摩訶止観
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摩訶止観(まかしかん)は、仏教の論書の1つで、止観(止は三昧、観は智慧。仏教瞑想はこの2つから成る。上座部仏教でいうサマータとヴィパッサナー)についての解説書。10巻。594年に中国荊州(現在の湖北省)玉泉寺で天台智顗によって講義され、弟子の章安灌頂によってまとめられた。天台三大部の1つ。
概略
[編集]摩訶止観は天台止観を構成する三種止観(円頓止観・漸次止観・不定止観)と四種三昧(常行三昧・常坐三昧・半行半坐三昧・非行非坐三昧)の内の、円頓止観についての解説書で、10章からなる。
章立て
[編集]- 大意(五略)
- 釈名
- 体相
- 摂法
- 偏円
- 方便
- 正修
- 果報
- 起教
- 旨帰
- このうち、後半部分は講義期間が終了したため、説かれていない。
注釈書
[編集]版本
[編集]- 『大正新脩大蔵経』<第46諸宗部 第3巻>(高楠順次郎編、大蔵出版、新版1990年)
- 『摩訶止観 昭和新纂國訳大蔵経』(大法輪閣、新版2009年)
- 『國訳一切経』<和漢撰述部諸宗部第4 第3巻1~10>(田村徳海訳、大東出版社)、改訂版刊
参考文献
[編集]- 関口眞大『天台止観の研究』(岩波書店、1969年、復刊1985年、1995年)
- 関口眞大校注『摩訶止観 - 禅の思想原理』(岩波文庫(上・下)、1966年)- 度々復刊
- 新田雅章訳著『摩訶止観 <佛典講座25>』(大蔵出版、1989年、新装版2002年)
- 菅野博史訳著『一念三千とは何か - 摩訶止観〈正修止観章〉』(第三文明社 レグルス文庫 1992年、第三文明選書 2017年)- 抜粋での現代語訳注と解説
- 『摩訶止観』(菅野博史訳注、全四冊予定)第三文明社(第三文明選書)- 全文の訓読訳で2022年より刊行中
- 村中祐生訳注『摩訶止観 <大乗仏典 中国・日本篇6>』(中央公論社、1988年)- 抜粋の現代語訳
- 池田魯参『『摩訶止観』を読む』(春秋社、2017年)
- 池田魯参『摩訶止観研究序説』(学術叢書・禅仏教、大東出版社、1986年)
- 池田魯参『詳解摩訶止観 〈天巻・地巻・人巻〉』(大蔵出版、1995-1997年)
- 多田厚隆『摩訶止観講述 止観明静 一・二巻』(多田孝正・多田孝文編、山喜房佛書林、2006-2007年)
- 中国仏教研究会『「摩訶止観」引用典拠総覧』(中山書房佛書林、1987年)