拡張周期表

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

拡張周期表(かくちょうしゅうきひょう、extended periodic table)とは、ドミトリ・メンデレーエフ周期表を未知の超重元素の領域まで論理的に発展させた周期表である。未知の元素についてはIUPAC元素の系統名に準じて表記される。原子番号119(ウンウンエンニウム)以降の元素は全て未発見である(発見報告無し)。

現在発見されているよりも大きい原子番号の元素が発見された場合には、既存の周期と同様に、その元素の性質が周期的に繰り返される傾向を示すようにレイアウトされた、追加の周期に置かれることになるだろう。追加される周期は、第7周期よりも多くの元素を含むことが予想される。これは、いわゆるgブロックが追加され、g軌道の一部が満たされた少なくとも18個の元素が含まれると計算されるからである。gブロックと第8周期を含む周期表は、1969年にグレン・シーボーグによって提案された[1][2]。 gブロックの最初の元素は原子番号121である可能性があり、その場合ウンビウニウムという系統名を持つことになる。この領域の元素は、多くの探索にもかかわらず、合成されたり自然界で発見されたりしていない[3]

原子構造の量子力学的記述における軌道近似計算によれば、gブロックは部分的にg軌道が充填された元素に対応するが、スピン軌道相互作用により、原子番号の高い元素では軌道近似計算の有効性が大幅に低下する。シーボーグの拡張周期表では相対論的効果を考慮していなかったため、重い元素が軽い元素のパターンに従っていたが、相対論効果を考慮したモデルでは異なる。ペッカ・ピューッコとBurkhard Frickeはコンピュータモデルを用いてZ = 172までの元素の配置を計算し、いくつかの元素が構造原理からずれていることを発見した[4]。 原子番号120を超える元素の化学的・物理的性質の予測には不確実性とばらつきがあるため、現在のところ拡張周期表における元素の配置についてはコンセンサスが得られていない。

この領域の元素は、放射性崩壊に対して非常に不安定であり、半減期が極めて短いアルファ崩壊自発核分裂を起こす可能性が高いが、126番元素は自発核分裂には耐性があるがアルファ崩壊を起こす安定の島にあると考えられている。既知の元素以降にも安定の島が存在する可能性があり、その中には164番元素を中心に理論化されたものも含まれるが、閉じた核の殻による安定化効果がどの程度あるかは不明である。予測される安定の島を超えて元素が物理的にどのくらい存在可能なのか、第8周期に終わりがあるのか、第9周期があるのかは明らかではない。国際純正・応用化学連合(IUPAC)では、原子核が電子雲を形成する時間である10-14秒(0.01ピコ秒、10フェムト秒)よりも寿命が長い元素を存在の定義としている[5]

1940年には、相対論的なディラック方程式を単純に解釈すると、Z > 1/α ≈ 137の電子軌道が問題となることが指摘されていた。137番元素より先には中性原子が存在できず、電子軌道に基づく元素周期表はこの時点で破綻することが示唆されていた[6]。 一方、より厳密な分析では、類似の限界をZ ≈ 173と計算し、ここで1s電子軌道がディラックの海に飛び込むとした。173番元素を超えて存在できないのは中性原子ではなく裸の原子核であり、周期系のさらなる拡張を妨げるものではないとしている。この臨界原子番号を超える原子を「超臨界原子」と呼ぶ。

歴史[編集]

アクチノイドより重い元素の存在は既に1895年には提案されており、デンマークの化学者ユリウス・トムセンが、ウラントリウムを含む32元素の周期(第7周期)は、化学的に不活性な原子量292の元素で終わることを予測していた。これは、オガネソンで現在唯一発見されている同位体の原子量294に近い。1913年、スウェーデンの物理学者ヨハネス・リュードベリは、ラドンの次の貴ガスは原子番号118であると同様に予測し、ラドンより重い同族体は Z = 168, 218, 290, 362, 460 であることを、純粋に構造原理より導き出した。ニールス・ボーアは1922年に、ラドンの次となる貴ガスの電子構造を Z = 118 と予測し、また自然界でウランより原子番号が大きい元素が見られないのは、あまりにも不安定だからであると指摘した。ドイツの物理学者で技術者でもあるリチャード・スウィンは、1926年に超ウラン元素についての予測を含むレビュー論文を発表し、安定の島という現代の予測を先取りしていた。彼は1914年より、半減期は厳密には原子番号とともに減少しないという仮説を立て、Z = 98–102 と Z = 108–110 に長寿命の元素があるかもしれないと示唆し、こうした元素は地球の核鉄隕石、あるいは宇宙起源の物質がグリーンランド氷床英語版の中に閉じ込められて存在しているのではないかと推測していた[7]。1955年には、これらの元素は超重元素と呼ばれるようになった[8]

未発見の超重元素の性質について最初の予測がなされたのは1957年のことで、殻模型の概念が初めて検討され、126番元素近辺に安定の島が存在することが理論的に示された[9]。1967年にはより厳密な計算が行われ、安定の島は当時未発見のフレロビウム(114番元素)を中心にしていることが理論づけられた。この研究やその後の研究により、多くの研究者が自然界での超重元素の探索や、加速器での合成を試みるようになった[8]。1970年代に超重元素の多くの検索が行われたが、いずれも否定的な結果だった。元素合成は、ウンビトリウム (Z = 123) を除くウンビセプチウム (Z = 127) までの元素で試みられ[10] [11][12]、合成に成功した最も重い元素は2002年のオガネソン、最も新しい元素の発見は2010年のテネシンである[10]

一部の超重元素は周期表の第7周期を超えると予測されたため、これらの元素を含む追加の第8周期が、1969年にグレン・シーボーグによって最初に提案された。このモデルは既存元素のパターンを継承しつつ、gブロックおよび121番元素から始まる超アクチノイド系列を導入し、今までの周期よりも第8周期の元素数が増えている[1][2][8]。しかしこれら初期の計算では、周期的な傾向を崩し、単純な予測が不可能になる相対論的な効果を考慮していなかった。

1971年、ドイツの化学者Frickeは Z = 172 までの周期表を計算し、いくつかの元素が既存のパターンと異なる特性を持つことを発見した。また、2010年にペッカ・ピューッコが行った計算でも、いくつかの元素が予想とは異なる振る舞いをする可能性があるとされている[13]。重い元素ほどより不安定になると予測されているため、周期表が既知の118元素を超えてどこまで拡張されるかは未知数である。グレン・シーボーグは、実際には核の不安定性のために、早ければ Z = 120 付近で周期表の終わりが来るのではないかと示唆している[14]

シーボーグの拡張周期表[編集]

1969年アメリカ化学者グレン・シーボーグが提案した周期表である。第7周期までの法則に合わせて、素直にGブロックを配置した形をしている。

Period s1 s2  
1 1
H
2
He
  p1 p2 p3 p4 p5 p6
2 3
Li
4
Be
  5
B
6
C
7
N
8
O
9
F
10
Ne
3 11
Na
12
Mg
  d1 d2 d3 d4 d5 d6 d7 d8 d9 d10 13
Al
14
Si
15
P
16
S
17
Cl
18
Ar
4 19
K
20
Ca
  21
Sc
22
Ti
23
V
24
Cr
25
Mn
26
Fe
27
Co
28
Ni
29
Cu
30
Zn
31
Ga
32
Ge
33
As
34
Se
35
Br
36
Kr
5 37
Rb
38
Sr
  f1 f2 f3 f4 f5 f6 f7 f8 f9 f10 f11 f12 f13 f14 39
Y
40
Zr
41
Nb
42
Mo
43
Tc
44
Ru
45
Rh
46
Pd
47
Ag
48
Cd
49
In
50
Sn
51
Sb
52
Te
53
I
54
Xe
6 55
Cs
56
Ba
  57
La
58
Ce
59
Pr
60
Nd
61
Pm
62
Sm
63
Eu
64
Gd
65
Tb
66
Dy
67
Ho
68
Er
69
Tm
70
Yb
71
Lu
72
Hf
73
Ta
74
W
75
Re
76
Os
77
Ir
78
Pt
79
Au
80
Hg
81
Tl
82
Pb
83
Bi
84
Po
85
At
86
Rn
7 87
Fr
88
Ra
g1 g2 g3 g4 g5 g6 g7 g8 g9 g10 g11 g12 g13 g14 g15 g16 g17 g18 89
Ac
90
Th
91
Pa
92
U
93
Np
94
Pu
95
Am
96
Cm
97
Bk
98
Cf
99
Es
100
Fm
101
Md
102
No
103
Lr
104
Rf
105
Db
106
Sg
107
Bh
108
Hs
109
Mt
110
Ds
111
Rg
112
Cn
113
Nh
114
Fl
115
Mc
116
Lv
117
Ts
118
Og
8 119
Uue
120
Ubn
121
Ubu
122
Ubb
123
Ubt
124
Ubq
125
Ubp
126
Ubh
127
Ubs
128
Ubo
129
Ube
130
Utn
131
Utu
132
Utb
133
Utt
134
Utq
135
Utp
136
Uth
137
Uts
138
Uto
139
Ute
140
Uqn
141
Uqu
142
Uqb
143
Uqt
144
Uqq
145
Uqp
146
Uqh
147
Uqs
148
Uqo
149
Uqe
150
Upn
151
Upu
152
Upb
153
Upt
154
Upq
155
Upp
156
Uph
157
Ups
158
Upo
159
Upe
160
Uhn
161
Uhu
162
Uhb
163
Uht
164
Uhq
165
Uhp
166
Uhh
167
Uhs
168
Uho
9 169
Uhe
170
Usn
171
Usu
172
Usb
173
Ust
174
Usq
175
Usp
176
Ush
177
Uss
178
Uso
179
Use
180
Uon
181
Uou
182
Uob
183
Uot
184
Uoq
185
Uop
186
Uoh
187
Uos
188
Uoo
189
Uoe
190
Uen
191
Ueu
192
Ueb
193
Uet
194
Ueq
195
Uep
196
Ueh
197
Ues
198
Ueo
199
Uee
200
Bnn
201
Bnu
202
Bnb
203
Bnt
204
Bnq
205
Bnp
206
Bnh
207
Bns
208
Bno
209
Bne
210
Bun
211
Buu
212
Bub
213
But
214
Buq
215
Bup
216
Buh
217
Bus
218
Buo
Sブロック元素 Pブロック元素 Dブロック元素 Fブロック元素 Gブロック元素

Frickeの拡張周期表[編集]

