政治主導

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政治主導とは、政策、予算、人事などを決めるにあたり政治家がより強くリーダーシップをとることである。

概要[編集]

日本では官僚が原案を作成し、国会提出前に自民党の政務調査会や総務会の了承を得るという「事前審査」が慣例だった[1](ただし、一般に政治家が官僚に意見した場合、官僚がそれに反対するのは難しいとされる[2]郵政民営化はこの慣例打破の一例)。しかし、これでは各省庁の省益優先で政策が決まるため、肝心の国の方向性が見えてこないという弊害が指摘されてきた[1]。自公政権下で野党だった民主党は「官僚主導」と批判した。自民、民主両党とも党としての政策立案体制に不備があり、官僚が営々と築いてきた既存の制度のもとでの修正にならざるを得ない状況に追い込まれている[3]

識者の見解[編集]

通産省官僚の古賀茂明は、

  1. 「政治主導」の意味の取り違えによる官僚排除
  2. 閣僚の政治主導実行能力の欠如
  3. 有能で信頼できるサポートスタッフの欠如
  4. 首相や大臣の目的意識の欠如

の4点が問題だったと指摘しており、政治主導を実現するのに必要なこととして、

  1. リーダーが明確なビジョンを持つこと
  2. リーダーが素質を高く持つこと
  3. ビジョンを実現していく具体的で明確な戦略を持つこと
  4. 非常に優秀な自分のスタッフを持つこと

の4点を挙げている[4]

日本総合研究所調査部主任研究員の西沢和彦は、

  1. 党のシンクタンクの設立・拡充を優先的に検討する。これにより、常に現行制度に客観的検証が加えられたうえで、政策の新機軸が打ち出されることが期待される。
  2. 健康保険財政が極めて複雑であり政治家でもとてもついていけるものではないとして、社会保障制度をシンプルで分かりやすいものへ作り直すことを改革の重要な指針に据える。
  3. 厚生労働省が作成している年金の給付負担倍率の推計が年金制度を過大評価しているように、第三者による監査がないことが議論の混乱を招く根本的な要因の1つとなっている。客観的かつ分かりやすい情報提供体制の整備などが必要。

の3点を提言している[3]

脚注[編集]

関連項目[編集]