指詰め

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指詰め(ゆびつめ)とは、を挟んだり切断する行為である。主に暴力団に見られる慣習であり、反省、抗議、謝罪などの意思表示として、刃物で自ら切断することもある。断指、エンコ詰めともいう。主に関西地域では「ドア等に指を挟んでしまう」ことを「指を詰める」と言う場合もある。

暴力団からの離脱や社会復帰を困難なものにする行為であるため、暴力団対策法第20、21条では指定暴力団員が他の組員に指詰めを強要することを禁止している。

近年では暴力団員が社会復帰を行う際、足指を移植する手術を行うことがある。

手段

反省の手段

日本暴力団に見られる慣習で、組織の掟を破った構成員に対して科す。慣例的に詰める割合は、三寸とも三分とも。昭和時代までの暴力団は、主に日本刀武器として用いていた。小指を詰めれば、刀のを握る力が半減する。そのため、指を詰めることは即ち「ヤクザとしての大事なものを相手に差し出すほどの深い反省」を意味している。また、どんなに切ってもが持てるように利き手の三本指だけは残すとも言われる。

このような指詰めは罰として強要されるものとは限らず、掟を破った者が指詰めよりも重い罰から逃れることを期待して、反省の意思を示すために自発的に行う場合もある。

しかし、暴力団(組)からの脱退や上述のように反省を表す手段としては、暴力団関係法令(暴力団対策法等)にも禁じられていることもあり半ば廃れつつあるという。また暴力団組織も昨今の不況の影響は大きく、「(汚い)指を落としてもらっても一銭の金にもならない」という声もあり、示談金の組への支払いでその代償とすることが増えているという。

仲裁の手段

自分が直接責任のない問題の責任を被る時や、対立する暴力団同士を和解させる時に、指を詰めることで自分の誠意を示し、問題を仲裁することがある。このような目的で切り落とした指は「生き指」と呼ばれ、反省を示すために切り落とした指である「死に指」とは区別される。

抗議の手段

日本及び大韓民国右翼民族主義運動が好んで行う。古くは日韓併合に抗議する義兵運動、最近では反日的と目された政治家への抗議として、また竹島の日制定に抗議する運動で行われた。

切り落とした指を抗議先に送りつける場合もある。

指詰めの背景

暴力団は一般に『一家』などの呼名にも見られるように、擬似家族の関係を結んでいる。現実の家族でない以上、情を疑わせる行為があれば、目に見える形で情を示してもらわなくてはならないという思想から。

江戸時代

古来から制約の証として自身の体を傷つける行為が行われており、その行為の中に指詰めも見られた。 誓いだてに指を切らせた例として、井原西鶴の「武道伝来記」で泉川修理太夫が妻の不倫を疑い、「密夫なければ諸神誓文に五つの指を自ら離せ」といって、裸にし、指を断たせたことが見える。また吉原遊女が常連客に「一途であること」を示すために自分の小指を切って送ることがあった。ただしこの際に新粉(しんこ、米粉の餅)細工の作り物や、首切り役人から死体の指を調達して自分の指として送る例も見られた。

関連項目