1973年ドイツ化学者Frickeが提案した周期表である。

Period s1 s2  
1 1
H
2
He
  p1 p2 p3 p4 p5 p6
2 3
Li
4
Be
  5
B
6
C
7
N
8
O
9
F
10
Ne
3 11
Na
12
Mg
  d1 d2 d3 d4 d5 d6 d7 d8 d9 d10 13
Al
14
Si
15
P
16
S
17
Cl
18
Ar
4 19
K
20
Ca
  21
Sc
22
Ti
23
V
24
Cr
25
Mn
26
Fe
27
Co
28
Ni
29
Cu
30
Zn
31
Ga
32
Ge
33
As
34
Se
35
Br
36
Kr
5 37
Rb
38
Sr
  f1 f2 f3 f4 f5 f6 f7 f8 f9 f10 f11 f12 f13 f14 39
Y
40
Zr
41
Nb
42
Mo
43
Tc
44
Ru
45
Rh
46
Pd
47
Ag
48
Cd
49
In
50
Sn
51
Sb
52
Te
53
I
54
Xe
6 55
Cs
56
Ba
  57
La
58
Ce
59
Pr
60
Nd
61
Pm
62
Sm
63
Eu
64
Gd
65
Tb
66
Dy
67
Ho
68
Er
69
Tm
70
Yb
71
Lu
72
Hf
73
Ta
74
W
75
Re
76
Os
77
Ir
78
Pt
79
Au
80
Hg
81
Tl
82
Pb
83
Bi
84
Po
85
At
86
Rn
7 87
Fr
88
Ra
g1 g2 g3 g4 g5 g6 g7 g8 g9 g10 g11 g12 g13 g14 g15 g16 g17 g18 p1 p2 89
Ac
90
Th
91
Pa
92
U
93
Np
94
Pu
95
Am
96
Cm
97
Bk
98
Cf
99
Es
100
Fm
101
Md
102
No
103
Lr
104
Rf
105
Db
106
Sg
107
Bh
108
Hs
109
Mt
110
Ds
111
Rg
112
Cn
113
Nh
114
Fl
115
Mc
116
Lv
117
Ts
118
Og
8 119
Uue
120
Ubn
121
Ubu
122
Ubb
123
Ubt
124
Ubq
125
Ubp
126
Ubh
127
Ubs
128
Ubo
129
Ube
130
Utn
131
Utu
132
Utb
133
Utt
134
Utq
135
Utp
136
Uth
137
Uts
138
Uto
139
Ute
140
Uqn
141
Uqu
142
Uqb
143
Uqt
144
Uqq
145
Uqp
146
Uqh
147
Uqs
148
Uqo
149
Uqe
150
Upn
151
Upu
152
Upb
153
Upt
154
Upq
155
Upp
156
Uph
157
Ups
158
Upo
159
Upe
160
Uhn
161
Uhu
162
Uhb
163
Uht
164
Uhq|
9 165
Uhp
166
Uhh
  167
Uhs
168
Uho
169
Uhe
170
Usn
171
Usu
172
Usb
Sブロック元素 Pブロック元素 Dブロック元素 Fブロック元素 Gブロック元素

Pyykköの拡張周期表[編集]

2010年ペッカ・ピューッコが提唱した周期表である[15]相対論効果を考慮した理論計算によって電子軌道の準位を8s<5g≤8p1/2<6f<7d<9s<9p1/2<8p3/2であるとし、これに基づいて172番元素(ウンセプトビウム)までの元素を配置している。一部で原子番号と配置が前後する。

1
1s
1
H
  2
He
2
2s 2p
3
Li
4
Be
  5
B
6
C
7
N
8
O
9
F
10
Ne
3
3s 3p
11
Na
12
Mg
  13
Al
14
Si
15
P
16
S
17
Cl
18
Ar
4
4s 3d 4p
19
K
20
Ca
  21
Sc
22
Ti
23
V
24
Cr
25
Mn
26
Fe
27
Co
28
Ni
29
Cu
30
Zn
31
Ga
32
Ge
33
As
34
Se
35
Br
36
Kr
5
5s 4d 5p
37
Rb
38
Sr
  39
Y
40
Zr
41
Nb
42
Mo
43
Tc
44
Ru
45
Rh
46
Pd
47
Ag
48
Cd
49
In
50
Sn
51
Sb
52
Te
53
I
54
Xe
6
6s 4f 5d 6p
55
Cs
56
Ba
  57
La
58
Ce
59
Pr
60
Nd
61
Pm
62
Sm
63
Eu
64
Gd
65
Tb
66
Dy
67
Ho
68
Er
69
Tm
70
Yb
71
Lu
72
Hf
73
Ta
74
W
75
Re
76
Os
77
Ir
78
Pt
79
Au
80
Hg
81
Tl
82
Pb
83
Bi
84
Po
85
At
86
Rn
7
7s 5f 6d 7p
87
Fr
88
Ra
  89
Ac
90
Th
91
Pa
92
U
93
Np
94
Pu
95
Am
96
Cm
97
Bk
98
Cf
99
Es
100
Fm
101
Md
102
No
103
Lr
104
Rf
105
Db
106
Sg
107
Bh
108
Hs
109
Mt
110
Ds
111
Rg
112
Cn
113
Nh
114
Fl
115
Mc
116
Lv
117
Ts
118
Og
8
8s 5g 6f 7d 8p
119
Uue
120
Ubn
121
Ubu
122
Ubb
123
Ubt
124
Ubq
125
Ubp
126
Ubh
127
Ubs
128
Ubo
129
Ube
130
Utn
131
Utu
132
Utb
133
Utt
134
Utq
135
Utp
136
Uth
137
Uts
138
Uto
141
Uqu
142
Uqb
143
Uqt
144
Uqq
145
Uqp
146
Uqh
147
Uqs
148
Uqo
149
Uqe
150
Upn
151
Upu
152
Upb
153
Upt
154
Upq
155
Upp
156
Uph
157
Ups
158
Upo
159
Upe
160
Uhn
161
Uhu
162
Uhb
163
Uht
164
Uhq
139
Ute
140
Uqn
169
Uhe
170
Usn
171
Usu
172
Usb
9
9s 9p
165
Uhp
166
Uhh
  167
Uhs
168
Uho
8p1/2(8p*)軌道に電子が満たされるブロック 8p3/2軌道に電子が満たされるブロック

より簡易な表示によるPyykköの拡張周期表[15]

This figure reprinted by permission from P. Pyykkö,PCCP 2011, 13, 161. @RSC.

未発見の元素の探索[編集]

合成の試み[編集]

ウンビセプチウムまでの第8周期元素は、ウンビトリウムを除いて合成が試みられているが、成功していない。2021年現在、最初の第8周期元素であるウンウンエンニウムの合成が試みられている。

ウンウンエンニウム[編集]

ウンウンエンニウムの合成が初めて試みられたのは、1985年にカリフォルニア州バークレーにあるsuperHILAC加速器で、アインスタイニウム254の標的にカルシウム48イオンを衝突させて行われた。

254
99
Es
+ 48
20
Ca
302
119
Uue
* → no atoms

原子は確認されず,断面積(核反応を起こす割合を表す尺度)の限界は300nbとされた[16]。後の計算では、299Uueと3個の中性子を生成物とする3n反応の断面積は、実際にはこの上限の60万分の1の0.5pbになるとされている[17]

ウンウンエンニウムは未発見の最軽量元素であり、ドイツとロシアによって合成実験の対象となった。 ロシアの実験は2011年に行われたが、結果は公表されず、ウンウンエンニウム原子が確認されなかったのではないかと考えられている。2012年4月から9月にかけて、ドイツのダルムシュタットにある重イオン研究所(GSI)で、バークリウム249を標的にチタン50を衝突させて295Uueと296Uueの同位体を合成する試みが行われた[18][19]。 理論的に予測される断面積から、実験開始から5ヶ月以内にウンウンエンニウム原子が合成されると予想されていた[20]

249
97
Bk
+ 50
22
Ti
299
119
Uue
* → 296
119
Uue
+ 3 1
0
n
249
97
Bk
+ 50
22
Ti
299
119
Uue
* → 295
119
Uue
+ 4 1
0
n

当初、実験は2012年11月まで行われる予定であったが[21]テネシンの合成を確認するために249Bkのターゲットを利用するため(衝突させるイオンをチタン50からカルシウム48に変更)、早期に中止された[22]。 この249Bkと50Tiの反応は、やや非対称であり[20]、やや冷たい合成反応である[22]が、ウンウンエンニウムの生成に最も好ましい実用的な反応であると予測されていた[19](254Esと48Caの反応の方が優れているが、標的用にミリグラム量の254Esを準備するのは難しい[20])。とはいえ、「銀の弾丸」である48Caから50Tiへと変更する必要があり、ウンウンエンニウムの収量は核融合反応の非対称性に強く依存しているため、期待される収量は約20分の1になってしまう[20]

半減期が短いと予測されたため、GSIのチームはマイクロ秒以内に崩壊イベントを記録できる新しい「高速」機器を使用した[19]。ウンウンエンニウム原子は特定されず、限界断面積は70fbと考えられる[22]。予測される実際の断面積は約40fbであり、これは現在の技術の限界である[20]

ロシアのドゥブナにあるドゥブナ合同原子核研究所(JINR)のチームは、2019年に新しい実験複合体を用いて、249Bk+50Ti反応と249Cf+50Ti反応を用いたウンウンエンニウムとウンビニリウムの合成実験を開始することを計画した[23][24]。日本の理化学研究所のチームも、248Cm+51V[25]の反応と248Cm+54Crの反応を用いて、248Cmを標的とし2018年からこれらの元素の試みを行うことを計画していた[26]。前者は2018年6月から進行中である[25]

ウンビニリウム[編集]

2006年に、249Cfと48Caの反応でオガネソンを得ることに成功したドゥブナ合同原子核研究所(JINR)のチームは、58Feと244Puの原子核からウンビニリウム(120番元素)を作ることを目指して、2007年3月から4月にかけて同様の実験を開始した。ウンビニリウムの同位体は、アルファ崩壊の半減期がマイクロ秒のオーダーであると予想されている[27][28]。初期の分析ではウンビニリウムの原子は生成されず、エネルギーの限界断面積は400fbという結果であった[29]

244
94
Pu
+ 58
26
Fe
302
120
Ubn
* → no atoms

ロシアのチームは、この反応に再挑戦する前に設備を更新することを計画していた[29]

2007年4月、ドイツのダルムシュタットにある重イオン研究所(GSI)のチームは、ウラン238とニッケル64を用いてウンビニリウムの生成を試みた[30]

238
92
U
+ 64
28
Ni
302
120
Ubn
* → no atoms

原子は検出されず、このエネルギーでの断面積は1.6pbであった。GSIは、2007年4月から5月、2008年1月から3月、2008年9月から10月の3回にわたり、より高い感度で実験を繰り返したが、いずれも否定的な結果となり、断面積の限界値は90fbであった[30]


GSIでは、より多くの放射性ターゲットを使用できるように装置を更新した後、2010年6月から7月、および2011年に、より非対称な核融合反応を試みた[31]

248
96
Cm
+ 54
24
Cr
302
120
Ubn
* → no atoms

このような反応の収率は、その非対称性に強く依存しているため、反応の変化によってウンビニリウムの合成確率が5倍になることが期待されていた[32]。 その結果、299Ubnとその娘核295Ogの予測されるアルファ崩壊のエネルギーと、そのまた娘核である291Lvの実験的に知られている崩壊エネルギーに一致する3つの相関信号が観測されたが、これらの可能性のある崩壊の寿命が予想よりもずっと長く、結果を確認することはできなかった[33][34][31]

2011年8月から10月にかけて、GSIの別チームがTASCA施設を使って、さらに非対称な新しい反応を試みた[35][22]

249
98
Cf
+ 50
22
Ti
299
120
Ubn
* → no atoms

249Cfと50Tiの反応は、その非対称性から[36]、ウンビニリウムの合成に最も適した実用的な反応であると予測されていたが、やや冷たい合成反応でもある。ウンビニリウムの原子は確認されず、限界断面積は200fbであることが示唆された[22]。Jens Volker Kratzは、これらのどの反応によってもウンビニリウムを生成できる実際の最大断面積は0.1fb程度であると予測した[44]。 これに対して、成功した反応の最小断面積の世界記録は、209Bi(70Zn,n)278Nhという反応の30fbであり[20]、Kratzは隣のウンウンエンニウムを生成するための最大断面積を20fbと予測した[37]。 これらの予測が正確であれば、ウンウンエンニウムの合成は現在の技術の限界であり、ウンビニリウムの合成には新しい手法が必要になるだろう[37]

ウンビウニウム[編集]

ウンビウニウムの合成は、1977年にドイツのダルムシュタットにある重イオン研究所(GSI)で、ウラン238を標的にして65イオンを照射することで初めて試みられた。

