断裂帯

赤:トランスフォーム断層・茶:断裂帯
断裂帯(だんれつたい、英: fracture zone)とは、海底地形が極めて不連続となっている崖状・溝状の巨大な海底断層崖であり、トランスフォーム断層による地殻の不連続の延長上の海底に見られる。すなわち、トランスフォーム断層の外側の痕跡部分にあたる。中央海嶺から出て、それに直交する方向に直線状に伸びる。地殻の最上部地帯にあたる。大洋底の拡大に伴って伸びた亀裂であると考えられている。大規模なものは、特に太平洋東部に多い[1]。狭義の断裂帯は、トランスフォーム断層の痕跡にすぎず、地震はほとんど発生しない。
世界の主な断裂帯[編集]
大西洋[編集]
いずれも大西洋中央海嶺を横切っている。
- チャーリー・ギップス断裂帯(北緯53°~54°付近)
- クルチャトフ断裂帯(北緯43°~44°付近)
- オーシャノグラファー断裂帯(北緯34°~36°付近)
- ケーン断裂帯(北緯23°~24°付近)
- ヴェーマ断裂帯(北緯10°~11°付近)
- セントポール断裂帯(北緯2°~4°付近)
- ロマンシュ断裂帯(赤道付近)
- アセンション断裂帯(南緯7°~8°付近)
- セントヘレナ断裂帯(南緯15°~17°付近)
太平洋[編集]
いずれも東太平洋海膨を横切っている。
- メンドシノ断裂帯
- マレー断裂帯
- クラリオン断裂帯
- ガラパゴス断裂帯(赤道付近)
- ケブラダ断裂帯(南緯2°~3°付近)
- ウィルクス断裂帯(南緯10°~17°付近)
- ギャレット断裂帯(南緯15°~17°付近)
- オーストラル断裂帯(南緯20°付近)
- メンダナ断裂帯(南緯30°付近)
- イースター断裂帯(南緯33°~34°付近)
- メナード断裂帯(南緯50°付近)
- エルタニン断裂帯(南緯55°~60°付近)
太平洋にある、メンドシノ断裂帯、マレー断裂帯、クラリオン断裂帯の3つの断裂帯はいずれも太平洋東北部に位置し、長さは3000~4000km、垂直変位は2000~3000mに及ぶ[2]。メンドシノ断裂帯は、北アメリカ西岸の沖合からハワイ沖まで東西に走る断裂帯であり、断層の延長線上に、高さ1000mに達する崖状の地形が見られる[3]。
インド洋[編集]
- オーエン断裂帯(ソマリア沖、北緯7°~12°、東経55°~60°付近に北東-南西方向に走る)
- ロドリゲス断裂帯(モーリシャスの東方、南緯20°付近、インド洋中央海嶺の南端)
- マラガシー断裂帯(南緯25°~50°、東経40°~45°付近、)
- プリンス・エドワード断裂帯(南緯25°~50°、東経35°~30°付近)
- モザンビーク断裂帯[4](南緯25°~50°、東経25°~33°付近)
マラガシー断裂帯からモザンビーク断裂帯は、マダガスカル島の南方で、北北東-南南西方向にほぼ平行に走る 断裂帯で、南西インド洋海嶺を横切っている。
- アムステルダム断裂帯(南緯27°~45°、東経80°付近、南北方向に走る)
アムステルダム断裂帯は南東インド洋海嶺を横切っている。