斬り抜ける

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斬り抜ける
ジャンル 時代劇
放送時間 木曜21:00 - 21:55(55分)
放送期間 1974年10月4日 - 1975年2月13日(20回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 朝日放送松竹
監督 佐伯孚治
太田昭和
工藤栄一 ほか
脚本 大工原正泰
横光晃
松田司 ほか
プロデューサー 山内久司・杉本宏(朝日放送)
佐相惣一郎(松竹)
出演者 近藤正臣
和泉雅子
岸田森
火野正平 ほか
オープニング 作曲:鈴木淳
エンディング ザ・ブレッスン・フォー「この愛に生きて」

特記事項:
第15話から最終回はタイトルが『斬り抜ける・俊平ひとり旅』。
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斬り抜ける』(きりぬける、第15話から『斬り抜ける・俊平ひとり旅』(きりぬける・しゅんぺいひとりたび)に改題)は、朝日放送(ABC)と京都映画撮影所(現・株式会社松竹京都撮影所)が制作し、TBS系(詳細は下述)で放映された時代劇1974年10月3日から1975年2月13日まで、毎週木曜21:00 - 21:55(JST)に放映された。全20回。

作品内容[編集]

作州(現在の岡山県北部)松平藩藩士・楢井俊平は、藩の命令により、友人であり同僚である森千之助(岩崎信忠)を殺害したが、のちにその理由が俊平を愕然とさせてしまう。藩主である松平丹波守が千之助に対し、千之助の妻・菊を藩主の妾にせよという密命を、千之助が拒絶したためである。

俊平は藩主に反発し、菊と一人息子・太一郎(岡本崇)を連れ、藩主の非道を幕府に訴えるため江戸に旅立った。丹波守は、俊平を不義者だとして千之助の父=菊の義父・嘉兵衛と異母弟・伝八郎に俊平と菊の殺害を命じ、松平姓を名乗る各藩に二人の手配書“松平廻状”を出した。

制作の背景[編集]

本作は、前番組で、プロデューサーをはじめ、必殺シリーズのスタッフで製作された『おしどり右京捕物車』とほぼ同じ作品の主題―逆境の中で芽生える愛―をさらに強調したとされている。しかし、視聴率は苦戦を強いられた。チーフプロデューサー山内久司(現・朝日放送顧問)は当時のインタビューで敗北を宣言した(出典:朝日新聞東京本社版1974年11月19日夕刊の芸能面)。

さらに追い討ちをかけるかのように、放送開始から約1ヵ月半後の1974年11月19日、制作局の朝日放送は、それまでネットしていたTBSから、翌年3月31日をもって、NETテレビ(現・テレビ朝日)系列へ変更することを発表〈腸捻転ネットワークの解消。ちなみに毎日放送(MBS)はNETからTBSへ変更〉。このことと直接の関係があったかは不明だが、中盤から内容を大幅に変更。タイトルも『斬り抜ける・俊平ひとり旅』に改題、毎回大物俳優が次々とゲスト出演するも視聴率はさらに低迷。木曜9時枠の制作をTBSに明け渡し、事実上撤退した。のちに金曜9時枠に移動し現在に至る。

キャスト[編集]

  • 楢井俊平 … 近藤正臣
  • 森菊 … 和泉雅子(第1~14話) ※ただし、最終回までクレジットされている(第15話以降はバンクフィルムのみの登場)。
  • 多一郎 … 岡本崇
  • 森伝八郎 … 岸田森
  • よろずやの弥吉 … 火野正平
  • 道家鋭三郎 … 志垣太郎(第1-7話、9話-12話)
  • おしん … 田坂都(第1-3話、5話-7話、9話-12話)
  • 松平丹波守 … 菅貫太郎(第1話、第15話、第20話)
  • 森嘉兵衛 … 佐藤慶(第15話まで、但し第16話では声のみの出演)
  • ナレーション
語り … 江守徹
作 … 池田雅延

主題歌[編集]

※第8話では、俊平の激流下りのシーンに使用され、そのままエンディングまでフルバージョンが使われたが、後に発売されたレコードバージョンのそれとは歌い方が微妙に異なっている。

スタッフ[編集]

放映リスト(サブタイトルリスト)[編集]