238
92
U
+ 65
29
Cu
303
121
Ubu
* → no atoms

原子は確認されなかった[11]

ウンビビウム[編集]

ウンビビウムの合成は、1972年にドゥブナ合同原子核研究所(JINR)のゲオルギー・フリョロフらによって、重イオンによる熱核融合反応を利用して初めて試みられた[10]

238
92
U
+ 66,68
30
Zn
304, 306
122
Ubb
* → no atoms

この実験は、N = 184、Z > 120に安定の島が存在するという初期の予測に基づいて行われた。原子は検出されず、収率限界は5nb(5,000pb)と測定された。現在の結果(フレロビウム参照)では、これらの実験の感度は少なくとも3桁は低かったことが示されている[12]

2000年には、ドイツの重イオン研究所(GSI)のチームが、より高い感度で類似した実験を行った[10]

238
92
U
+ 70
30
Zn
308
122
Ubb
* → no atoms

これらの結果は、このような重い元素の合成は依然として大きな課題であり、ビーム強度と実験効率のさらなる向上が必要であることを示している。より質の高い結果を得るためには、将来的には感度を1fbまで上げる必要がある。

ウンビビウムの合成は、1978年にもGSIで行われ、天然のエルビウムを標的にキセノン136イオンを照射したが原子は確認されなかった[10]

nat
68
Er
+ 136
54
Xe
298, 300, 302, 303, 304, 306
122
Ubb
* → no atoms

特に、170Erと136Xeの反応では、半減期がマイクロ秒のアルファ線が発生し、半減期が数時間にも及ぶフレロビウムの同位体に崩壊すると予想されていた。フレロビウムは安定の島の中心近くにあると予測されていたためである。しかし12時間照射しても、この反応は起こらなかった。同じように238Uと65Cuからウンビビウムを合成しようとしたが成功しなかった。超重核の半減期は1マイクロ秒以下であるか、あるいは断面積が非常に小さいと結論づけられた[38]。 超重元素の合成に関する最近の研究では、この2つの結論が正しいことが示唆されている[20][39]。ウンビビウムを合成する1970年代の2つの試みは両方とも、超重元素が潜在的に自然に存在する可能性があるかどうかを調査する研究によって推進された[10]

306Ubbのような様々な超重核化合物核の核分裂特性を調べるいくつかの実験が、2000年から2004年にかけて、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所(JINR)で行われた。2つの核反応、すなわち248Cm + 58Feと242Pu + 64Niについて実施された[10]。その結果、超重核は主に132Sn(Z = 50、N = 82)のような閉殻核を排出して核分裂することが明らかになった。また、48Caと58Feの発射体では、核融合-核分裂経路の収率が同程度であることが判明し、将来的に58Feの発射体を超重元素生成に利用できる可能性が示唆された[40]

ウンビクアジウム[編集]

フランスのカーンにあるGANIL(Grand Accélérateur National d'Ions Lourds、国立重イオン大型加速器)の科学者たちは、この領域での殻模型効果を探り、次の球状陽子殻を突き止めるために、Z = 114、120、124の元素の複合核の直接核分裂と遅延核分裂を測定しようとした。これは、原子核の殻が完全であれば(あるいは陽子中性子魔法数であれば)、超重元素の原子核の安定性が高まり、安定の島に近づくことになるからである。2006年には、天然のゲルマニウムにウランイオンを衝突させた反応の結果が発表され、2008年には完全な結果が発表された。

238
92
U
+ nat
32
Ge
308, 310, 311, 312, 314
124
Ubq
* → fission

研究チームは、半減期が10-18秒以上の複合核の核分裂を確認できたことを報告した。この結果は、Z = 124で強い安定化効果があることを示唆しており、次の陽子殻が、従来考えられていたZ = 114ではなく、Z > 120であることを示している。複合核とは、まだ核の殻に収まっていない核子のゆるやかな組み合わせである。内部構造を持たず、標的核と発射核の衝突力のみで結合している。核子が核の殻に収まるまでには約10-14秒かかると言われており、その時点で複合核は核子となる。IUPACではこの数字を、発見された同位体と認められるために必要な最小半減期としている。そのため、GANILの実験は124番元素の発見にはならない[10]

複合核312124の核分裂は,2006年にイタリアのレニャーロ国立研究所(Laboratori Nazionali di Legnaro)にあるタンデムALPI重イオン加速器でも研究されている[41]

232
90
Th
+ 80
34
Se
312
124
Ubq
* → fission

ドゥブナ合同原子核研究所(JINR)で行われた過去の実験と同様に、核分裂片は132Sn(Z = 50、N = 82)のような二重魔法数の周りに集まっており、超重核が核分裂でこのような二重魔法数の核子を排出する傾向があることが明らかになった[40]。また、312124複合核からの核分裂1回あたりの平均中性子数も(軽い系に比べて)増加しており、重い核が核分裂でより多くの中性子を放出する傾向が超重質量領域まで続いていることが確認された[41]

ウンビペンチウム[編集]

1970年から1971年にかけて、ドゥブナ合同原子核研究所亜鉛イオンとアメリシウム243の標的を用いて、最初で唯一のウンビペンチウムの合成が行われた[12]

243
95
Am
+ 66, 68
30
Zn
309, 311
125
Ubp
* → no atoms

原子は検出されず,断面積の限界は5nbと決定された。この実験は、Z ~ 126やN ~ 184付近の原子核がより安定である可能性に基づいて行われたが[12]、最近の研究では,安定の島はむしろより低い原子番号(コペルニシウムZ = 112など)にあるのではないかと考えられており、ウンビペンチウムのような重い元素の合成には、より感度の高い実験が必要であるとされている[20]

ウンビヘキシウム[編集]

1971年にCERN(欧州合同素粒子原子核研究機構)でRené BimbotとJohn M. Alexanderが熱核融合反応を用いてウンビヘキシウムの合成を試みたが、成功しなかった[10]

232
90
Th
+ 84
36
Kr
316
126
Ubh
* → no atoms

高エネルギー(13~15MeV)のアルファ粒子が観測され、ウンビヘキシウムの合成の証拠となる可能性があるとされた。その後、より高い感度での実験に失敗したことから、この実験の10mbの感度は低すぎたと考えられ、この反応でウンビヘキシウムの原子核が生成される可能性は極めて低いと考えられている[8]

ウンビセプチウム[編集]

1978年、重イオン研究所(GSI)のUNILAC加速器で、天然タンタルを標的にキセノン136イオンを照射し、ウンビセプチウムを合成する最初で唯一の試みが行われたが、成功しなかった[10]

nat
73
Ta
+ 136
54
Xe
316, 317
127
Ubs
* → no atoms

自然界での探索[編集]

1976年、アメリカの複数の大学の研究者グループが、鉱物による原因不明の放射線障害(特に放射性ハロー英語版)の原因として、原生的な超重元素、主にリバモリウム、ウンビクアジウム、ウンビヘキシウム、ウンビセプチウムがあると提唱した[8]。 これを受けて、1976年から1983年にかけて、多くの研究者が自然界での探索を行った。1976年、カリフォルニア大学デービス校のTom Cahill教授のグループは、観察された障害を引き起こすのに該当するエネルギーのアルファ粒子X線を検出したと主張し、これらの元素の存在を裏付けた。特に、長寿命(109年オーダー)のウンビクアジウムとウンビヘキシウムの原子核および、その崩壊生成物の存在が推測され、その存在量は同族体のウランプルトニウムと比較して10−11であるとされた[42]。 他の人々は、何も検出されなかったと主張し、原初の超重原子核の提案された特徴に疑問を呈した[8]。特に彼らは、そのような超重核はN = 184またはN = 228で閉じた中性子殻を持っていなければならず、安定性を高めるために必要なこの条件は、リバモリウムの中性子不足の同位体または、(ほとんどの天然に存在する同位体とは異なり)ベータ安定性[8]を持たない他の元素の中性子過剰同位体にしか存在しないことを挙げていた[43]。 また超重元素は、天然のセリウムの核変換によって引き起こされたとも提案されており、超重元素の観測と主張していたものの、さらに曖昧さを増していた[8]

2008年4月24日、ヘブライ大学アムノン・マリノフ英語版を中心とするグループが、自然界に存在するトリウムの鉱床から、トリウムに対して10−11から10−12の割合でウンビビウム292の単原子を発見したと主張した[44]。マリノフらの主張は、一部の科学者から批判された。マリノフは、ネイチャー誌とネイチャー フィジクス誌に論文を投稿したが、査読に回さずに両誌から断られたと主張していた[45]。ウンビビウム292原子は超変形または過変形された核異性体であり、半減期は少なくとも1億年であると主張していた[10]

2008年のフィジカル・レビューC誌に、質量分析法でより軽いトリウムの同位体を識別すると称して使われていた[46]、この技術に対する批判が掲載された[47]。掲載されたコメントの後に、Marinovグループによる反論がフィジカル・レビューC誌に掲載された[48]

加速器質量分析(AMS)の優れた方法を使用したトリウムの繰り返し実験では、感度が100倍優れているにもかかわらず、結果を確認できなかった[49]。この結果は、マリノフグループが主張するトリウム[46]レントゲニウム[50]、ウンビビウム[44]の長寿命同位体に関する結果に大きな疑問を投げかけるものであった。ウンビビウムの痕跡が一部のトリウム試料にのみ存在する可能性はあるが、見込みは薄い[10]

現在の地球上に原生超重元素がどの程度存在しうるかは不確かである。それらがずっと前に放射線損傷を引き起こしたことが確認されたとしても、それらは今では単なる痕跡に崩壊したか、あるいは完全になくなったかもしれない[51]。そのような超重元素の原子核が自然に生成されるかどうかも不確かである。というのも、自発核分裂によって、質量数270から290の間で重元素生成の原因となるr過程を終了させると予想されており、ウンビニリウムよりも重い元素が生成されるずっと前に終了するからである[52]

最近の仮説では、プシビルスキ星のスペクトルを用いて、フレロビウムウンビニリウムウンビヘキシウムの天然での存在を説明しようとしている[53][54][55]

第8周期元素の予想される性質[編集]

118番元素のオガネソンは、これまでに合成された元素の中で最も重い元素である。次の2つの元素、119番元素120番元素はそれぞれアルカリ金属アルカリ土類金属の8s元素になると思われる。120番元素を超えると超アクチノイド系列が始まると予想されており、8s電子と8p1/2、7d3/2、6f、5gの各電子殻の充填によって、これらの元素の化学的性質が決定される。122番より大きい元素については状態が非常に複雑であるため、完全で正確なCCSD計算はできない。5g、6fおよび7d軌道はほぼ同じエネルギー準位を持ち、160番元素の領域では、9s、8p3/2、9p1/2の各軌道もほぼ同じエネルギーになると考えられる。これにより電子殻が混ざり合い、ブロックの概念がうまく適用されなくなる。また、一部の元素を周期表に配置するのが非常に困難になる新しい化学的性質が生じると予想される[56]

Dirac–Fock法を使用して予測された、Z = 100〜172の元素の最外殻電子のエネルギー固有値(eV)。−および+記号は、それぞれスピン軌道相互作用によって軌道角運動量が減少または増加した軌道を示す。p−はp1/2、p+はp3/2、d−はd3/2、d+はd5/2、f−はf5/2、f+はf7/2、g−はg7/2、g+はg9/2である[57]

化学的および物理的性質[編集]

119番元素および120番元素[編集]

119番元素と120番元素の予想される性質[4][56]
119 120
原子量 [322] [325]
1 2
電子配置 8s1 8s2
安定な酸化数 1, 3 2, 4
第一イオン化エネルギー 463.1 kJ/mol 563.3 kJ/mol
金属結合半径 260 pm 200 pm
密度 3 g/cm3 7 g/cm3
融点 0–30 °C (270–300 K) 680 °C (950 K)
沸点 630 °C (900 K) 1,700 °C (2,000 K)

