揚げパン
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揚げパン(あげパン)とは、油で揚げたパンに甘い味を付けた菓子パンである。
概要[編集]
日本では通常、コッペパンを油で揚げたものに砂糖などで味付けした菓子パンを指す[1]。味付けには砂糖以外にも、シナモンやきな粉、ココアパウダーなどのバリエーションがある。
パンを揚げるという調理方法については、焼いたパンを揚げたものと、強力粉の生地をチューブのようなものから油の中へ直接搾り出して棒状に揚げたものの2種類がある。焼いたパンを揚げるタイプではカレーパンやロシアのピロシキなどが、生地を直接揚げるタイプでは、スペインや中南米のチュロスなどが挙げられる。
歴史[編集]
1952年に、大田区立嶺町小学校 に勤務していた調理師の篠原常吉が、風邪で休んだ児童に栄養をつけてもらうため、パンを持っていかせる際、保存がきき、かつ作ってから時間が経過して硬くなったパンをおいしく食べてもらおうと、油で揚げ砂糖をまぶすことを考案したものが始まりだとされている[1][2][3]。
2020年7月にLINEがネット上で15~59歳の男女5252人に行った「小中学校時代に好きだった給食のメニュー」の調査では揚げパンが1位であった[4]。
海外の揚げパン[編集]
日本ではパン生地を直接揚げて調理した揚げパンも「パン」の一種とされるが、同様の製法で作られた英語圏のfried dough(フライドドウ)、スペイン語圏のchurro(チュロス)などは、これらの地域ではパン(bread、pan)ではなくドーナツに近い菓子の仲間として扱われている(ただし、ドーナツのうち、イーストドーナツについては揚げパンの一種といえる)。
中国の山東省など、華北では「火焼」(フオシャオ)の名で、平たい揚げ饅頭が朝食などによく食べられている。豚のミンチ肉を入れたものやニラなどの野菜を入れたものがあり、ウイグル料理ではホーシャンとしてさらに蒸した料理に変化している。中国語圏の「油条」(ヨウティアオ)は、甘い味を付けないので日本の揚げパンとは大分異なるが、日本で紹介される際には「中華揚げパン」などの名称が使われる。「火焼」も「油条」も中国語でパン(面包)とは呼ばれず、地元では揚げパンとは別の範疇の食品と考えられている。
東南アジアやアラビア半島で食されるムルタバは、揚げパンの一種とみなされることがある。
ギャラリー[編集]
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ a b “給食でおなじみ!コッペパン、揚げパンの由来と歴史” (日本語). じゃぱん 日本のパンを「たべる」と「つくる」で応援するサイト. 2020年10月24日閲覧。
- ^ “大田区ホームページ:揚げパン発祥の大田区で学校給食展「心とからだを育てる学校給食」~食は生きる力~区役所本庁舎で揚げパン販売も行います”. www.city.ota.tokyo.jp. 2020年10月24日閲覧。
- ^ “戦後のヒーロー!揚げパンの歴史”. 2020年10月24日閲覧。
- ^ “好きだった給食のメニュー、1位は「揚げパン」 2位「カレーライス」、3位「ソフト麺」 キャリコネニュース”. キャリコネニュース (株式会社グローバルウェイ). (2020年8月21日) 2020年9月13日閲覧。