接戦選挙

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接戦選挙(せっせんせんきょ)は、当選者と落選者が予測しづらい選挙のこと。

概要[編集]

当落選上に複数の候補者が拮抗している場合は、接戦選挙が発生しやすくなる。

複数の実力派候補が当落選上で拮抗する接戦選挙は注目されることが多く、また有権者が自分の一票で選挙結果が変わるという期待のために投票率が高くなる傾向がある。選挙区が区分されている公職選挙において、政党等は選挙対策本部は接戦区に重点を置いて、選挙対策を行う。

選挙結果が開票終了するまで判明しづらくなり、選挙速報をしているテレビ局が当確報道をして候補者や支援者達が当選を祝って万歳三唱した後で、落選が伝えられるケースもある(「幻の万歳三唱」と呼ばれる)。

接戦選挙の例[編集]

接戦選挙を測る指標として、ある選挙における次点候補者の惜敗率(ある選挙の最下位当選者の得票を1として、次点候補者の得票の割合)を求める。次点候補の惜敗率が低いほど無風選挙状態といえる。

日本の現実世界の国政・地方選挙については男女普通選挙施行以降について記載する。フィクションの世界については公職選挙について記載する。アメリカ合衆国大統領選挙については、選挙開始以降全ての時期にわたる例である。

国政選挙1人区[編集]

国政選挙1人区の接戦選挙
順位 選挙 選挙区 1位当選者 次点候補 惜敗率 票差
候補者名 得票 候補者名 得票
1位 1959年参院選 鳥取県選挙区 中田吉雄 117,991 宮崎正雄 117,952 99.967% 39
2位 2017年衆院選 新潟3区 黒岩宇洋 95,644 斎藤洋明 95,594 99.947% 50
3位 1992年参院選 沖縄県選挙区 島袋宗康 245,159 大城真順 244,818 99.861% 341
4位 1996年衆院選 千葉4区 田中昭一 73,792 野田佳彦 73,687 99.858% 105
5位 2014年衆院選 新潟2区 細田健一 70,589 鷲尾英一郎 70,487 99.855% 102
6位 2005年衆院選 京都4区 中川泰宏 75,192 田中英夫 75,036 99.793% 156
7位 2012年衆院選 埼玉6区 中根一幸 90,871 大島敦 90,673 99.782% 198
8位 1950年参院選 島根県選挙区 桜内義雄 140,981 小滝彬 140,592 99.724% 389
9位 2014年衆院選 北海道7区 伊東良孝 72,281 鈴木貴子 72,056 99.689% 225
10位 2014年衆院選 栃木2区 福田昭夫 62,439 西川公也 62,240 99.681% 199
11位 2000年衆院選 愛知13区 大村秀章 104,731 島聡 104,392 99.676% 339
12位 2003年衆院選 宮城3区 西村明宏 74,045 橋本清仁 73,803 99.673% 242
13位 2012年衆院選 山梨3区 後藤斎 50,362 中谷真一 50,190 99.658% 172
14位 2005年衆院選 滋賀2区 三日月大造 74,272 宇野治 74,006 99.642% 266
15位 2012年衆院選 京都3区 宮崎謙介 58,951 泉健太 58,735 99.634% 216
16位 2016年参院選 大分県選挙区 足立信也 271,783 古庄玄知 270,693 99.599% 1,090
17位 2016年参院選 新潟県選挙区 森裕子 560,429 中原八一 558,150 99.5933% 2,279
18位 2009年衆院選 青森3区 大島理森 90,176 田名部匡代 89,809 99.5930% 367
19位 2009年衆院選 神奈川2区 菅義偉 132,270 三村和也 131,722 99.586% 548
20位 1996年衆院選 福島5区 坂本剛二 79,027 田中直紀 78,690 99.574% 337
21位 1974年参院選 島根県選挙区 亀井久興 203,433 栂野泰二 202,489 99.536% 944
22位 2012年衆院選 和歌山1区 岸本周平 60,577 門博文 60,277 99.505% 300
23位 2017年衆院選 北海道10区 稲津久 96,795 神谷裕 96,282 99.470% 513
24位 2017年衆院選 埼玉12区 野中厚 86,499 森田俊和 86,007 99.431% 492
25位 2017年衆院選 静岡6区 渡辺周 108,788 勝俣孝明 108,157 99.419% 631
※は比例復活当選。