第8周期における最初の2つの元素は、119番元素のウンウンエンニウムと120番元素のウンビニリウムである。これらの元素の電子配置は、8s軌道が満たされると思われる。この軌道は相対論的に安定し収縮しているので、119番元素と120番元素は、周期表直上のフランシウムラジウムよりも、ルビジウムストロンチウムに似ていると考えられる。8s軌道の相対論的収縮によるもう一つの効果は、これら2つの元素の原子半径が、フランシウムやラジウムの原子半径とほぼ同じになることである。これらの元素は、通常のアルカリ金属アルカリ土類金属のように振る舞い(周期表直上の元素よりも反応性は低い)、通常はそれぞれ+1と+2の酸化数を取るが、7p3/2電子殻の相対論的な不安定さと7p3/2電子の比較的低いイオン化エネルギーにより、それぞれ+3や+4のような高い酸化数も可能になると考えられる[4][56]

超アクチノイド元素[編集]

ロシアの化学者ネフェドフロシア語版らによると、超アクチノイド元素は121番元素から157番元素までと考えられており、第8周期の5g、6f元素と一部の7d元素に分類される[58]。超アクチノイド系列では、7d3/2、8p1/2、6f5/2、5g7/2の各電子殻が同時に満たされると予想される[57]。これは非常に複雑な状態となるため、完全で正確なCCSD計算は121番元素と122番元素に対してのみ適用される[56]。最初の超アクチノイド元素であるウンビウニウム(121番元素)は、ランタンアクチニウムと似ていると考えられる[59]。主な酸化状態は+3であるが、価電子殻のエネルギー準位が近いため、119番元素や120番元素のように、より高い酸化数を取る可能性がある[56]。8p電子殻が相対論的に安定しているので、121番元素の基底状態における価電子配置は8s28p1となり、ランタンやアクチニウムのds2配置とは対照的である[56]。しかし、この異常な配置は計算上の化学的性質に影響を与えないようで、性質はアクチニウムと似ていると考えられる[60]。第一イオン化エネルギーは429.4 kJ/molと予想され、アルカリ金属カリウムルビジウムセシウムフランシウムを除くすべての既知の元素よりも低く、この値は第8周期のアルカリ金属であるウンウンエンニウム(463.1 kJ/mol)よりもさらに低い。同様に、次の超アクチノイド元素であるウンビビウム(122番元素)は、セリウムトリウムと似ており、主な酸化数は+4と予想される。基底状態では7d18s28p1か8s28p2の価電子配置を持ち[61]、トリウムの6d27s2配置とは異なると考えられる。したがって、第一イオン化エネルギーはトリウムよりも小さくなる(Th: 6.3 eV; Ubb: 5.6 eV)。これは、ウンビビウムの8p1/2電子がトリウムの6d電子よりもイオン化しやすいことによる[56]。5g軌道の軌道崩壊(原子番号が大きくなる際、他の電子軌道よりもエネルギー準位が小さくなること)は125番元素あたりまで遅れる。電子数が119のときの等電子的な電子配置は、119番元素から122番元素では[Og]8s1、123番元素と124番元素では[Og]6f1、125番元素以降では[Og]5g1になると予想されている[62]

原子番号の小さい超アクチノイド元素では電子の結合エネルギーが十分に小さく、すべての価電子を電離することができると予測されている。例えば、ウンビヘキシウム(126番元素)は、容易に+8の酸化数を取ることができ、次のいくつかの元素ではさらに高い酸化数が可能であると考えられる。ウンビヘキシウムは、他のさまざまな酸化数を示すことも予測されている。最近の計算では、ウンビヘキシウムの5g軌道フッ素の2p軌道の間の結合相互作用によって、安定な一フッ化物UbhFができる可能性が示唆されている[63]。 その他の予測される酸化数には+2、+4、+6などがあり、+4はウンビヘキシウムにおける最も普通の酸化数であると予想されている[57]。ウンビセプチウム(125番元素)からウンビエンニウム(129番元素)までの超アクチノイド元素は+6の酸化数を示し六フッ化物を形成すると予測されているが、UbpF6とUbhF6は比較的弱い結合になると予測されている[62]結合解離エネルギーは127番元素で大きく増加し、129番元素ではさらに増加すると予測されている。このことは、125番元素フッ化物の強いイオン性から、129番元素フッ化物における8p軌道を含んだ共有結合性への移行を示唆している。これら超アクチノイド元素六フッ化物における結合のほとんどは、六フッ化ウランのようにウランが5fと6dの軌道を使って結合するのではなく、超アクチノイド元素で最もエネルギー準位の高い8p電子殻とフッ素の2p電子殻の間で行われる[62]

初期の超アクチノイド元素は高い酸化数に達することができるにもかかわらず、5g電子は最もイオン化しにくいと計算されている、Ubp6+とUbh7+イオンは5g1配置になると予想されており、これはNp6+イオンの5f1配置に似ている[13][62]。 似たような挙動は化学的活性の低いランタノイドの4f電子でも見られるが、これは5g軌道が小さく、電子雲に深く埋もれていることに起因する[13]。 現在知られている元素の基底状態の電子配置には存在しないg軌道の電子が存在することで、未知の混成軌道が形成され、超アクチノイド元素の化学的性質に新たな影響を与えると考えられる。だが既知の元素にg軌道電子が存在しないため、超アクチノイド元素の化学的性質を予測することは困難である[4]

超アクチノイド元素の予想される化合物(Xはハロゲン)[13][62][64]
121 122 123 124 125 126 127 128 129 132 142 143 144 145 146 148 153 154 155 156 157
化合物 UbuX3 UbbX4 UbtX5 UbqX6 UbpF
UbpF6
UbpO2+
2
UbhF
UbhF6
UbhO4
UbsF6 UboF6 UbeF
UbeF6
UqbX4
UqbX6
UqtF6 UqqX6
UqqO2+
2

UqqF8
UqqO4
UqpF6 UqoO6
類似化合物 LaX3
AcX3
CeX4
ThX4
NpO2+
2
ThF4 UF6
UO2+
2

PuF8
PuO4
UO6
酸化数 3 4 5 6 1, 6, 7 1, 2, 4, 6, 8 6 6 1, 6 6 4, 6 6, 8 3, 4, 5, 6, 8 6 8 12 3 0, 2 3, 5 2 3

超アクチノイド元素の後半では、酸化数はが低くなると予想される。132番元素では、最も安定した酸化数は+6のみが主となり、144番元素ではさらに+3と+4へ減少し、超アクチノイド系列の最後では+2(場合によっては0)となると考えられる。これは、その時点で充填される6f電子殻が電子雲の奥深くにあり、8sおよび8p1/2電子が強く結合しているため、化学的に活性とならないためである。5g電子殻が満たされるのは144番元素、6f電子殻が満たされるのは154番元素あたりと予想されるが、この領域の超アクチノイド元素では、8p1/2電子が強く結合して化学的に活性ではなくなり、化学反応に関与できるのは数個の電子だけになる。Frickeらの計算によると、154番元素で6f電子軌道が満たされ、化学的に不活性な8s殻と8p1/2殻の外側には、d軌道または他の電子の波動関数がないと予測されている。これにより、154番元素は貴ガスのような性質を持ち、むしろ不活性である可能性がある[4][56]。それにもかかわらず、ピューッコの計算では、155番元素は6f電子がイオン化可能であると予想している。Upp3+は6f電子殻が満たされ、第4イオン化ポテンシャルは、+4価のテルビウムジスプロシウムの間になると考えられる。[13]

ランタノイドやアクチノイドの収縮と同様に、超アクチノイド元素のイオン半径が予想よりも小さい超アクチノイド系列では、超アクチノイドの収縮が起こると思われる。ランタノイドおよびアクチノイドの波動関数は5f軌道に比べ4f軌道でより局在化しているため、アクチノイドよりもランタノイドの方が収縮率が大きい。ランタノイド、アクチノイド、超アクチノイドで外殻電子の波動関数を比較すると、超アクチノイドでは1元素あたり約2pmの収縮が予想される。これはランタノイドとアクチノイドの収縮よりも小さいが、ランタノイドとアクチノイドではそれぞれ4f軌道と5f軌道に14個の電子が満たされるのに対し、超アクチノイドでは深く埋もれている5g軌道と6f軌道に32個の電子が満たされるため、全体の効果は大きくなる[4]

ペッカ・ピューッコは、超アクチノイドを3つに分類した。5g系列(121~138番元素)、8p1/2系列(139~140番元素)、6f系列(141~155番元素)。これらはエネルギー準位間の重複が多く、初期の超アクチノイド原子やイオンでは6f、7d、8p1/2軌道も占有されている可能性がある。また彼は、これらが「超ランタノイド」に近い挙動を示すと予想している。5g電子はほとんど化学的に不活性であることと、各ランタノイドの1つか2つの4f電子だけが化合物でイオン化されるのに似ているという意味である。彼はまた、超アクチノイド元素の取りうる酸化数は6f系列で非常に高くなり、148番元素では+12のような値になるかもしれないと予想した[13]

アンドレイ・クルシャは、121番から156番までの36個の元素を「超遷移元素」と呼び、121番から138番までと139番から156番まで、18個ずつ2系列の元素に分けて考えることを提案した。1つ目はランタノイドに類似した元素群で、酸化数は主に+4から+6の範囲、5g電子殻の充填が支配的であり、ウランネプツニウムプルトニウムのように隣り合う元素は互いに非常によく似ていると考えた。最初(140番台の元素あたり)は、6f電子殻が7d電子殻より優先されるため非常に高い酸化数が予想されるが、その後典型的な酸化数は下がり、150番台以降の元素では8p1/2電子によって化学的に活性ではなくなる。この18元素2系列は5g18電子殻によって分離されているため、互いに類似体であると考えることができる[65]

後半の超アクチノイド元素の例として、156番元素は主に+2の酸化数を示すと予想されるが、これは安定した[Og]5g186f148s28p2
1/2
電子配置の上に電離しやすい7d2電子があるためである。これはノーベリウムのより重い同族体と考えることができ、安定した[Rn]5f14電子配置の上に電離しやすい7s2電子のペアを持つため、通常は+2価であるのと同様である(+3価のノーべリウムを得るためには強力な酸化剤が必要である)[65]。 その第一イオン化エネルギーは約400kJ/mol、金属半径は約170ピコメートルと予想される。原子量は445u前後[4]で、密度は約26g/cm3と非常に重い金属であると推定される。

157~166番元素[編集]

第8周期の7d遷移金属は157~166番元素と予想されている。これらの元素では8sと8p1/2電子が非常に強く結合しているため、いかなる化学反応にも関与しないと考えられるが、9sと9p1/2軌道は容易に混成すると予想される[4][56]。 これらの7d元素は、4d元素のイットリウムからカドミウムに似ていると思われる[65]。 特に、7d109s0電子配置を持つ164番元素は、4d105s0電子配置を持つパラジウムと明確な類似性がある[57]

第8周期遷移元素の貴金属は、より軽い同族元素ほどの貴金属性を示さないと考えられている。遮蔽のための外側のs殻がないことと、相対論的効果により7d電子殻が2つの副殻に強く分かれるためである。このため、7d遷移金属の第一イオン化エネルギーは、より軽い同族元素の第一イオン化エネルギーよりも小さくなっている[4][56][57]

ウンヘキサクアジウムの化学への関心は、理論的な予測に大きく向けられている。特に、472Uhqと482Uhqの同位体(陽子が164個、中性子が308個または318個)が、仮想的な第2の安定の島の中心になるという予測がされている点である(第1の島はコペルニシウム、特に半減期が数百年または数千年と予想される同位体291Cn、293Cn、296Cnが中心である)[66][37][67][68]

