齋藤ウィリアム浩幸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
斉藤ウィリアムから転送)
移動先: 案内検索
齋藤 ウィリアム 浩幸
William Hiroyuki Saito
Saito-0067.jpg
齋藤ウィリアム浩幸、2008年
生誕 (1970-03-23) 1970年3月23日(47歳)[1]
アメリカ カリフォルニア州ロサンゼルス
住居 東京日本
出身校 ダミアン高校[2]
著名な実績 起業活動

齋藤 ウィリアム 浩幸(サイトウ ウィリアム ヒロユキ、William Hiroyuki Saito, 1970年3月23日 - )[3]は、アメリカで生まれ育った日系2世起業家である。ただしその経歴については、後述の通り事実と異なる情報が流布されていたため真偽については注意を要する。

経歴詐称をはじめとする様々な疑惑と経歴訂正[編集]

過去、後述のような経歴を主張していたが、実際は様々な経歴・実績を偽り、その経歴を元に政府及び各種企業の役職に取り入ったのではないかという疑惑が取りざたされている。[4][5][6]

また、取得したと自称する特許についても、日本、アメリカ両国において、「齋藤 ウィリアム 浩幸」「I/O Software」両名義どちらにおいても確認することができない。(そして、特許を持たないのであれば、160社と何のライセンスを契約したのか不明である。)[7][8]

設立したI/O Softwareについて、著書等において大企業と主張していたが、当時I/O Softwareと提携していたネットマークス社の発表によると、2003年の時点で従業員43名の中小企業であった。[9]

I/O Softwareの当時のHPによると、ローカライズを手掛ける会社となっており、生体認証についてもソニーの製品を取り扱い、要素技術ではなく周辺ソフトの開発を行っていたに過ぎないことが確認できる。[10] 主に取り扱う商品はユーザー認証等に関わるもので、セキュリティと言っても一般に想像される、ウイルスやクラッキング対策というような防犯に関わるものとは異なる。

つまり、セキュリティの専門家を自称しているが、直接の業務で関わった経験は無く、経験があるとして関わったコンサルタント業務でしか、セキュリティ業務の経験がないということになる。

なお、下記のBAPIは過去に存在した非標準の汎用APIであって、現在国際標準となっているBioAPIとは別物であり、現行の規格では技術的な系統も異なっている。

2017年12月21日の自身のブログで、経歴詐称とはせず、公表していた経歴に誤りがあったことのみ認めた。ただそのブログ内では、かつて主張していた大学は卒業していないこと、I/O Softwareは事業全部の移転を行ったものの会社の売却は行っていないことは認めている。 ただし、実際はI/O Softwareはその後も活動を続けている上に、前述の通り移転したという特許は存在しない。

2017年12月13日付で内閣府参与、15日付で経済産業省参与を辞任した。なお、日本航空執行役員も22日付で退任した。

以下に記載の経歴は真偽が入り混じったものであることに注意されたい。

アメリカでの活動とされていた情報[編集]

1980年に両親が日本からアメリカへ移住した.[11][12] 父親は化学者、母親は獣医で、熱心に数学を教えたという。小学生の時に大学レベルの数学を理解し学内のコンピュータを使い、中学生の時点でメリルリンチなどでプログラムのコーディング作業を始めたと自称している。

パーソナル・コンピューターの将来性に着目し、高校の同級生であるタス・ディエネス (Tas Dienes) と共にアイオー・ソフトウェア (I/O Software) の名の下、ソフトウェアの開発と販売を始めた。通常よりも1年早く、1988年にダミアン高校 (Damien High School) を卒業し、カリフォルニア大学リバーサイド校 (UCR) に入学した。文部科学省での講演[13]では「UCLAという大学の医学部に一応入った」「お医者さんとしては1日しか働かなく、コンピュータービジネスのほうに進みました」等主張していたが、実際には卒業していなかった.[14]

その後登場するウィンドウズ用ソフトを含む様々なソフトウェア製品や書類の日本市場へ向けてのローカライズおよび翻訳の仕事を行った。アイオー・ソフトウェアは、同社の持つウィンドウズに関する知識を用いて、数々の日本のコンピュータ周辺機器製造会社に代わり、プリンター、スキャナー、カメラ、またその他の部品用のデバイス・ドライバーを開発した。

1995年にアイオー・ソフトウェアの最大の顧客である東芝がZVポートを使用した高速高画質のビデオカメラの新規格を開発した。アイオー・ソフトウェアは新規格の仕様に最適なデバイス・ドライバーを開発し、東芝のハードウェア開発に協力した。また、この過程で最初のウィンドウズ・ベースのビデオ会議アプリケーションを作った。このアプリケーションにソニーが強い関心を示したことで、アイオー・ソフトウェアの製品がソニーのビデオ会議システムのラインナップに加えられることになった。