国政選挙複数人区[編集]

国政選挙複数人区の接戦選挙
順位 選挙 選挙区 最下位当選者 次点候補 惜敗率 票差
候補者名 得票 候補者名 得票
1位 1952年衆院選 群馬1区(3) 金子与重郎 32,179 藤枝泉介 32,177 99.994% 2
2位 1979年衆院選 愛媛2区(3) 藤田高敏 68,328 森清 68,317 99.984% 11
3位 1972年衆院選 茨城3区(5) 北沢直吉 48,363 二見伸明 48,346 99.965% 17
4位 1993年衆院選 兵庫3区(3) 永井孝信 80,731 塩田晋 80,700 99.962% 31
5位 1990年衆院選 鹿児島3区(2) 有川清次 62,488 山中貞則 62,460 99.955% 28
6位 1963年衆院選 大阪2区(4) 押谷富三 78,137 中山マサ 78,096 99.948% 41
7位 1952年衆院選 新潟2区(4) 佐藤芳男 36,517 稲葉修 36,494 99.937% 23
8位 1993年衆院選 長崎2区(4) 山崎泉 53,919 松田九郎 53,881 99.930% 38
9位 1950年衆院選再選 新潟2区(4) 稲葉修 29,636 高岡忠弘 29,613 99.922% 23

都道府県知事選挙[編集]

都道府県知事選挙の接戦選挙
順位 選挙 当選者 次点候補 惜敗率 票差
候補者名 得票 候補者名 得票
1位 1971年島根県知事選挙 伊達慎一郎 155,711 山野幸吉 155,602 99.930% 109
2位 2000年栃木県知事選挙 福田昭夫 336,161 渡辺文雄 335,286 99.740% 875
3位 1974年静岡県知事選挙 山本敬三郎 806,371 永原稔 802,090 99.469% 4,281
4位 2005年千葉県知事選挙 堂本暁子 960,125 森田健作 954,039 99.366% 6,086
5位 1963年愛媛県知事選挙 久松定武 330,398 平田陽一郎 325,986 98.665% 4,412
6位 1971年大阪府知事選挙 黒田了一 1,558,170 左藤義詮 1,533,263 98.401% 24,907
7位 1991年山梨県知事選挙 天野建 253,709 小沢澄夫 248,929 98.116% 4,780
8位 2009年静岡県知事選挙 川勝平太 728,706 坂本由紀子 713,654 97.934% 15,052

フィクションの世界[編集]

  • 漫画「加治隆介の議」では衆議院総選挙鹿児島1区(4人区)において、主人公が最下位当選候補と15票の差(惜敗率99.976%)で落選した(ただし、選挙直後にこの選挙区で当選した候補者の一人が急死したため、主人公は繰り上げ当選という形で初当選を決めている)。
  • 漫画「クニミツの政」では新千葉ヶ崎市長選挙において1票差で当落が決定した。
  • テレビドラマ「CHANGE」では衆議院補欠選挙福岡13区(1人区)において主人公と対立候補が164票差(惜敗率99.871%)で当落が決定した。
  • 映画「国会へ行こう!」では衆議院総選挙宮城1区(5人区)において93票差で当落が決定した。
  • テレビドラマ「ど根性ガエル」では葛飾区議選挙(定員20人)において1票差で当落が決定した[1]

アメリカ合衆国大統領選挙[編集]