計算上、164番元素(ウンヘキサクアジウム)の7d電子は化学反応に対して非常に関与しやすいと予測されるため、ウンヘキサクアジウムは通常の+2価に加えて、強い配位子を持つ水溶液中で安定した+6および+4の酸化数を示すと予想される。このため、ウンヘキサクアジウムは、Uhq(CO)4、Uhq(PF3)4(いずれも対応するパラジウム化合物と同様に四面体)、Uhq(CN)2−
2
(直線形分子構造)のような化合物を形成することができると考えられ、これはの挙動とは非常に異なる。もし相対論的な影響がなければ、ウンヘキサクアジウムはより重い鉛の同族体となっていたであろう。とはいえ、水溶液中では2価の状態が主であり(ただし、より強い配位子を用いれば、+4や+6の状態も可能である)、ウンヘキサクアジウム(II)はウンヘキサクアジウム(IV)やウンヘキサクアジウム(VI)よりも鉛に近い挙動を示すと考えられる[56][57]

ウンヘキサクアジウムはやわらかいルイス酸であり、Ahrlands硬度は4eVに近いと予測される。ウンヘキサクアジウムは中程度の反応性であり、第一イオン化エネルギーはモリブデンに近く、約685kJ/molと予想される[4][57]。ランタノイド、アクチノイド、超アクチノイドの収縮により、ウンヘキサクアジウムの金属半径はわずか158pmであり、はるかに軽い元素のマグネシウムと非常に近い(ウンヘキサクアジウムの予想原子量は約474uであり、マグネシウム原子量の約19.5倍であるにもかかわらず、である)[4]。 この半径の小ささと重量の大きさから、密度は約46 g·cm−3と非常に高く、現在知られている元素の中で最も密度の高いオスミウムの22.61 g·cm−3の2倍以上になると予想されている。ウンヘキサクアジウムは、周期表の172元素の中で2番目に密度の高い元素であると考えられ、これより密度が高いのは隣のウンヘキサトリウム(163番元素)の47 g·cm−3のみと予想されている[4]。 金属状態のウンヘキサクアジウムは、共有結合による凝集エネルギー(結晶化エンタルピー)が非常に大きく、その結果、融点が高くなると考えられる。金属状態のウンヘキサクアジウムは、パラジウムや白金に似た貴金属であると予想されている。Frickeらは、閉殻構造を持ちイオン化エネルギーが似ているオガネソンとの類似性を示唆しているが、オガネソンが反応しやすい貴ガスであるのに対し、ウンヘキサクアジウムは反応しにくい貴金属であると述べている[57]

最後の2つの7d金属である元素165(ウンヘキサペンチウム)と166(ウンヘキサヘキシウム)は、それぞれ+1と+2の酸化数を取り、アルカリ金属アルカリ土類金属と同様の挙動を示すと予想される。相対論的な効果により、9s電子は非相対論的な計算で予測されるよりもはるかに強く結合するため、9s電子のイオン化エネルギーはナトリウムマグネシウムの3s電子のイオン化エネルギーに匹敵すると考えられる。165番元素と166番元素は通常それぞれ+1と+2の酸化数を示すと思われるが、7d電子のイオン化エネルギーが十分に低いため、元素165は+3価のような高い酸化数も可能である。166番元素の酸化数+4は起こりにくく、11族と12族のより軽い元素(特に水銀)と似た状態を作ると思われる[4][56]。166番元素はコペルニシウムではなく水銀のようにUhh2+にイオン化し、d電子ではなくs電子を失って7d10配置になり、12族元素の亜鉛、カドミウム、水銀のような遷移金属の性質を持たない「相対性の低い」状態になると予想される[13]

156~166番元素の予測される性質
金属の半径と密度は概算である[4][13][56]
最も類似した元素族を最初に表記し、次いで他の類似した元素族を示した[57]
156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166
原子量 [445] [448] [452] [456] [459] [463] [466] [470] [474] [477] [481]
Yb
(4)
3
(5)
4
(6)
5
(7)
6
(8)
7
(9)
8
(10)
9
(11)
10
(12, 14, 18)
11
(1, 13)
12
(2, 14)
電子配置 7d2 7d3 7d4 7d5 7d6 7d7 7d8 7d9 7d10 7d10 9s1 7d10 9s2
安定した酸化数 2 3 4 1, 5 2, 6 3, 7 4, 8 5 0, 2, 4, 6 1, 3 2
第一イオン化エネルギー 400 kJ/mol 450 kJ/mol 520 kJ/mol 340 kJ/mol 420 kJ/mol 470 kJ/mol 560 kJ/mol 620 kJ/mol 690 kJ/mol 520 kJ/mol 630 kJ/mol
金属結合半径 170 pm 163 pm 157 pm 152 pm 148 pm 148 pm 149 pm 152 pm 158 pm 250 pm 200 pm
密度 26 g/cm3 28 g/cm3 30 g/cm3 33 g/cm3 36 g/cm3 40 g/cm3 45 g/cm3 47 g/cm3 46 g/cm3 7 g/cm3 11 g/cm3

167~172番元素[編集]

周期表の次の6つの元素は、第8周期での最後の元素群になると予想され[13]、5p元素のインジウムからキセノンに似ていると考えられる[65]。 167~172番元素では、9p1/2電子殻と8p3/2電子殻が満たされると予想される。これらのエネルギー固有値は非常に近いため、非相対論的な2pと3pの電子軌道と同様に、1つの結合したp軌道として振る舞う。したがって不活性電子対効果は起こらず、167~170番元素の最も一般的な酸化数はそれぞれ+3、+4、+5、+6になると予想される。171番元素(ウンセプトウニウム)は、酸化数を-1から+7まで取りハロゲンに似た性質を示すが、物性は金属に近いと予想される。電子親和力は3.0eVで、ハロゲン化水素に似たHUsuを形成できると考えられる。Usuイオンはヨウ化物(I)のようなやわらかい塩基になると予想されている。172番元素(ウンセプトビウム)は、イオン化エネルギーが非常に似ていることから(Xe, 1170.4 kJ/mol; Usb, 1090 kJ/mol)、キセノンと同じような化学的挙動を示す貴ガスになると予想されている。両者の唯一の主な違いは、172番元素はキセノンと異なり原子量がはるかに大きいため、標準状態では液体または固体になると予想されることである[4]。ウンセプトビウムは、より軽い同族体であるキセノンと同様に、フッ化物や酸化物を形成する強いルイス酸であると予想される[57]。165-172番元素が第2周期や第3周期に類似していることから、Frickeらはこれらの元素が周期表の第9周期を形成すると考え、一方で第8周期は貴金属の164番元素で終わると考えた。この第9周期は、第2、第3周期と同様に、遷移金属を持たないと予想されている[57]

167~172番元素の予想される性質
金属半径または共有結合半径と密度は概算である[4][56][57]
167 168 169 170 171 172
原子量 [485] [489] [493] [496] [500] [504]
13 14 15 16 17 18
電子配置 9s2 9p1 9s2 9p2 9s2 9p2 8p1 9s2 9p2 8p2 9s2 9p2 8p3 9s2 9p2 8p4
安定した酸化数 3 4 5 6 −1, 3, 7 0, 4, 6, 8
第一イオン化エネルギー 620 kJ/mol 720 kJ/mol 800 kJ/mol 890 kJ/mol 984 kJ/mol 1090 kJ/mol
金属半径または共有結合半径 190 pm 180 pm 175 pm 170 pm 165 pm 220 pm
密度 17 g/cm3 19 g/cm3 18 g/cm3 17 g/cm3 16 g/cm3 9 g/cm3

172番より大きい元素[編集]

最後の第8周期元素である172番元素は、オガネソン(最後の第7周期元素)同様の貴ガスになると予想されている。その先には、超アクチノイドのような別の長い遷移系列が始まり、少なくとも6g、7f、8dの電子殻が満たされるはずである(10s、10p1/2、6h11/2はエネルギーが高すぎて、この系列の初期には関与できない)。これらの電子は非常に緩く結合しており、非常に高い酸化数に到達できる可能性があるが、イオン価が増えると電子はより強固に結合することになる[57]

173番元素(ウンセプトトリウム)では、一番外側の電子が6g7/2電子殻に入る。スピン軌道相互作用によって8p3/2と6g7/2の電子殻の間に非常に大きなエネルギーギャップが生じるため、この最外殻の電子は非常に緩く結合し、非常に簡単に電離してUst+カチオンを形成すると予想される。その結果、173番元素は化学的にはアルカリ金属のように振る舞い、セシウムよりもはるかに反応性が高いと予想されている(フランシウムと119番元素は相対論的効果のためにセシウムよりも反応性が低い)[69][65]

元素184(ウンオクタクアジウム)は、当初陽子数184がマジックナンバーになると推測されていたため、初期の予測ではかなり関心を集めていた。電子配置は[Usb] 6g5 7f4 8d3で、少なくとも7fと8dの電子が化学的に活性であると予測されている。この物質の化学的挙動は、ウランネプツニウムと同様に、+6価より大きく(6g電子の電離に相当)イオン化することはむずかしいと予想される。水溶液中では+4価が最も一般的で、固体化合物では+5価と+6価に到達すると考えられる[4][57][70]

周期表の終わり[編集]

物理的に可能な元素の数は明らかになっていない。低く見積もった場合、周期表は安定の島の後すぐに終わる可能性があり[14]、それはZ = 126を中心としたものになると予想される。周期表と原子核種の拡張は、陽子および中性子のドリップラインと、アルファ崩壊や自発核分裂に対する安定性によって制限される[71]。Y.Gambhirらの計算では、様々な崩壊経路における核結合エネルギーと安定性を分析し、結合した原子核の存在はZ = 146が限界であることを示唆している[72]ワルター・グライナーのように、周期表に終わりがないかもしれないと予測した人もいる[73]。 周期表に終わりがあると予測した人には、Z = 128(John Emsley)やZ = 155(Albert Khazan)がいる[10]

原子番号137以上の元素[編集]

物理学者の間では、リチャード・P・ファインマンが、Z = 137より大きい原子番号の中性原子は存在しないと示唆したという「民間伝説」がある。これは、相対論的なディラック方程式によって、そのような原子の最内殻電子では基底状態のエネルギーが虚数になることが予測されるためである。この137という数字は、微細構造定数の逆数である。この論法では、中性原子はウントリセプチウムまでしか存在しないことになり、電子軌道に基づいた元素周期表はこの時点で破綻する。しかし、この議論は、原子核が点状であることを前提としている。より正確に計算するためには、原子核の大きさが小さいがゼロではないことを考慮しなければならず、その結果、限界はさらにZ ≈ 173まで上がると予測されている[73]

ボーアの原子模型[編集]

ボーアの原子模型は、原子番号が137より大きい原子が成立することの難しさを示す。1s電子軌道上の電子の速度vは次式で与えられる。

ここで、Z原子番号αは電磁的相互作用の強さを表す微細構造定数である[74]。この近似式では、原子番号が137より大きい元素は、1s電子が光速であるcより速く移動する必要がある。したがって、非相対論的なボーアの原子模型をこのような元素に適用することは不正確である。

相対論的ディラック方程式[編集]
ディラック方程式(原子核の大きさが有限であることを考慮)から得られた1s、2s、2p1/2、2p3/2殻のエネルギー固有値(Z = 135-175 (–·–)、Thomas-Fermiポテンシャルの場合 (—)、Z = 160-170の自己無撞着ポテンシャルの場合 (---)[4]

