改大鳳型航空母艦

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改大鳳型艦型図

改大鳳型航空母艦(かいたいほうがたこうくうぼかん)は、太平洋戦争中に日本海軍が計画した大鳳の改良型航空母艦である。

概要[編集]

改大鳳型は改マル5計画で5隻の建造が計画された航空母艦である。計画番号G15[1][2]。当時の文章には「130号艦改」との表記が見られる[3]。130号艦とは即ち大鳳のことである。

大鳳と同様の装甲空母であり、高角砲2基の増備、水中防御の強化、船体・飛行甲板の延長[4]、などの小改良が予定されていた。

搭載機数は大鳳とほぼ同じ61機[5]だが、これは艦上戦闘機烈風や艦上攻撃機流星のような大型機搭載時の場合であり、75機は搭載可能とする資料もある。

飛行甲板の装甲部分は、前後の昇降機の間と最低限発艦に必要な部位のみに留まっている。飛行甲板防御の装甲厚や機関全般のスペックは大鳳と同じである。

建造中止[編集]

1944年(昭和19年)から1945年(昭和20年)に起工され1947年(昭和22年)から1948年(昭和23年)に竣工する予定であったが、ミッドウェー海戦による空母の損失を埋めるべく、より工期の短い雲龍型の建造が優先され1番艦である5021号艦の起工は昭和19年にずれ込んだ。このことは雲龍型では反映できなかったミッドウェー海戦の戦訓を改大鳳型に盛り込むことを可能としたが、昭和18年8月の第三戦備計画の策定により、5隻とも建造中止[3]となった。

この後に日本海軍が計画・設計した空母は、簡易設計のG18型タンカー改造の特TL型のみであり、結果的に改大鳳型は日本海軍が設計した最後の本格的空母となった[3]

主要な変更点[編集]

出典はいずれも『』2011年6月号より。

  • 水中防御を、大鳳のTNT換算300kgから350kg相当に耐えるように強化。
  • 翔鶴型から大鳳型によって減少した高角砲数(12門)を、翔鶴型と同数に戻す(16門)。
  • 飛行甲板に電動揚弾筒×1、電動揚魚雷筒×2を設置し、飛行甲板での装弾を容易にした(従来の空母は格納庫にしか揚弾されず)
  • 艦橋(アイランド)を1m外側にシフトさせ、中央部での有効飛行甲板幅を拡張。
  • 全長が4m延長され、排水量が1600トン増加(主にアイランド~前部昇降機間が延長されている)。
  • 前部昇降機の位置が5m前進し、飛行甲板の全長も長くなる。それに伴い飛行甲板の装甲範囲の全長も長くなる。格納庫も前後に広くなるが閉鎖式のまま。
  • 25mm3連装機銃が22基に増加。
  • 飛行甲板の板張り部分を削減(装甲部分のみ)し、他の部分は鋼鈑甲板となる。
  • 各部艤装の簡略化。

要目[編集]

航空兵装[編集]

  • 常用60機、補用1機[5]
  • または 常用51機、補用2機[10]
    • 一七試艦戦(烈風):18機、補用2機
    • 一六試艦攻(流星):27機
    • 一七試艦偵(彩雲):6機
  • または 常用52機[9]
    • 一七試艦戦(烈風):24機
    • 一六試艦攻(流星):24機
    • 一七試艦偵(彩雲):4機
  • 航空魚雷72本[9] または78本[13]

建造予定造船所[編集]

出典はいずれも#鈴木p.258より。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ #軍艦基本計画資料Sheet11では18を打ち消し線で消して24と書き換えている。

出典[編集]

  1. ^ #軍艦基本計画資料s11
  2. ^ 戦前マル5計画で計画されたG14型が帳簿上同大の3万トン級と伝えられるため同型艦と誤解されるが、実際のG14は排水量4万5,000乃至5万トンの巨艦でありまったくの別物である。
  3. ^ a b c 2011年6月号
  4. ^ #鈴木p.258
  5. ^ a b #日本の航空母艦パーフェクトガイドp.103。「その搭載機は、昭和17年11月28日、航空本部作成『現状報告資料 建造中の空母』の中では、(後略)」
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m #軍艦基本計画資料Sheet11、#日本海軍全艦艇史主要艦艇要目表p.44。
  7. ^ #日本の航空母艦パーフェクトガイドp.103。
  8. ^ #海軍造船技術概要p.269
  9. ^ a b c d e f g #日本海軍全艦艇史主要艦艇要目表p.44。
  10. ^ a b c #海軍造船技術概要p.296
  11. ^ 2011年6月号pp.104-105掲載の一般艤装図(飛行甲板平面)でも22基が確認できる。
  12. ^ #日本の航空母艦パーフェクトガイドpp.102-103掲載の「五〇二四号艦(改大鳳型)一般艤装図」艦内側面図。
  13. ^ #軍艦基本計画資料Sheet11。

参考文献[編集]

  • 小高正稔「最後の本格派「改大鳳」型デザイン調査」、『』第64巻・第6号、潮書房、2011年6月、 102-105頁。
  • 鈴木範樹「幻の改大鳳空母」、『写真日本の軍艦』第4巻 空母II、光人社、1989年10月、 258頁、 ISBN 4-7698-0454-7
  • 『海軍造船技術概要』 牧野茂福井静夫/編、今日の話題社、1987年ISBN 4-87565-205-4
    • 艦本總二課「新艦船主要要目一覧表」1943年9月1日
  • 『日本の航空母艦パーフェクトガイド』〈歴史群像〉太平洋戦史シリーズ 特別編集、学習研究社、2003年4月ISBN 4-05-603055-3

関連項目[編集]