その後、アイオー・ソフトウェアはソニーのために PC ベースの指紋認証システムを開発し、この製品は業界で多くの賞を受賞した。 齋藤はすべての製造会社が適応できる生体認証デバイスの共通プラットフォーム作成の重要性に気付き、1990年代後半にBAPIと呼ばれるシステムを開発した。

2000年5月、BAPIとその他アイオー・ソフトウェアの技術をWindows OSに組み込む契約交渉をマイクロソフトと行った。この技術のライセンス契約は最終的に世界で160以上の企業と結ばれ、米国規格協会 (ANSI) 及び国際標準化機構 (ISO) の規格となったという。 2004年12月、アイオー・ソフトウェアはマイクロソフトに買収されたと自称していた。(後にこれは虚偽であることが明らかになった)

アメリカ同時多発テロ事件後、アメリカ国防省アメリカ連邦捜査局を初めその他の政府機関で、セキュリティ部門のアドバイザーを務め、安全保障の分野により深く関わるようになったと自称している。 特に、生体認証や暗号認証を含む情報セキュリティおよび、連邦内の境界および国境の警備を強化に携わり、アメリカ国防省の対テロ特別委員会、技術支援作業部会、アメリカ連邦捜査局の情報技術研究グループ、インフラ・ガード等に関わったと自称する。

米国規格協会国際標準化機構アメリカ国立標準技術研究所(NIST)などの役員を務めたと自称している。 学術分野においては2001年にカリフォルニア大学リバーサイド校の非常勤教授となったと自称した。

日本における活動とされていた情報[編集]

アイオー・ソフトウェアを売却後 (ただし実際には売却はしていなかったことが判明する) 、2005年に日本に移住した。現在はクライアントに対し、ビジネスとテクノロジーの分野でのアドバイスを行い、セキュリティや、起業家精神、ベンチャー企業に関して指導しているという。

2005年4月、株式会社フォーバルに入社、同6月に取締役副社長として就任するが[15]、わずか2年後、関連会社の株式会社ジュリアーニ・セキュリティ&セーフティ・アジアの経営に従事する為として、2007年4月、平取締役に降格後、退任となっている[16]。また、異動したとされるジュリアーニ・セキュリティ&セーフティ・アジアも、そこから遡って2007年3月末付けで退任となっている。ジュリアーニ・セキュリティ&セーフティ・アジアは安全・防犯・警備に関するコンサルタント会社であったが、設立後数年で債務超過となったあと、経営が改善する見込みがないとして特別清算している[17]

2007年10月、活動の拠点となるコンサルティング会社インテカー (InTecur) を都内レンタルオフィスに設立した。 インテカーは、情報・通信技術および IT セキュリティ等の分野における革新的な技術の適切な用途と市場を見つけ、開拓するための支援を企業に提供している。また、既存の技術を世界中の新たなる市場に適応するよう調整し、経済変動に企業が対応できるよう支援も行っているという。

2010年より特定非営利活動法人 日本医療政策機構の理事、j2 Global Japan有限会社の代表者、The Chertoff Groupのアドバイザー、2011年より財団法人日本再建イニシアティブの評議員、2012年より財団法人 九州先端科学技術研究所の研究顧問、2013年よりプライスウォーターハウスクーパースのアドバイザリーボード、シンガポール科学技術研究庁 (A*STAR) 顧問、公益財団法人日産財団の理事、2014年より株式会社博報堂DYホールディングスのアドバイザー、独立作業技術総合研究所の客員研究員、2015年よりパロアルトネットワークス株式会社の副会長、2016年より株式会社ファーストリテイリングのアドバイザー、2017年より日本アイ・ビー ・エム株式会社のアドバイザー、国際司法裁判所のコミッショナー、株式会社日本航空の執行役員(非常勤)であったという[18]

2012年1月、内閣総理大臣直属の機関であり、各省庁間の計画や調整を推進するための司令塔となる国家戦略室の委員に任命された。2013年12月より、内閣府参与に任命された。 2014年より2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の科学技術タスクフォース構成員に、2015年より文部科学省の教育再生実行アドバイザーに、2016年10月より経済産業省参与に任命された。他、総務省国土交通省産業技術総合研究所情報処理振興事業協会などの機関に対して支援協力の実績があるという。