相対論的なディラック方程式により、基底状態のエネルギーは次のように与えられる。

ここで、mは電子の静止質量である。Z > 137の場合、ディラック基底状態の波動関数は束縛ではなく振動的であり、クラインのパラドックスのように正負のエネルギースペクトルの間にギャップはない[75]。 原子核の有限サイズの影響を考慮したより正確な計算では、束縛エネルギーがZ > Zcr ≈ 173で初めて2mc2を超えることが示されている。Z > Zcrの場合、最も内側の軌道(1s)が満たされていないと、原子核の電界によって電子が真空から引き出され陽電子が自然放出される[76][77]。 この1s電子殻における負の連続体への飛び込みは、しばしば周期表の「終わり」を意味すると考えられてきたが、より詳細な考察によれば、それほど暗い結果にはならないことが示唆されている[13][73][78]

Zcr ≈ 173以上の原子番号を持つ原子は、「超臨界原子」と呼ばれている。超臨界原子は、電子と陽電子のペアが負の連続体から生成されるため、完全にイオン化することはできない。電子が束縛され、陽電子が脱出する自発的なペア生成によって1s電子殻が満たされるためである。しかし、原子核の周りの強磁場は非常に狭い空間に限られているため、負の連続体に飛び込んだ電子殻が埋まると、それ以上の自発的な対生成はパウリの排他原理によって禁じられてしまう。173~184番元素は、1s電子殻のみが負の連続体に飛び込んでいるため、「弱超臨界原子」と呼ばれている。185番元素では2p1/2電子殻が、245番元素では2s電子殻が結合すると予想されている。重い原子核を衝突させて超臨界電荷を作り出し、自発的なペアの生成を検出する実験は今のところ成功していない(例えば、鉛とウランを衝突させると瞬間的に実効Zが174になり、ウランとウランでは実効Z = 184、ウランとカリホルニウムでは実効Z = 190となる)。超臨界原子は電子構造に問題がないと予想されるので、周期表の最後は電子殻の不安定性ではなく核の不安定性で決まるのかもしれない[79]

クォーク物質[編集]

また、A > 300を超える領域には、陽子や中性子に束縛されたクォークではなく、アップクォークダウンクォークが自由に流れる、安定したクォーク物質の仮想的な相からなる「安定の大陸」が存在するのではないかと考えられている。このような物質は、バリオンあたりの結合エネルギーが陽子や中性子よりも大きいバリオン物質の基底状態であり、この質量閾値を超えると陽子や中性子が崩壊してクォーク物質になると考えられている。もしこの状態の物質が存在するならば,通常の超重核に生成するのと同じ核融合反応で合成される可能性があり、クーロン斥力を克服するのに十分なほど強い結合の結果として、核分裂に対して安定となるだろう[80]

最近の計算[81]では、アップダウンクォークマター(udQM)ナゲットはA ~ 266を超えても従来の原子核に対して安定であることが示唆されており、また、udQMナゲットは従来の原子核(Zcr ~ 177、A ~ 480)よりも早く(Zcr ~ 163、A ~ 609)超臨界になることが示されている。

原子核の性質[編集]

魔法数と安定の島[編集]

超重核の予測される半減期(上)と崩壊形式(下)。陽子が多い合成原子核はZ = 120以降すぐに途切れると予想される。理由としてZ = 121からは半減期が1マイクロ秒よりも短くなり、Z = 122以降はアルファ崩壊ではなく自発核分裂の寄与が大きくなり、Z = 125からはそれが支配的になり、そしてZ = 130付近に陽子ドリップラインがあるためである。白いリングは安定の島の予想される位置を示している。白抜きの2つの正方形は291Cn293Cnを示しており、半減期が数百年から数千年に及ぶ島の中で最も長寿命の核種であると予測されている[39]。 2枚目の写真の左下にある黒い正方形はウラン238で、最も重い原生核種(地球ができてから現在まで生き残っているほど安定な核種)である。

原子核の安定性は、96番元素のキュリウム以降原子番号が大きくなるにつれて急速に短くなるため、101番より大きい原子番号を持つ同位体はドブニウム268を除いて、半減期が1日以下で放射性崩壊をしてしまう。原子番号が82()より大きい元素には安定同位体が存在しない[82]。しかし、まだあまりよくわかっていない理由で、原子番号110114付近では核の安定性がわずかに増し、核物理学では「安定の島」と呼ばれるものが存在する。この概念はカリフォルニア大学バークレー校グレン・シーボーグ教授が提唱したもので,超重元素が予測よりも長持ちする理由を説明している[83]

非相対論的なSkyrme相互作用を用いたハートリー=フォック方程式による計算では、Z = 126が陽子の閉殻として提案されている。周期表のこの領域では、中性子の閉殻としてN = 184、N = 196、N = 228が提案されている。したがって、最も関心のある同位体は310126、322126、354126であり、これらは他の同位体よりもかなり長命である可能性がある。魔法数陽子を持つ126番元素は、この領域の他の元素よりも安定していると予想され、半減期の非常に長い核異性体が存在する可能性がある[51]。 また代わりに、球状の安定の島306122を中心とする可能性もあり、これは二重魔法数かもしれないと考えられている[37]

核変形と相対論的効果を考慮した超重核での単粒子の解析では、Z = 126、138、154、164とN = 228、308、318の新しい魔法数が予想されている[9][66] 。したがって、291Cn、293Cn[20]298Flを中心とした安定の島に加えて、さらに二重魔法数の354126や472164、482164の周りにも安定の島が存在する可能性がある[67][68]。これらの原子核はベータ崩壊に対し安定で、比較的長い半減期でアルファ崩壊や自発核分裂によって崩壊すると予測されており、それぞれN = 228同中性子体近辺や152-168番元素にさらなる安定性を与えている[84]。一方で同分析によると、354126のようなケースでは、陽子殻の閉じ方が比較的弱いかまたは存在しない可能性がある。こうした原子核は二重魔法数ではないかもしれず、安定性は主に強い中性子殻の閉じ方によって決定されることになる[66]。さらに、第2の島(Z = 164)では電磁的な反発の力が非常に大きく、強い力に打ち勝つと考えられるため[85]、この領域周辺の原子核は共鳴としてしか存在せず、原子核を有意な時間で保つことができない可能性がある。また、これらの系列の間にある超アクチノイド元素のいくつかは、両方の島から離れすぎているために実際には存在しない可能性もあり[85]、その場合、周期表はZ = 130あたりで終わるかもしれない[57]

164番元素を超えると、核分裂性物質に対する安定性の限界を示す領域が中性子ドリップラインに収束し、より重い元素の存在に限界が生じる可能性がある[84]。とはいえ、Z = 210、274、354、N = 308、406、524、644、772とさらなる魔法数が予測されており[86]616210と798274の2つのベータ崩壊に安定な二重魔法核が発見されたが、同じ計算方法で298Flと472164も予測された(Z = 354で予測された二重魔法核はベータ崩壊に対し不安定で、998354は中性子不足、1126354は中性子過剰であった)。616210と798274にはアルファ崩壊や核分裂に対するさらなる安定性が予測されており、616210の半減期は数百マイクロ秒にも及ぶ[86]が、Z = 114や164で予測されているような大きな安定性の島は存在しないと考えられている。超重元素の存在は閉殻による安定化効果に強く依存しているため、核の不安定性と自発核分裂が安定の島を超えて周期表の終わりを決定することになるだろうと考えられている[57][72][84]

未発見元素の崩壊特性の予測[編集]

安定性の主要な島は291Cnと293Cnの周辺にあると考えられているため、オガネソンを超える未発見の元素は非常に不安定で、マイクロ秒以下でアルファ崩壊自発核分裂を起こす可能性がある。半減期が1マイクロ秒を超える正確な領域は不明だが、利用可能なターゲットや発射体との核融合反応で生成される、ウンビニリウムより重い元素の同位体は、半減期が1マイクロ秒以下となり検出されない可能性があることを様々なモデルが示唆している[39]。 一貫して予測されているのは、N = 184とN = 228、そしておそらくZ ~ 124とN ~ 198にも安定領域が存在することである。これらの核は数秒の半減期を持ち、主にアルファ崩壊と自発核分裂を起こすが、わずかなベータプラス崩壊(または電子捕獲)の分岐も存在するかもしれないと考えられている[87]。 これらの安定性が高まった領域の外側では、安定化効果が失われるために核分裂障壁が大幅に低下し核子の半減期は10−18秒未満になると予想される。特に、核子のペアによって障壁がさらに低くなる偶数-偶数の原子核では顕著である[84]。一般にアルファ崩壊の半減期は中性子数とともに増加し、最も中性子数の少ない同位体ではナノ秒、ベータ安定線(ベータ崩壊を起こさない核種群)に近いところでは数秒になると予想されている[28]。魔法数よりも中性子数が少ない原子核では結合エネルギーが大幅に低下するため、この傾向は崩れ、半減期は短くなる[28]。さらに中性子が不足している同位体も結合エネルギーが低く、陽子放出の可能性がある。クラスタ崩壊(重粒子放出)もいくつかの同位体の代替崩壊モードとして提案されているが[88]、これらの元素の同定にはさらに別のハードルがある。

