の処理 - 3000形・7500形・は化粧板、本形式はステンレス地無塗装。
  • 電子警笛ドアチャイムの音色。
  • LED車内案内表示器の表示内容。
  • パンタグラフ -集電舟がくぬぎ山車両基地に設置の自動計測装置に対応したものを搭載していることから他とは形態が異なり、このため形式名称も異なる(PT7155-B。京成・北総はPT7131-B)。また、パンタグラフ脇のランボードは未設置。
  • 液晶搭載車において、LCD車内案内表示器の形状。3000形は15インチもしくは17インチのものであるが、本形式では横長型で千鳥設置である。

主要諸元[編集]

編成表[編集]

 
松戸
 
号車 6 <5> 4 3 <2> 1 竣工時期
形式 モハN808形
(M2c)
モハN807形
(M1)
サハN806形
(T)
サハN803形
(T)
モハN802形
(M1)
モハN801形
(M2c)
機器 CP・BT VVVF SIV SIV VVVF CP・BT
編成 N818 N817 N816 N813 N812 N811 2005年4月
N828 N827 N826 N823 N822 N821 2010年12月
N838 N837 N836 N833 N832 N831 2012年9月
N848 N847 N846 N843 N842 N841 2015年12月
N858 N857 N856 N853 N852 N851 2018年8月
  • VVVF:主制御機(VVVFインバータ)
  • <>:パンタグラフ
  • SIV:補助電源(静止形インバータ)
  • CP:空気圧縮機
  • BT:蓄電池
  • 構造上は3・4号車間に中間電動車2両(松戸方からM1'+M2のユニット)が挟めるようになっているが、2015年12月現在、中間電動車を増備する計画はない。また新京成線内は2014年9月30日から全編成6両となっている。

特色[編集]

列車無線は新京成線用の空間波無線(SR)方式のほか、京成線乗り入れに対応するため誘導無線(IR)方式も搭載している(N818編成は登場当時IR無線は準備工事で台座のみ設置。2006年夏に本体・アンテナを設置。以降の編成は最初から設置)。これに加え、非常用貫通路、運転台の機器配置、保安装置等も京成3000形に準じているため、京成線以外にも京成線と直通運転を行っている北総線都営浅草線京急線などでも車両の構造上は走行が可能である。またベース車の京成3000形が京浜急行電鉄対応仕様であるがゆえに、本形式でも先頭車が制御電動車 (Mc) となっている。起動加速度などは京成の仕様に合わせているため、従来の車両より若干加速力が高くなっている。

ただし下記の事情により、実際には現状のままでの乗り入れはできず、また2017年現在計画されていない。

  • 他社線の乗務員に対する習熟運転を行っていない。
  • 車両形式の符番方法が都営1号線直通車両規格に対応していない。
  • 方向幕・種別幕車内案内表示器、放送装置などが京成線以外に対応していない(後述のとおり、京成3000形とは仕様が異なる)。

乗務員室遮光幕カーテン)は、京成3000形では助士席側には設置されていないが、新京成の従来形式では助士席側にも遮光幕が設置されているのに合わせて本形式にも設置された。乗務員室の運転士側と中央はスモークガラスとされたのも従来形式と同一である。

8900形と同様に客用ドア上部にはLED式車内案内表示器を設置する。本形式では千鳥配置だが、京成3000形と同一仕様であり、8900形に存在したデジタル時計は設置されていない。表示内容は、新京成線内は8900形、京成線内は京成3000形に準じているが、完全に同じ内容という訳ではなく、それぞれに若干の差異がある。また、京成線内の駅ナンバリングには対応していない(4次車以降は対応)。4次車のN848編成は4ヶ国対応のLCD(コイト電工製「パッとビジョン」)をドア上に設置した。配置は3次車以前と同様千鳥配置。

ドアが閉まる時は一旦わずかな隙間(幅1mm程度)がある状態でドアが閉まり、6秒後にドアを閉める圧力が上がって完全に閉まるようになっている(戸閉弱め機能)。ドアに人や物が挟まれて引き摺られたりする事故を防ぐための仕組みである。しかし、不具合が発生した時のために乗務員室内には戸閉弱め開放スイッチがあり、これを投入すると働かない。

新京成では初めて乗降促進放送を装備した。乗務する車掌によっては発車ベルの代わりに使っていることもある。8900形で搭載された車内自動放送は本形式では当初搭載されておらず、後日自動放送装置が設置された(N848編成以降は導入当時から設置)。

その他[編集]

  • 搬入時は京成3000形や北総7500形と異なり、逗子駅東急車輛製造(現在の総合車両製作所横浜事業所)経由ではなく千葉貨物駅まで甲種輸送し北総の印旛車両基地まで陸送してからくぬぎ山車両基地まで回送される。1次車(N818編成)は自走ではなく北総9000形9008編成に挟まれ2両ずつ3日間にわけて回送された。2次車(N828編成)以降は自走。
  • 2006年12月10日の京成千葉線への片乗り入れ開始に合わせて、当時8000形と8800形の6両編成車の帯は茶色から本形式と同じものに変更された(8800形の京成線非乗り入れ車は帯を変更していない)。
  • N818編成は2008年3月から1年間、ビッグホップガーデンモール印西ラッピング電車「BIG HOPトレイン」とされた。松戸方の2両は青系、中央の2両は緑系、千葉方の2両は赤系のラッピングとなっていた。
  • 2010年度に8000形8504編成の置き換えで2次車6両編成1本(N828編成)が増備され、当該編成は2011年1月28日より営業運転を開始した[3]。機器の一部が京成新3050形準拠に変更されている。また2012年度には3次車として6両編成1本(N838編成)が増備され同年10月1日から営業運転が開始されている。仕様はN828編成と共通。
  • 2015年12月22日から4次車で6両編成1本(N848編成)が増備されているが、新製時から新デザインの他、前照灯をLEDに変更や、車内照明のLED化(東芝ライテック製)、車内案内表示機をLCD表示機(パッとビジョン)に変更されている。[4]
  • 2018年8月より5次車で6両編成1本(N858編成)が増備され、仕様はN848編成と同じだが前面と側面の行先表示器はフルカラーLEDに変更されているほか、内装は8800形更新車に沿ったデザインにされた。
  • チュバチュバワンダーランドとのコラボ企画により、N838編成がラッピング電車「チュバチュバワンダーランド号」として2013年6月3日から8月29日まで運行された。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 新京成線の「車両デザイン」が新しくなります(8/29〜) (PDF) - 新京成電鉄、2014年7月14日
  2. ^ “新京成車、ピンクの新デザインに…8月29日から運転開始 レスポンス”. レスポンス鉄道ニュース. (2014年7月15日). http://response.jp/article/2014/07/15/227663.html 2014年7月25日閲覧。 
  3. ^ N800形2次車導入について(鉄道車両新造) (PDF) - 2010年12月16日 新京成電鉄プレスリリース
  4. ^ 当社で平成24年度以来の新車 N800形(4次車) (PDF) - 2015年12月11日 新京成電鉄プレスリリース

参考文献[編集]

  • 交友社鉄道ファン
    • 2005年9月号新車ガイド2「新京成電鉄N800形」(新京成電鉄(株)鉄道事業本部 車両部 車両課)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]