アメリカ合衆国大統領選挙では、一般投票で敗北し、選挙人投票で勝利した候補が大統領となった例が1876年1888年2000年2016年の4回、一般投票でも選挙人投票でも敗北した候補が大統領となった例が1824年の1回存在する(1824年の例は、どの候補も過半数を得られなかったため下院議員による決選投票が行われたもの)。

また、アメリカ大統領選挙では殆どの州で勝者総取り方式を採用しているため、共和党・民主党の票が拮抗している州をスイング・ステートと呼び、各陣営の選挙戦略として重視されている。

当落が1票差で分かれた事例[編集]

  • 2017年11月12日葛飾区議会議員選挙 - 会田浩貞が2175票で最下位当選、大森有希子が2174票で落選[2]

得票数が同数となった事例[編集]

  • 2010年青森県大鰐町長選挙 - 新人の山田年伸と現職で3期目を目指す二川原和男の得票がともに3524票と同数となったため、公選法に基づいて抽選が行われ、くじ引きをした結果、山田が初当選を果たした。 
  • 2011年渋谷区議会議員選挙 - 最後の議席を巡って自由民主党の松岡定俊とみんなの党の小柳政也が並び、公職選挙法第95条に基いてくじ引きが行われ、松岡が当選した[3]
  • 2014年舞鶴市議会議員選挙 - 最後の議席を巡って無所属現職の亀井敏郎と田村優樹が1057票で並び、くじ引きが行われた[4]
  • 2015年熊本市議会議員選挙 - 南区で最後の議席を巡って民主党現職・田辺正信と無所属現職・田中誠一が4515票で並び、くじ引きの結果田辺が当選した[5]
  • 2015年滑川町議会議員選挙 - 最後の議席を巡って2人が390票で並び、くじ引きの結果吉田文夫が当選した[6]
  • 2015年大樹町議会議員選挙 - 最後の議席を巡っていずれも無所属現職の阿部良富と福岡孝道が167票で並び、くじ引きの結果阿部が当選した[7]
  • 2017年飯南町議会議員選挙 - 最後の2議席を巡って3人が260票で並び、くじ引きの結果2人が当選、1人が落選となった[8]

脚注[編集]

  1. ^ 2015年9月5日放送
  2. ^ “葛飾区議選 1票差当選、無効と裁決 「当落」入れ替わる”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2018年2月21日). https://mainichi.jp/senkyo/articles/20180222/k00/00m/010/091000c 2018年2月23日閲覧。 
  3. ^ “1票差当選無効の候補、くじ引きで逆転 渋谷区議選”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2012年6月6日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0503B_V00C12A6CC1000/ 2018年2月24日閲覧。 
  4. ^ “開票100%! 舞鶴市議選、最下位が同数に…くじ引きで当選者決定”. 産経WEST (産業経済新聞社). (2014年11月17日). http://www.sankei.com/west/news/141117/wst1411170036-n1.html 2018年2月24日閲覧。 
  5. ^ “得票同数、くじ引きで民主現職当選…熊本市議選”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2015年4月14日). http://www.yomiuri.co.jp/election/local/2015/news/20150414-OYT1T50084.html 2018年2月23日閲覧。 
  6. ^ “得票同数、くじ引きで最後の議席…滑川町議選”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2015年4月27日). http://www.yomiuri.co.jp/election/local/2015/news/20150427-OYT1T50017.html 2018年2月24日閲覧。 
  7. ^ “大樹町長選・大樹町議会議員選挙 2015”. 十勝毎日新聞 (毎日新聞社). オリジナル2016年8月19日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160819002105/kachimai.jp/politics/election/town/taiki.php 2018年2月24日閲覧。 
  8. ^ “「くじ引き」で2人当選、1人が落選 候補者3人の得票数並び1人目が「3番」のくじ引く…島根県飯南町議選”. 産経ニュース (産業経済新聞社). (2017年7月24日). http://www.sankei.com/west/news/170724/wst1707240015-n1.html 2018年2月23日閲覧。 

関連項目[編集]