出典[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b Seaborg, Glenn T. (1996年8月26日). “An Early History of LBNL”. 2011年2月25日閲覧。
  2. ^ a b Frazier, K. (1978). “Superheavy Elements”. Science News 113 (15): 236–238. doi:10.2307/3963006. JSTOR 3963006. 
  3. ^ Element 122 was claimed to exist naturally in April 2008, but this claim was widely believed to be erroneous. Heaviest element claim criticised”. Rsc.org (2008年5月2日). 2010年3月16日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r Fricke, B.; Greiner, W.; Waber, J. T. (1971). “The continuation of the periodic table up to Z = 172. The chemistry of superheavy elements”. Theoretica Chimica Acta 21 (3): 235–260. doi:10.1007/BF01172015. 
  5. ^ Kernchemie”. www.kernchemie.de. 2014年11月9日閲覧。
  6. ^ Schiff, L. I.; Snyder, H.; Weinberg, J. (1940). “On the Existence of Stationary States of the Mesotron Field”. Physical Review 57 (4): 315–318. Bibcode1940PhRv...57..315S. doi:10.1103/PhysRev.57.315. 
  7. ^ Kragh, Helge (2018). From Transuranic to Superheavy Elements: A Story of Dispute and Creation. Springer. pp. 6–10. ISBN 9783319758138 
  8. ^ a b c d e f g h Hoffman, D.C; Ghiorso, A.; Seaborg, G.T. (2000). The Transuranium People: The Inside Story. Imperial College Press. ISBN 978-1-86094-087-3 
  9. ^ a b Maly, J.; Walz, D.R. (1980). "Search for superheavy elements among fossil fission tracks in zircon". ReportNumber:SLAC-PUB-2554. 2021年11月28日閲覧 Cite journalテンプレートでは|journal=引数は必須です。 (説明)
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m Emsley, John (2011). Nature's Building Blocks: An A-Z Guide to the Elements (New ed.). New York, NY: Oxford University Press. p. 588. ISBN 978-0-19-960563-7 
  11. ^ a b Hofmann, Sigurd (2002). On Beyond Uranium. Taylor & Francis. p. 105. ISBN 978-0-415-28496-7. https://archive.org/details/onbeyonduraniumj0000hofm/page/105 
  12. ^ a b c d Epherre, M.; Stephan, C. (1975). “Les éléments superlourds” (フランス語). Le Journal de Physique Colloques 11 (36): C5-159-C5-164. doi:10.1051/jphyscol:1975541. https://doi.org/10.1051/jphyscol:1975541. 
  13. ^ a b c d e f g h i j Pyykkö, Pekka (2011). “A suggested periodic table up to Z≤ 172, based on Dirac–Fock calculations on atoms and ions”. Physical Chemistry Chemical Physics 13 (1): 161–8. Bibcode2011PCCP...13..161P. doi:10.1039/c0cp01575j. PMID 20967377. 
  14. ^ a b Seaborg, Glenn T. (c. 2006). "transuranium element (chemical element)". Encyclopædia Britannica. 2010年3月16日閲覧
  15. ^ a b A suggested periodic table up to Z ≤ 172, based on Dirac–Fock calculations on atoms and ions, Pekka Pyykkö, Phys. Chem. Chem. Phys., 2010, Advance Article [1]
  16. ^ Lougheed, R. et al. (1985). “Search for superheavy elements using 48Ca + 254Esg reaction”. Physical Review C 32 (5): 1760–1763. Bibcode1985PhRvC..32.1760L. doi:10.1103/PhysRevC.32.1760. PMID 9953034. 
  17. ^ Feng, Z; Jin, G.; Li, J.; Scheid, W. (2009). “Production of heavy and superheavy nuclei in massive fusion reactions”. Nuclear Physics A 816 (1): 33. arXiv:0803.1117. Bibcode2009NuPhA.816...33F. doi:10.1016/j.nuclphysa.2008.11.003. 
  18. ^ Modern alchemy: Turning a line, The Economist, May 12, 2012.
  19. ^ a b c Superheavy Element Search Campaign at TASCA. J. Khuyagbaatar
  20. ^ a b c d e f g h i Zagrebaev, Valeriy; Karpov, Alexander; Greiner, Walter (2013). “Future of superheavy element research: Which nuclei could be synthesized within the next few years?”. Journal of Physics 420 (1): 012001. arXiv:1207.5700. Bibcode2013JPhCS.420a2001Z. doi:10.1088/1742-6596/420/1/012001. http://nrv.jinr.ru/pdf_file/J_phys_2013.pdf. 
  21. ^ Search for element 119: Christoph E. Düllmann for the TASCA E119 collaboration”. 2017年4月5日閲覧。
  22. ^ a b c d e Superheavy Element Research at TASCA”. asrc.jaea.go.jp (2012年). 2016年9月23日閲覧。
  23. ^ Scientists will begin experiments on the synthesis of element 119 in 2019”. www.jinr.ru. JINR (2016年9月28日). 2017年3月31日閲覧。 “"The discovery of elements 115, 117 and 118 is an accomplished fact; they were placed in the periodic table, though still unnamed and will be confirmed only at the end of the year. The D.I.Mendeleev Periodic Table is not infinite. In 2019, scientists will begin the synthesis of elements 119 and 120 which are the first in the 8th period," said S.N. Dmitriev.”
  24. ^ Dmitriev, Sergey; Itkis, Mikhail; Oganessian, Yuri (2016). “Status and perspectives of the Dubna superheavy element factory”. Nobel Symposium NS160 – Chemistry and Physics of Heavy and Superheavy Elements. doi:10.1051/epjconf/201613108001. http://www.epj-conferences.org/articles/epjconf/pdf/2016/26/epjconf-NS160-08001.pdf 
  25. ^ a b Ball, P. (2019). “Extreme chemistry: experiments at the edge of the periodic table”. Nature 565 (7741): 552–555. Bibcode2019Natur.565..552B. doi:10.1038/d41586-019-00285-9. ISSN 1476-4687. PMID 30700884. 
  26. ^ “What it takes to make a new element”. Chemistry World. https://www.chemistryworld.com/what-it-takes-to-make-a-new-element/1017677.article 2016年12月3日閲覧。 
  27. ^ Chowdhury, P. Roy; Samanta, C.; Basu, D. N. (2008). “Search for long lived heaviest nuclei beyond the valley of stability”. Physical Review C 77 (4): 044603. arXiv:0802.3837. Bibcode2008PhRvC..77d4603C. doi:10.1103/PhysRevC.77.044603. 
  28. ^ a b c Chowdhury, R. P.; Samanta, C.; Basu, D.N. (2008). “Nuclear half-lives for α -radioactivity of elements with 100 ≤ Z ≤ 130”. Atomic Data and Nuclear Data Tables 94 (6): 781–806. arXiv:0802.4161. Bibcode2008ADNDT..94..781C. doi:10.1016/j.adt.2008.01.003. 
  29. ^ a b Oganessian, Yu. Ts.; Utyonkov, V.; Lobanov, Yu.; Abdullin, F.; Polyakov, A.; Sagaidak, R.; Shirokovsky, I.; Tsyganov, Yu. et al. (2009). “Attempt to produce element 120 in the 244Pu+58Fe reaction”. Phys. Rev. C 79 (2): 024603. Bibcode2009PhRvC..79b4603O. doi:10.1103/PhysRevC.79.024603. 
  30. ^ a b Hoffman, S. (2008). Probing shell effects at Z=120 and N=184 (Report). GSI Scientific Report. p. 131. 
  31. ^ a b Hofmann, S.; Heinz, S.; Mann, R.; Maurer, J.; Münzenberg, G.; Antalic, S.; Barth, W.; Burkhard, H. G. et al. (2016). “Review of even element super-heavy nuclei and search for element 120”. The European Physical Journal A 2016 (52): 180. Bibcode2016EPJA...52..180H. doi:10.1140/epja/i2016-16180-4. https://zenodo.org/record/897926. 
  32. ^ GSI (2012年4月5日). “Searching for the island of stability”. www.gsi.de. GSI. 2016年9月23日閲覧。
  33. ^ Weighty matters: Sigurd Hofmann on the heaviest of nuclei”. JPhys+ (2015年10月2日). 2016年9月23日閲覧。
  34. ^ Hofmann, Sigurd (August 2015). “Search for Isotopes of Element 120 ON the Island of SHN”. 213–224. Bibcode2015exon.conf..213H. doi:10.1142/9789814699464_0023. ISBN 978-981-4699-45-7 
  35. ^ Superheavy Element Research: News from GSI and Mainz” (2011年10月20日). 2016年9月23日閲覧。
  36. ^ Siwek-Wilczyńska, K.; Cap, T.; Wilczyński, J. (April 2010). “How can one synthesize the element Z = 120?”. International Journal of Modern Physics E 19 (4): 500. Bibcode2010IJMPE..19..500S. doi:10.1142/S021830131001490X. 
  37. ^ a b c d Kratz, J. V. (5 September 2011). “The Impact of Superheavy Elements on the Chemical and Physical Sciences”. 4th International Conference on the Chemistry and Physics of the Transactinide Elements. http://tan11.jinr.ru/pdf/06_Sep/S_1/02_Kratz.pdf 2013年8月27日閲覧。 
  38. ^ Hofmann, Sigurd (2014). On Beyond Uranium: Journey to the End of the Periodic Table. CRC Press. p. 105. ISBN 978-0415284950. https://archive.org/details/onbeyonduraniumj0000hofm/page/105 
  39. ^ a b c Superheavy Nuclei: which regions of nuclear map are accessible in the nearest studies”. cyclotron.tamu.edu. Texas A & M University (2015年). 2018年10月30日閲覧。
  40. ^ a b see Flerov lab annual reports 2000–2004 inclusive http://www1.jinr.ru/Reports/Reports_eng_arh.html
  41. ^ a b Thomas, R.G.; Saxena, A.; Sahu, P.K.; Choudhury, R.K.; Govil, I.M.; Kailas, S.; Kapoor, S.S.; Barubi, M. et al. (2007). “Fission and binary fragmentation reactions in 80Se+208Pb and 80Se+232Th systems”. Physical Review C 75 (2): 024604–1–024604–9. doi:10.1103/PhysRevC.75.024604. 
  42. ^ Lodhi, M.A.K., ed (March 1978). Superheavy Elements: Proceedings of the International Symposium on Superheavy Elements. Lubbock, Texas: Pergamon Press. ISBN 978-0-08-022946-1 
  43. ^ Audi, G.; Kondev, F.G.; Wang, M.; Huang, W.J.; Naimi, S. (2017). “The NUBASE2016 evaluation of nuclear properties”. Chinese Physics C 41 (3): 030001. Bibcode2017ChPhC..41c0001A. doi:10.1088/1674-1137/41/3/030001. http://amdc.in2p3.fr/nubase/2017Audi03.pdf. 
  44. ^ a b Marinov, A.; Rodushkin, I.; Kolb, D.; Pape, A.; Kashiv, Y.; Brandt, R.; Gentry, R. V.; Miller, H. W. (2010). “Evidence for a long-lived superheavy nucleus with atomic mass number A=292 and atomic number Z=~122 in natural Th”. International Journal of Modern Physics E 19 (1): 131–140. arXiv:0804.3869. Bibcode2010IJMPE..19..131M. doi:10.1142/S0218301310014662. 
  45. ^ Royal Society of Chemistry, "Heaviest element claim criticised", Chemical World.
  46. ^ a b Marinov, A.; Rodushkin, I.; Kashiv, Y.; Halicz, L.; Segal, I.; Pape, A.; Gentry, R. V.; Miller, H. W. et al. (2007). “Existence of long-lived isomeric states in naturally-occurring neutron-deficient Th isotopes”. Phys. Rev. C 76 (2): 021303(R). arXiv:nucl-ex/0605008. Bibcode2007PhRvC..76b1303M. doi:10.1103/PhysRevC.76.021303. 
  47. ^ R. C. Barber; J. R. De Laeter (2009). “Comment on 'Existence of long-lived isomeric states in naturally-occurring neutron-deficient Th isotopes'”. Phys. Rev. C 79 (4): 049801. Bibcode2009PhRvC..79d9801B. doi:10.1103/PhysRevC.79.049801. 
  48. ^ A. Marinov; I. Rodushkin; Y. Kashiv; L. Halicz; I. Segal; A. Pape; R. V. Gentry; H. W. Miller et al. (2009). “Reply to "Comment on 'Existence of long-lived isomeric states in naturally-occurring neutron-deficient Th isotopes'"”. Phys. Rev. C 79 (4): 049802. Bibcode2009PhRvC..79d9802M. doi:10.1103/PhysRevC.79.049802. 
  49. ^ J. Lachner; I. Dillmann; T. Faestermann; G. Korschinek; M. Poutivtsev; G. Rugel (2008). “Search for long-lived isomeric states in neutron-deficient thorium isotopes”. Phys. Rev. C 78 (6): 064313. arXiv:0907.0126. Bibcode2008PhRvC..78f4313L. doi:10.1103/PhysRevC.78.064313. 