話数 サブタイトル 放映年月日 脚本 監督 ゲスト
1 不義者俊平 1974年
10月3日
大工原正泰 佐伯孚治 お相撲徳:大前均、為五郎:丹古母鬼馬二、家老:西山辰夫
井本兵庫:不破潤、目付:入江慎也、寺内源之進:浜伸二
留吉:滝譲二、文造:北野拓也、赤岩の子分A:暁新太郎、赤岩の子分B:美樹博
西丸主馬:吉田聖一、古着屋:乃木年雄、飛脚:重久剛、番頭:伊波一夫
女郎:三浦徳子、茶店の老婆:小林加奈枝、小女:畑村佳代子
2 松平はずし 10月10日 横光晃 おたみ:高森和子、儀十:長谷川弘
深網笠の浪人:千葉敏郎、下足番:千葉保
覆面の武士:堀北幸夫、宿の番頭:笹吾朗、女郎:内田真江
旅人A:藤川準、旅人B:橋本尚友、初老の旅人:真木祥次郎
駕籠店の者:美鷹健児、駕籠かき:三木昭八郎、用人:山内八郎
子分:丸尾好弘東悦次扇田喜久一橋本和博
3 お札くずれ 10月17日 大工原正泰 太田昭和 伊助:小島三児、本間十蔵:根岸一臣
荒谷庄兵衛:阿藤海、川野作次郎:岩尾正隆
刀屋主人:沖時男、おちよ:飯塚明美
喜八:松尾勝人、清吉:伊波一夫
おみね:香月京子、おこと:朝比奈潔子、おもん:和田かつら
4 女が峠を越えるとき 10月24日 横光晃 たか:横山リエ
みき:倉野章子、ゆう:笠原玲子
ちせ:宮前ゆかり、女中:小柳圭子
女衒:森章二、野盗首領:堀北幸夫、関所役人:花岡秀樹
ふさ:三笠敬子、駕籠かき:広田和彦、美鷹健児
女郎:渥美智里常磐茂子入江須恵子服部明美
行商人:柳沢真一
5 女が命を燃やすとき 10月31日 松田司 松野宏軌 甚吉:江幡高志
お紺:三島ゆり子、田中勘三:木村元
細兵衛子分:加茂雅幹、東悦次、広田和彦
番頭:北見唯一、女中:柴田和子
斬られる女:井上明子、介添役:横堀秀勝
からくり細兵衛:金田龍之介
6 女が道を変えるとき 11月7日 横光晃 永井啓之進:富川澈夫
浪人:暁新太郎、馬場勝義渡辺憲悟大井進
警護兵:丸尾好弘、横堀秀勝、伊波一夫、広田和彦
藩士:原田逸夫橋本和博小泉一郎、美鷹健児
田島玄斎:小笠原良知、高野重兵衛:藤川準
梢:弓恵子
7 男は待っていた 11月14日 國弘威雄 大熊邦也 みね:千原しのぶ、大橋半蔵:五味龍太郎
吉岡つや:川口敦子、三沢市之助:柴田侊彦
松岡主計頭:阿木吾郎、町人:赤井タンク泉裕介
側用人田岡:松岡与志雄、役人:馬場勝義、渡辺憲吾、大井進、橋本和博
吉岡敬一郎:早川保
8 女が愛にゆれるとき 11月21日 横光晃 工藤栄一 船頭:牧冬吉
源七:田中弘史、棺桶屋:伝法三千雄
番頭:沖時男、番人:松尾勝人、番人:伊波一夫
山男:横堀秀勝、鈴木義章、小泉一郎、日下弥一
たき:加茂さくら
9 男は耐えていた 11月28日 大工原正泰 玄庵:上田忠好
茂兵衛:池田忠夫、おみよ:近江輝子、与助:吉田良全、捨吉:下元年世、村人:家野繁次広岡善四郎
勘三:伊吹新吾、留十:多賀勝、春吉:松田明
半次:島米八、岩次郎:大橋壮多
新八:谷村昌彦
10 女が炎になるとき 12月5日 横光晃 田中徳三 けい:賀川雪絵、とせ:桜井浩子
武士:出水憲司、花岡秀樹、宮川珠季、りく:丘夏子、さき:内田真江
11 女が闘うとき 12月12日 大工原正泰 作左衛門:富田浩太郎
小寺甚内:中井啓輔、おかつ:九重ひろ子
おその:福田真知子、おもん:中塚和代、おたみ:和田かつら
村人:古川ロック千代田進一、乃木年雄
武士:田中直行、加茂雅幹、美樹博
作太郎:星田知則、村人:扇田喜久一、役人:広田和彦
はな:入江若葉
12 男は賭けた 12月19日 安倍徹郎
大工原正泰
西村大介 横川庄十郎:入川保則、水田内膳:垂水悟郎
鬼塚鉄之助:丹古母鬼馬二、お弓:絵沢萠子、黒木:不破潤
13 あなたが欲しい 12月26日 早坂暁 松野宏軌 勝呂勘右エ門:稲葉義男、城戸多聞:加藤和夫、姉小路:楠田薫
源左衛門:森秀人、羽倉:北原将光、堀田:下元年世
老中:永田光男溝田繁武周暢
水野越前守::鈴木瑞穂
14 愛と死と… 1975年
1月2日
佐々木守 庄屋:奥村公延、鉄:遠藤征慈
城戸多聞:加藤和夫、老中阿部:武周暢、
15 城中乱入[1] 1月9日 大工原正泰 田中徳三 祭文の辰造:須賀不二男、桂木筑後:永野達雄
多十:志賀勝、丑松:吉田良全、田丸:花岡秀樹、岩間:美鷹健児
中本:坂口徹、赤崎:梶本潔、五井:伊吹新吾
16 城代暗殺 1月16日 横光晃 大熊邦也 大久保高安:外山高士、たね:末広真樹子、平塚精四郎:田畑猛雄
田坂:唐沢民賢、伊神鉄心:波田久夫
辰野平吾:藤田まこと
17 綾姫御殿 1月23日 倉田準二 綾姫:国景子、黒木玄蕃:伊達三郎
くに:小山明子
18 死地突入 1月30日 大工原正泰 家喜俊彦 おみの:水原英子、矢来の竹熊:成瀬昌彦
銀次:沖田駿一、佐平:阿藤海、伊三:大竹修造
竜:中村敦夫
19 黄金振舞 2月6日 横光晃 太田昭和 亀吉:嵐堪忍、木村:藤尾純
せん:中村玉緒
20 作州炎上 2月13日 大工原正泰 大熊邦也 桂木筑後:佐々木孝丸、若林主膳:棟方巴里爾、幸の方:伊佐山ひろ子
紫野:ジュディ・オング