東京農工大学情報工学科の客員教授を務めていると自称する。他に、政策研究大学院大学で客員研究員を兼任、慶應義塾大学でも講義?を行ったという。また、産業技術総合研究所では情報セキュリティ研究センター客員研究員、ベンチャー開発部顧問を務めていたという。齋藤は世界経済フォーラム (WEF) でいくつかの役割を担っている。2011年、ヤング・グローバル・リーダー[19]に選出され、グローバル・アジェンダ・カウンシル として特に女性のエンパワーメントに焦点を当てる委員会の委員、そしてグローバル・シェイパーズ・コミュニティ (GSC) 日本ハブの創設責任者に指名された[20]。このコミュニティは、個人、コミュニティ、世界を結びつけ、若者に未来を形作るためのグローバルなプラットフォームを提供することを目的としている。2012年1月、世界経済フォーラムのグローバルシェイパーズコミュニティのボード・メンバーに任命された。2016年のGlobal Future Councilsメンバーに任命されている。

著書[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ http://press.jal.co.jp/ja/items/uploads/21f0dbe3d569bd293f230445f5cc6987fef0c9ff.pdf
  2. ^ https://www.tokyoreporter.com/2018/01/05/university-attended-by-william-h-saito-says-he-did-not-graduate/amp/
  3. ^ http://press.jal.co.jp/ja/items/uploads/21f0dbe3d569bd293f230445f5cc6987fef0c9ff.pdf
  4. ^ 紺綬褒章、ダボス会議、経産省参与。齋藤ウィリアム浩幸氏の虚像と嘘 2017/12/9 Yahoo!ニュース
  5. ^ 内閣府・経済産業省参与の齋藤ウィリアム浩幸氏の問題続々、この状況で国家機密は本当に守られるのか 2017/12/15 Yahoo!ニュース
  6. ^ 「政界ショーンK」の闇は深そうだ 2017/12/24 日刊ゲンダイ
  7. ^ http://archive.is/UDdvl
  8. ^ https://patents.justia.com/inventor/william-saito
  9. ^ ネットマークス、I/Oソフトウェア社と契約を締結し、マルチデバイス認証ソフトウェアを発売 2003/9/10 株式会社ネットマークス
  10. ^ I/O Software HP 1997/6/19 WebArchive
  11. ^ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/arikata/detail/1301456.htm
  12. ^ http://archive.is/L2ph9
  13. ^ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/arikata/detail/1301456.htm
  14. ^ https://www.tokyoreporter.com/2018/01/05/university-attended-by-william-h-saito-says-he-did-not-graduate/amp/
  15. ^ 有価証券報告書 ‐ 第26期(平成17年4月1日 ‐ 平成18年3月31日) 2006/06/26 IRライブラリ:有価証券報告書(株式会社フォーバル)
  16. ^ 2007年4月27日 役員人事のお知らせ 2007/04/27 ニュース&トピックス(株式会社フォーバル)
  17. ^ 2012年8月9日 子会社の解散および特別清算に関するお知らせ 2012/08/9 ニュース&トピックス(株式会社フォーバル)
  18. ^ JALが「デジタルイノベーション部」新設、起業家の斎藤ウィリアム浩幸氏を招へい 2017/05/29 ITpro(日経コンピュータ)。
  19. ^ “List of 2011 Young Global Leaders Honourees”. 世界経済フォーラム. (2011年4月20日). http://www3.weforum.org/docs/WEF_YGL_Honourees_2011.pdf 
  20. ^ “Entrepreneur Of The Year”. アーンスト・アンド・ヤング. http://eoyhof.ey.com/SearchHallofFame.aspx 

参考文献[編集]

  1. William Saito Homepage. http://www.saitohome.com/ 2017年9月29日閲覧。. 
  2. World Economic Forum. https://www.weforum.org/people/william-h-saito 2017年10月19日閲覧。. 
  3. Interpol World. https://www.interpol-world.com/william-h-saito 2017年10月19日閲覧。. 
  4. Windows Biometric Framework Windows Biometric Framework. http://www.microsoft.com/whdc/device/input/smartcard/WBFIntro.mspx Windows Biometric Framework 2017年9月29日閲覧。. 
  5. Stephanie Miles. “Microsoft eyes new security for Windows”. CNET News. http://news.cnet.com/Microsoft-eyes-new-security-for-Windows/2100-1040_3-239960.html%20 2017年10月19日閲覧。. 
  6. Business Editors. “Ethentica Fingerprint Authentication Solutions Primed for Microsoft Biometrics Endorsement”. BUSINESS WIRE. http://www.thefreelibrary.com/Ethentica+Fingerprint+Authentication+Solutions+Primed+for+Microsoft...-a065834902 2017年10月19日閲覧。. 
  7. Jathon Sapsford. “Microsoft to Use 'Biometric' Tools To Bolster Security for Windows”. The Wall Street Journal. http://online.wsj.com/article/SB957215790509736611.html 2017年10月19日閲覧。. 

外部リンク[編集]