政策学部

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政策学部(せいさくがくぶ)は、政策学について学ぶ学部

概説[編集]

1990年代以降、大学での研究教育に対して実践的な応用力を求める議論を背景にして、いくつかの大学に設置されたことで注目を集めた。従来の政治経済学部経済学部法学部政治学科での原理的な研究・教育を超えて、国際政治や国内政治、また地方政治などの現場と密接に連携しながら、政策立案や政策実践の能力向上を教育の眼目としている。また、政治学行政学における個別分野にとどまるのではなく、それらの枠組みを超えた学際的な視野での研究・教育を重要な理念として掲げていることも特徴のひとつである。たとえば、地球環境や人口問題、医療教育情報などをも視野に含めた「政策学」の構築を目ざしている。

政策学部を設置している大学には、京都府同志社大学龍谷大学がある。

同志社大学・龍谷大学、政策学部政策学科[編集]

設置の趣旨・目的[編集]

現代社会は複雑・多様になるとともにグローバル化が急速に進展しているため、そこで発生する問題にも旧来のアプローチでは解決困難なものが多くなってきている。このような時代に、政府部門、民間部門を問わず必要とされているのは、状況を的確に把握しそこにある問題を見つけ出す力、即ち高い問題発見能力。これが備わっていないと、課題を与えられなければ何も行動できないことになり、問題解決に対して常に受動的にしか関わることができなくなる。

問題解決のために採用される人々の知識・情報と活動の体系を「政策」と考え、問題発見からその解決に至るプロセスを政策過程として捉える。つまり、自治体はもちろん、企業NPOなども問題解決のために「政策」を作り、実行していると考えることができる。この「政策」をキーワードに、これに関連する知識、理論、手法の基礎を体系的に学び、実践的なトレーニングを行う。

そこで第一に、基本となる社会、政治、経済における諸現象を客観的かつ合理的に把握し整理できる概念や理論を身につけられること、第二に、社会において生み出される様々な問題解決策の企画、実施の際に必要となる知識や技術の基本を身につけることを目指している。これらの知識や手法を身につけ、問題発見能力と問題解決能力を養成することが大きな目的となる。

カリキュラムの特色[編集]

従来の伝統的学部の大半が、学問の体系を基礎に教育課程を編成していたのに対して、政策学部は社会における実態的な「政策」を基礎に学部の教育体系を組み立てている。しかし、いわゆる「実学」を重視するのではなく、まず社会を科学的に眺めてそこにある問題を見つけ出せるようにするための「基礎的トレーニング」を徹底して行い、その上に政策の企画・立案・実施・評価活動と、それらの活動を担う組織ネットワークを編成したり管理・運営したりする際に必要な知識や技術を積み上げるようにしている。

つまり、時流に乗った特定の知識や技術を身につけただけの「即戦力」として珍重されるような人材を養成するのではなく、基礎能力や潜在能力の向上に重点を置き、しっかりと身につけた基礎の上に、どのような状況に置かれても問題解決の中心となって的確かつ柔軟に対応できる人材を養成するカリキュラムを設定している。

具体的には、①社会の諸現象を社会科学的に見る目を養いながら、学ぶことの意義や楽しさを理解するための導入科目(グレードI)、②社会での問題解決プロセスで必要となる基礎理論や基本的手法を修得するための基礎理論修得科目(グレードII)、③より高度で実践的な問題解決活動に積極的に関わるために必要となる政策に関連した理論を修得し、学部で学んだ理論や手法を社会の諸問題と関連づけて理解し応用することを学ぶ展開科目(グレードIII)を4年間にわたって段階的・体系的に学べるように編成している。


基礎能力養成科目には、First Year Experiment、Communication Method in Japanese、Academic Method、Communication Method in English、Second Year Orientationがあり、選択科目は政治・行政学、法学経済学組織論の4つに分類されている。

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