題字ならびに毎回のサブタイトルは、竹内志朗(株式会社シュプール代表取締役社長)が手がけた。

ソフト化情報[編集]

再放送[編集]

この他、テレビ東京サンテレビ、CSのホームドラマチャンネルで再放送されている。

備考[編集]

  • 他の時代劇作品と一線を画す試みとして、刀の扱いが挙げられる。相手を切った刀は血脂や刃こぼれのために切れ味が悪くなり、連続して切れるのは二人まで、というものであった。また、刀が折れ、何本もの刀を取り替えたり、相手から奪ったりして使う、もしくは他の武器を使う、といった描写もよく見られた。リアリティを追求するためにとられたアイデアだったが、第6話以降はこのルールは無視され、他の作品と同様の描写となった。
  • 最終回の撮影終了後に行われた打ち上げパーティーの席上、同話の脚本を手掛けた大工原正泰は「数ある時代劇の中で、この作品ほど役者・スタッフが一丸となって『時代劇にリアリティーを』と言う初志を貫徹したドラマはなかったと思う。生涯忘れる事が出来ない作品だ」と語っている[3]
  • 前述の通り、『斬り抜ける・俊平ひとり旅』にタイトルを変更した第15話以降、第16話の藤田まこと(『必殺仕置人』、『暗闇仕留人』)、第17話の小山明子(『助け人走る』)、第18話の中村敦夫(『おしどり右京捕物車』)、第19話の中村玉緒(『必殺仕掛人』)、20話(最終回)のジュディ・オング(『おしどり右京捕物車』)と、主に朝日放送・松竹・京都映画制作作品の出演俳優のゲスト出演が相次いだ。中でもジュディ・オングは、最終回の演出を手掛けた大熊邦也監督の意向により、早くからキャスティングがなされている。

必殺シリーズへの影響[編集]

[編集]

  1. ^ ここから『斬り抜ける・俊平ひとり旅』に改題。
  2. ^ 中国新聞1975年10月15日、20ページ、テレビ・ラジオ欄。
  3. ^ 静岡新聞 昭和50年2月13日付 14面より


TBS 木曜21時台(ここまでABCの制作枠)
前番組 番組名 次番組
斬り抜ける
斬り抜ける・俊平ひとり旅