  50. ^ Marinov, A.; Rodushkin, I.; Pape, A.; Kashiv, Y.; Kolb, D.; Brandt, R.; Gentry, R. V.; Miller, H. W. et al. (2009). “Existence of Long-Lived Isotopes of a Superheavy Element in Natural Au”. International Journal of Modern Physics E 18 (3): 621–629. arXiv:nucl-ex/0702051. Bibcode2009IJMPE..18..621M. doi:10.1142/S021830130901280X. オリジナルのJuly 14, 2014時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140714210340/http://www.phys.huji.ac.il/~marinov/publications/Au_paper_IJMPE_73.pdf 2012年2月12日閲覧。. 
  51. ^ a b Emsley, John (2011). Nature's Building Blocks: An A–Z Guide to the Elements (New ed.). New York: Oxford University Press. p. 592. ISBN 978-0-19-960563-7 
  52. ^ Petermann, I; Langanke, K.; Martínez-Pinedo, G.; Panov, I.V; Reinhard, P.G.; Thielemann, F.K. (2012). “Have superheavy elements been produced in nature?”. European Physical Journal A 48 (122): 122. arXiv:1207.3432. Bibcode2012EPJA...48..122P. doi:10.1140/epja/i2012-12122-6. https://www.researchgate.net/publication/229156774. 
  53. ^ Jason Wright (2017年3月16日). “Przybylski's Star III: Neutron Stars, Unbinilium, and aliens”. 2018年7月31日閲覧。
  54. ^ V. A. Dzuba; V. V. Flambaum; J. K. Webb (2017). “Isotope shift and search for metastable superheavy elements in astrophysical data”. Physical Review A 95 (6): 062515. arXiv:1703.04250. Bibcode2017PhRvA..95f2515D. doi:10.1103/PhysRevA.95.062515. 
  55. ^ SciShow Space (2018年7月31日). “This Star Might Be Hiding Undiscovered Elements. Przybylski's Star”. youtube.com. 2018年7月31日閲覧。
  56. ^ a b c d e f g h i j k l m n Hoffman, Darleane C.; Lee, Diana M.; Pershina, Valeria (2006). “Transactinides and the future elements”. In Morss; Edelstein, Norman M.; Fuger, Jean. The Chemistry of the Actinide and Transactinide Elements (3rd ed.). Dordrecht, The Netherlands: Springer Science+Business Media. ISBN 978-1-4020-3555-5 
  57. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p Fricke, Burkhard (1975). Superheavy elements: a prediction of their chemical and physical properties. Structure and Bonding. 21. 89–144. doi:10.1007/BFb0116498. ISBN 978-3-540-07109-9. https://archive.org/details/recentimpactofph0000unse/page/89 2013年10月4日閲覧。 
  58. ^ Nefedov, V.I.; Trzhaskovskaya, M.B.; Yarzhemskii, V.G. (2006). “Electronic Configurations and the Periodic Table for Superheavy Elements”. Doklady Physical Chemistry 408 (2): 149–151. doi:10.1134/S0012501606060029. ISSN 0012-5016. http://www.primefan.ru/stuff/chem/nefedov.pdf. 
  59. ^ Waber, J. T. (1969). “SCF Dirac–Slater Calculations of the Translawrencium Elements”. The Journal of Chemical Physics 51 (2): 664. Bibcode1969JChPh..51..664W. doi:10.1063/1.1672054. 
  60. ^ Amador, Davi H. T.; de Oliveira, Heibbe C. B.; Sambrano, Julio R.; Gargano, Ricardo; de Macedo, Luiz Guilherme M. (12 September 2016). “4-Component correlated all-electron study on Eka-actinium Fluoride (E121F) including Gaunt interaction: Accurate analytical form, bonding and influence on rovibrational spectra”. Chemical Physics Letters 662: 169–175. Bibcode2016CPL...662..169A. doi:10.1016/j.cplett.2016.09.025. 
  61. ^ Umemoto, Koichiro; Saito, Susumu (1996). “Electronic Configurations of Superheavy Elements”. Journal of the Physical Society of Japan 65 (10): 3175–9. Bibcode1996JPSJ...65.3175U. doi:10.1143/JPSJ.65.3175. https://journals.jps.jp/doi/pdf/10.1143/JPSJ.65.3175 2021年1月31日閲覧。. 
  62. ^ a b c d e Dongon, J.P.; Pyykkö, P. (2017). “Chemistry of the 5g elements. Relativistic calculations on hexafluorides”. Angewandte Chemie International Edition 56 (34): 10132–10134. doi:10.1002/anie.201701609. PMID 28444891. https://hal-cea.archives-ouvertes.fr/cea-01515489/document. 
  63. ^ Jacoby, Mitch (2006). “As-yet-unsynthesized superheavy atom should form a stable diatomic molecule with fluorine”. Chemical & Engineering News 84 (10): 19. doi:10.1021/cen-v084n010.p019a. 
  64. ^ Makhyoun, M. A. (October 1988). “On the electronic structure of 5g1 complexes of element 125: a quasi-relativistic MS-Xα study”. Journal de Chimie Physique et de Physico-Chimie Biologique 85 (10): 917–24. Bibcode1988JCP....85..917M. doi:10.1051/jcp/1988850917. 
  65. ^ a b c d e Kulsha, A. V.. “Есть ли граница у таблицы Менделеева?” [Is there a boundary to the Mendeleev table?] (ロシア語). www.primefan.ru. 2018年9月8日閲覧。
  66. ^ a b c Koura, H.; Chiba, S. (2013). “Single-Particle Levels of Spherical Nuclei in the Superheavy and Extremely Superheavy Mass Region”. Journal of the Physical Society of Japan 82 (1): 014201. Bibcode2013JPSJ...82a4201K. doi:10.7566/JPSJ.82.014201. https://www.researchgate.net/publication/258799250. 
  67. ^ a b Nuclear scientists eye future landfall on a second 'island of stability'”. EurekAlert! (2008年4月6日). 2015年12月17日閲覧。
  68. ^ a b Grumann, Jens; Mosel, Ulrich; Fink, Bernd; Greiner, Walter (1969). “Investigation of the stability of superheavy nuclei aroundZ=114 andZ=164”. Zeitschrift für Physik 228 (5): 371–386. Bibcode1969ZPhy..228..371G. doi:10.1007/BF01406719. 
  69. ^ Fricke, Burkhard (1977). “Dirac-Fock-Slater calculations for the elements Z = 100, fermium, to Z = 173”. Recent Impact of Physics on Inorganic Chemistry 19: 83–192. Bibcode1977ADNDT..19...83F. doi:10.1016/0092-640X(77)90010-9. http://kobra.bibliothek.uni-kassel.de/bitstream/urn:nbn:de:hebis:34-2008071622807/1/Fricke_Dirac_1977.pdf 2016年2月25日閲覧。. 
  70. ^ Penneman, R. A.; Mann, J. B.; Jørgensen, C. K. (February 1971). “Speculations on the chemistry of superheavy elements such as Z = 164”. Chemical Physics Letters 8 (4): 321–326. Bibcode1971CPL.....8..321P. doi:10.1016/0009-2614(71)80054-4. 
  71. ^ Cwiok, S.; Heenen, P.-H.; Nazarewicz, W. (2005). “Shape coexistence and triaxiality in the superheavy nuclei”. Nature 433 (7027): 705–9. Bibcode2005Natur.433..705C. doi:10.1038/nature03336. PMID 15716943. 
  72. ^ a b Gambhir, Y. K.; Bhagwat, A.; Gupta, M. (2015). “The highest limiting Z in the extended periodic table”. Journal of Physics G: Nuclear and Particle Physics 42 (12): 125105. Bibcode2015JPhG...42l5105G. doi:10.1088/0954-3899/42/12/125105. https://www.researchgate.net/publication/284213926. 
  73. ^ a b c Philip Ball (2010年11月). “Would element 137 really spell the end of the periodic table? Philip Ball examines the evidence”. Chemistry World. Royal Society of Chemistry. 2012年9月30日閲覧。
  74. ^ Eisberg, R.; Resnick, R. (1985). Quantum Physics of Atoms, Molecules, Solids, Nuclei and Particles. Wiley. ISBN 9780471873730. https://archive.org/details/quantumphysicsof00eisb 
  75. ^ Bjorken, J. D.; Drell, S. D. (1964). Relativistic Quantum Mechanics. McGraw-Hill. https://archive.org/details/relativisticquan0000bjor 
  76. ^ Greiner, W.; Schramm, S. (2008). “Resource Letter QEDV-1: The QED vacuum”. American Journal of Physics 76 (6): 509. Bibcode2008AmJPh..76..509G. doi:10.1119/1.2820395. , and references therein
  77. ^ Wang, Yang; Wong, Dillon; Shytov, Andrey V.; Brar, Victor W.; Choi, Sangkook; Wu, Qiong; Tsai, Hsin-Zon; Regan, William et al. (May 10, 2013). “Observing Atomic Collapse Resonances in Artificial Nuclei on Graphene”. Science 340 (6133): 734–737. arXiv:1510.02890. Bibcode2013Sci...340..734W. doi:10.1126/science.1234320. PMID 23470728. 
  78. ^ Indelicato, Paul; Bieroń, Jacek; Jönsson, Per (2011-06-01). “Are MCDF calculations 101% correct in the super-heavy elements range?” (英語). Theoretical Chemistry Accounts 129 (3–5): 495–505. doi:10.1007/s00214-010-0887-3. ISSN 1432-881X. https://dspace.mah.se/handle/2043/12984. 
  79. ^ Reinhardt, Joachim; Greiner, Walter (2015). “Probing Supercritical Fields with Real and with Artificial Nuclei”. Nuclear Physics: Present and Future. pp. 195–210. doi:10.1007/978-3-319-10199-6_19. ISBN 978-3-319-10198-9 
  80. ^ Holdom, B.; Ren, J.; Zhang, C. (2018). “Quark matter may not be strange”. Physical Review Letters 120 (1): 222001-1–222001-6. arXiv:1707.06610. Bibcode2018PhRvL.120v2001H. doi:10.1103/PhysRevLett.120.222001. PMID 29906186. 
  81. ^ Cheng-Jun, Xia; She-Sheng, Xue; Ren-Xin, Xu; Shan-Gui, Zhou (2020). “Supercritically charged objects and electron-positron pair creation”. Physical Review D 101 (10): 103031. arXiv:2001.03531. Bibcode2020PhRvD.101j3031X. doi:10.1103/PhysRevD.101.103031. 
  82. ^ Marcillac, Pierre de; Noël Coron; Gérard Dambier; Jacques Leblanc; Jean-Pierre Moalic (April 2003). “Experimental detection of α-particles from the radioactive decay of natural bismuth”. Nature 422 (6934): 876–878. Bibcode2003Natur.422..876D. doi:10.1038/nature01541. PMID 12712201. 
  83. ^ Considine, Glenn D.; Kulik, Peter H. (2002). Van Nostrand's scientific encyclopedia (9 ed.). Wiley-Interscience. ISBN 978-0-471-33230-5. OCLC 223349096 
  84. ^ a b c d Koura, H. (2011). “Decay modes and a limit of existence of nuclei in the superheavy mass region”. 4th International Conference on the Chemistry and Physics of the Transactinide Elements. http://tan11.jinr.ru/pdf/10_Sep/S_2/05_Koura.pdf 2018年11月18日閲覧。 
  85. ^ a b Greiner, W. (2013). “Nuclei: superheavy-superneutronic-strange-and of antimatter”. Journal of Physics: Conference Series 413 (1): 012002. Bibcode2013JPhCS.413a2002G. doi:10.1088/1742-6596/413/1/012002. http://inspirehep.net/record/1221632/files/jpconf13_413_012002.pdf. 
  86. ^ a b Denisov, V. (2005). “Magic numbers of ultraheavy nuclei”. Physics of Atomic Nuclei 68 (7): 1133–1137. Bibcode2005PAN....68.1133D. doi:10.1134/1.1992567. https://www.researchgate.net/publication/225734594. 
  87. ^ Palenzuela, Y. M.; Ruiz, L. F.; Karpov, A.; Greiner, W. (2012). “Systematic Study of Decay Properties of Heaviest Elements”. Bulletin of the Russian Academy of Sciences: Physics 76 (11): 1165–1171. Bibcode2012BRASP..76.1165P. doi:10.3103/S1062873812110172. ISSN 1062-8738. http://nrv.jinr.ru/karpov/publications/Palenzuela12_BRAS.pdf. 
  88. ^ Poenaru, Dorin N.; Gherghescu, R. A.; Greiner, W. (2012). “Cluster decay of superheavy nuclei”. Physical Review C 85 (3): 034615. Bibcode2012PhRvC..85c4615P. doi:10.1103/PhysRevC.85.034615. https://www.researchgate.net/publication/235507943 2017年5月2日閲覧。. 

関連項目[編集]